「稲葉君」
授業が終わり、教室に帰ろうとしたところで先生に呼ばれた。
「はい。なんですか?」
「申し訳ないんだが、これ倉庫にもどしておいてくれないか?」
と言って、授業で使った跳び箱を指さす。本来授業で使った道具は係の人が片づけるのだが、今日は休んでいるため、僕に代わりにやってほしいってことだろう。
「わかりました。やっておきます」
「すまないね。頼むよ」
申し訳なさそうに伸ばした掌を前にやると、先生はそそくさと体育館を出て行った。
あの様子は多分、本当は自分でやろうとしたけど、急ぎの仕事が入ったから、偶然近くにいた僕にまかせたって感じかな?
「ヒカル君、跳び箱片づけるんですよね? 私も手伝います!」
僕と先生の会話を聞いていたのか、ソラさんがそう言ってくれる。
跳び箱はちょうど2つあるので、ソラさんには跳び箱を1つお願いし、僕はもう1つの跳び箱を倉庫に片づけた。
1人でやったら時間かかっていただろうが、ソラさんのおかげでだいぶ時短でした。持つべきものはやっぱりソラさんだ。
「ありがとうソラさん、助かったよ」
「これぐらいなんてことありません! ヒーローはこまってる人を見過ごしませんから!」
笑顔で言うソラさん。別にこまってるオーラは出してなかったと思うけど……助かったことには変わりないので感謝だ。
「さて、片づけも終わったことだし、教室に―――」
ガチャリ、と言葉を遮るように聞こえてきた施錠音。振り返ると見えた人影が徐々に遠ざかっていくのが見えた。
イヤな予感がして、僕はドアノブを下げる。案の定、ドアはガチャガチャと音を立てるだけで、その口を開けることはしなかった。つまり、僕らは……。
(閉じこめられた……)
誰がやったのかは今はどうでもいい。マズいのはこのままでは授業に遅れてしまうこと。僕だけならまだいいが、手伝ってくれたソラさんまで授業に遅れさせるわけにいかない。
(でも……)
意中の相手と狭い部屋で2人きり。そんな誰もが一度は妄想したシチュエーションが起きているかと思うと、いやらしい考えが浮かばなくも―――いやいやダメだ! こんな状況なのにそんなこと考えたらソラさんに―――。
「ヒカル君」
幻滅される、と思った途端、後ろからソラさんが腕を回してきた。つまり、抱きつかれていることになるのだが、そのせいで心臓は加速した。
「ソラ、さん……?」
「ヒカル君、今なにを考えてたんですか?」
「なにって……ここから脱出する方法だよ……?」
「それだけですか? 私はいやらしいことを考えてると思ってましたが」
「!?」
見抜かれている。ソラさんは人の心が読めるのだろうか。恐ろしい人だ……。
「ふふ、図星みたいですね。ドキドキが速くなりました」
言いながら、体操服の中に手を突っ込み、肌をまさぐってくるソラさん。それがくすぐったくて、身体が小さく震える。
「どんなことを考えてたんですか?」
「そんなの、言えるわけ……」
「はずかしいんですか? でも……」
ズボンと下着を下げられると、勃起したペニスが晒される。く……なんでこんな時、身体は正直なんだ……。
「身体はとても正直ですね。ヒカル君ってばエッチなんですから♡」
言いながら、ペニスを握り、しごいていく。強すぎず弱すぎずといった力加減。それがとてもキモチ良くて、息はだんだん荒くなっていった。
「すごくエッチな顔してますね。ヒカル君」
「だって……そんなところしごかれたら、誰だって……」
「なら、もっとシてあげますね♡」
親指の関節でグリグリとペニスの側面をこすられる。偶然なのかはたまた意図的なのか、ウィークポイントであるそこを攻められれば、嬌声が上がる。
「先っぽからお汁出ちゃってますね。イキそうなんですか?」
上手く舌が回らないので、頷いて答える。するとソラさんはにこりとほほ笑んで“わかりました♡”と答えると、ウィークポイントを激しくこすった。
「あっ、ソラさんもうっ」
「いいですよ。遠慮せず出しちゃってください♡」
そんなソラさんの言葉を皮切りに僕は果てる。ソラさんは射精を確認すると手を放し、付着した精液を舐め取った。
「ん……思ったより濃いですが、あなたのほうはまだ満足できてないようですね」
ペニスは意外にも欲深いようで、射精直後の今でも硬度を保っていた。
ソラさんはそれを見て“しかたないですね♡”とうれしげに言うと、舌を脱ぎ、両手を壁につけた。
「ここに挿れて、スッキリさせましょう♡」
ここでやめたら不公平だと思い、僕はソラさんのお尻に手を添え、ペニスを挿れる。
奥へ進む最中で肉壁がこすれ、手コキとはまた違ったキモチ良さを与えてくれる。
「はぁっ、あっ♡いいですよヒカル君っ♡そのまま、突いてくださいっ♡」
言われるまま、奥を突いていく。その度にソラさんから嬌声が上がり、誰か来たら見られてしまうんじゃないかと危機感を覚えるが、それがスパイスを与えてこの行為を盛り上げてくれるのを僕は今直に感じている。
「ぁあああぁあっ♡ヒカル君、あっ♡も……私っ♡」
「なら、いっしょにっ……」
イこうと言いかけたところで、僕らは同時に果てる。
もう授業は間に合わない。教室にもどったら覚悟しよう。
「まだ助けは来そうにありませんし、もう1回……シます?」
顔を赤くしながら聞いてくるソラさんにうなずき、僕らは第2ラウンドに入るのだった。ちなみに……。
「腹いせに閉じこめてやった。ヒヒッ、せいぜい困るといいのねん」
カギをかけた犯人がカバトンとわかったのは数日後の話……。