楽しい異世界ドスケベ牧場経営~ただし家畜は人間とする~ 作:ベリーナイスメル/靴下香
より良いものを生産するためにはどうすればいいのか。
少なくとも真っ当な生産者であれば常日頃より考えていることだろう。
それは当然他との競争に勝つためにといった理由であったり、単純に少しでも高額で売れるようにといった理由など様々だ。
「はふぅ~……きもちいい、ですぅ」
そんな中でも畜産農家はやや複雑な競争が発生している。
原因はもちろん先祖返りの存在だ。
今こうして風呂で足を伸ばし寛ぐミーシャもそうだが、先祖返りが生産したものは通常の家畜よりもいい品質のものを生み出す。
この世界に牛という動物は存在するし、育てられた牛からミルクも搾られる。
搾られるが、どうあがいてもミノタウロスの先祖返りを果たした人間が生み出すミルクには味も栄養の面でも届かない。
「うふふ~。おっぱい、柔らかいですぅ~」
上機嫌に自分の硬さがない胸をふにふにと揉めば弾みで少し乳首からミルクが滲むが、その一滴にも満たない量にどれだけの値段が付くのかミーシャは知らない。
もちろん安価に購入できる牛のミルクに需要がないわけではない。
ないが、できるならミノタウロスのミルクを飲みたいとは多くの人間が思っている。
「はぁ~……」
故に、生産者は考えた。
どうすれば牛からミノタウロスのミルクに迫るものを作ることができるか。
あるいは、ミノタウロスの先祖返りを果たすものをどれだけ家畜とできるか。
「あぁ、これが、幸せ、なんでしょうか……」
その結論が、家畜の品種改良というもの。
重ねて、真っ当な生産者たちは常からより良いものを生み出すための努力を惜しまない。
先祖返りを果たした人間が家畜として牧場にやってきたのならば、この上ないほど丁寧に扱うし負担をかけないようにと努力する。
しかしながらその反面。
その努力をしなくてもいい家畜を作り上げられたのならと考える人間もいた。
当然だ、丁寧に扱う必要があるということは、それだけのコストをかけるということなのだから。
ミノタウロスミルクの値段高騰の原因は栄養や味だけではないのだ。
「家族、家庭……難しい、です。カリスさんは、欲しい、のでしょうか」
ミーシャはそんな品種改良研究の途中で生まれた存在だった。
彼女の記憶にあるのはただひたすらに広い草原で、自分を含めた多くの品種改良研究の実験体である子供たちが駆け回るというもの。
非人道的な行為があったとすれば、家畜として都合のいい教育しか与えなかった点だろう。
元々自分のミルクを飲まれることに喜びを感じていたといわれているミノタウロスではあるが、ミーシャが自分の生産物であるミルクを飲んでもらうことに対して異常な程喜びを感じるのは、この教育で意図的にその感情を加速させられたからである。
ただ、二次性徴が始まったくらいの時期にミーシャは先天的に乳詰まりを起こしやすくまた、解消もし難いということが判明し、年老いた後見人へと委ねられてしまったためにその教育自体も中途半端な状態で世に出ることとなってしまった。
「……よく、わかりません~」
故に、わからない。
後見人である老夫婦は良識を持った大人だった。
老夫婦はミーシャを実の娘のように大切に育てたし、確かな愛情がそこにはあったが、幼少期に触れるべき愛情を知らない彼女は、それが愛情であるとわからない。
結局、ミーシャはこうして大人になった今でも、人の営みに対してズレた認識を持ったままでいる。
ハーツに拾われたのは一般的に見れば幸福と言えるのかも知れないが、何も考えないで良いと言う意味でならそれこそ夜の街で仕事をしていた方が幸せだったのではないかと思えるほどに。
「でも、でも~」
だってそうなのだ。
ミーシャの根底に刻まれている欲求とは自分の作ったミルクを必要とされることである。
あるいは、ミルクを飲んで美味しいと笑顔で言われることに抗いようもない幸福を感じてしまうとも言えるか。
何にせよ、自分を求められることに喜びを感じてしまうタチとなった。
即物的かつ本能的であり刹那的ではあるが、ミーシャが夜の街に立てば簡単に双方が満たされる結果となっていただろう。
そう言った面で、ハーツはミーシャから幸せを一つ奪っていたと言えるかも知れない。
「……んっ」
だがそんな中やって来たカリスという存在だ。
彼自身もミーシャと同じように歪な教育、とは言い過ぎではあるが、厳しい情操教育を受けてきた男である。
古い観念を引き合いに出したのなら将来を誓い合った相手とのみ身体を重ねるという考えは、一つの正しさを持っているだろうが。
彼の場合は自身に流れる血の欲求を暴走させないための処置であり、翻っては自衛と言えるためのもの。
今まで流れをせき止めていた水門が決壊したかのように、いやまさしくその通りにカリスはミーシャを求めてしまっている。
「あ、う、うぅ~……かりす、さぁん……」
激流が奔りだしたその瞬間をぶつけられたミーシャは理解できずとも幸福だった。
求められる喜び、幸せ。
人間としても、女としても、ミーシャは一度に満たされた。
それだけではなく悩みの種だった乳詰まりすら解消してくれたのだ。
「お、なか……むずむず、しますぅ~、おっぱい、もぉ~」
理解できない歓び、自覚できない喜び、感じたことのない悦び。
詰まっていたのはミルクだけではなかったのだ。
「あ、ふ、うぅ~……ち、ちくびぃ、じんじん、してるぅ~」
あの日を思い出せば子宮がきゅんと一つ震える。
カリスの顔を思い出せばじくりと胸と子宮が熱くなる。
「や、ですぅ~、な、なん、でぇ~? こ、こんなになって、も~」
言葉通り何もしてない。
何もしていないにも関わらず、ミーシャの乳首が硬さを帯びていき、何かを期待するように震えている。
「――ひぅっ♡」
自分の身体を叱りつける意図で、早く元に戻ってと願い触れてみれば乳首の先から電流のような何かが身体を巡った。
「あ、う、あ……こ、これぇ♡ す、ごいぃ~」
元に戻るどころか更に硬くなる。
ぴんぴんに尖った乳首からはミルクがじわりと勝手に漏れ出てきた。
「も、もったい、ないですぅ~♡ ――はむっ♡」
自分の生み出すミルクは誰かに飲まれるもの。
しかし周りには誰もおらず、飲んでくれる人間はいない。
だから、自分で飲むしかないと胸を持って乳首を自分で吸えば。
「~~っ♡♡♡ ぷあっ! や、やぁっ♡ なんです、かぁ~♡ こ、これぇ♡」
舌の上で甘さを感じた瞬間に、腰がびくびくと跳ねた。
「あ、あぅ~♡ で、でちゃって、ますぅ♡ お、なか、きゅう♡ きゅう♡ って、言ってますぅ~♡」
ミーシャが理解できない感覚の正体は快楽に他ならない。
花は咲かずとも蕾をつけたメスの本能がもっともっとと求めている。
「は、うぅ~♡ あうぅ~……♡」
じくじくと下腹部から広がる熱のような何かにミーシャは困惑した。
彼女にとってこんな衝動は初めてだった、初めてが故に自分ではどうすればいいのかわからない。
ただそれでも、何もせずとも乳首からぽたりと滴るミルクが勿体ないとは思っているし、カリスに触れられたときと同じような感覚であるということはわかっている。
「うー……は、はむっ♡」
行きついた考えは先と変わらず自分で吸い、飲むということ。
「ん、ちゅ♡ ちゅう♡ んんぅ~♡ んっ♡ んちゅ♡ ぷぁ♡ あ、甘い、ですぅ♡ おいしい、ですぅ♡」
拙い自慰行為だ。いや、そもそもこれが自慰だとミーシャは理解していない。
単に、カリスは自分のミルクを搾ってくれる人であり、自分のミルクを求めてくれる人だから、本来必要じゃないだろう今搾ってもらうのはわがままだと考えたのだ。
「う、うぅ~♡ はむっ♡ ちゅう♡ ぢゅう~……♡ あ、あうぅ♡ も、もどかしい、ですぅ♡」
わかっている、自覚しておらずとも本能と呼べるミーシャのメスは知っている。
このもどかしさを、この何かが足りないという感覚を埋めるためにはどうすればいいのかを。
「か、りす……さぁん……♡」
そうだ、カリスに触ってもらえたのなら、搾ってもらえたのなら。
そしてそのまま、切なさを訴える秘所に、彼の肉棒をぶち込んでもらえたのなら。
「ひ――っ♡」
本能がミーシャにそう囁いた瞬間目の前が真っ白になった。
快楽で視界が白に染まったのもあるだろうが、カリスのことを頭に浮かべた瞬間にミルクが勢いよく噴出したのだ。
「あ――あぁぁぁあぁぁぁっ♡♡♡」
次いでミーシャの腰が、伸ばしていた足がぶるぶると震えだす。
「だ、だめ、ですぅ♡ わ、わがまま、ですぅ~♡ は、あぁん♡ は、ぷぅ♡」
頭の中からカリスの顔が離れない。
わかる、わかっている。
カリスに今乳搾りをしてもらえたのなら、何もかもがすっきりするとわかっている。
されたい、してほしいと身体が、本能が快感となって問答無用で伝えてくるから。
「んんぅ♡ んちゅぅ~♡ は、うぅ♡ おいしい、ですぅ♡ おいしい、ですけどぉ……♡ かりす、さん♡ かりす、さぁんっ♡」
切なさに喘ぐミーシャは必死に自分でミルクを吸い上げる。
吸っても吸ってもとめどなくあふれ出るミルクは、お前じゃダメだと言いつけてくるかのようで。
「う、あ、あぁ♡ ぐ、ぐちゅぐちゅ♡ で、すぅ♡」
無意識に秘所へと伸びていた指から伝わってくる感触をそのまま口にした。
指を挿入れたのか、それとも飲み込まれたのかは定かではないが、肉壺に収まった指が具合を確かめるように肉壁をなぞる。
「ひ、あぁんっ♡ こ、これぇ♡ な、なん、ですぅ♡ あっ、あっ♡ あぁっ♡ とま、止まらない、ですぅ♡ これ、こりぇっ♡」
ぴりりと走った感覚に驚きながら、もっと味わいたいと勝手に指が動く。
「も、もう~♡ も~♡ う、あぁ♡ かりす、さん♡ かりすさぁん♡ も~、もぅ♡ た、たりない、たりない、ですぅ♡」
そうだ、ミーシャはもっとを知っていた。
カリスに触られたとき、カリスの肉棒を受け入れたときはこんなものじゃなかった。
この感覚、快楽にはもっと上があるということを、既にミーシャの身体とメスは知っている。
「き、もちいいですぅ♡ とまらない、ですぅ♡ あうぅ♡ かりす、さん♡ かりすさぁん……♡ はむっ♡」
ついには股座を弄りながら乳首を吸い始めた。
「んじゅっ♡ んんぅ♡ ちゅ♡ ちゅうぅ♡ ん、んぅ♡ だ、だめ、ですぅ♡ こ、こんなんじゃ、ない、ですぅ♡ あうぅ♡」
それでも、足りない。
カリスから与えられたものにまったく届かない。
「は、ぁ♡ う、ぁぁ♡ たりない、たりない、ですよぅ♡ うぅ♡ でも、でもぉ♡ も~……♡ もぅ~♡」
これは、乳搾りではないのだ。
カリスは乳搾りに必要だから自分を気持ちよくしてくれている。
その認識が、ミーシャの胸で切なさと共に渦巻く。
「し、して、ほしい、ですぅ……♡」
乳搾りに必要じゃなくとも。
「わ、わたしを、もっと、もっとぉ……♡」
それは初めてミーシャが肉欲というものを実感した瞬間。
「かりす、さぁん……♡ んんんぅ~っ♡♡♡」
軽く浅い絶頂に身を任せたミーシャは。
「して、してぇ♡ わたしを、求めて、くださいカリスさぁん♡」
少しだけ遠回りして、カリスに魅了されている実感だけを自覚した。