『おうちで飼いたいなあ』
少女がぽつりと呟いた。外部スピーカーで増幅されたその声は、同行している別の少女にもしっかりと音声を届ける。
『マグ内に
気の強そうな少女が違反行為を呟いた少女をたしなめる。
『知ってるけどさあ。』
少女は駄々をこねながらメカクオッカを抱きかかえた。
十分なエネルギーを補給できたメカクオッカは、何をするでもなくただ少女に抱きかかえられていた。
少女たちは、かなりの時間をメカクオッカと共に過ごしていた。すっかり愛着が湧いてしまい、帰る気力も根こそぎメカクオッカに吸われてしまっている。
『しれっとマグに持ち込んだらバレなかったりしないかな。』
『俺たちの頭にすらセンサーが付いてるんだぞ。重要な都市であるマグにセンサーが付いてないわけないだろう。』
当然、マグにも
『そっかあ。そうだよね。なんで素材とか死体とかは反応しないのに、エネマそのものは分かっちゃうんだろう。』
『俺も詳しくは知らないが、聞いた話だと
死んでいるエネマと生きてるエネマの区別は、エネマの脳が動作しているか、していないかで判別している。
脳に内蔵されたAIが動作しているときは特殊な電波を放っている。その波長からエネマの生存をチェックしている。また、その波長で等級も分かる。
体を制御する指示を出している、脳の役割を持つ電子頭脳と、愛液等を搾り取る機関――いわゆるエンジンに当たる部分が分断されると体が動かなくなって死んでしまう。
エネマは機械生命体ではあるが、本質的には精密機械だ。硬い外装甲さえ突破してしまえば殺すのはそう難しくはない。
例えば、実際のカマキリや虫類の生物は体の一部や、頭が欠損していたりしても平気で動くが、エネマはそうではない。この辺りが精密機械である所以でもある。
『こう、なんか。エネマの脳だけをぷちゅーーんって停止出来たらいいのかな。私たちが着ているエクスタGスーツみたいに、電源ボタンみたいなものが付いてたりしない?』
『……探してみるか。』
少女たちの思い付きなど知らないメカクオッカは、急に体全身をまさぐられる羽目になった。気持ちよくもくすぐったい。そんな状況にただ身を震わせて笑う事しかできなかった。
『無害で小さなエネマ一匹、家の中で飼うくらいなら……大丈夫だよね。』