楽しい異世界ドスケベ牧場経営~ただし家畜は人間とする~ 作:ベリーナイスメル/靴下香
目の前にいるのは自分の生活を支えてくれている家畜たち。
「うふふ、こんにちはカリスくん。今日は私のお乳を搾ってくれるの?」
胸元を惜しげもなく曝け出した家畜の中の一人が艶を含ませた声色で言うが。
「こんにちはっ! ごめんなさい、おとーさんとおじーちゃんからまだ早いって」
「そう、残念。おねぇさん、早くあなたにして欲しいのにな」
艶を艶だと理解できない少年は申し訳なさそうに言葉を返す。
「あ、じゃああたし! あたしのタマゴ! さっき産んだばっかだし持って行って!」
「わぁっ! ありがとうございます! 頂きます!」
「ついでにちょーっと、ここ。ほじほじしていってくれると、嬉しいんだけどなぁ?」
女はタマゴを渡したと思ったらすぐに仰向けになり、下着をずらして自分の秘所を指でくぱりと広げ、熱の籠った視線を向ける。
「あ! ずるいわよ! もうっ! 私だってカリスくんにして欲しいの我慢してるんだからっ!」
「ねーねーカリスくぅん。 だったらぁ、私の肥料を良くするためにも~……こ、こ♡ ちょぉっといじいじしてくれないかなぁ?」
「あ、う……」
まだ性をちゃんと認識していない子供に対してすることじゃないだろうにとは思うものの、どうにも家畜の女たちは止められない。
「可愛い孫をそういじめんでおくれ」
「うっ……ご、ごめんなさいハーツさん。つい、というか、どうにも止められなくて」
恥ずかしいことをされているとはわかるが、何がどう恥ずかしいのか、自分はどうするのかと困るカリスの背をポンと叩いた初老の男性が苦笑いと共にやってきた。
「ごめんね? カリスくん」
「う、ううん! だいじょうぶ、だよ!」
冷静さを取り戻した家畜たちに頭を下げられればすぐににっこり笑ってカリスは頷く。
彼の中では最早おなじみの光景だったのだ。
家畜の人間たちと二人きり、あるいはこうして牧舎に一人で入った時に女の人たちが頬を上気させるのは。
だから特に気にしていない、そういうものだと既に認識されている。
「さて、カリス。じゃあ今日は乳搾りを見せてやろうかの」
「うん!」
「あ、ずるいですハーツさん! 私、ちょっとたまご詰まりしそうになってるんですし! 私からでもいいじゃないですかー!」
「それでも今日は既に生んでくれておるじゃろうに。せんわけじゃない、ちょっと待っておれ」
ちぇーと口を尖らせる女を尻目にハーツは先の胸を曝け出していた女の下に脚を運んで。
「お願いします♡ ハーツさん」
「うむ」
ゆっくりと優しく、しかし手慣れた手つきで胸を揉み始めた。
「んんぅっ♡」
「ほれカリス。ぼーっとするな、ミルク樽を用意しておくれ」
「う、うんっ!」
漏れ出る女の嬌声を気にした様子もなくハーツは胸を揉みしだく。
そうとも、そういうものだ。これは性的な教育を必要としない、ただの乳搾りという仕事なのだ。
羞恥に頬を染める必要もなければ、イケナイこととして背徳感に震える必要もない。
「あっ♡ う、ふぅ♡ や、やっぱり、ハーツさんのもみもみ♡ すきぃ♡」
「ありがたい話じゃな。今日もたくさんミルクを出しておくれ」
「も、もちろ、んんぅ♡ いっぱい、いっぱいだしますぅ♡ だ、だからぁ♡ ど、どう? わ、私を家畜としてじゃなく♡ 傍に置くとか――んひぃっ♡」
「わしは嫁一筋じゃと何度言ったらわかるんじゃて、悪い子じゃのぅ」
いつものやりとり、いつものセリフ。
樽を持ってきたカリスにはわからないやり取りだったが、女は本気も本気。
「だ、って♡ だってぇ♡ こ、こんなに家畜としてじゃなくても♡ 悦ばされたらぁ♡ 私のメスが♡ お、女になっちゃうってもの、よぉ♡」
「悪い気はせんがな。こんな皺枯れ手前親父を捕まえようとするんじゃない」
「でも、でもぉ♡ かりすくん♡ にぃ♡ 唾つけようとするのも♡ だめ、なんでしょう♡ だ、だったら♡ んいっ!? だ、だめだめ♡ ご、ごめんなさいっ♡ じょ、じょうだんっ♡ じょうだんにするかりゃっ♡ びんびん乳首♡ しこしこしちゃらめっ♡」
毎度ながらハーツの腕前は確かも確かで。
あっという間に女は背筋を仰け反らし、張りつめさせて。
「で、でる♡ でちゃうっ♡ も、もっとして欲しいのに♡ う、うますぎっ♡ しゅごっ♡ あ、あ、あぁぁぁっ♡」
ぴゅーっ♡ と。
呆気なく乳首からミルクを噴出させた。
「は、ぁ……♡ あり、がとう♡ ごじゃいました♡」
「うむ、こちらこそじゃよ、お疲れ様じゃ。カリス、ちゃんと樽に入れられたか?」
「うんっ! 大丈夫だよっ!」
誇るように樽を見せつけるカリスと、そんな孫の様子に目じりの皺を深めるハーツ。
そしてその周りで乳搾りの熱に中てられたのか股座へと手を伸ばしている家畜たち。
「カリス」
「うん?」
「牧場の仕事は楽しいか?」
「うんっ! おじいちゃんはすごうでだし! 家畜のおねえちゃんたちも優しいし! すごく楽しいよ!」
漂い始めた淫靡な空気なんて関係ない。
カリスの言葉にハーツは笑って。
――ならカリス。大きくなったらこの牧場を継いでみるか?
そう、あの時がターニングポイントだった。
後悔と似た実感の仕方だろう、人生の分岐点とは後になって気づくものだ。
「随分、寂れたなぁ」
彼の記憶にあった光景とは似ても似つかない。
いや、正しく言うなら面影はあると言えるだろう。
入り口に掛けられていたヘルシア牧場という看板がないだけで随分変わるものだと、彼の胸を郷愁に似た感情が奔った。
「継ぐって言ってたら、また変わってたのかな」
牧場を経営していた祖父の腰が悪くなった。
経営状態の悪化もあり、これを期に牧場を畳むことになったと。
小さい頃から自分の血肉と変えてきた食べ物たちの多くは祖父から送られてくるものだったのだから、お世話になったお礼に手伝って来いとも。
「そんな風に言われたら、断れないっての」
元々手伝ってくれと言われたのなら軽く頷いていただろうが、そんなことを言われてしまえば複雑な気持ちになってしまう。
牧場経営に興味がなかったわけでもなければ、祖父との仲が悪かったわけでもない。
ただ、期を逃した。
期を逃して、別の期を掴みそのままだっただけだというのに、と。
「らしく、ないな」
苦笑いを一つ零した後、門を潜り牧場敷地内にある住居を目指し足を動かし始める。
やはりと言うべきか、静かな牧場内。
何度か、それこそ片手で足りるような数ではあったが子供の時分に来た時はこうじゃなかったと昔を思い出す。
放牧地はもちろん、片隅にある畑のスペースであっても、家畜小屋の中からでも多くの笑い声が響いていたはずだ。
かつてここにいた家畜たちの顔なんて思い出せるはずもないが、強く違和感を覚える道を歩いていけばやっぱり寂れたという言葉が相応しい家屋が見えてきた。
「こんにちはー! カリスです! 手伝いに来ましたー!」
あぁ、呼び鈴が無いから玄関口で大声を出すのは変わらないなと思い出しながら、ノックして声を張り上げる。
「……あれ?」
しかし、誰も来ない。
それこそ昔はすぐ来訪者に負けず劣らずの声量で返事が返ってきたものだがとカリスは首を傾げてしまう。
家に誰もいないということはないだろう、道すがらにあった家畜小屋から人の気配はしなかったし、何より腰を悪くした人間が外で何かしているとも考えにくい。
「すみませーん! カリスですけどー! ……うーむ。身内と言えばそうだし、入るか?」
うんともすんとも返事は返ってこない。
今日自分が来るとは伝わっているはずだ、ならば流石にずっと留守というわけではないだろう。
もしかしたら誰かに付き添ってもらって買い物にでも行っているのならばいいが、そろそろ日も傾いて来た、この辺りの夜は寒いだろういつ帰ってくるかわからない相手を外で待ちぼうけは少し辛い。
「うん? あいてる?」
鍵がかかっていたのなら外で待つ覚悟をしていたところだが、掛かっていないなら中には人がいるということ。
田舎とは言え流石に外出していても開けっ放しでいられるほどの場所ではない。
「お邪魔しまーす! じいちゃーん!?」
中に入ってもう一度声を張るがやっぱり返事はない。
これは本当に留守かも知れない、帰って来たのなら勝手に入ったことを謝ればいいかと靴を脱ぐ。
ぎしり、と。
見た目通り古い家だ、自分の体重に軋む程度には。
「何だろうね、懐かしい匂いとでも言うのかな」
身体が覚えている。
もしかしたら、自分が覚えていないだけでここにはもっと来たことがあるのかもしれないと、目を瞑って記憶を攫い始めたその時。
再びぎしり、と。
「……うん?」
家の中で軋む音が聞こえた。
重ねて古い家だ、誰かが家の中を歩いたのならその歩調に合わせてぎしぎしと音は立つだろう。
しかし、カリスはその場から動いていない。
「じいちゃーん?」
なんだやっぱり家の中にいたんじゃないかと。
なんとなく感じた悪い予感を振り払うように辺りを見渡しながらカリスは祖父の姿を探す。
ぎしぎし、ぎしり。
その間も軋む家。
まさか年甲斐もなく日が落ちきる前からベッドで励むようなスケベ爺というわけでもなし、何なら今は亡き祖母一筋の祖父がと冗談を思い浮かべながら、カリスは近くに置いてあった箒を手に取った。
「新聞沙汰にありがちなパターンと言えば、そうかもだけどさぁ……」
腕っぷしに自信はないが、身体の頑丈さには自信がある。
空き巣の可能性に口端を引きつらせながら、足音を忍ばせて音のする方へとゆっくり進む。
あれだけ大声を出したんだ、今更足音を忍ばせたところで意味はないかも知れないが、少なくとも軋む音が何処からするのかはよくわかる。
「ここ、か」
そうして辿り着いたのは記憶が確かなら来客用の部屋。
中から争うような声も、ましてや嬌声なんかも聞こえないことに少しだけ安堵の息を吐いた後。
意を決してドアを開けた、そこには。
「……ナニ、やってんの? じいちゃん」
「むおっ!?」
「はい~? あぁ、いらっしゃい、ませ~?」
上着をペロンと捲って大きな乳房を露わにし、乳首に搾乳機をつけた女の人の後ろから、抱きつくように胸を揉みしだく祖父の姿があった。