商店街に鐘が鳴り響く。
そこでは今、福引き大会が
用意されている景品は残念賞のポケットティッシュ、3等の醤油の詰め合わせ、2等の最新のテレビ用モニター、1等の温泉旅行団体宿泊券というラインナップとなっているが、参加者の大半が狙っているのはもちろん、1等の温泉旅行団体宿泊券である。
そういう人たちは大型連休は温泉旅行でゆったり過ごすことを夢見て参加していたのだが、数百ある玉の中から1つしかない金の玉を当てるのは困難を極め、これまでティッシュを持ち帰る参加者が後を絶たなかった。
しかし今、それに終止符を打つかのように金の玉を引き当てた者が現れ、鐘はそれを祝福する音だったのだ。
祝福されし者の名はソラ・ハレワタ―ル。商店街でよく買い物をしている彼女は福引き大会開始日からコツコツと福引券を貯めてきたが、終了日が迫った今日になって一気に放出。最初は他の参加者と同じく残念賞である白の玉ばかり引いていたので、見守っていた参加者もやっぱりダメかとあきらめモードだったが、ラスト1回で金の玉が観念したように登場。まるで野球の試合でサヨナラ勝ちしたような逆転劇を目にした参加者はソラに惜しみない拍手を送り、中には感動のあまり涙する者もいた。
しかもスタッフがガラガラの中身を確認したところ、その金の玉が最後の玉だったようで、金の玉のしぶとさをスタッフを含めた人たちにあらためて見せつけたが、それが結果的に引き当てた感動をさらに与える結果となった。
「おめでとうございます!! 温泉旅行、楽しんでくださいね!」
「はい! ありがとうございます!」
旅行券を受け取り、虹ヶ丘家へ。GWはみんなで温泉旅行と思うと、自然と足取りは軽くなり、鼻歌も歌いだすほどソラのキモチは晴れ渡っていた。
「ただいまもどりました!」
リビングに行くと、みんなが集まっていた。GWをなにもせずに過ごすのはもったいないということで、なにをするかみんなで会議していたのだが、いざ案を出せとなると中々出ず、いまだに決まっていないのが現状だ。
「あ、おかえりソラちゃん。なんか機嫌よさそうだね。なにかあったの?」
ましろの問いに“よくぞ聞いてくれました!”と目を輝かせ、先ほどゲットした旅行券をましろに見せた。
「それって、商店街の……当たったの!?」
「はい! ラストの1回で当てられたんです! しかも1等の玉が最後の1個だったんですよ! すごくないですか!? ラストワンですよ!」
よっぽどあの時の感動を分かち合いたかったのか、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら語る。なんだこのかわいい生き物は。
「まだ予定が決まってないなら、今年のGWは温泉にしませんか? 団体用のチケットなので、全員で行けますし!」
「いいじゃんそれ! よし! 今年のGWは温泉にけって~い!」
ということで、一行はあげはを保護者兼運転手にし、温泉旅館へ。外装は王道の和風テイストになっており、周囲には木が生い茂っていた。ちなみにエルはここに来てまで自分の世話をしてもらうのは申し訳ないということで、赤ちゃんの姿ではなく、ヒカルやソラと同じくらいの少女の姿になっている。
「ここが旅館ですか! 自然に囲まれていい感じですね!」
「まずはチェックインしないとね。行こう!」
カウンターでチェックインを済ませ、指定の部屋にむかう。部屋割りはましろが気を利かせて1部屋目をソラ、ヒカル、2人以外を2部屋目に割り振った。
部屋は壁は木製に引き戸、床は畳とこちらも外装と同様和風テイストになっており、窓からは観光地であろう街が一望できた。
「いい景色ですね。最近戦いの連続だったので、ここなら思いきり羽を伸ばせそうです!」
「そうだね。荷物を置いたらその街を観光しよう。ヨヨさんのお土産も買っておきたいしね」
「はい! そしたらヨヨさんも喜んでくれますね!」
荷物を置いた後、ましろたちと街へくりだす。そこからは夕方まで自由行動ということになり、ヒカルとソラに誘われて2人で観光することになった。
知らない街を2人でぶらつく。なにをするか決めなくても、それだけでヒカルの心は満たされていった。
「ヒカル君、アレはなんですか!?」
ソラの足を止めたのは人力車。明治、大正時代の移動手段として使われた輸送車で、人の力で動かすのが大きな特徴だ。
「お嬢ちゃん、人力車は初めてかい?」
ソラに気づいた青年が人力車を押しながら気さくに声をかけてきた。
「あ、はい、私の地元にはないもので……」
「なら、乗りなよ。知らないことを体験するのも人生だ」
「そうですね。せっかくだし、乗ろうか」
「そうこなきゃな。さあ、乗ってくれ」
ヒカルとソラが人力車に乗ると、青年は人力車をゆっくり押していく。ただ、それだけではつまらないと感じた青年は2人に話しかけてきた。
「2人はここには観光で来たのかい?」
「はい! 福引で温泉旅行が当たりまして! このGWを使ってみんなで旅行に来たんです!」
「それは運が良かったな。そっちのお兄さんは彼氏かい?」
「彼氏と言うとこそばゆいですけど……私の大好きな人です!」
ソラが答えると、青年は“そっちのほうがこそばゆくないか?”と苦笑する。別に隠すことではないのだが、こちらの関係のことを根掘り葉掘り聞かれるのははずかしいと感じたヒカルは話題を変えることにした。
「あのっ! お兄さんにもそういう人いるんですか!?」
「いるぞ。いそがしくて滅多に会えないけどな」
「好きな人と離れ離れになって、さびしくないんですか?」
「さびしくないって言ったらウソになる。でも、あいつは夢だった教師になって今でもがんばってる。だからオレは、それを応援してやりたいんだ」
“それに月に一度会いに来てくれてるしな”と付け加えて、青年はニカッと笑う。
ヒカルは今でこそソラといっしょにいられているが、それは永遠ではない。いつか別れの日がやってくる。その時、自分はどうするのだろう。ふとそんなことを考える。
「2人を見てると昔を思いだす。あいつと過ごした日々はいつも楽しくて、オレにとっては魔法のような時間だった。だからこそ、2人に言えることが1つある」
「なんですか?」
「今の時間を大切に過ごすこと。どんなことにも終わりはある。それが来た時、笑って再会を約束できるようにな」
言っていることは理解できる。しかし、別れるという実感が今のところないヒカルとソラは青年の言葉にうなずくことはできなかった。
顔を見合わせる2人を見て、青年はそれを察したのか、“心の隅に留めておけばいいさ”と笑い、2人を人力車から下ろした。
それからしばらく観光した後は旅館にもどり、いよいよ温泉へ。
ソラといっしょに入りたいと思わなくもなかったが、生憎本館に混浴風呂がないため、別々で入ることに。残念。
「うわ~!」
温泉から出てサッパリしたところで夕食。献立はサーモン、ホクホクの白米、2人分のフライの盛り合わせ、みそ汁、茶碗蒸しとやはりこちらも和風テイストのラインナップとなっていた。
木々に囲まれた旅館であるが、魚の鮮度にはこだわっているようで、料理に使われている魚は当日に取り寄せたものを使用しているんだとか。
「どれもおいしそうですね! いただきます!」
「いただきます」
合掌後、サーモンを口に運ぶと、ソラはうなり声をあげた後、“うま~い!”と歓喜と感動を交らせたような声をあげた。
「新鮮な歯ごたえ、ぷりぷり感! そして甘みが口の中で広がって、目の前に大海原が広がるようです!!」
グルメレポーターばりの感想を言いながら、大げさに腕を広げる。
ソラはこの世界に来たばかりの頃にもサーモンを食べたことがあるようだが、その時にも似たコメントをしていたとましろが言っていた。
しかし、そんなコメントが出るほどこのサーモンは美味だった。いや、サーモンだけじゃない。白米は完ぺきに計算された水量で炊きあげられているため、ほどよくやわらかい食感が保たれているし、フライはサクサクの衣にぷりっとした身の食感がよく、この旅館お手製の白みそが使われているみそ汁はのど越しがよく、茶碗蒸しは卵の甘みに出汁のバフが加わることで風味豊かな味わいとなっている。
「いや~おいしかったですね~。大満足です!」
満足そうにお腹をさすりながら言う。口コミで料理が評価されているだけあって、料理は本当に美味だった。口コミの中には酷評する内容もあったが、実際に食べてみるとアレは旅館を陥れるためにあえて書いたものなのだろう。なぜそのようなことをしたかはわからないが、恐らく書いた人は過去にこの旅館でトラブルを起こしたのかもとヒカルは推測した。
「みんなもそろそろ食べ終わったころでしょうか?」
「かもしれないね。しばらくしたらみんなのところに行ってみようか」
「食べてすぐ押しかけるのはあまりよくないですからね。そうしましょう!」
ということで数十分後、ましろたちのいる隣の部屋にむかったヒカルとソラ。
だが、部屋の前まで来た時、艶のある声が部屋から漏れていたので、引き戸を少し開けて中を見ると、そこには淫猥な光景が広がっていた。
「はあっ、はあっ、あげはさんのナカ、すごくっ、キモチいいっ」
「あっ♡はっ、少年っ♡いい、腰使いだよっ♡」
「ツバサッ♡あげはが終わったら私よ♡」
「ズルいよエルちゃん! 私だってツバサ君に挿れてもらいたいのにぃ!」
「大丈夫ですよ。あとでちゃんと、2人仲良く挿れてあげますからっ」
『ツバサ(君)っ……♡』
ヒカルとソラに見られているなど思いもしないツバサたちは生まれたままの姿になって卑猥なやり取りをくりひろげている。
しかもプリキュアの不思議パワーが発動しているのか、ましろたちの体は大人顔負け(1人は元々成人だが)の豊満なボディとなっていた。
寝るまでまだ時間があるので遊びに来たソラとヒカルだったが、これではとても遊べないので、そっと引き戸を閉じて部屋にもどった。
「まさか、ツバサ君があんなやり手だったなんて……」
「僕も知らなかったよ……ああいうことには興味ないというか、耐性ないと思ってたから……」
「私もそう思ってました。ところで……」
ソラの視線がヒカルの股間に向く。そこは先ほどの光景を見て興奮したのか、ズボンを突き破らんとばかりに勃ちあがっていた。
「あ、こ、これは……」
「ヒカル君、アレ見て興奮しちゃったんですか? ヒカル君はスケベですね……」
実際そうなので、なにも言い返せないヒカルをソラは床に倒す。しかも、プリキュアの不思議パワーを発動させたのか、豊満な体つきになって。
「ソラさん!?」
「私だってプリキュアなんですよ? ましろさんたちにできて、わたしができないわけないじゃないですか」
得意げに言うヒカルの視線は完全にソラの体に釘付けになっていた。
下ろされた青の長髪に大人びた容姿、浴衣から見える深い谷間、スラリとした手足。そのどれもが素晴らしく、思春期の男子中学生には刺激の強いものだった。
「ふふっ♡」
ヒカルの視線に気づき、手に取った彼の手を自身の豊満な胸に触れさせる。
むにゅっと沈みこむ肉厚に興奮を覚えつつ、ヒカルは10本の指を動かした。
「あっ、んっ♡ヒカル君触り方が、いやらしいですっ♡んあっ♡」
「ソラさんのおっぱい、すっごくやわらかい……」
ふわふわでやわらかいおっぱいの感触。あらがうことなく手の動きに合わせて形を変えるおっぱい。加えてそれが好きな人のおっぱいともなれば、興奮するのは必然であり、息だって荒くなる。
「せっかくこういう体になったので、それでしかできないことをシちゃいましょうか♡」
そう言うと、ソラは浴衣を脱ぎ捨て、興奮しっぱなしのペニスをおっぱいではさむ。
ダイレクトにペニスから伝わってくるやわらかな感触に息はさらに荒くなり、ヒカルは呼吸困難になるんじゃないかと心配になるが、それ以上にキモチいいので、ソラに“もっとシて”と懇願した。
「わかりました♡いっぱいキモチよくなってくださいね♡」
二コリと微笑むと、先っぽを舌で舐めつつ、おっぱいを動かす手を早める。
それによって、性的興奮が頂点に達したヒカルは精液を吐きだし、顔とおっぱいを汚した。
が……射精直後にも関わらず、ペニスはいまだに隆起状態。それを見てまだ満足してないようだと察したソラはヒカルに跨り、騎乗位の体勢に入った。
「ぁあああっ、僕のが、ソラさんのナカにっ……」
「ふふっ♡ヒカル君のが立派なおかげであっという間に奥まで入っちゃいました♡」
体を上下に動かしながらペニスを絶賛するソラ。
子宮を突かれるたびにあがる嬌声。ここは自宅なので旅館なので、ここに勤めている人や他の客が部屋の前を通ることもあるだろう。しかし、2人はそんなの気にすることなく行為に没頭していた。それは隣のツバサたちも同様だ。
「あっ♡あっ♡奥っ、キモチいいっ♡」
「僕もすごくっ……キモチいいっ」
「あっ♡よかったです♡その調子でヒカル君の子種、私のナカにいっぱい出してくださいね♡」
その言葉にうながされ、ヒカルは果てる。
だが、まだソラはまだイッていない。それだと不公平だと思ったヒカルはソラを倒し、松葉崩しの体勢で腰を動かした。それも激しく。
「あっ♡あんっ♡ヒカ、ル君っ♡まだそんな元気があるんですねっ♡」
「ソラさんに鍛えられたおかげだよっ」
ソラのトレーニングは中々にハードなので、イヤでも体は鍛えられる。スポーツテストで学園記録を取ってしまうくらいには。
「ぁああぁあああっ♡ふあっ、あっ♡こんなされたら私、キモチ良くてっ♡イッちゃいますぅっ♡」
「いいんだよ。そのためにヤッてるんだから」
ヒカルはそう言って、唇をソラの耳元に近づける。
「今度はキミの番だよ。キモチよく、イッて」
自分がやられたことを返すように言うと、ソラは嬌声とともに果てた。
おたがいにイッて満足したヒカルが横たわると、ソラは彼の名を呼んだ。
「なに?」
「昼間に人力車のお兄さんが言ったこと、覚えてますか?」
「ああ、もちろん」
今の時間を大切に過ごす。別れの日はいつか訪れるから、それが来た時に笑って再会を約束できるように、と。
ソラは元々スカイランドの住人。時が来ればそこに帰らなければならない。わかっていることではあるが、実際に言われると実感はまだ持てなくて、ヒカルもソラも彼にうなずくことができなかった。
「いつか別れの時は来る……ソラさんと過ごして、いっしょにいることが当たり前になってたから、忘れかけていたよ」
「私もです。いつ帰るかはまだわかりませんけど、別れが来るのはたしかです」
そう言うと、体を寄せてきたので、ヒカルは腕の中に彼女を収める。
「でも、こうも言ってましたよね? 今の時間を大切に過ごせって。だから、今はあなたといるこの時間を、私は大事に過ごしたいと思っています」
「うん……僕もだよ。キミと過ごす時間は僕にとって、なににも変えられない大事なものだから」
「ヒカル君……」
2人は笑いあった後、唇を重ねる。
それからは汚れた体を洗い流そうという話になり、温泉にむかうべく部屋を出た丁度その時、ツバサたちも事を終えたようで、部屋から出てきた。
『……』
沈黙の時が流れる。ソラたち側は一部だけとはいえ行為を見てしまったので気まずく、ツバサたちは自分たちの行為を見られたのかという焦りに行為をしていたことも壁越しに嬌声が聞こえていたせいで気づいているため、気まずさも加わっているので、なんて声をかければいいかわからない状態となっていた。
おたがい聞きたいキモチはあるものの、旅先で行為をしたのはおたがいさま。ということで、2人が取った行動は……。
「ツバサ君たちも温泉? よかったらいっしょに行かない?」
「そ、そうですね! 行き先はいっしょですし、行きましょう!」
おたがいに追求しないことだった。それから疲弊した体を温泉で癒したヒカルたちは寝る時間になるまでトランプやボードゲームなどで楽しい時間を過ごし、翌日以降は周囲の観光スポットを巡った。
ソラシド市に帰るころには疲れたのか、運転手のあげは以外は眠ってしまったが、彼らにとって今年が忘れられないGWになったのは言うまでもない。