同作をpixivにも投稿しています。
注意点
二次設定、独自設定、独自解釈等があります。
オリキャラ(名無し男)との絡みになります。
1.
夜を二人で愉しむに当たり、「今夜は一緒に夢の世界へどうですか」なんて誘い文句は『お洒落』か、はたまた『気取り過ぎ』か。
しかし、その発言者が獏であれば、それはものの例えではなく、実際に夢の世界へご招待の台詞であり。
特別な力を持たぬ普通の人間でも、夢の支配者の力を借りれば意識と生身の体を保ったまま夢の世界を訪ねる方法はある。しかも、獏のように夢を自在に操る力――様々な前提条件や制約を踏まえたうえで、ほんの一欠片程度だが――を持って。
もっとも、そうして夢の世界へお邪魔したところで、そこで行うことなんて実を言えば普段と何も変わらない。深く、熱く、愛し合うだけだ。
2.
「さて、今日はどうするか、何かご希望はありますか? 以前も言いましたが大抵の夢は叶いますよ」
ドレミーはベッドに腰掛けると、デフォルメされた獏が描かれた枕を膝に乗せて、軽く首を傾げて笑う。
彼女が投げ掛けた問いは、端的に言ってしまえば『今日はどんな風に愛し合いますか?』というものだ。そして、それは彼女が続けた通り、この空間であれば並大抵のことは叶う。日用品や家具を出したり引っ込めたりは当然、拒否反応や適合の問題さえパスすれば、肉体を多少変化させることすら出来る。
つまり、衣装や小道具、シチュエーションまでも、何もかも自由自在だったりするが。
「んー……、正直に言うと、自分は特にこれってものは無いかな」
「急に決めちゃいましたからね。事前に分かっていれば良かったのですが」
そんな、まさしく夢のような時間ながら、今の自分には特筆して叶えたいアイデアは何も無かった。
それも仕方のないことで、これも先程ドレミーが言った通り、今回の夢の世界でのお楽しみは急遽決まったものだったからだ。色々な偶然が重なり、お互いの予定なんかの日取りは良好、一番肝要な彼女の妖力問題も、たまたま昨晩非常に上質な悪夢を沢山ご馳走になったらしく、過剰分から保存食もとい保存夢を確保してもなお有り余るくらいだとか。
「自分はそんな感じだけど、ドレミーの方は何かある?」
「私ですか? そうですね……」
尋ね返すと、ドレミーは再度首を傾げて少し思案して、「では」と口を開く。
「おめかしなんてどうでしょう。例えば、こんなのとか」
ドレミーは枕を脇に置いてひょいとベッドから降り、くるりと回った――かと思えば。
「少々馴染みのある方々を模してみたのですが」
いつもの黒と白を基調にした特徴的なワンピースから、一瞬にして服装が変わっていた。
白いレオタードに黒いストッキング、首元には付け襟と赤い蝶ネクタイ、唯一変更のない赤い帽子には兎耳を模した飾りが跳ねる。そして、頭の傍らに構えた手も指を曲げてぴょこんと折り、兎耳を模す。
所謂、バニーガールの衣装に身を包んだドレミーがそこに居た。
「あ、凄い。それに、可愛いし、似合ってる似合ってる」
瞬く間の早着替えに、まず驚愕が、次にその姿への感想が口を突く。
「それだけですか?」
だが、これらだけでは不満だったのか、ドレミーは一歩踏み出すとこちらを下からぐいと覗き込む。
「いや、その、露出が多いな、も、ある、けど……」
言ってもいいのか悪いのか逡巡していまい、言葉が途切れ途切れになりながらも、素直な感想を続ける。
ドレミーの肢体に密着したレオタードは、そのメリハリの利いた体を鮮明に浮かび上がらせ、鼠径部すら晒すほどに足回りの切れ込みは深い。黒のストッキングを纏うすらりと伸びた脚の脚線美は、素晴らしいの一言に尽きる。
肩や胸元を曝け出す服装だから当たり前ではあるが、豊かな胸で作られる深い谷間は丸見えで、こちらを上目遣いに見上げる前屈み気味の今の体勢では、それがより顕著だ。しかも、乳房の大きさに対して胸当ての面積が明らかに足りておらず、胸当ての縁で柔乳が撓んで今にも溢れてしまいそう。
それらをひっくるめて一言で評するのであれば、エロいとか、セクシーとか、煽情的等々になるが、流石にそれを直接伝えるのは憚られた。
「その、どこまで言っていいのか分からないけど、ドレミーはスタイルいいからすごく似合ってるし、可愛いし、綺麗だし……、そう、自分以外には絶対に見せたくない。そのぐらい、興奮、というか、目が離せない、というか……」
「もっと分かりやすく言って下さいな」
しどろもどろになる自分に対し、彼女は口の端を緩めて意地悪く笑う。
ええい、ままよ。
「……めちゃくちゃ、エロい、です。もう、結構そのつもりになってる」
「ふふっ、ありがとうございます。そんなに喜んでもらえたなら、甲斐がありますよ」
ドレミーは頬を緩ませて、にこりと微笑む。蠱惑的な魅力を携えた衣装ながら可愛らしい笑顔と、この姿だけでも非常に眼福を味わっていた。
現実ではこんな衣装を用意するのは難しい以上、夢の世界にいるうちに思う存分堪能しておこう――なんて心持ちで眺めていると、彼女は自らの胸元に手を当てて、もう一度柔らかく笑みを浮かべた。
「因みにですが、こちらの恰好にはもう一つ別案もありまして。どうでしょう、そちらも見てみますか?」
「別案? それは勿論、見てみたいけど……」
迷いなく頷きを返すと、ドレミーも「分かりました」と頷く。果たして、別案とは一体。
ドレミーは一歩離れると、まず首元をぽんと叩く。すると、首元を白いポンポンが付いた黒いケープが覆う。普段からよく身に着けているものだ。
次に手首の辺りを左右交互にとん、とん、と叩くと、バニー衣装に着替えた際と同じようにくるりと回る。
「……さて、こんな感じですが、どうでしょうか」
こちらに向き直った時には、既にお色直しは終わっていた。白いレオタードはそのままに、肩回りには燕尾服に近い黒く引き締まったスーツを纏っており、さながら奇術師を思わせる恰好だ。
ケープも合わせて胸元や肩回りの露出こそ減ったが、色合いも合わせてドレミーらしさを表現しつつも、瀟洒でセクシーな印象を強く抱く。
「こっちもすごくいいね。大きく変わったりはしてないのに」
イメージ通りのシンプルなバニーもアレンジを加えた今の姿も、どちらも非常にいいと賛辞を贈るが、ドレミーはふるふると首を横に振る。
「いえいえ、最後の仕上げがまだですから」
「最後?」
まだ何かアクセサリーでもあっただろうか、そう首を捻りつつも静観していると、彼女はレオタードの左右にある、前後を結び留める紐に手を掛けて、ぽん、ぽん、とそれぞれを続けて叩く。
すると、それらはするりと勝手にほどけたかと思えば、ほどけた先から溶けるように色が薄くなり、消えていく。
「え、あっ!?」
結び目があった部分、ドレミーの腰が露わになってもまだそれは止まらず、このままではと慌てる自分に対し、当人は口を可愛く尖らせてこちらをにやにや覗く。
レオタードが消えていく速度が燃え広がる炎の如くどんどんスピードを増し、瞬く間に腰からお腹、臍と素肌を露わにし、次の瞬間にはもう、胸元や股座まで――。
「……あ」
「別案は、これにて完成です。さて、どうですかね?」
目の前に改めて提示された、もう一つのバニー姿。レオタードが消え失せ、晒された胸元と股座は予想とは違い、しっかりと隠されていた。そう、隠されている、が。
つい、息を呑む。隠されたそこには、夢魂で作成されたと思わしき薄い紫色のハート型をしたニプレスと前貼りが、それぞれ乳首と股間を隠していた。
しかし、ニプレスは桃色の輪っかがはみ出てしまっているし、前貼りに至っては手入れの行き届いた陰毛が少し覗いてしまっている。恐らく、どちらもわざとだろう。しかも、ぴたりと貼り付いているようで、乳首はそのぷくっと膨れた突起を、前貼りも秘裂の形を浮かび上がらせていた。
それ以外にも、レオタード部分が消え失せれば必然胸当ても無くなり、衣装が持ち上げていた乳房は自然のまま、たぷたぷと重たげにそのボリュームを見せ付ける。
「ふふっ、現実ではあり得ないバニー姿だと思いますが、夢ですしこんなのもアリですよね」
自らが纏う服装の淫猥さに反して、ドレミーはあっけらかんとしている――、かと思いきや、よくよく見れば頬の赤みが増しているのに気付く。
「ドレミー」
「はい」
「……やっぱり、恥ずかしい気持ちはある?」
「……思いの他」
ドレミーは頬の赤みを強くして、むうと口を尖らせる。
「一つ目のバニーの時は、見るのは貴方だけだと思うとそこまででしたが、流石にこれはちょっと……。正直、単純な裸以上に恥ずかしいです……」
照れた様子で頬をぽりぽり掻くドレミー。ここに至るまでに見せてくれたバニー姿や、露出が多くとも落ち着いた雰囲気を崩さなかった彼女はとても瀟洒で素晴らしかったが、今の羞恥を堪える姿も少々嗜虐的だがとても可愛らしい。
「でも、俺は今の恰好も好きだよ。さっきまでとはまた違うけど、間違いなく可愛いし、文句なくめちゃくちゃエロい」
すると、ドレミーは伏し目がちだった顔を上げて、照れつつも微笑んだ。
「それなら、頑張った価値がありますよ」
そして、こちらに一歩ずつ歩み寄り、ベッドの縁に腰掛ける自分の隣に腰を下ろす。
「ここも、もうこんなになっていますし……?」
ドレミーはこちらに体を寄り掛からせ、太腿に手を当てると内側に滑らせていく。
「っ……」
撫で上げる手のくすぐったさに一瞬体が震えてしまうが、すぐにそれは別の感覚で上書きされる。既に膨らんで疼いていた股間を優しくさする、甘い快感に。
腕に当たる生の乳房の感触と、布越しながら柔らかい手の感触。横目でちらりとドレミーを見やれば、滑らかな乳肌と谷間は勿論、畳んだ股座には前貼り以外何もなく。
ズボンと下着の中で硬度を増し、脈動を強くする陰茎に煽られ、ドレミーの肩に手を回して抱き寄せ――ようとしたが、彼女は何も言わずに立ち上がってそれを躱してしまう。
「え、ちょ、ドレミー……?」
「そ、そんなにがっかりしないで下さいってば」
ここに来て拒否だなんて、と余程の顔をしていたのか、ドレミーは少し慌てた様子で手をぶんぶん振ると、こほんと一つ咳払いする。
「せっかくの衣装ですし、いつもと趣向を変えてみませんか?」
ドレミーは手を背中に回したかと思えば、どこからともなく紫の厚紙らしき物を取り出す。夢魂を駆使して様々な物を作り出すのはもはや見慣れた光景だが、その手際の良さにはいつも感心する。
「私が貴方に色々ご奉仕しますから、貴方は私にその対価を払う……という体でしてみるのはどうでしょう。そして、こちら本日のメニューとなっております。左がサービスで、右がお代ですよ」
そう手渡された夢魂性の厚紙、もといメニュー表を見やる。ドレミーが言った通り、項目は左右に分かれており、左側には行為が、右側にはそれらに対応しているらしい、彼女に支払うお代とやらが書かれていた。
それらにざっと目を通すが、これは……。
「まあ、こういう体裁こそ取ってはいますが、異論がないのであれば上から順番に行っていきますが。内容的にも、その方がスムーズですし」
「それは構わないけど……。え、じゃあ、これ全部する、ないし、していいの?」
「はい。貴方が『これは飛ばしたい』とか言わないのであれば。そうそう、お代に関してですが、項目によって先払いだったり後払いだったりバラバラですが、その都度頂きますので」
「それくらい構わないけど……。これ、お代って言うには……」
各項目の右側に書かれたものへ改めてざっと目を通すが、お代と呼ぶにはそぐわないというか、中にはむしろご褒美としか思えないものすらある。
「いえいえ、どれもこれも、とても大事ですよー」
当のドレミーはにっこり笑って、こちらの耳元に口を寄せて、そっと囁く。
「だって、私にとっては全て、素晴らしい報酬ですから」
ふわりと耳に掛かる甘い吐息と鼓膜を揺らす声に、ぞくりと背筋が震える。
それから一拍空けて彼女は顔を離すと軽く微笑み、メニュー表を傍らに浮かばせた。
「では、始めましょうか」
そして、一番上の項目を指差す。
これから始まるであろう、バニーを模したドレミーからの奉仕に早くも胸を高鳴らせつつ、自分の視線もそちらを向く。しかし、高まる期待に、そういえば、と自身の記憶が水を差す。確か、そこに書かれていたのは――。
「幕開けとなる一つ目ですが……。これは書いてある通り、サービス、ですね。所謂お試しです。なので、お代も要りません」
そう、そこに書かれているのは“サービス”の一文のみで、他には何も書かれていない。具体的に何をするのかも、そのお代も。
「さっきの生着替えみたいな、あんな感じ?」
「近いと言えば近いかもしれません。もう少し、直接的かもですが」
ドレミーはにこりと笑って一歩踏み出すと、こちらの後方にむかってふいと手をかざす。
「そのまま、それに背を預けてじっとしていて下さいな」
言われて後ろを振り向くと、そこには大きな夢魂製のクッションがどんと置かれていた。指示された通りゆっくり体を傾けて背中を預けると、クッションは思った以上にしっかりと背中を受け止め、上質で柔らかな背もたれとなって体重を支えてくれる。
これが本題ではないと分かってはいるが、これはこれで気持ちいい、なんて気を緩ませていると、対面するドレミーまでベッドに上がってくる。
「そのまま、ですよー」
彼女はクッションに身を委ねる自分の前で両脚を少し広げて膝立ちになると、こちらの肩に手を置いて、姿勢を整える。
サービスという名目ならば、頬や口元に口付けくらいだろうか――なんて考えていたが、思った以上にドレミーが体を構える位置が高い。しかし、彼女はそれを修正せずに、そこで体を止めた。
そうなると目の前に飛び込んでくるのは、ニプレスを貼り付けた美しく大きな乳房。それは些細な動作や呼吸ですらたぷたぷと震え、視線を自ずと釘付けにする。
「お手数ですが、貴方からも支えてもらえますか? 太腿の辺りだと、こちらとしても丁度いいのですが」
「……あ、ああ、うん。じゃあ……」
頭の少し上から降ってきたお願いにドギマギしつつも頷き、彼女の太腿をそっと掴む。滑らかなタイツの感触と、タイツ越しの脚の感触に心臓が跳ねる一方、自分の手が汗ばんだりしていないかと、つい心配してしまう。
「ありがとうございます。大きく動くつもりはないので大丈夫だとは思いますが、念のため。さて、準備も出来たところでますはサービスから、お楽しみ下さいね」
軽く微笑み、開始を宣言したドレミーは、こちらにゆっくりと倒れ込む。自分は後ろが固定されて逃げ場がない以上、彼女との距離はどんどん縮まり、当然目の前の乳房との距離も比例して縮まっていく。
やがて、鼻先に豊かな膨らみが触れ、双房が顔を左右から挟み、包む。ふわりと香るドレミーの甘い匂いと、顔中をたっぷりとした質感と柔らかな感触が覆い尽くし、人肌の体温が温かい。これら全てが、心身をとろとろに溶かしていく。
「おっぱい、どうですか? 貴方はおっぱい大好きですし、楽しんで頂けるかと思ったのですが」
乳房を顔に押し当てたまま、彼女は上半身を軽く揺らす。些細な動作ながら、豊満な乳肉はぷるぷる弾んで顔を撫で、極上の感触を与えてくれる。
「返事がありませんが、こうしていると喋りにくいでしょうし仕方ないですかね。それなら、無言はとりあえず肯定と受け取りますが……。はい、相変わらず無言ですし、やはり貴方はおっぱいが大好きということで」
こちらが何も言わない言えないのをこれ幸いと、どんどん話を進めていくドレミー。もっとも、口元まで乳房に埋まって声が出しにくいのは事実だし、問いへの返答も間違ってはいないので反論するつもりもない。
ただ、問題があるとすれば、これから投げ掛けられる問いへの返事は全て肯定になってしまうかもしれない。でも、ドレミーは楽しそうだし、この時間が続くのであれば、それはそれでいいのかも――。
「では、もっとぎゅーってしてあげますねー」
そんな思案を巡らせる間にも話は進み、ドレミーはこちらの肩に置いた手を首の後ろに回して、今までよりも少し強めに抱き締める。
豊かな柔肉は押し付けられて更に撓み、その柔らかさと弾力をこれでもかと叩き込んでくる。鼻孔をくすぐる甘い匂いももっと強さを増し、肺に取り込む空気すら、甘ったるく思えてしまう。
「楽にしていていいですからね。ゆっくり深呼吸して、力を抜いて、楽に……」
言われるがまま、息を吸って、吐いて、身体の力を抜く。
「ん、あっ……」
こちらの深呼吸で吐き出した息が胸に触れてくすぐったかったらしく、ドレミーは僅かに体を震わせて声を零す。その吐息が次はこちらの耳元を甘くくすぐり、ますます思考は蕩けて、もはや酩酊状態に近い。
心身を弛緩させる幸福感に絆され、ふわふわした心地で骨抜きにされていると、不意にその感覚が薄まってしまう。
後方に回されたドレミーの手が緩み、抱擁を止めてしまったからだと気付いたのは、つい顔を上げた自分と、こちらを見下ろす彼女の視線があった時だった。
「……あ、終、わり?」
「あらあら、そんなに残念そうな顔をしないで下さいな」
ふわりと優しく微笑んだドレミーに頬をそっと撫でられ、頬を掠めるくすぐったさに意識が戻る。このたった数分ですっかり虜にされてしまった。
「顔がだらしなーくなってますよ。そんなによかったですか?」
「……ずっとあのままでも、って思えるくらいには」
素直な感想を一切隠さずに伝えるとドレミーはふふっと笑い、頬をもう一度撫でる。
「それはそれで嬉しいのですが、少々勿体ないですよ。お楽しみはまだまだ沢山ありますから、ね?」
頬を撫でていた手は下へと伸びて、始める前と同じように下半身をすりすり撫でる。先程と明確に違うのは、ズボンの中の陰茎は甘く幸せな抱擁で完全に勃起し、解放を急かしていた。
「続き、したいですよね?」
ドレミーの問いに一も二もなく頷くと、彼女は口角を緩めて傍らに浮かぶメニュー表を引き寄せ、サービスと書かれた行を指先で横切る。すると、その行は消え、次の行が一番上に持ち上がる。
そこに書かれていたのは。
「次は、貴方のだーい好きなおっぱいを使ってのパイズリですよ。すぐにおかわりできて、嬉しいですね」
こちらの耳元でいかにもわざとらしく、とても甘ったるく囁いて、ドレミーはそっとベッドから降りる。
「少しだけ、お待ちくださいね」
そして、ベッドに座る自分の前で膝立ちになる。膝に何か敷かないと痛いのでは、と思いそちらを見やるが、床は搗き立ての餅みたいにむにゅりと彼女の膝をふんわりと包む。相変わらず、夢の世界だと色々と便利だ。
「まずは、下を脱いでしまいましょうか」
そう言うや否や、ドレミーはこちらの太腿辺りをぽんと叩く。刹那、彼女自身が衣装でそうしていたように、ズボンが下着ごと消え去ってものの一瞬で剥かれてしまう。
急に抑え込む衣服がなくなった肉棒はびんと立ち上がり、興奮と期待にどくどく脈打つ。
「もう少しだけ待って下さいねー」
早くも血気盛んな分身の様子に笑いつつ、ドレミーはまた夢魂を取り出す。しかし、それで何かを形作るのではなく、胸元に当ててクリームのようにすりすりと撫でさすり始める。
一体何を、と疑問に思うのも束の間、夢魂はこすれる傍から炎天下の地面に落とした氷の如く溶けていき、双丘をコーティングしていく。
「……はい、これで準備完了です。夢の世界だと楽でいいですね」
仄かに紫を残した、とろみのある粘膜を乳房全体にべったりと塗りたくり、ドレミーは朗らかに頷く。
それが何の役割を持つのかなんて、言われずとも分かる。逸る期待に心音が早鐘を打ち、視線は眼前の豊かな膨らみから離せない。
最後の仕上げか、彼女は乳房をたぷたぷ弾ませて入念に夢魂製の潤滑油を馴染ませると、左右から柔乳を寄せ合って持ち上げ、屹立の上に構える。
そして、豊かな乳肉が押し合う谷間を、陰茎の上からゆっくり下ろしていく。早くその感触を、質感を、熱を、味わいたい。早く、早く――。亀頭の先端に全ての意識が集中していると言っていいほど、今やその思いでいっぱいだった。
「……っ! く、うぁぁっ……」
天を差す亀頭の先端に乳肌が触れた刹那、情けない声が抑え切れず溢れ出す。それでも下ろされる手は止まらず、乳肉で作られた谷間に陰茎がずぶずぶと呑み込まれていく。
分身に触れる、至福の感触。温かくて、むにゅむにゅと柔らかくて、ぬるぬる滑って、肌触りも最高で、手が添えられた箇所の圧が少し強めなのも心地よくて――と、思考は完全に塗り潰され、既に下半身は重く疼き、肉棒もびくびくと大きく跳ね上がる。
乳肉を掻き分ける亀頭はやがて、その出口から飛び出す。同時に、乳房は腰にずっしりとした重みを与え、肉幹の全てが乳肌で包まれる。
「ふふっ、先っちょだけお顔を覗かせて、可愛らしいですねぇ」
「っ! く、あぁっ……」
ドレミーは溢れた亀頭に指先を当てて、鈴口を指先でくりくり弄る。元々敏感な箇所のうえ、意識も集中した状態で穿られ、情けない声が漏れてしまう。
「では、今からこのおっぱいで、むにゅむにゅずりずりってしてあげますから、出したくなったらいつでも出して下さいね?」
こちらを上目遣いに見上げ、口の端を持ち上げたお決まりの笑顔を見せると、乳房を左右からぎゅっと寄せて陰茎を押し潰す。ぬめる乳肌が強く吸い付く感触に思わず歯噛みした直後には、もう双房を上下に揺らして、谷間の中で震える屹立を扱く。
すべすべの乳肌が質量のある柔らかさを伴って、潤滑油ごと怒張に吸い付き、肉幹の根本から先端まで一切余さず撫でさする。それらから生まれる快感に加え、こちらをじーっと見つめるドレミーの視線が、背筋を強く震わせた。
「どうですか? いつでもと言った手前、実際に試してみるのは初めてですから、ちゃんと気持ちいいのなら嬉しいのですが」
「めちゃ、くちゃ、気持ちいい、よ」
「そうですか。それは何より」
非常に単純な語彙ながら、早くも息を切らしての回答にドレミーは満足気に笑う。
陰茎を包む乳房の感触は勿論、根本まで扱く際にたぷんたぷんと跳ね踊る乳房に腰を叩かれる感触もこれまた心地よく、その重量感にも興奮を煽られる。
何度味わっても飽きぬ彼女の豊かな乳房での奉仕に、声だけでなく腰まで震えてしまう。
「おや、もう下半身がかくかく揺れていますが……。ちょっと今日は早めですかね?」
「実は、もう、結構キツ、くて……!」
分身が引き絞られるような快感に耐えつつ言葉を切らせて返すと、ドレミーはふむふむと何度か頷く。
「なら、これからも夢魂を使った方がいいのでしょうかね。いつもは私が濡らしていますが」
「いや、ドレミーが、舐めたり、唾液とかで、してくれるのも、すごく、好きだよ。頑張ろうって、気概が、伝わってくるのが、嬉し、くて」
「そ、そう言って頂けるのは私も嬉しいのですが、少々恥ずかしいですね……」
途切れ途切れの美辞にドレミーは照れた笑顔を見せながらも、パイズリ奉仕の手は止めない。ちょっとしたお喋りの合間にも美巨乳がぎゅっぎゅと陰茎を挟み、押さえ付け、優しく扱き、射精を促す。
「多分、下準備が、すぐに終わったから、こっちの、心の準備というか、そういう余裕が、今の自分には、ない、かも」
「なるほどなるほど。確かにいつも通りなら、事前にお口でしたり、もっと塗り広げたりしますから、貴方も慣れる時間がありますね。それは私にとってもいい気付きです。今後の参考にさせて頂きますね」
ドレミーは新たな知見ににこにこ笑いつつ、陰茎への圧を少し緩めて、また強く圧迫する。振られた話題を返す程度の浅い思考と、快感に蕩けながらもすぐに終わっては勿体ないと踏ん張る精神、それらは今のところギリギリ成り立たせられているが、いずれ後者で埋め尽くされるのは目に見えている。
「うーん、やはりおっぱいでするのって楽しくていいですねぇ。貴方が気持ちよさそうにしている顔も、少しでもながーく味わおうと我慢しているのも、とっても可愛らしくて」
こちらの奮闘を余所に、ドレミーは相変わらず余裕のある笑顔を絶やさず、心底この奉仕を楽しんでいるようだ。
言われる本人としては、快楽に喘ぐ様にしろ一秒でも長くと耐えている様にしろ、それを可愛いなんて評されるのは非常に恥ずかしい。しかし、そんな羞恥は今この瞬間の至福に比べれば些末であり、彼女が求める表情を晒し続けてしまう。
「ですが、我慢し過ぎもよくないので、無理だと思ったら出して下さいね。繰り返しになりますが、いつでも構いませんから」
今までの挑発的な笑みは抑えて、優しく促すドレミー。その言葉に歯噛みしながら頷きのみを返すと、彼女はにっこりと頬を緩めた。
「では、貴方が少しでも気持ちよく射精できるように、私も今以上に頑張りましょうかね」
ドレミーは意気込む視線をこちらに向けると、乳房の圧をぎゅっと強めて陰茎の根本をがっちり抑え込む。
そして、一番下から亀頭の先端まで、じっくり時間を掛けて扱き始める。先端に辿り着けば乳圧を弱めてすぐに元の位置まで戻り、また扱いていく。
「こうやって、根本から集めるみたいにするの、好きですよね」
みっちりと詰まったボリュームのある乳肉、それも乾きを知らない特製潤滑油に満ちた谷間で肉幹を絞られる。その往復の度に陰嚢が強く収縮し、精液も一緒に絞られる感覚に襲われてしまう。
「あと、こうやってゆるーく弾ませるのも」
怒張を包む圧力が急に弱まったかと思えば、柔乳を掬う手の平を上下に揺らして乳肉ごとたぷたぷ弾ませる。
今までの柔らかくも締め付けるものとは違う、ただひたすらにふわふわ心地よい感触が、快感で埋め尽くされていた脳を容赦なく骨抜きにしていく。
搾精じみた激しい奉仕と、慈愛に満ちた抱擁を思わせる優しい奉仕。それらを交互に、時には片方を長く振る舞い、慣れ始めた頃にまた変えて、と乳房だけで完全に翻弄されてしまう。
鈴口から溢れる我慢汁は湧き出た傍から豊乳が纏う潤滑油の一部に溶けて、くちゅ、ぬちゃ、と粘液が攪拌する音が響く。
「さっきからずーっとおちんちんがびくびくってしていますよ? そろそろ限界では?」
「っ、そ、んなこと、くっ、うぁっ……!」
煽る視線で見上げるドレミーに少しでも反論すべく、ぐっと下半身に力を込めるが、お返しに乳圧を強められ、肺の空気が一気に漏れてしまう。
好みを知り尽くした奉仕に、もはや心身ともに陥落寸前であり、返事を発する余裕すらないまま、彼女に視線を送る。すると、ドレミーは優しく微笑んで、頷く。
「はい。では、最後にもう一度ぎゅってしてあげますから、おっぱいの中で出しちゃいましょうねー」
言い終わると同時に、陰茎を挟む乳房の圧が弱まる。射精を抑えるのに全神経を張り詰めていたとはいえ、快楽の拘束が緩むと我慢への気概もつられて緩んでしまい、快感への欲望が顔を出す。
もっと、味わいたい、終わって欲しくない。今まで幾度となく、自分をパイズリで絶頂まで導いてきたドレミーにはそんな心の推移すら完全にお見通しであり、気が綻んだその瞬間を見計らい、言葉どおりに屹立をぎゅっと柔らかく、強く抱擁した。
「くっ! あ、あぁっ!」
刹那、意地で抑え込んでいた我慢はいとも簡単に崩され、多大な快感が全身を一気に駆け巡る。陰茎はびくんと大きく跳ね上がり、だらだらと先走り汁を漏らしていた鈴口から、それとは比べ物にならぬ勢いで精液を吐き出していく。
飛び出した白濁は僅かに宙を舞ったあと、すぐに谷間に零れ落ち、先に溜まっていた白い水溜まりを色濃くし、水嵩を増やす。
絶頂の快感で白黒にちらつく視界の中で、ドレミーはこちらを穏やかな瞳でじっと見つめ、乳肉で丹念にゆっくりと擦り上げてくれる。零れた精液で更にぬめる柔らかな乳肌の感触を、絶頂直後の鋭敏な陰茎は如実に感じ取り、勢いに任せた射精に続き二回、三回と精液を吐き出す。
優しい精搾は射精が完全に落ち着くまで続き、やがてそれが治まると、彼女は乳房で扱く手を止めた。
「とっても気持ちよさそうでしたねー。ほら、こんなにいっぱい出ましたよー」
性感を高め、絶頂を迎え、精液を吐き出す。その一部始終を目の前で余さず観察していたドレミーは、満面の笑顔を浮かべてそう言うと、乳丘を軽く持ち上げて谷間をそっと開かせる。
夢魂元来の紫色がうっすらと浮かぶ乳肌に、それ以上に濃い白濁がべっとりと張り付き、滑らかな乳肌を汚す。ドレミーはそれを、まるで勲章のように誇らしげに掲げて、嬉しそうな笑顔を崩さない。
普段ならばこのあとは、自分か彼女自身が拭き取って後片付けするのがいつもの流れだが、奉仕を終えたバニーガールはここであの言葉を口にする。
「さて、ではお代を頂いておきましょうか」
そう、今回は先のお試しサービスとは違い、メニューの後ろにはお代の項目があった。そして、そのお代とは――。
ドレミーは中空に取り出した夢魂を薄い布状の形に変えると、白濁をたっぷりと浮かせた胸元をそれで拭き始める。紫の薄布は潤滑油代わりの溶けた夢魂や粘つく精液を、触れた傍からどんどん吸収し、元の艶やかな乳肌を取り戻していく。
やがて、それら全てを拭き終わると、ドレミーは薄布をぎゅっと潰して一口サイズまで縮め、自身の口内へ迷いなくぽいと放り込む。
「あ、むっ……、ん……」
それをしっかり咀嚼し、こくん、こくんと喉を二回跳ねさせると、ドレミーは口の端をぺろりと舐め、こちらを見て青い瞳を細める。
「ふふ、貴方の精液、美味しい……。ご馳走様でした」
彼女が今回提示していたお代。それは、この搾り出されたばかりの白濁だった。
「……本当に、お代、こんなのでいいの?」
「勿論。立派な対価、ですよ」
こちらとしても損失と呼べるものが全く無いお代について改めて問うが、ドレミーは平然と頷きを返す。
ドレミーと愛し合う際、こうして自分の精を取り込むのは珍しくはないし、本人曰く趣味と実益を兼ねたものと評する。今まさに自分達が存在するこの空間だって、日々の獏活動と、こんな風に精を取り込んで蓄えた妖力の過剰分をコツコツと貯めたからこそ為せる業だ。
「言うまでもないとは思いますが、今日貴方が出してくれる精液は、全て私のものですからね。まあ、つまるところ普段と同じですが」
ドレミーは膝立ちから立ち上がると、ベッドに登ってぺたりと腰を下ろし、こちらの鼻先をちょんとつつく。
「それに、次回以降のお楽しみにも繋がりますし。こんなのなんて卑下せず、今日もたくさん下さいね?」
小首を傾げ、遠慮なんていらないと口角を緩めたおねだりと愛らしい所作だけで、我ながら単純だがやる気は湧くもので。
すぐさま頷くと、ドレミーは口元を手で隠して笑みを零す。
「では、そろそろ次に進みましょうか」
パイズリを行う前に片付けていたメニュー表をまた取り出して、最初と同じように済ませた項目に横線を引いて消すと、その下の項目を指差す。
そこに書かれているのは、ニプレス、の四文字のみ。今回も、お代の部分には何も書かれていない。
「先に補足しておきたいのですが、こちらの項目は貴方の選択次第でして、飛ばすことも出来ます。そのうえで、これ、剥がしてみたいですか?」
そう言ってドレミーが次に指差したのは、自らの乳房に貼られた、夢魂で作られたハート型のニプレス。乳輪をギリギリ隠す程度の大きさしかないそれが剥がれれば、当然その下に隠したものが露わになってしまう。
一糸纏わぬ彼女の姿だって今まで幾度と見ているとはいえ、今みたいに隠されていると、秘められたものを見てみたい、曝け出させてやりたいと、下賎な欲求が強く湧き上がってくる。
「剥がしたい、です」
「はい、承りました。それと、これにはオプションもありまして」
「え、オプション?」
すっかり意識がニプレスに向いていたところで掛けられた台詞に、ついオウム返しに尋ね返すと、彼女は「はい」と頷く。
「どうします? 付け足しておきますか?」
「……その前に、内容を訊いても?」
「秘密です」
「……秘密かぁ」
口元に立てた人差し指を当てて、ドレミーは笑う。まあ、少なくともこのムードを壊すものではないと思うし――。
「せっかくだし、そのオプションも一緒に頂こうかな」
「分かりました。では、付与しておきますね」
ドレミーは傍らのメニュー表を手に取ると、さらさらと何事か記入し、もう一度こちらに見せた。
「では、今回のお代は先払いですので……」
改めて、当該部分に目を向けると、そこには『おっぱいをお好きにして構いませんから、いっぱいほぐして気持ちよーくして下さい』という、今書いたばかりと思わしき文字が浮かんでいた。どうやら、オプションの有無でお代が変わるから、先程まで無記入だったらしい。
本当に、こんなことで。そう思いつつ、ドレミーを見やると、彼女は小さく笑って「どうぞ」と少し胸を張る。
そんな些細な所作でも、ニプレス以外に何もない豊乳はぷるんと弾む。言葉でも仕草でも誘われるまま、目の前の双房を両手でそれぞれ、下から鷲掴むように優しく持ち上げた。
「んっ……」
手の平からすぐさま伝わる、ずっしりと重く圧し掛かるボリューム感と、手の平でたぷたぷ揺れる柔らかな感触。視覚だけでもそれらを強く見せつけていたのに、触れてみるとまた一段と凄まじい。
五指に軽く力を込める。豊満な乳肉は押し込む指を柔らかく包み込み、ハリがありつつもふわふわした感触を返してくれる。
ひとたびこれを味わってしまうと、あとは指が勝手に動いてしまう。力を入れ過ぎないように気を付けて、指先から手の平全体を使ってふにふに揉む。
「あ、んっ……、あっ……」
先程、陰茎に散々叩き込まれたぬめり滑る感触とはまた異なる質感を、ドレミーの甘い吐息も合わせて夢心地で楽しんでいる――と、心なしかある違和感に気付く。
あれ、と軽く首を傾げて指も止めると、ドレミーも揃って小首を傾げた。
「どうかしましたか?」
「……ん、いや、何でもない」
若干、本当に若干だが、乳房が張っている気がする。まあ、気のせいかもしれないし、このくらいなら日々の体調如何かもしれないが。
「ごめん、やっぱり一つ聞くけど、痛いとかない?」
「いつもそれ気にしますね。いや、気にしてくれている、ですね。お気遣いありがとうございます」
ドレミーはこちらにきちんと視線を合わせて、会釈程度に頭を下げる。
「でも、いつも通り、優しくて気持ちいいですよ。もし何かあればちゃんと言いますから、ご安心を」
にこにこした笑顔で、乳肉を持ち上げるこちらの腕を撫でるドレミー。
逆に気を遣わせてしまったかな、なんて思いつつ、本人が大丈夫と言うなら杞憂だったのだろう、と結論付け、乳房を揉む手を再開させる。自分が楽しむだけでなく、彼女にも気持ちよくなってもらえるようにと意識して。
指先から手の平へ向けて段階的に力を入れ、沈ませる指を押し返す弾力と柔らかさを堪能し、揉みほぐす。時折、指先だけを使って下から軽く弾くと、掬う手の平の上でたぷんたぷんと豊満な柔肉が揺れ弾み、その重みがまた心地いい。
そんな風に極上の美巨乳を楽しむ傍ら、乳房をマッサージするように優しく撫でていく。胸元や脇の辺りからも感覚を集めるように外側のシルエットを滑り、下弦に辿り着けば次は上へと撫でる。夢魂製のニプレス――つるつるしていて、厚みは薄い紙や布と殆ど変わらないようだ――にも手が当たるが、それはぴったりと貼り付いて、端すらも剥がれはしなかった。
「んっ、ふふ、気持ちいいですけど、少しくすぐったいですね」
「嫌じゃない?」
「嫌なんかじゃありませんよ。もっとして下さいな」
ドレミーのおねだりに気を良くし、何度も繰り返し撫でていく。時にはくすぐるように指先だけを乳肌の上や乳房のラインに沿わせてやると、彼女はぶるりと体を震わせる。
「あっ、んっ、はぁ、んっ……」
微弱な刺激を絶え間なく与えられる肢体が漏らす吐息の色艶は次第に増し、ハート型のニプレスの中心で薄らと形を浮かばせていた突起は、更にぷくっと浮かび上がってくる。乳房を撫でる指先にまだ引っ掛かりこそしないが、ニプレスの中で徐々に勃起し始めているのは一目瞭然だった。
そういえば、これを剥がすのはあとのお楽しみだが、触れるのは禁止されていなかったし、少し撫でた時も特に何も言われなかった。
それなら、と僅かに桃色を覗かせる乳輪に軽く指先をあてがい、ハートの形に添って指先を這わせる。感覚がぶれないように他には何も触れず、ただ両方の乳首の周りを指先でなぞるだけ。
「あっ、んっ……! そこ、はぁっ、あ、あぁっ……!」
ハートから溢れた、少しだけふっくらと盛り上がる乳輪をなぞるだけでも喘ぎ声は乱れ、びくっ、と体も大きく跳ねさせる。
もどかしそうな、甘えるような吐息。こちらを見つめる青い瞳に、じわりと熱が纏う。
その視線に促され、乳輪の周りでゆらゆらと燻らせていた指先を、素早く横切らせてニプレスの中央をすっと弾く。
「あっ! あぁ、はぁっ……!」
瞬間、ドレミーは今まで以上に高い嬌声を上げ、乳房ごと上半身をびくんと震わせる。
その一撫でを皮切りに、形をはっきり浮かばせる突起をニプレス越しにすりすり撫でさすってやれば、それは如実に硬さを増して確かな感触を返してくる。
指先で乳肌を緩くくすぐっては乳輪を撫で、それらだけでなく双房をむにむにと揉んでは乳房全体を柔らかくほぐしていく。今や手の平でニプレス越しに突起を撫でるのも一切厭わず、普段行うものと何一つ変わらない愛撫で彼女の豊乳を楽しみ、本人にも気持ちよくなってもらう。
「ん、あぁんっ……! あ、あぁっ……、はぁんっ……!」
「ドレミー、俺はずっとでもしたいくらいだけど、そろそろ、どうする?」
零れる吐息には明らかな官能が見え、撫でる乳肌も段々としっとり汗ばみ始める。『気持ちよくして下さい』と言われた通り、それに努めつつ自分も楽しんでいたが、この辺りで一旦区切ってもいいかもしれない。非常に名残惜しいが。
「そう、ですね。ふふっ、とっても気持ちよかったですよ。それでは、少々お待ちを……」
ドレミーは何度か大きめに息を吐いて呼吸をある程度整えると、自らの胸の前に手をかざしてひらりと横切らせ、口の端を緩めた。
「はい、これであとは端っこを引っ張ればすぐに剥がれますが、できれば優しくお願いしますね?」
言われ、右側のニプレスに横から少し触れてみると、指が乳肉に沈むのとほぼ同時に、端が少しだけ捲れる。見かけ自体は何も変わっていないのに、あんなにしっかり貼り付いていたのが、今や粘着力のなくなったテープのようだ。
ニプレスの縁に指を滑らせてハートの一番下まで持っていき、そこを指先で摘まんで軽く上に引っ張る。僅かに残った力でニプレスは乳房をほんの少し持ち上げるが、それ以上は貼り付く力が完全に負け、ゆっくりと剥がれていく。
徐々に露わになっていく乳輪の桃色に胸を高鳴らせながら引っ張ると、やがて浮き出た突起部に差し掛かる。
「んっ……!」
乳首を覆うニプレスを剥がした瞬間、ドレミーは色付いた高い声を上げる。
今まで隠していたせいか、とうとう露わになった大きく膨れた肉蕾の姿に、いつも以上に目を奪われてしまう。興奮に煽られて零れた息にくすぐられ、彼女が体を小さく震わせた、その瞬間。
「あ、ん、あぁっ……」
潜めた声に合わせて、乳首の先端近くから白い液体がぽつぽつ滲み出て、桃色の乳輪に薄い白を添えながら豊乳を伝い垂れ落ちていく。
これは、まさか。と、ドレミーの方を見上げると、彼女はにこりと笑う。
「ふふ、オプション、ですよ。以前のこと、覚えていますか?」
「ま、まあ……。あの、今回みたいに夢の世界でした時の、でしょ?」
ドレミーはうんうんと数回頷いて肯定する。その時は色々あって彼女の胸から母乳が分泌されたが、今溢れているこの白い雫もやはり母乳で間違いないようだ。
透き通る乳肌をゆっくり垂れていく母乳から目が離せずにいると、ドレミーは指先でそれらを掬い、二本の指でくちゅくちゅと捏ねる。
「あの時、貴方は大層楽しんでいたようでしたし、私も貴方に飲んでもらえるのがとっても気持ちよかったですし、せっかくなら今回も、なんて思いまして」
そして、甘えた視線をこちらに向けると。
「とはいえ、繰り返しになりますがあくまでオプションなので、余計だと仰るのであれば止めますが」
傾げた首を反対側に傾げさせて、ドレミーは尋ねる。回答なんて分かり切っているくせに、またわざとらしい。
「……いや、このままで」
「分かりました。貴方もお好きなようで良かったです。お陰で無駄にならずに済みました」
余計だ、なんて言うはずは当然なく。
バレバレでもやはり照れ臭さは感じつつもそう返すと、ドレミーは嬉しそうに笑う。
「では、こちらも剥がしてもらえますか?」
続けての催促に頷き、もう片方のニプレスに指を掛けて端を捲る。
既に露わになって、母乳を垂らす乳房につられたのか、たったそれだけの刺激に母乳は早くも乳腺から溢れて滲み、とろりと垂れていく。
荒っぽくしないように逸る気持ちを抑え、それでも最大限急かして、ニプレスを剥がす。さっきよりも少し勢いがついてしまったからか、その拍子に乳房がぷるんと弾み、母乳も小さくだが噴き出てしまう。
「んっ……! ふふ、ありがとうございます。これですっきりしました」
ドレミーは胸を張り出して「んーっ」と伸びをすると、指をパチンと鳴らす。瞬間、指先で摘まんでいたはずのニプレスを模っていた夢魂は溶けるように消滅してしまった。
「さて、本来はニプレスを剥がしたら早々に次のご奉仕へ、のつもりだったのですが、今回はオプション付きですし……」
言いながら、ドレミーは母乳が滴る乳房に手を添えて持ち上げると、手の平の上でたぷたぷ揺らす。
「こちら、どうですか?」
「……いいの?」
「勿論。いいも何も、そのためですし」
なんとなく、そういうことだろうと分かっていてもついつい聞き返してしまう。対するドレミーは当然とにこやかに頷いて豊乳から片手を離すと、脇に置かれた枕を引っ張ってきて、軽くぽんぽん叩く。
簡潔な下準備ながら、だからこそすぐにこれから何を行うのかが瞬時に理解できてしまう。早速心臓が早鐘を打つ中、そっと枕に頭を預けて仰向けに寝転ぶと、ドレミーも添い寝をするように体を横たえる。
そして、こちらに肢体を寄り掛からせ、脚もこちらの脚の上に乗せて絡ませ、乳房を持ち上げて先端を口元に寄せてくる。
「さ、いつでもいいですよ」
視界に大きく飛び込む、滑らかな乳肌と母乳が滴る豊乳。二プレスのなくなった桃色の乳輪と乳首に加えて、その付近からじわじわと滲んでは垂れ落ちる、白い母乳。
まだ僅かに残っていた遠慮の気持ちも、甘ったるい香りを放つそれらを目の前にするとあっさりと吹き飛んでしまい、一も二も無く乳輪ごと咥え込む。
「あっ、んっ……!」
瞬間、乳首やその周りに滴っていた母乳が舌に触れ、その味が口内に広がっていく。
味蕾から伝わる、ふわりと優しく甘い味覚。それはあっという間に脳髄にまで伝わり、以前に味わった際の記憶を呼び起こす。
その時に比べて少しだけ甘味が強いような、でも、相変わらずすごく美味しくて――、なんて記憶と照らし合わせる間にも、次を求めて乳突起を吸う。すると、乳腺からは新たな母乳がすぐに溢れ、また口内を甘味で満たしていく。
「あっ、はぁ、あぁっ……。やっぱり、吸ってもらえるの、気持ちいいです……」
口付けた乳房から母乳を吸い上げる度、それに合わせてドレミーは色っぽい息を長く吐く。以前にも同じことをした際に、『この母乳は求めれば求めるだけ出る』なんて言っていたが、今回もそれと同じなのだろう。
止めどなく溢れる母乳で喉を潤していると、やがてもう片方の柔乳からもぽたぽたと溢れ出し、こちらの体に零れ落ちてくる。求めるだけ出るとは言っても、ただベッドに零れていくのは勿体ない――と、そちらに目移りするのとほぼ同時に、ドレミーは吸っていた方の乳房を持ち上げて口腔から引き抜くと、はあ、と一つ息を吐く。
「こちらも、吸ってくれますか?」
そう言うなり彼女はこちらにより覆い被さって、もう片方の乳肉も口元に預ける。
言われるまま、すぐに咥え込んで滴る甘露を飲み下すと、ドレミーは唇を少しだけ緩ませた。
「あっ、ん……。あの日から、練習がてら時折一人でも試したりしたのですが、はあぁぁっ……、自分で搾るよりも、貴方にこうして飲んでもらう方が、ずっと気持ちいいです……。ふふっ、なんだか、んっ、不思議ですよね」
優しく表情を綻ばせて、ドレミーは喘ぎ混じりながら穏やかにそう語る。
その嫋やかな様子に反して自分の脳裏に浮かぶのは、自ら美巨乳を曝け出して先端付近を指先で摘まんで母乳を搾る、彼女の姿。指先が乳肉に沈む度に勢いよく母乳を噴き出し、色っぽい吐息を漏らして頬を赤らめ、でも、飲んでもらっていた時の方がもっと気持ちよかった、また飲んで欲しいと思案しては身を震わせる、彼女の姿。
つい幻視した――恐らく、事実とそう違わぬ――光景に強烈な官能を覚えてしまい、それに煽られるように吸引も強めてしまう。
「あっ! はぁんっ! そんなに、吸っちゃ……!」
体の震えを強くするドレミーに厭わず母乳を求めて息が切れるまで吸い上げ、ぷはっと口を離す。強く吸ったせいか、乳首はすっかり唾液に塗れてしまい、咥える前よりもほんのりと朱に染まっていた。
「はっ、あぁっ、んっ……、はぁっ……」
いきなりの激しい搾乳に彼女は呼吸を乱していたが、少し長めに息を吐いて落ち着けると、こちらを見下ろして微笑んだ。
「やっぱり気持ちいいですね、これ。私、すっかり好きになってしまいました」
ドレミーは授乳行為で得る快感と興奮に頬を朱に染めて、噛み締めるように零す。その陶然とした雰囲気に見惚れていると、はあ、と彼女はもう一度息を吐いて、口を開く。
「貴方は、どうですか?」
「……えーっと」
「教えて下さいな」
こちらを覗き込む、しっとりと濡れた青い瞳に追求されて頬を掻く。
どう思っているかなんて、分かり切っている癖に。どうやら、自分の言葉で言わせたいらしい。
「……最高、です。文字通り夢中になっちゃうし、こうして夢の中でするときは、毎回お願いしたいくらい、最高です」
「……では、もう一つお尋ねしますが、美味しいですか?」
「毎日飲みたいくらい」
一切を包み隠さず本心を答えると、ドレミーは口の端を持ち上げて満足気に笑う。
「そこまで言って頂けるなら、嬉しい限りです」
提案も実行もドレミーからとはいえ、大の男が甘い母乳に夢中だなんて恥ずかしくて、つい顔を逸らしてしまう。もっとも、そんな反応すらいいスパイスにしかなっていないのは分かっているが。
そうして視線を下げていたが、ふとあることを思い出し、また視線を上げて彼女に向き直り、尋ねる。
「そういえば、おっぱい揉んでる時に痛くないか聞いたけど」
「はい、ありましたね」
「あれ、ドレミーの胸がなんだか張ってる気がしたからなんだけど、これのためだったから?」
すると、彼女は少し考える素振りを見せて、数回小さく頷く。
「……あー、そのせい、ですかね。些細な違いだと思いますが、よくお気付きに。せっかくのサプライズがあやうくバレてしまうところでした」
些細な違いだっただろうに、我ながらよく気付いたものだと感心する。とはいえ、普段からどれだけ彼女の乳房にお熱なのだという話でもあるが。
「危ない危ない」と笑って零すと、ドレミーはこほんと咳払いし、再度乳房を持ち上げる。少し間を空けただけなのに、その先端付近は既にじっとりと母乳に濡れていた。
「続き、しましょう? あと、こちらもそろそろ、どうですか?」
乳房を差し出す彼女の手が、こちらの下半身を優しく撫でる。手でも口でも、たっぷりとドレミーの乳房の魅力を味わったお陰で、分身は完全に復活し、硬く勃起していた。
「お、お願いします」
そんなお誘いを無下にするわけはなく、ついつい気が逸ってつっかえながらも返事をすると、ドレミーは可笑しそうに笑って頷く。
「でも、その前に今回も、あれ、付けさせてもらいますね」
そして、小さな夢魂を取り出すと、それを指先で潰す。夢魂はぷちゅっと弾け、パイズリの準備をする際に胸に纏わせていたものに近い、見るからにぬるついた液体となって、手の平を薄い紫が覆っていく。
そうして夢魂の膜を手に纏わせると、その手で亀頭をそっと包み、扱くようにそのままゆっくりと根本まで下ろす。
前戯と呼ぶにしても非常に弱い刺激だが、快感を与えるのが本題ではないのは自分でも分かる。まず、ドレミーの意図は。
「……はい、準備完了です」
彼女は肉幹の根本近くを軽く摘まみ、引っ張る。そうなれば、当然、皮膚が伸びる――なんてことはなく、紫がかった非常に薄い膜が指に引っ張られていく。
やっぱり、と一人納得する。今、屹立は先程ドレミーが自身の手に纏わせた夢魂の膜に、ぴったりと覆われているのだ。さながら、避妊具のように。以前、ドレミーと夢の中で楽しんだ際にも同じ物を使ったから覚えている。
但し、薄膜で包んで『陰茎から排出される全て』を内部に留める普通の避妊具と違い、『精液だけ』を留める性質を持ったこれは、どちらかと言えば網に近い。装着した瞬間を見たうえでも、何も付けていないと思ってしまうのもその所為だ。精液以外には、薄膜で阻む効果が発揮されないのだから。
「うんうん、ちゃんとできていますね。それでは……」
自らの手でもその質感を確かめると、ドレミーは満足気に頷く。そして、改めて肉棒を緩く掴むと、ゆっくりと上下に動かして扱き始める。
細くしなやかな指が怒張の上を滑る感覚に、下半身を甘い快楽が駆け、ぞくりと背筋が震える。薄膜越しのはずなのに、その感触は直に触れられているのと何ら変わりない。
「ほらほら、早く吸って下さいな」
小休止程度に話したり夢魂を纏わせたりで中断していた授乳を、ドレミーは乳房を手の平で掬って弾ませ、再開を促す。弾む動作に合わせて小さく母乳が噴き出す光景と、それに伴う甘い味覚と言葉に煽られ、また甘露を求めて乳房を咥え込む。
「んっ……、そうそう、いっぱい、飲んで下さいね」
母乳を吸い始めると、ドレミーは優しく微笑み、穏やかな手つきで頭をよしよしと撫でてくれる。
扱われ方で言えば、子どもどころか文字通り乳飲み子と何ら変わらず、大の男である実際の自分とのギャップに羞恥の気持ちが自ずと湧き上がってくる。しかし、それ以上の心地良さと、ふわふわと蕩ける思考には、中断の選択肢は存在せず。
緩やかな手コキによる快感も合わさり、視界までもがどこかぼんやりとした、仄かに霞がかったものへと変わっていく。
「あ、はぁ……、ん、よしよし、好きなだけ、いいですからね……」
唯一変わらずに鮮明なのは、ドレミーの少し赤らんだ優しい表情と僅かに乱れる吐息、心身を満たす幸福感と快感。授乳行為で得る快楽と背徳感に反した温かな笑顔に見守られ、じわじわと全身を侵食していく甘ったるい心地は、もはや高揚よりも安穏の方が強くなってしまう。
いつまでもこうしていたい、そんな感慨に深く浸りながら授乳を続けるが、呼吸という生理現象にはどうしても抗えず、息継ぎに一旦口を離す。
「あっ、ん……。ふふっ、とても気の緩んだ、もとい可愛らしいお顔でしたよ」
「……それを言うならドレミーも、ね」
「おや、言いますねぇ」
今更そんな煽り文句に逐一照れたり恥ずかしがったりしない――本当はまだ完全に開き直れていないので若干言い淀んだが――と、授乳で表情を緩めていたのお互い様だと指摘してやると、ドレミーはこちらの頭を撫でて、その返しを讃える。その所作だけでちょっと嬉しくなってしまう辺り、実際はどちらが優位かなんて火を見るよりも明らかだった。
「二人一緒に楽しめるのならば、それが一番ですからね。それだけで私も嬉しいですし、甲斐がありますよ」
そう続けて、彼女は今までの見守るような微笑みではない、嬉々とした明るい笑顔を見せた――のも束の間、口角をにやりと持ち上げる。
「……ですが、他にもたくさんお楽しみは用意していますし、私もそろそろ欲しいので」
「うっ、くぁっ……!」
その瞬間、亀頭を“何か”で不意に撫でられ、くすぐったさに情けない声が出てしまい、下半身ごと跳ね上がってしまう。
この、ふさふさで、さらさらで、柔らかくな感触は、恐らくドレミーの。
「びっくりさせちゃいましたか?」
にやつく彼女の背後で、すらりと細く白い、しかし先端は黒い毛の集まった尻尾がゆらゆらと、わざとらしく揺れる。予想通り、先の感触は彼女の尻尾の、あの先端部分だ。
「ここからは、こっちでもしてあげますからね。さ、溢れてしまっていますし、早くどうぞ」
ドレミーはそう言うなりこちらの口元に自ら乳房を押し付け、授乳の再開を急かす。少し口を開けて咥え直せば、すぐに口内を甘い味覚が満たし、怒張からも緩やかな快感が伝わってくる。
それらにまた、脳内が弛緩し始めた矢先。
「っ……!」
柔らかい筆のような毛先の尻尾が肉幹を撫で、むず痒さに背筋がぞくりとわななく。仄かに揺らめいていた思考は一気に覚醒し、全身が思わず強張ってしまう。
以前にも尻尾を使った奉仕をしてもらった経験があるし、日中にしろ閨にしろ、尻尾でくすぐられたり絡ませられたりのようなじゃれ合いをした覚えもある。でも、このくすぐったさは、簡単には慣れるものではなく。
手で扱く傍らに、尻尾がさらりと陰茎を撫でるだけ。たったそれだけなのに――。
「この辺りとか、弄られるのお好きですよね」
カリ首の溝を磨くように、カリ裏を毛先で撫でられ。
「あらあら、先っちょがぴくぴく震えて、お汁まで漏れちゃってますよ?」
我慢汁を噴き出す鈴口を、筆先に見立てた尻尾でくすぐられ。
「手の方が止まったからと言って、休憩ではありませんよー」
肉棒を扱くしなやかな指で、肉幹に浮いた血管をなぞられ。
「ここが一番、刺激に弱そうですが、こういうのはどうですか?」
果ては陰嚢の皺までも、ふわふわの毛先が撫でてくる。
触れる場所も強さもタイミングも一切予想出来ない、ドレミーの気の向くままに揺らめく愛撫。これまでの緩やかな快感の中に混じる、神経を直接弄られるような鋭い刺激は、もはや柔い毛先が皮膚に触れただけで、全身をびくっと跳ねさせてしまう。
「ふふ、どこに触れても気持ちよさそうで羨ましいですねぇ。おちんちん、ずーっとびくびくして可愛らしいです」
ドレミーはとっくに尻尾での愛撫を完全にものにしており、すっかり慣れた様子で快感を与えてくれる。
既に我慢汁も相当噴き出してしまっているらしく、ちらりと視界の端に覗く尻尾には、糸のような粘液が細く引いていた。
「あーあ、私の尻尾、貴方の我慢汁塗れになっちゃいました。そんなに気持ちいいのですか? 次からは、精子だけじゃなくてこっちも漏れないようにしておいた方がよさそうですね。ベトベトにされてしまいますから」
にやにやした笑顔でこちらを見やり、甘ったるい声音で文句を囁いて並べ立てるドレミー。ただ、そこに責め立てる意図は全く感じられず、いかに自分が彼女に翻弄されているのかを教え込む囁きだった。
今や陰茎は扱かれすらせず、ひたすらに指先と尻尾が亀頭を苛めてくる。指は先走り汁を漏らす先端をぐりぐり穿り、尻尾はカリ裏の溝をくすぐる。かと思えば、それらを入れ替えて裏筋から鈴口までを尻尾が撫で上げ、指先は膨れて張り出すカリを優しく引っ掻く。
「ほらほら、お口、休んじゃダメですよー」
それらの刺激に意識を完全に奪われ、口内に差し込まれた乳房を放っておいていると、すぐに催促が飛んでくる。
豊満な乳房から齎される滋味は母性に満ちた愛情を想起させ、そんな原始的な感情が強烈な快感に灼かれる心を幾らか落ち着けてくれる。しかし、その間も当然快楽の奔流は止まず、むしろ授乳中に味わう淫楽への背徳と倒錯で、もっと思考が混濁していく。
「あ、もうすぐ出ちゃいますね。無理に我慢せず、出したくなったら出していいですからねー」
何も言わずともこちらの反応だけで限界が近いとドレミーも悟ったらしく、にこりと微笑むと今までよりも少しだけ強めに屹立を扱く。これまでの、長く楽しませるものとは違い射精を促す手つきに加え、尻尾は亀頭にふわりと覆い被さり、すりすりと優しく撫でてくれる。
精液が陰嚢から込み上げるような、独特のむず痒さが下半身で暴れ、もう抑え込む力すら湧いてこない。口内を満たす甘さに反し、射精しろと責め立てる彼女の手が陰茎の根本から鈴口へと扱き上げた瞬間、あっさりと絶頂に達した。
「っ! んっ、うぁっ、ぁぁっ……」
「あっ……、ふふ、イッちゃいましたね……」
鈴口から精液が勢いよく飛び出し、怒張を薄く包んでいた夢魂を白濁で膨らませる。大きな快感に脳は蕩けて全身は打ち震え、陰茎が脈動する度に精液が尿道を駆け上がっていく感覚が自分でも分かる。
「半端にしないで、ちゃーんと出し切りましょうねー」
その間もドレミーは肉棒を変わらぬ速度で扱き、登り詰めた絶頂から下ろしてくれない。口調こそ最後まで面倒を見る優しいものだが、行為は搾取そのものだった。
堪えぬ快楽は思考を混濁させ、無意識のうちに乳を求めて母乳の甘味を授かる。授乳をするうちに、もう片方の乳房からも母乳がとろり、とろりと溢れていたが、彼女はそれを気に掛けもせず、なおも扱く手を止めなかった。
「……あ、終わりました、かね。いっぱい出ましたねー。お疲れ様でした」
程なくしてドレミーはそう微笑むと扱く手の速度を徐々に緩め、やがて完全に止めると手を離す。もはや自分の感覚ではいつ射精が終わったかすら分からなかったが、屹立に触れる手の感触が消え去った瞬間、心身を満たしていた快楽もふっと消え失せてしまった。
手淫で味わうには過大すぎた快感と、未だ口内に溢れる滋味に呆けてしまい、体に力が入らない。その一方で、彼女は着々と夢魂製避妊具に手を伸ばし、親指と人差し指で陰茎の根元を軽く摘まみ、くいと引っ張る。
すると、避妊具はいとも簡単にするりと外れ、指先に摘ままれた姿でぶらんと吊り下がる。
「ほら、見て下さい。たっぷり出しましたねー」
とても濃い白濁をたっぷりと詰め込んだ薄膜をゆらゆら揺らし、こちらに見せつけるドレミー。呆けた頭で、確かにいっぱいだ、なんてぼんやり考えていると、彼女自身もそちらに目をやり、目尻を下げる。
「本当に、たくさん……」
うっとりした声でそう呟き、熱っぽい溜め息を吐く。本来の避妊具であれば、このあとは口でも縛って捨ててしまうだけだ。
だが、それでは夢魂まで使った意味がない。恐らく、このあと――と見ていると、ドレミーは「では」と避妊具を摘まんだ指を上へ掲げる。
そして、あーんと大口を開けて、一口で全て頂いてしまう。
更には顎を動かしてしっかり咀嚼し始める。口内で鳴る、ぷち、ぷちゅっ、と夢魂が弾ける音が小さくだがこちらにまで聞こえてくる。
美味しい夢を食べている時のように頬を緩ませ、吐き出したばかりの精液を一滴も漏らさずに彼女は味わう。咀嚼を終え、こくりと喉を小さく跳ねさせると、はあ、と息を吐いた。
「ふふ、ご馳走様でした。包みがぷちゅって弾けて、濃い精液が口の中に溢れ出す感覚とあの味、両方ともとっても大好きですっ……」
こちらを見つめながら赤い舌で唇を端からぺろりと舐め、妖しく目を細めるドレミーの姿。それは、夢を喰らう獏というよりも、精を吸い尽くす淫魔のようで。
囚われた視線を離せずにいると、彼女は淫靡な表情をふっと緩める。
「さて、少々長くなりましたが、これにてニプレスは終了です」
ドレミーは軽く首を傾げてにっこりと笑うと、恒例のメニュー表を取り出して、ニプレスの文字の上に打ち消し線を引く。
彼女の言った通り、ニプレスを剥がすだけだったのに、それに付随した色々でかなり楽しんでしまった。もっとも、本人もしっかり楽しんでくれていたようだし、誰も損はしていないが。
それはそうと、次の項目は、と目を向けると、そこにはなんとも予想通りの文面が書かれていた。
「ふふっ、既にお察しのようですが、もう一枚、剥がせそうなものがありますよね?」
そう、そこに書かれていたのは、『前貼り』の文字。お代に至っては、『しっかりほぐして下さいね』とのこと。
この文面に加え、メニュー表の残りもあと一行か二行分のスペースとなれば、残りも何が掛かれているかは見当がつくが。
「では、お願いしますね」
ドレミーは二人隣り合う位置に座り直してこちらに寄り掛かると、耳元で囁く。見当がついても、その先を聞き出すなんて無粋な真似はしない。いずれ分かるのだから、楽しみにしておけばいい。
そっと彼女の腰に手を回して抱き寄せ、ちらりと股座を見やる。そこには乳首に貼られていたものと同じ、夢魂で作られたハート型の前貼りが秘部を隠していた。
お願いしますと言われたし予想もしていたが、いざ目の前にすると妙に緊張してしまって手が動かせずにいると、それらを察したのか、ドレミーは小さく笑って「どうぞ」と囁く。
これから秘部を晒す彼女の方が、ずっと余裕がありそうだ、なんて自嘲しつつ息を吐き、薄らと汗の浮いたドレミーの腹部に手を添えて、下へと滑らせる。
白い肌を指先は迷いなく進み、鼠径部近くまで差し掛かると、ドレミーは緩く脚を開く。そうして案内されるまま、肌にぴったりと貼り付いて大事な部分を覆い隠す、前貼りに触れる。
「んっ……」
前貼りに触れた指先から感じ取れるのはつるつるした手触りだけで、その部分自体の感触は全く分からない。しかし、指先に少し力を加えると、指はゆっくりと沈み込んで柔肌の質感をはっきりと伝えてくる。
前貼りのハート型どおりに指先でなぞっていると、ドレミーはむず痒そうに熱い吐息を漏らす。
「あっ、んっ……、は、剥がさないのですか……?」
赤らんだ頬と潤んだ瞳でこちらを見ての問いを、悪いが今ばかりは聞き流して前貼り越しに秘部を撫で続ける。余裕がちょっと崩れた様子が可愛い、とまでは一旦言わないでおいて。
ハート型の縁に指を這わせ、その指を中央に寄せて上下に撫で、ハートの上側のくぼみの少し下辺り――恐らく、淫核の辺りだろう――を、集中的にすりすりとこすってやる。
「あぁっ、んっ……! そこ、ばっかり、だめっ……」
こうして色々触れてみても、前貼り越しである以上、見た目や感触に一切の変化はない。でも、それを受けるドレミーには微細な振動や圧力がはっきり伝わっているらしく、しきりにひくひくと脚を跳ねさせる。
これ以上焦らすのは可哀想か――なんて、自分も早くドレミーの肢体を味わいたいのに嘯いて、いよいよ前貼りに指を掛ける。今までの愛撫と違い、剥がすという意志を持って、ハートの頂点の片方に指を沈ませると、指先は肌に沈み、端っこが簡単に捲れた。
その端を摘まんで、僅かな面積しか隠していない前貼りを、一息に剥がす。
「あっ、はあぁっ……!」
その全てが捲れるとドレミーは下半身をぴくっと跳ね上げる。露わになった淫唇は既に相当潤いに満ちており、蓋が剥がされた秘穴からは、粘度の高い透明な液体がとろりと重たげに溢れ出た。
瞬間、脳を溶かす甘ったるい牝の匂いが鼻孔をくすぐる。夢の世界に作られた、この空間を香りで満たすには間違いなく足りぬ僅かな淫蜜ながら、既に彼女のフェロモンに浮かされて一挙手一投足に目が奪われる自分には、十分すぎるものだった。
「……さ、しっかりほぐして下さいな」
ドレミーは一つ、深めに息を吐くと、こちらに目配せしてそっと囁く。
彼女の青い瞳を見やったまま、前貼りを剥がした指を剥き出しになった秘部へと向かわせる。
「あ、はぁんっ……」
姫割れに指先が触れるなり、熱を伴った粘液が指に纏わり付く。そのまま数回上下に撫でさすれば、前貼りに塞がれて溜まっていた愛液が指を伝って零れ、小さな穴の上をなぞれば、指先がその穴に沈んでぷちゅ、くちゅ、と音を鳴らす。
念のために確認したが、やはりこれ以上の慣らしは必要無いだろう。そう判断し、指先を膣穴のもっと奥へ進ませると、ドレミーはぴくんと体を揺らした。
「あ、あっ……、はぁっ……」
膣口を中指がゆっくりと割り開いて沈むのに合わせ、熱のこもった吐息を漏らすドレミー。
指先のほんの少し、それこそ第一関節すら吞み込み切らないうちから、膣穴はぱくぱくとしきに開閉して指先をしゃぶり、可愛らしく締め付ける。
そんな甘噛みを味わいながら少しずつ歩みを進め、やがて第二関節の辺りまで差し込んだところで一旦手を止めて、彼女の様子を注視する。
「ん、あ、あぁっ……」
膣内に侵入する異物の感覚に、ドレミーは艶っぽい吐息を漏らす。温かな膣内はその呼吸に合わせて脈動し、柔らかくとも確かに指を締め付けてくる。
それからしばし指は動かさずにしっかりと馴染ませてから、徐々に指を引いていく。すると、膣肉は更に指を食い締めて引き止めようとする。
それでも引き抜く力には勝てず、ちゅうちゅうと膣襞に吸われる感覚を堪能しつつ中指を全て抜き去ると、指にはべっとりと愛液が付着し、膣穴は再度の挿入を求めてぱくぱくとひくついていた。
「ほぐす必要もないくらい、出来上がってそうだけど」
「ですから言ったのですよ、長くなったって。なら、もう切り上げますか?」
「いや、俺がしたいから、する」
すぐに首を横に振るとドレミーは小さく噴き出して笑う。
「ぷっ……、では、するのは構いませんが、それならちゃんと気持ちよくして下さいね?」
「勿論」
挑発的にこちらの鼻先をつつく彼女に、こちらも余裕を持った笑顔で返す。
よく火照ったその肢体をまた軽く抱き寄せ、淫唇に手を伸ばし、緩やかな愛撫を与えていく。手の平を使って秘唇全体を撫でては潤滑油を塗り広げ、膣穴へ浅く出し入れしたり、クリトリスも軽くとんとん叩く。
「んっ、あっ、はぁっ……、貴方の指、いい、ですっ……、気持ちいい……」
愛撫自体はなだらかなものでも、多少ながら手数を増やし、休憩を挟まず施すことでドレミーの息は次第に乱れ、体も時折ぴくんと跳ねさせる。
体の力もだんだん抜けてきたのか、背中に回した腕に寄り掛かる重みが増す。このまま倒れ込んだりはしないと思うが、こちらにもう少し抱き寄せると、兎耳を付けた帽子が丁度目の前に来て、その中でもそもそ動くあるものに気付く。
位置的に、帽子に収められたドレミーの獏耳だろう。少しだけ帽子をずらすと、それはぴょこんと可愛らしくはみ出て、快感に浸り揺れる彼女の体に合わせるように、ひくひくと跳ねていた。
「あっ、はあぁっ……、あ、ぼうし、ん……」
「ドレミー、耳、触っていい?」
「え……? あ、う……、か、構いませんが……、ん、ぅっ……!」
そう言えば、今日は触れてすらいなかった――。なんて思った時にはそんなお願いが口を衝いて出て、了承の返事も早々に、肩に回していた手を頭部へ向かわせて、その愛らしい耳に触れる。
慣れ切った手つきに迷いはなく、急く気持ちはあっても荒っぽくなんて絶対にしない。緩く丸めた手の平で、そっと包む。
「はぁっ、ん……、あうぅ……」
刺激に弱い獏耳をふにふにと優しく愛でると、ドレミーは艶の増した声を漏らして体を脱力させる。
弛緩する体躯の一方で、指を差し込んだ膣穴は締め付けが増し、抜き差しする度にぐちゃっ、にちゃ、と重い水音が溢れ出す。
「や、あっ、あっ、はぁあっ……、だ、だめ、両方は、あぁっ……!」
獏耳を撫で始めてから、自身の肉体が如実に甘えだしているのは本人も分かっているのか、頬を赤らめて否定を口にする。
「耳触るの、やめた方がいい?」
恐らく、それは本心ではない。とはいえ、一応そう聞いてみると。
「っ、うぅっ……、そ、その聞き方、意地悪ですっ……!」
ドレミーは可愛らしい唸り声を漏らして、頬をかあっと赤らめる。
そんな愛らしい獏をもっと抱き寄せて、変わらず獏耳を弄りながら、秘部へも愛撫を施す。兎を模した衣装なのに獏部分を可愛がるのは趣旨に反している気もするが、欲望には勝てなかった。
「あ、んっ、あ、はあぁっ……」
左手では夢を喰らう獏としての象徴の一つでもある黒い耳を愛で、右手では性器、今はとりわけ淫核を中心に責め立てる。既に出来上がった肢体はもはやどこを弄っても気持ちよくなってくれそうだが、今はこの敏感な器官二つを愛したい。
手始めに、秘芽を包む皮の上に指先を軽くあてがい揺すってやると、その微細な振動だけでも短い喘ぎを漏らす。
「あっ、はぁっ、クリ、あっ、いい、ですっ、気持ちいいっ……」
包皮越しに触れるクリトリスは如実に硬度が増し、皮の下からでも自らを誇示してもっと触ってとねだる。それに応え、円を描くようにこすっては今までよりも少し強めに圧迫し、リズムよくとんとん叩いてやる。
「あっ、はぁっ、あぁっ……、それ、好き、ですっ…!」
休みなく漏れるドレミーの吐息と、かくかくと跳ねる下半身。無意識なのか、引けてしまっている腰を背中に回した手でしっかりと抑え込み、追いかける指先で淫核を捏ね、上下に指を動かしてしとどに濡れた膣穴も合わせて撫でる。
体躯は震え、手の平で包む獏耳もそわそわと忙しない。恐らく、絶頂が近い。獏耳の付け根を指先で軽く掻いては、柔らかく丸めた手の平で揉んでやると、ドレミーは快感の混じった息を深く吐く。
「あっ、はぁあぁ……、ひあぁっ……、イッ、イク、イクっ……!」
絶頂が間近だと訴え、嬌声に喉を震わせるドレミー。自分の好きなタイミングで、と彼女が自分に言ってくれたように、自分も一切手は止めずに快感を与えていく。不完全燃焼になってしまわないために。
「イ、クっ……! ああっ! ひあぁっ、あ、ああぁ~……!」
ドレミーが声を引き絞った瞬間を見計らい、僅かに強く淫核をつついた刹那、彼女は大きな嬌声を上げ、下半身を突き出すようにびくんと跳ね上げる。絶頂まで登り詰めたのは明白だった。
当初の約束通り、ドレミーに気持ちよくなってもらえたことを嬉しく思いながら、獏耳に添えた手を今は後頭部に回して優しく掻き抱き、ゆっくりと余韻に浸ってもらう。ドレミーも、全身をだらんと弛緩させて今まで以上にこちらへ寄り掛かり、乱れた呼吸を整えていた。
「はっ、はぁっ、はぁ……」
真っ赤に染まって肉びらをひくつかせる淫裂、その内側で開閉を繰り返して重い蜜を零す膣穴、未だかくかく揺れるすらりと伸びる脚が、法悦の大きさを物語る。
そんな、最中。
「……あ、おっぱい、また、出ちゃっていますね……」
「え? あ、本当だ」
言われてそちらに目をやると、少量ではあるが確かに母乳がまたも垂れ落ちていた。
「気が緩んじゃったからですかね。ふふ、とても気持ちよかったです……」
ドレミーは柔らかく微笑むと、もう一度深呼吸をして、ふう、と息を吐く。もう、気分はすっかり落ち着いたらしい。
「ドレミー……」
「はい、分かっていますよ。ほぐしてくれてありがとうございます。それでは、そろそろ次に……」
名前を呼ばれた彼女はこちらの言葉に先んじて、次の行為へ移るべく体を離そうとする――。
「……あ、あの?」
が、その体を抱き寄せたまま、手を離しはしない。他の誰でもない、自分が。
「まだ、お代、足りてないでしょ?」
そう尋ねると同時に、絶頂を迎えてとろとろに濡れた膣穴に中指をあてがい、ゆっくりと沈ませる。
「えっ、あっ、はぁんっ……!」
ドレミー本人が示した通り、よくほぐれた膣穴は差し込まれる指を一切の抵抗なく呑み込んでいく。第一関節、第二関節とスムーズに進ませたところで一旦進行を止めると、膣内は我先にと絡みつき、その形を探るように甘く纏わりついてくる。
「あ、あの、まだ、続けるのですか?」
「うん。もっとドレミーが感じてるところ見たいし、俺だってしたい。あ、勿論、ドレミーが自分のために色々してくれるのはすごく嬉しいよ。でも、少しくらいはお返したくてさ。駄目?」
「駄目では、ありませんが……」
「大丈夫。ちゃんと気持ちよくするから」
「そ、それは心配していません……、って、さっき私がそう言いましたっけ……」
ドレミーは赤らむ頬をぽりぽりと掻くと、少しの間を空けてこくりと頷いた。
「わ、分かりました。私だって、その、嫌なんかじゃありませんし、もう少しだけ、してくれますか?」
「ドレミー、ありがとう」
「別に、お礼を言われることでは……」
「いや、これは俺の我儘だから」
お礼とともに抱き寄せて頭を緩く撫でると、彼女の尻尾がゆらゆらと揺れて、獏耳がひくんと跳ねる。こちらを見やる視線に、自分も目線を合わせて頷き、改めてドレミーの背中に手を添えてから、入れっぱなしだった指を動かし始める。
「んっ、あぁっ……、あんっ……!」
先の問答の間も入れっぱなしだった中指はすっかり膣粘膜に馴染んでおり、少し動かしただけでも柔襞が吸い付いてくる。掻き回す膣壺からはくちゅくちゅと水音が鳴り響き、いかに愛液に満ちているかを物語っていた。もっとも、今更そんなことを改めて示さずとも、お互いに分かり切っていたが。
「あっ、はぁっ……、んっ、あぁっ……」
ドレミーは体を小さく震わせて、息を長く吐く。快楽に激しく身悶えるような所作ではないが、全身を巡る快感を堪能するような、確かな興奮の蓄積を感じられた。
今の時点でも、彼女は気持ちよさそうに嬌声を零し、身を震わせてくれている。しかし、気持ちよくさせると言った手前、もっと快感に蕩けて欲しいし、自分だって求める気持ちはあり。
その両方を叶えるのは、やはり――。
「あぁっ、はぁんっ! おっぱい、また、あ、あぁんっ……!」
「このまま、垂れ流しなんて、勿体ないから」
ドレミーの胸元に顔を埋め、先程の絶頂から未だ母乳を垂れ流していた豊乳に遠慮なく吸い付く。
口内を再び満たす、滴る母乳の甘味。それをまた楽しみながら、膣内に差し込んだ指で媚肉を掻き回す。乳房への刺激が加わったせいか、膣肉が今までよりも締め付けてきており、ドレミーが母乳を搾られ快感を得ているのは、やはり間違いないらしい。
「あっ、はぁっ……、おっぱい、吸いながらしちゃ、あっ、あぁんっ……!」
ドレミーの体は強張りを増し、脚を内股に閉じようとする。そんな反射的な所作は、彼女が今どんな状態なのかを雄弁に語る。
だが、自分は何一つ変わらず、乳蕾をちゅうちゅう吸い、垂れていた分の母乳も頂いたら、当たり前ともう片方の乳房へも吸い付く。ドレミーの様子が多少変わろうが、自分がすべきことは変わらない。
今までどおり膣内を指で愛し、口内で乳粒を転がして滴る母乳を頂く。肩に回した手では彼女の体を軽くとんとん叩き、リラックスするように促しながらも快感を与えていく。
「あっ、んっ、な、なかも、おっぱいも、あ、っ、ひあっ……」
ドレミーの口から漏れる呼吸のリズムが、僅かに変わる。恐らく、あとほんの一押しで。
「っ! あっ、イクっ、あぁっ、ああぁっ~……!」
その予感から寸分違わず、彼女はびくんと肢体を跳ね上げて絶頂に身を揺らす。
同時に口から零れる、ソプラノの可愛らしい嬌声。何度聞いても、絶頂まで導いた喜びと、普段の落ち着いた声音とのギャップに愛しさが湧き上がる。
しかし、それにしても。
「ドレミー、イクの割と早かったけど、やっぱり結構溜まってた?」
柔乳から口を離して顔を上げ、肩に置いていた手で彼女の額に張り付いた髪を払う。ドレミーは何も言わずにこちらを見やって呼吸を落ち着けていたが、ある程度取り戻したところで、少し大き目に息を吐いて、こちらの胸をぺちんと叩いた。
「そういうことは、思っても言わないものですよ、もう」
ドレミーが主導してくれていたからとはいえ、ここまでずっと手玉に取られていたが少しお返し出来て、それに何より快感に蕩ける彼女はやはりとても可愛らしくて。
「……ドレミー、自分から続けておいて、なんだけど……」
髪を払った指でそのまま青い長髪を梳きながら、湧き上がる欲望を隠さずに続けると、彼女はにこりと微笑んだ。
「ふふ、分かっていますよ。しましょうか、続き」
そして取り出したるは、もはやお馴染みのメニュー表であり、手慣れた手つきでまた打ち消し線を引く。
「……はい。さてさて、次で最後、ですね」
言いながらこちらに差し出されたメニュー表に書かれていたのは、ハートマークが一つだけ。お代の項目にも何も書かれておらず、ただど真ん中に大きく、ピンクのハートが我が物顔で踊っていた。
「言わなくても、分かりますよね?」
「ここまでくればね」
そう頷くと、ドレミーはいそいそとメニュー表を仕舞い、こちらに身を寄せる。
彼女を静かに抱き寄せ、青く長い髪に手を添えてさらさらと撫で、視線で問う。ドレミーは僅かに瞳を伏せたあと、こちらを上目遣いに見上げ、自らの人差し指を自身の唇に当てた。
何を求めているのか、それは、言わなくても分かる。
顔を少しだけ傾けて、そっとドレミーの唇に自身の唇を近付けると、彼女からも身を寄せて、やがて重なり合う。
「んっ……」
ドレミーが小さな声を漏らすのと、唇に柔らかな感触が触れたのは同時だった。そのまましばし触れ合い、どちらからともなくそっと離れると、彼女は微笑む。
「そういえば、キスをしたの今日初めてでしたね」
「あ、確かに。今はこれ、今はこれ、って毎回決めてたせいか、抜けちゃってたね」
「入れ忘れていましたね。言ってしまえば、無くても進行には問題がありませんでしたし。でも、改めて無いとなると、寂しいもので」
こちらを見つめるドレミーと、言葉もないまま見合う。向こうの言いたいことは明らかだ。
「……でも、無理にするものでもないし、ノルマみたいになるのも興醒めだし、今回は飛ばす?」
分かってはいるし、こちらの本心もドレミーと同じ。けれど、ちょっと意地悪してみると、彼女はむうと可愛く睨む。
「そんな風に言うなら、本当にもうしませんよ?」
「ごめんごめん、冗談。無かった分、取り返そうか」
「はい」
二人して静かに笑い合い、また、唇を重ね合う。今度こそ、お互いに望んだことを。
短いキスを小刻みに繰り返し、時に長く触れ合わせる。それ以上はしない。ただ、重ねて、離れて、また重ねる。お互いの唇の感触を楽しむような、緩やかな啄み。それだけを繰り返す。
「ん、んっ……、あ、んっ……」
段々と、その逢瀬は触れ合わせている時間が長く、離れている時間が短くなっていく。こちらの手はドレミーの長い髪を梳き、彼女の手はこちらの肩に回されて抱き寄せられる。
昂る興奮は自然とその先を求め、唇の隙間から伸ばした舌を絡ませ合い、舌を撫で合う。
「あ、んっ……、はぁっ、ん……」
舌を使ったディープキスでこそあるが、激しく絡ませはしない。時間を掛けて長く睦み合い、お互いの熱を静かに高め合っていく。
指先で梳く髪の毛の一本一本の感触や、こちらに回された手にこもる力加減、隙間から漏れる吐息すらはっきりと分かるほど、ドレミーの存在を強く感じる。
そして、またもどちらからともなく、そっと唇を離す。舌先を繋ぐ銀糸は音もなく切れ落ち、彼女の唇の端に濡れ光る唾液が煽情的だった。
それをドレミーは指で掬い、ぺろりと舐め取ると、嫋やかに笑う。
「ふふっ、やっぱり、いいものですね」
「そう、だね」
少し乱れた息を整えつつ返して、もう一度ドレミーの髪を撫でる。さらさらと数回撫でたあと、その肢体を改めて抱き寄せると、彼女は耳元にそっと囁いた。
「貴方は、私の言う通りにしてくれますか? 私から、入れますので」
「分かった」
短い了承と頷きを返し、続くドレミーの言葉に従い、そちらを向き直し、胡坐をかいて座る。この時点で体位の予想はつくが、何も言わず視線だけで完了を伝えると、彼女は艶やかに笑い、膝立ちになってこちらの真正面に体を構えて、肩に左手を回してしな垂れかかってくる。
ドレミーの右手が自らの淫唇を広げ、腰を落として陰茎の先端に入り口をあてがう。どろどろと溢れる愛液に亀頭は早くも濡れ、お互いの熱を一足先に伝え合う。
ドレミーは一度、こちらに優しく微笑むと、腰をそっと落とした。
「あ、あぁっ、ん……」
分身を包む熱と柔らかさはゆっくりと、だが滞りなく沈む。亀頭を滑り、カリ首を過ぎた際に一瞬だけ止まったが、それ以降は肉幹の根本まで、柔肉壺の壁と摩擦しながらスムーズに辿り着く。
二人の腰は結合部でぴたりと触れ合い、鈴口と子宮口も一緒に口付ける。自分のものがドレミーのものと完全に一致するこの瞬間に、心を満たされると言ったら、彼女は笑うだろうか。
「奥までとろとろだね」
「散々、されちゃいましたからね」
ドレミーは淫唇を広げていた手もこちらの首から肩に回し、こちらからも彼女の腰に手を回して細い肢体を支える。
そうして体勢を整えたあとは、彼女の体が馴染むのをじっと待つ。
「んっ……、あっ……。ふふ、指では少し強引だったのに、いつも待ってくれるの、優しいですよね」
「優しい、っていうほどでもないと思うけどね」
「では、当たり前に気遣ってくれる貴方への感謝ということで、謙遜せずに受け取っておいてくださいな」
挿入したばかりながら、ある意味ではだからこそ、ドレミーと軽い談笑を交わす。既に幾度と交わり、情交に慣れ切った間柄であろうと、こんな会話も楽しかった。
「それにしても、こうなると耳だけでもうバニーはあまり関係ありませんね」
待つ間、ドレミーは頭に付けた兎の方の耳を手で掴んで軽く引っ張り、手を離す。作り物の兎耳はバネみたくびよんと跳ねて、小さく弾みながら元の位置に戻る。
「可愛いとは思うけど、触れても無反応はやっぱりちょっと寂しさがあるかな」
「ん……」
兎耳ではなく、ドレミー自前の獏耳を手の平で包み込むように添えてそっと撫でると、彼女は小さく息を漏らして獏耳をぴくぴくと跳ねさせた。とても可愛らしい。
「そういえば、兎耳はあるのに尻尾はないんだね」
「尻尾は自前のものの邪魔になってしまうので。まあ、代用品はなくもないのでしょうが……」
「……ああ、それをいきなりはちょっと、ね」
自身の尻尾の付け根の辺りを見やり言う代用品がどんなものかは、なんとなく分かる。本来、人間同士で尻尾を使ったプレイなら“そういった物”を使うと思われるが、しっかりとした慣らしがないと色々と厳しいだろう。
「まあ、別に無くても、さ。俺、ドレミーの尻尾、すごく好きだよ」
「それはよーく知ってますよ。本当に、どうしてそこまで執着するのか……」
なんて笑いつつも嘆息する彼女の言葉が終わる前に、手を獏耳から尻尾へと向かわせて、その付け根を指先で軽く撫でてやる。
「んっ……! あっ……」
「どうして、って、すごく可愛いからね。それに、ドレミーも嫌ではないでしょ?」
「嫌、ではありません、けど……」
「くすぐったい?」
こちらからの問いに、ドレミーはこくりと小さく頷く。普段や自身が責めている時ならそうでもないらしいが、今のように挿入したままだと少し下半身の具合が変わるらしく、それは自分にも分かる。尻尾を撫でる度、膣内も僅かながら脈動しているのだから。
そんな、何度見ても味わっても可愛いと心から思う反応に、ついつい気をよくして尻尾をまた撫でる。細く滑らかな尻尾を指先で手繰るように撫で、毛先を緩く手で掻いてやる。
「あっ、ん……、あ、やぁぁ……」
ドレミーの口から漏れる声は性感とは違う声音で蕩けて、尻尾もゆらゆらと揺れる。しかし、先程の本人の言葉どおり、嫌ではないらしく、緩く握る指から逃げる意志は感じない。
獏耳や尻尾を愛でられて体を揺らし、声も震わせる獏のとても愛らしい姿を楽しんでいた最中、ふと、あることを思い付いて一旦手を離す。
「あのさ、改めてバニーどうこうの話をして、思い付いたこと、あるんだけど」
「ん……。何、ですか?」
「ほら、兎って、年中発情期ってよく言うでしょ?」
「言いますね。まあ、実際のところは全ての種の兎がそうではありませんし、その括りであれば人間も一緒なのですが」
「でも、そういうイメージはあるよね。で、そんなイメージ繋がりで……」
そこまで聞くと、ドレミーはうむむと小首を傾げる。
「母親、赤ちゃん、授乳……とそれなりに具体的なイメージがしやすい母乳と違って、光景や現物なんかのイメージが難しいので、いくら夢でも排卵しろは流石にちょっと……」
「……ごめん、そうじゃなくて……。というか、それは自分もできると思ってない」
先走った回答をしたドレミーは、違いましたか、と首を反対に傾げて唇の端を緩める。わざと言ったな、これは。
「実際に因果関係があるかは知らないけど、ほら、発情期は感度がいい、みたいなイメージってない?」
「まあ、分かりますよ。そんなイメージがありますね」
「でさ、それで少しでもドレミーがもっと気持ちよくなれたりしないかなって」
「程度はともかく、出来るとは思いますが……。私だけ、はなんだか気が引けますね。今日はご奉仕のつもりだったのですが」
「いやいや、これも俺の我儘だから。俺がしたいから、お願いしたい」
生真面目なドレミーに改めてお願いすると、彼女は逡巡し、「では」と呟く。
「試してみますか。一つ、お手を拝借」
尻尾を撫でていたこちらの右腕をぽんぽん叩くドレミー。促されて彼女に手を預けると、ドレミーは自身の下腹部に手をあてがわせる。
手の平に触れる、滑らかな肌の感触。加えて、この奥にあるものを知っているがゆえに、つい官能的な意識が高まってしまう。
「さ、ここを優しく撫でて下さい」
こちらの手の上にドレミーも手を重ねると、言葉と所作でそれを先導し、自分もそっと下腹部を撫でる。
「貴方が私のことを想いながら撫でてくれると、もっと効果が出ますよー」
普段もよく見せる、どこか企むような表情を見せてドレミーは囁く。本当かどうかは分からないが、夢の支配者かつ今まさにそれを操っている彼女が言うのだから、何よりこの状況で彼女のこと以外考えられるはずなどなく。
「あ、んっ……、はぁっ……、あっ……」
ドレミーの下腹部を、彼女の最も奥深くにある、子種を受け入れて、授かった子を育てる子宮が存在する辺りを撫でる度、熱っぽい吐息が零れる。
挿入してから動くまでの慣らしのはずが、すっかり膣内は湿潤に富み、結合部の隙間からは愛液をとろりと垂らす。
絶えず甘く締め付ける膣内を味わいながらも、自分もその感覚を堪えて撫でていると、ドレミーはやがて、手を止めた。
「……できました、ね。ほら、見て下さい。ちょっと凝ってみたのですが」
二人の手をどけると、そこには夢魂と同じ色をした、ハート型の紋様が刻まれていた。ただ、そのハートの意匠は綺麗に整った形ではなく、上の両端に装飾が少しばかり施されており、それはまるで、その内側に収めている器官を象っているかのようだ。
「ふふ、一夜限りで消えるものとはいえ、アピールが露骨すぎますかね?」
ドレミーはこちらを見上げて、にやにやと笑う。
「あっ、はぁ、あぁっ……」
だが、その笑みは静かに揺れた体と溢れた吐息で、淫らに崩れてしまう。
「これは、思った以上に、効果があるかもしれません。熱が、じわじわ広がっていくような……」
「体調は大丈夫?」
「心配ご無用です」
「本当に?」
「はい、ご安心を」
再三の質問にドレミーは微笑んではっきりと頷くと、下腹部を緩く撫でていた手をまたこちらの肩に回す。そして、耳元で囁く。
「それに、下ももう大丈夫ですから、早く動いて欲しいです。奥が、子宮がじくじくして、疼いていますから」
あまりにも甘いお誘いに、こちらからも彼女の体をしっかり支え直して、青い瞳と視線を合わせる。言葉はいらない。
「あっ! んっ、あぁあっ、はぁんっ!」
挿入してから膣奥に入れたまま、一切動かずにいた陰茎を早速動かしていく。いつも以上に長く馴染ませていた膣肉はもはや溶け合うほどに絡んでおり、少し腰を引いただけでも離れないでと懇願するように強く吸い付いてくる。
今の時点では、感度上昇の効果が出ているのか、結果的に長く焦らして感覚が鋭敏になったせいなのかは、まだ判然としない。ならばもっと、といきたいところだが、こちら側も相応の快感があり、あまり調子に乗るとすぐに暴発し兼ねない。
なので、ドレミーの様子も見つつ、比較的ゆったりと腰を動かしていく。
「あっ、はぁんっ……、んっ、ふあぁっ……」
「ドレミー、今も特に問題ない?」
「んっ、大丈夫、ですよ。感じ過ぎてしまって愛し合うどころじゃない、なんてこともなさそうです」
冗談っぽく笑うドレミーにこちらからも笑い返す。
前後運動を繰り返すうち、段々と動き始めたばかりの時のような、張り付き追い縋る締め付けは落ち着いたものへと変わっていく。代わりに、とろとろにほぐれた膣肉が屹立を柔らかく包み込み、膣道は肉幹を甘噛みして食んでくる。
しかも、奥をこつんと叩く度、甘い締め付けはきゅっと窄まりを一気に強くして、少し留まるだけでまたすぐに吸い付いて、肉襞を蠢かせる。
「あっ、ん、いいっ、ああぁっ、気持ちいい、ですっ……! あ、あぁんっ!」
ドレミーの口から漏れる声もかなり出来上がっており、感度も確かに上がっているようだ。
そしてそれは、描いた場所もあるのか特に奥側の効き目が強いらしい。ならば、このまま膣奥を責めるのがセオリーではある、が。
最奥まで突き上げた腰を引いて、また押し込む。但し、子宮口までは触れない、その目前を終点に据えて、膣内を掻き回す。
「んっ、あぁっ……、ん、うぅっ……、はぁっ……」
すると、ドレミーの嬌声は明らかに物足りないと言いたげな声色へ推移していく。一番奥まで突き込まない以外は至って普通のピストン運動であり、気持ちいいは気持ちいいがもどかしさも強いのだろう。
しかしそれでも、ドレミーは不満を口にすることも、自分から体を深く落として無理矢理届かせたりもせず、快感に身を大人しく焦がしてその時を健気に待つ。
ちょっとした焦らしのつもりだったが、こちらに全てを委ねてくれる彼女をこれ以上待たせては悪い――そう思い、次の突き上げで再び最奥まで、一気に貫いてやる。
「あぁっ! はあぁんっ! おくっ、いいっ、いいのっ! あっ、ああぁっ……!」
刹那、ドレミーは待ち望んだ快感に全身をびくんっと強張らせ、一段高い嬌声を上げる。深く入れた腰を小刻みに揺すり、最奥を繰り返しノックしてやると、そのリズムに合わせて短い喘ぎ声を漏らして蜜壺の締め付けを強くする。
待ち望んだ快感にドレミーが蕩ける姿が嬉しく、しかも可愛く、つい頬を緩めていると、彼女は訝し気に口を開く。
「んっ、貴方がこうしてって、言ったのに、あぁんっ、喘いでいるのを、見て、笑わないで下さいっ……、は、恥ずかしいので……」
これまた可愛らしい抗議に一旦腰を止めて、ドレミーの背をとんとん軽く叩いて宥める。
「ごめんごめん。でも、おかしいとかじゃなくて、嬉しくてさ。今日はずっとドレミーにしてもらってたから、後半で取り返せてるかなって」
にやついていた理由を語ると、彼女は少し頬を染めた。
「それは、その、ご心配なくと言いますか……。なんだか、文句を言った自分が申し訳ないですね……」
「まあまあ、誤解を与えたこっちも悪いってことで。でも、心配なくってことは、やっぱりちゃんと気持ちよくなってくれているんだね」
「ええと、それは見たままと言いますか……。あ、ですが、こんなに気持ちいいのは、これの効果だけじゃなくて、貴方がきちんと頑張ってくれているお陰ですからね?」
「え、そう? あんまり実感はないけど」
自分はしたいようにしているだけだと思い首を傾げると、彼女はやれやれと言いたげに頬を緩める。
「どうも貴方には自覚が無いようで。そうですね……、色気のないたとえになりますが、痒い部分を掻いてもらう、と表現すると分かりますか? これで感度を上げたところで、何もせずにじっとしていてもむずむずするだけですし、的外れな場所だったりしたら気持ちよくはないですよね?」
ドレミーは自身の下腹部に刻まれた、ハートを模した紋をなぞり言うと、にこりと笑う。
「貴方が、私のことを想って、手を抜かずに気持ちいいところを愛してくれるから、その分たくさん気持ちいいのですよ。まあ、貴方からすればいつも通りで、特別ではないから実感がないのかもしれませんが」
本人から『私のことを想ってくれている』と改めて言われると、その気持ちが伝わっていて恥ずかしい反面、やはりとても嬉しいもので。
優しい微笑みと合わせてすっかりやられてしまい、心臓が妙に高鳴ってしまう。そんなざわつきまでも伝わってしまっているのか、彼女は柔らかな笑顔を絶やさない。
「では、そろそろ続きをお願いしてもいいですか? ずっと、ここが疼いていますから」
ドレミーはこちらの手を取って下腹部に押し当てる。手のひらが僅かにそこを押すと、膣内が波打つように脈動した。
「んっ……、こうして触られるだけでも、ぞくってしますね」
「俺にも分かったよ。中が締め付けてきたから」
小さな吐息を漏らすドレミーの下腹部を、すりすりと撫でる。すると、彼女は長く息を吐いて、怒張を柔く締め付ける。
「これでも、結構気持ちよかったり?」
「そう、ですね。性交としての気持ちよさと、撫でてもらう気持ちよさが、半々ってところ、でしょうか」
そこに刻まれたハートマークを指先でなぞり這わせていくと、ドレミーはくすぐったそうにしながらも、微笑む。
「ふふっ、それも、気持ちいいですよ」
その奥にあるものを示すような、左右に長く丸まって伸びる管と、小さな丸を携えたハートマーク。それらを指先でなぞっていると、少し不思議な心地になってしまう。なにせ、その先で実を結ぶものは――。
「あ、そうそう。一つ、言っておきたいことがありまして」
「え、何?」
下腹部を撫でていた手を止めて視線を上げると、彼女はこちらの手に自らの手を重ねてほどかせ、指先を上から絡めると二人の手で下腹部をまたそっと撫でる。
そして、こちらにずいっと体を近付けると、耳元に口を寄せて囁く。
「夢でも排卵しろは無理だと言いましたが、私、今日は元々危ない日ですよ。なので、夢の力で手助けはいらなかったのです」
思わず、小さく「え」と声が漏れる。ドレミーはそれに気付いているのかいないのか、すっと元の位置に戻ると、柔らかく笑う。
「貴方に提案された時、ドキッとしましたよ。まさか、本当に発情期だとバレてしまったのかと」
極めて自然に、さながらこのお茶菓子美味しいですねとでも談笑を交わすような笑顔を浮かべて、今日は孕みやすい日だと告白するドレミー。ゆらゆら揺れる尻尾がなんとも楽し気だ。
一方、自分は。
「あ……。ふふっ、危ない日だと分かって、興奮してしまいましたか?」
彼女は穏やかな笑顔を少し意地の悪いものに変えて、こちらを見やる。
元々、自分達はそのつもりというべきか、遅かれ早かれいつかとは思っているので避妊はもとよりしていないし、日取りも特に気にしていない。そもそも、こうして愛し合える日自体が不定期なので、全てはタイミング次第だ。
とはいえ、こうして改めて本人の口から言われると、こちらとしても張り切ってしまうもので。
膣内に差し込まれた分身がびくんと大きく跳ね上がるのが、ドレミーにも伝わったらしく、彼女は笑顔のまま、こちらの耳元にまた口を寄せた。
「つまり、ここで待っているのですよ。私の卵子が、貴方の精子を。貴方の精子で受精したい、着床したい、貴方との赤ちゃんを孕みたい、って」
あまりにもあからさまな、子づくりを誘う文句。
それを甘ったるいウィスパーボイスで囁く彼女は喜色に溢れ、本当に楽しそうで。
「……ドレミー」
「はい?」
「ドレミーも相当、今日のこれ、楽しんでるね」
「はいっ」
小首を傾げて可愛らしく、最後に音符でも踊っていそうな調子で返事をするドレミー。
普段の落ち着いた、飄々とした態度とはまた違う、少し悪戯っぽいお茶目な一面にまた虜にされてしまう。
「ドレミー、続き、するよ」
自身の中に湧き上がる愛欲に従い、最奥まで貫いていた屹立を揺らしていく。
腰を下ろして向かい合う体勢では大きな動きはできないが、それでも出来る限り深く腰を引いては突き上げ、淫肉を捏ねる。
「んっ、はぁんっ……、あぁっ、さっきよりも、激しくて、あっ! あぁっ!」
更に、先程散々意識させた場所を、子宮の入り口を何度も突き上げてやる。
膣奥に犇く膣襞を亀頭で繰り返しこすると、肉壺は特に強く締まり、ぬるつく膣道が肉幹に吸い付いてくる。
感度を上げる紋の効果に加え、子を授かりやすい今、子宮付近を刺激されると牝としての生殖本能が刺激されるのか、ドレミーは大きく身を震わせて身悶える。
「あっ、ひあぁっ、んっ、あぁんっ!」
それに合わせて豊満な乳房もゆさゆさと揺れ、直接弄らずとも白い母乳をぽたぽたと溢れさせ、こちらの体まで濡らす。
そんな乳肉を軽く持ち上げ、乳輪の辺りを軽くつまんでやると、乳腺から母乳が勢いよく吹き出した。
「やあ、おっぱい、絞っちゃ、ひあぁ……」
興奮しきった肢体は噴乳ですら大きな性感を生み出し、膣内がぎゅっと強く締まる。
豊乳を揺らして母乳を噴き出し、愛液を止めどなく零すドレミーが快楽に浮かされているのは如実に分かるが、このままでは自分も長くは持たない。そう思い、腰を動かすペースを少し下げて、控えめに突き上げる。
奥に掛けて窄まりを強くする膣肉をゆっくり掻き分け、纏わりつく肉粒をカリ首で弾く。腰を引く度にぷちゅ、くちゅ、と愛液に蕩けた襞の感触が柔らかく、心地いい。
「ん、あっ、はあぁあっ……、焦らすの、ずるい、ですっ……」
自身の暴発を防ぐためだったものの、結果的には緩急をつけた責めになったようで、ドレミーは焦れったそうに身を捩る。
焦らして、刺激され、また焦らされたせいで今まで以上に疼くのか、ドレミーは少しでも自分から腰を動かして、陰茎へ膣肉を擦り付ける。抱えられての体勢ではそれほどの効果が望めないと分かっていても、彼女は懸命に快感を貪り、乾きを癒す。
淫らでもあり、愛らしくもあるその姿はいつまでも見ていたいくらいだが、感じている姿もまた見たいので、前後運動を再開させる。
「ひあぁっ! あっ、んっ! 急に、動いちゃっ、あぁっ~っ……」
動き出すなり早くも高い嬌声を漏らし、肢体を大きく揺らすドレミー。びくびくと痙攣する膣粘膜が、肉棒に掻き回される悦びに打ち震えているのが、こちらからもはっきりと分かる。
「だめっ、イク、イっちゃうから、やっ、あぁ……」
そんな弱々しい制止は聞かず、蜜壺の奥を突き上げ続ける。程なくして、ドレミーは抗議ではなく短い喘ぎ声しか発さなくなってしまう。
「あっ、ひあっ、イっ、イク、イクっ……! あっ、あぁぁっ……!」
そして、一際強く体を震わせると、堪え切れないとばかりに声を張り上げてこちらにぎゅっと抱き付く。
膣内も激しい収縮を幾度も繰り返し、陰茎を強く締め付けてくる。しかし、今のそれは精液を搾るというよりも、体内を巡る快感を少しでも発散するためかのようだった。
絶頂を迎え、ドレミーは短く息を吐いてこちらに体重を預ける。絶頂の多大な快感から降り切らぬ体と、だらりと投げた脚が小さく跳ねているのが愛おしい。
「ご、ごめんなさい、貴方に楽しんで、欲しいのに、私だけ先に、イってしまって」
「いやいや、謝ることじゃないよ」
絶頂の余韻に途切れる声で、申し訳なさそうに謝罪するドレミーの背に手を回して、ぽんぽんと背中を軽く叩く。
「ドレミーが気持ちよくなってもらえたなら、俺も嬉しいから」
「そう、ですね。私を骨抜きにするために、これをお願いされたのでした」
「そうそう、だから、気にしなくていいよ」
汗の浮かせた顔を綻ばせた彼女の手が、自らの肢体に刻まれた、感度を上げる紋様を撫でる。その手に倣い、自分の手もその手に重ねて、彼女の手のひら越しに撫でると、ドレミーは熱っぽい吐息を零す。
「あ、んっ……。お試しくらいのつもりだったのですが、思ったよりも、ですね。イッたばかりなのに、まだ疼くし熱いしで……」
撫でる手を少し押し込むと、ドレミーはぎゅっと体を縮こまらせた。
「軽い思いつき、程度のつもりだったんだけどね。でも、これに慣れちゃうと普通だと物足りなくなっちゃいそうでちょっと怖いね」
冗談半分、それなりに真面目な懸念半分に軽く笑うと、ドレミーはふむ、と呟いて一考し、少しだけ首を傾げた。
「確かに刺激というものは求めすぎるとエスカレートしがちなものですが、これに関しては、少なくとも私と貴方ではそうでもないと思いますよ?」
ドレミーは自身の双房を持ち上げて、たぷんと揺らす。乳首の周りは白い母乳に塗れ、今もじわじわと滲み出している。
「これからは、こうしてミルクが出ないと、もうおっぱいを求めてはくれませんか? 揉んだり、吸ったり、他にも色々、もう必要ないですか?」
「いや、それはないよ」
「ね? 大丈夫でしょう?」
「……確かに」
手のひらの上で重たげに揺れる豊乳を前にして、迷いなく口をついて出た返答にドレミーは頬を柔らかく緩める。
「そういうこと、ですよ。私は、ミルクが出なくても、感度を上げたりしなくても、赤ちゃんを授かりにくい日でも、貴方と変わらず愛し合いたいです」
「うん、俺も。ごめん、つまらない心配で気を遣わせたね」
「いえいえ、お気になさらず」
ドレミーの乱れた髪を払い、さらりと指先で梳く。彼女は心地よさそうに頬を緩めるが、その頬に指先が触れると、可愛らしい声を漏らして体をびくっと跳ねさせた。
「ひゃうっ……」
「あ、ごめん。くすぐったかった?」
「いえ、その……、もう、あそこがすごく疼いて、感覚が色々敏感、で……」
ふるふると首を横に振ったドレミーは、こちらを上目遣いに覗く。
「あの、私が落ち着くのを待って下さっていたのは分かっていますが……、また、しましょう?」
一人だけ先んじて絶頂を迎え、ばつが悪そうにしていたドレミーがまた気を使ってしまうかもと思い、こちらから言い出しはしなかったが、小休止を入れた理由を彼女は分かっていたらしい。
何も言わずともそれすらお見通しならば、なるほど、ドレミーの言った通り二人の営みの深さはもう、些細なことでは今更揺らがないだろう。
彼女の催促に頷きを返し、また腰を動かす。挿入したままの陰茎が膣奥をこすり、膣内が強く引き締まる。
「あっ、あぁっ! これ、これが、欲しかったのですっ! はぁっ、あぁんっ!」
つい先程絶頂を迎えたばかりの媚肉は愛液に満ち、きつく締め付けてくるのに、とてもスムーズに屹立は滑る。それに、ピストン運動に合わせて膣口から出入りする怒張に引っ張られ、蜜が多分に漏れ出す。
結合部は掻き出された粘液でびしょびしょに濡れそぼり、突き上げる腰が触れ合う度にそれらはこちらの体を濡らす。もはや洪水と言ってもいいほどに濡れているのに、柔肉壺は常に新たな愛蜜に満ちていて、熱くぬめる膣肉で迎え入れてくれる。
しかも、先の交わりでは自分だけ、ひいては、子宮が子種を欲しているにもかかわらず、注がれずに終わってしまったのが口惜しいかのように、膣内は肉棒を引き絞り、精液を求めてくる。
「あっ、ああぁっ、なか、もっと、ぐちゃぐちゃにして下さいっ……!」
膣道を狭めて射精を促す蠢きに、快感がまた一段と増す。その一方で、摩擦も増したことで、ドレミーが味わう快感も増す。
彼女は貫かれながらも腰をひくひくと跳ねさせ、陰茎を扱く。うねる膣内で抱擁してのそれは、多大な快感を齎してくれる。
「やぁ、腰が、勝手に動いちゃう……、あっ、はぁんっ!」
精液と快感を激しく求める、官能に色めく肢体。そんな彼女に、こちらからももっと快感を与えたくなり。
ドレミーの背に回していた片方の手を結合部へと持っていき、陰茎が出し入れされているすぐ上、淫核を指先で軽く触れる。
「っ! ひゃうぅっ!」
刹那、ドレミーはこちらに抱き付く手を強めて下半身をびくんと跳ね上げ、膣内も一際窄まりを強くする。
肉棒を抜き差ししつつ、相変わらず非常に敏感な秘芽を指先で転がすと、とてもいい反応を返してくれる。
「そこ、だめぇ……、クリ、いじっちゃ、気持ち、よすぎて、あっ、ああぁっ!」
声とともに獏耳がひくひくと跳ね、尻尾もゆらゆらと大きく揺れてベッドと擦れて布ずれの音を鳴らす。
指で秘芽を圧迫しながら、その裏辺りを内側から亀頭のエラで掻いてやると余程気持ちいいのか、声にならない声を漏らして甘ったるい息を吐く。
「っ~……、はっ、あぁっ、やっ、ああっ、ひあぁぁ……」
高まる官能はまた別のところにもその発露を見せ、触れてもいないのに乳房は母乳を溢れさせる。滲む白い粒はあっという間に大玉となって滴り、垂れ落ちていく。
迷いなくそれに顔を埋めて口付けると、ドレミーはまたびくっと体を跳ねさせた。
「はぁんっ、おっぱい、あっ、ひぁっ……!」
口内に再び広がる甘味に促され、肉粒を乳輪ごと吸えば、たちまちもっと多くの母乳が噴き出す。
それらも迷いなく嚥下し、更に求めていると、彼女はこちらの頭を優しく掻き抱いた。
「もっと、たくさん飲んでいいですからね……。今はまだ、貴方だけのおっぱいですから……、あっ、ん、あぁっ……」
今までの激しい嬌声とは違う、母性に溢れた優しい声でドレミーは言う。
だが、その一方で授乳でも快感を得ているのははっきりと分かる。吸い付く膣襞は変わらず蠢いて陰茎に絡み、漏れ出る嬌声は快感に震えている。咥えていない乳房からも母乳はぽたぽたと噴き出しており、こちらの体を白く濡らす。
「はぁっ、おっぱいも、おまんこも、気持ちよくてっ、私、また、イっちゃう、ひあぁっ……」
少し遠慮がちに、まるでそれが悪いことかのようにドレミーは言う。先程もそうだったが、自分だけが絶頂を迎えてしまうのは不本意なのだろう。
そんな彼女の乳房から、一旦口を離す。それは、決して快感を途絶えさせて絶頂の時を先延ばしにするためではなく。
「ドレミー、大丈夫、俺も、そろそろだから、もう少しだけ……」
自分も絶頂が近いが、このままだと恐らく向こうが先になってしまう。だから、あと少しだけ我慢して欲しいと伝えると、ドレミーは快感に蕩けながらも柔らかく笑う。
「分かりました。一緒、一緒に、イキましょう?」
微笑む彼女の頬を軽く撫で、突き上げる腰に改めて力を込め、スパートをかける。
同時に、こちらの背中側に向かって投げ出されていたドレミーの脚が、腰に絡み付く。両手がこちらの首から肩に、両脚は腰に回されて、まるで全身でしがみつくように抱き付いてくる。
こちらからも両手を彼女の背中に回して、しっかりと抱き留める。万が一にも、離れてしまわないように。
そうして、ドレミーとの密着度がより増すと、彼女はこちらをじっと見やり。
「んっ……」
二人の唇を、そっと触れ合わせる。
口唇に落とされる、今まで幾度となく交わした口付けの感触。それは一度では終わらず、二回、三回と続く。
「ん、んっ、ちゅ、ん、はぁっ……」
舌を絡ませたりではない、唇を重ねるだけのバードキス。小動物が頬を擦り合わせて甘えるようなそれは何度も繰り返され、ドレミーは口付けの合間に吐息を溢す。
その合間、こちらからも少し返してやると彼女は嬉しそうに長く息を吐く。
膣内を掻き回され、母乳を噴き出し、子宮の疼きに自分を抑えらずに腰を捻って快感を求める淫らな姿を見せる一方、普段の端正な雰囲気を崩して甘えてくれるのが、たまらなく可愛い。
そんなドレミーの姿に強く湧き上がる、大きな欲望。愛おしみたい一方で、全てを自分のものにしたいと強い独占欲も噴き出す。
口付けを返す傍ら、彼女を支えていた手を片方だけ離し、彼女の下腹部、紋様が刻まれた部分を撫でる。これから、ここに注ぐと示すように。自身の子種を、子宮へと。
「あぁっ、んっ、そこ、なでなで、は、あぁんっ、ひあぁぁっ……」
相当疼いているであろう場所を撫でられて意識が強まってしまったのか、外からの愛撫にも嬌声を上げるドレミー。もはや、完全に敏感な性感帯と化しているらしい。
下腹部を愛撫する手のひらを少しだけ押し込む。瞬間、膣内はきゅううっと締まり、陰茎に肉襞を絡み付かせる。
子宮の手前から最奥に掛けての窄まりが一気に強くなり、そこでの絶頂を誘うように脈動し、種付けすべく突き込んだ生殖器を離さないとばかりに締め付けてくる。それは、絶頂へ向けて性感を高めていた二人が目指す、至福の時への呼び水となる大きな快感を、平等に分け与えた。
「ドレミー、そろそろ、出すよっ……!」
「はいっ、出して下さいっ! 私の中に、貴方の精子を、たくさんっ……!」
こちらの背に回された、ドレミーのしがみ付く手がぎゅっと強くなり、しなやかな足でもしがみ付かれる。
もはやこちらの意思ではろくに離れられないほどの、全身を使った抱擁。膣内射精以外の選択肢が、彼女によってなくなってしまう。
もっとも、自分もそのつもりであり、恋慕のこもった拘束を受けながら、可能な範囲で腰を揺すって膣肉を掻き回す。ストロークの短い前後運動で膣奥を小突いて、ここへ注ぐとドレミーの体に教え込む。膣内もそれに呼応するかのように肉襞を吸い付かせて奥へと誘い込み、子宮口から熱心な口付けを浴びせられる。
「くっ……、っ! う、く、ああぁっ!」
瞬間、全身を焼くような熱と快感が一気に駆け巡り、思考が真っ白になる。同時に、分身は大きく跳ね上がり、精液を勢いよく吐き出す。
お互いに腰を密着させての膣内射精は、眼前の子宮へ、それも危険日で普段以上に子を孕みやすい子宮へと注がれていく。
「あっ、ひあぁっ! わ、私も、イ、クっ……! あ、はあぁんっ!」
柔肉壺で脈動する陰茎と、精液を注がれる実感が引き金となったのか、ドレミーも僅かに遅れて、再び絶頂を迎えた。怒張から精液を搾り取るべく、纏わり付く肉襞が強烈に収縮してうねる。
「欲しい、貴方の精子、もっと欲しいですっ……。種付け、して下さいっ、私の子宮、貴方の精子で、いっぱいにしてぇ……」
ドレミーの肉体だけでなく、心も同じ気持ちであり。
互いに絶頂の快感にまだ浸りつつも、彼女は腰を捻って少しでも屹立を摩擦して、子種を一滴でも多く絞り出そうとする。自分も無意識のうちに、更に腰を押し込んで子宮口へと肉棒を押し付け、その全てを胎内へと送り込む。
ぐっ、ぐっ、と腰を入れる度に少量でも注ぎ、向こうも膣内の脈動と腰つきで搾る。お互いに求め合う種付けは射精が完全に収まり、陰茎の脈動が落ち着くまで続いた。
「っ、く、うっ……、もう、出ない……」
「あっ、ん……、はぁっ、あぁっ……」
絶頂の快感と、愛する人の子宮へ自身の精を注ぐ充足感に夢中になってしまい、大きく乱れてしまった呼吸を整える。もっとも、ドレミーも息が荒いのは同じで、その理由も自分とほぼ同じだろう。
二人して浅い呼吸を繰り返し、ある程度落ち着いたところで二人揃って大きめに息を吐く。そして、彼女は汗を浮かせた顔で、口角を緩めた。
「もう一回イッちゃうくらい、とっても、気持ちよかったです。貴方は、どうでしたか?」
「俺も、すごく気持ちよかったし、ドレミーも、すごく可愛かった」
「そ、それは少し恥ずかしいですが、ご満足頂けたのなら何より、です」
ドレミーは紅潮した頬をもう少しだけ朱を濃くし、視線を僅かに逸らす。
彼女の口振りも合わせて、そろそろお開きか、そう思い口を開きかけるが、それよりも早く、自身の下腹部に手をあてがったドレミーが口を開く。
「さて、お代はつい先程、ここにたくさん頂きましたが、もしも追加をお望みならチップという形で受け取りますが、どうしますか?」
「え?」
ドレミー自ら、続きを催促する言葉を問う。思いもよらぬ質問につい聞き返してしまったが、それが遠慮に聞こえたのか、彼女はこちらに向き直り、まっすぐとこちらを見つめる。
「と言いますか、私がまだ欲しいです。子宮が、まだまだ疼くのです。貴方の精子がもっと欲しい、これじゃ足りないって」
ドレミーの止まぬ渇きに色付く青い瞳には、その透き通った色彩に反して情欲の炎が燃え盛っていた。
そんな情熱的なお誘いへの返事は――仮に向こうから言い出さずとも――、最初から決まっており。
「俺も、まだ足りない。もっと、ドレミーが欲しい」
そう返しながら、自分も彼女の下腹部に手を向わせ、その手に自らの手を重ねる。
この紋様を描いた際と同じ手つきではあるが、その存在を確かめていた手つきではなく、再度の約束として。
すると、膣内はまたきゅっと締まり、射精の直後でも衰えぬ分身がどくどくと脈打つ。気持ちだけでなく、こちらもやはり、彼女を求めていた。
「ふふっ、実は、そんな貴方に朗報がありまして」
ドレミーは口の端を緩めて企むように笑うと、口元に手のひらを添えて、周りには誰もいないのに、こそこそ囁く。
「タイミングがなくて言いそびれていましたが、今回も私のミルクに精力増強効果をちゃんと付与してありますので。なので、少し疲れたなって思ったら、いつでも気兼ねなく、ちゅうちゅう吸って構いませんからね?」
彼女が自らの豊満な乳房を持ち上げて乳輪の辺りを指先で軽く摘まめば、こちらも乾きなど知らないとばかりに母乳が溢れ出し、肉欲を甘く誘う。
「ふふ、こうしていると、まるで牛さんみたいですね。今度、また夢で何かする時は、ミルクで色々してみるのも面白そうですね」
「それもいいね。でも、今は――」
非常に魅力的な提案に頷きながらも、そう前置きして更に続ける。
「発情しきった、もっと種付けして欲しいってせがんでくる兎さんを、満足させてあげないとだから」
冗談っぽく言いながら、ドレミーの下腹部を撫でると、彼女もこちらの手に自らの手を重ねた。
「そうですね。その代わり、貴方も思う存分、楽しんで下さいな」
そして、にっこりと笑うと、またメニュー表をどこからともなく取り出す。
「ふふっ、では、あとは自由時間としましょうか」
傍らに浮かばせたそれに向かって尻尾をかざして、そこに書かれた最後の項目に横線を引く。
こうして全てが埋まったメニュー表に向かって、ドレミーはぴっ、ぴっと十字に指を切る。すると、まるで名刀で切られた半紙のようにそれはスッパリと分かれ、そのまま空中に溶けて消えてしまった。
「さて、あとは貴方のお望みどおりに、私を好きなだけ愛して下さいな」
耳元に甘美に囁きを残し、ふわりと微笑むドレミー。
淫らな兎、もとい獏のお誘いとおねだりに答え、それからも延々と交わり続けた。
3.
「実を言うと、元々今日はものすごーく濃厚に愛し合いたい気分だったんですよ。なので、普段は着ないような厭らしい恰好で煽ったら、とっても興奮してくれるのじゃないかな、と思いまして。まあ、それがどうだったかは、この惨状を見れば明らかですね」
両の手の指を折り切るほどに交わってから暫くして。もしもこれが現実でのベッドなら、もう廃棄すら考えるほどぐちゃぐちゃになったシーツを見やり、ドレミーは言う。その直後、彼女が指をパチンと鳴らすとベッドは新品同様の綺麗なものに変わり、二人とも改めて腰を下ろす。
「それならそうと、最初から言ってくれても良かったのに。結果的には変わらなかったかもだけど、もっとドレミーの希望を聞くのをメインにしたりとか……」
「言えませんよ。恥ずかしいじゃないですか」
「それはそうだけど……。でも、今は教えてくれるんだね」
「もう終わりましたし。それに、こうして教えるということは、次からは察して下さいってことですよ?」
ドレミーはあっけらかんと、にっこり笑う。
これは中々にプレッシャーだ、と思いつつも、恐らく次回以降もしれっと誘惑してくるんだろうなあとも思う。どうにも、ドレミーはこちらの反応も合わせて楽しんでいる節がある。もっとも、行為の最中のように、こちらも彼女の反応を楽しんでいる部分はあるのでお互い様ではあるが。
「それにしても、これ、いつの間にか消えていましたね。特に時間制限なんかを設けたつもりはなかったのですが」
ドレミーは下腹部を見やってむうと唸り、自分もその視線に追従する。確かに、そこにはっきりと刻まれていたハートを模した紋様は綺麗さっぱり消えていた。
「終わってから休憩してる間に、気分も落ち着いて消えたとか?」
「ですかね。それか、受精したとか」
「あー、うん、なる……、ほど? え、本当に?」
余りにも自然に言うので流れで頷いてしまったあと、少し考えて発言に詰まり、最後にはついつい聞き返してしまう。何せ夢の支配者たるドレミーが、夢の世界ならと実行したのだから、本当なのかもしれない――。
「いやいや、冗談ですからね?」
かと思ったが、冗談だったらしい。
「そもそも、出してもらってすぐに成否が分かるものじゃありませんし。早くても、明日の朝やお昼頃じゃないですかね、恐らく」
「……だよね。いや、実際に付けたドレミーが言うならそうなのかなって……」
あははと空笑いするこちらに対し、相変わらず彼女はいい笑顔をこちらに向ける。
「でも、その時は責任、取ってくださいね?」
「勿論。まあ、言うまでもないとは思うけど」
それには当然、そう返す。言われずともそのつもりだ。
「ふふっ、即答してくれるところ、好きですよ。分かってはいても、ちゃんと言葉で聞いておきたい時もありますから」
ドレミーはにこにこ笑顔を崩さずに、こちらに身を寄せる。
その辺りのことに関しては、自分達二人はともにもう心を決めているが、それでもやはり思うところはあるのだろう。自分だって色々と考える時はあるし、それなら当然彼女も。
先の質問にどこまで意図があったのかは分からないし、尋ねるつもりもない。ただ、脇に置かれた彼女の手に、自分の手を重ねた。
それから、少しの間を空けて、ドレミーはベッドから降りると、口の端を緩める。
「さてさて、せっかくですし、新ためて楽しんでみませんか?」
そして、ドレミーは下着姿のままくるりと回る――と、こちらに向き直った時には、最初に別案と称した際に着ていた方――当然、露出度が高くなる前――のバニー姿になっていた。
「この恰好って、ちょっとマジシャンっぽくもありますよね。というわけで、手品なんてどうですか? タネも仕掛けもありありですが」
言いながらドレミーが指を鳴らせば、夢魂と同じ色をしたステッキが現れる。もう一度鳴らせば、帽子がいつもの赤いものではなく、シルクハットに変わる。続けてシルクハットを脱いでその縁をステッキで叩けば、中からは絵本に出てきそうな可愛らしい羊が現れて辺りを走り回る。本人が言った通り、タネも仕掛けも手先一つとはいえ、そのスムーズさは流石夢の支配者だ。
それに、やはり。
「やっぱり、その恰好も似合うね。すごく可愛い」
「ふふっ、ありがとうございます。そうだ、どうせならあとで一緒にやってみましょう? 夢の扱いのいい練習になりますよ」
その後、貸し切りマジックショーを堪能した後、ドレミー直々にマンツーマンで夢の制御について簡単な指導を受けたりしながら、夢の世界での楽しい時間は過ぎていった。