シャワーの音が響いている。
ここは
エクスは、ペルがシャワーを浴びる音をベッドに座りながら聞いていた。
部屋の中はとてもいい匂いで満ちている。何かの果実のような――とにかく、女の子の部屋はとてもいいにおいがするのだ。
制服を脱いで肌着とトランクスの軽装甲で女子の部屋の空気を体で感じる。
キュッと蛇口が閉まる音がした。束の間の静寂が訪れ、ガラリとガラス戸が開く。
膝の上で組んだ両手が、がちりと固まった。緊張している。
しばらくの静寂の後、ひたひたと、裸足でフローリングを歩く音が静かな室内にしみ込んだ。
足元はエクスの近くまでやってくると、ぴたりと止まった。
「エクス。」
ペルを見上げる。風呂上がりの彼女は長い黒髪を少し湿らせたまま、バスタオルを羽織っていた。
その身には一切の衣類をまとわず、生まれたままの姿で立っている。
まるで絵画か彫像のような彼女の美しい裸体に思わず息をのむ。
少し肉付きのいい尻は前から見ても分かる綺麗な曲線を描いていて、それでいて腹部は決してだらしなく膨れていたりはしておらず、綺麗に割れた縦線一本の腹筋が見える。
どっぷりとふくらんだ胸部は瑞々しく実っており、バスタオルに隠されていても、その上からはっきりと豊かさを感じる。もしもエクスが画家であったのなら、豊穣の女神のモチーフとして彼女を選んだだろう。
ペルはエクスがこちらに視線を向けた時、彼がとても情のこもった眼差しを向けていることを、文字通り全身で感じ取っていた。裸足のつま先から頭頂部のてっぺんまでしっかりと視姦されたことを認識している。
まるで魂が抜けたかのように呆けてこちらを見つめ続けているエクスに、しびれを切らしたペルがぎしり、とベッドに右ひざを乗せ、エクスの体全体に体重をかけてベッドに押し倒す。
「なに?黙ったままじっと私を見つめて……」
押し倒されたことでようやくエクスは正気を取り戻した。慌てて体に乗っかったペルの両肩を両手で支えた。
「わ、悪い。あまりにも綺麗だったものだから見惚れてしまった。」
エクスの賛辞にペルの頬が赤くなる。表情を隠すようにエクスの顔に自身の顔を寄せて、小さく息を吸い込む。
「……ばか。」
エクスの体に重なったペルの体から体温が伝わってくる。お湯で温められた彼女の体はしっとりと潤っていて、触れた部分からじわじわと熱に侵されていく。
エクスの肌着に、彼女の大きな胸が押し付けられる。体重をかけられて押し広げられる彼女の乳は優しい反発力を持ちながらエクスの体に密着していた。
ぐいっとペルが両手に力を込めて上体を上げる。ベッドがきしんで、持ち上がった彼女の大きな乳房がゆらゆらと揺れた。起き上がった拍子にバスタオルがはらりと地面におちて、彼女の乳が姿を見せる。
大きな乳房の先には、桜色の可憐な乳首が静かに時を待っていた。乳の大きさ的に釣り合いの取れた少しだけ大きめの乳輪が、外気にその身を晒す。
身を起こしたペルは、顔を赤くしながらぽつりと呟く。
「なんだか、股の方に硬いのがあるわね……」
「……当たり前だろ」
体にペルを乗せながらゆっくりと体を上にずらして、エクスも上体を起こす。そのままゆっくりとペルを足の上に座らせて、エクスは彼女に向き合って座った。
「ペル。」
「……なに?」
「胸、触ってもいいか?」
ペルは、顔を赤くしたまま目を伏せて、「どうぞ?」となんでもない様子を装って言った。
だが、彼女の顔は耳まで真っ赤だ。
許しを得たので、彼女の左胸にゆっくりと右手を伸ばした。
乳の下側に右手を当てて、ゆっくりと持ち上げると、ぐにぃと柔らかな乳が形を変える。
「ひゃぁ」
ペルが素っ頓狂な声を上げる。慌ててエクスも謝る。
「ごめん。痛かったか?」
「あ、違うの。ただ、ちょっと手が冷たくてびっくりした……」
ああ、とエクスは納得する。
「俺の両手は、義体なんだ。半年前の戦いで両腕と右目と内臓をいくつか失ったから……」
「そう……だったんだ……」
ペルが言葉をこぼすように話す。少し暗い表情を見せながら、エクスの右手をぎゅう、と両手で握り込む。エクスの手に感覚はない。乳を触れても、手を握られても彼女の肌を感じることは出来ない。
しかし、握り込んだペルの手が、微かに震えているのを感じ取った。
「俺の手が、怖いか?」
ペルは暗い顔をしたまま首を左右に振った。
「そんなわけない。あなたはきっと、私を助けたその身で――その両手で、また別の誰かを助けにいったのでしょう。」
ペルが言葉を区切る。エクスが黙ったままでいるのを見届けると、再び口を開いて話を続けた。
「私はあなたの事をよく知らないかもしれないけれど、あなたがどんな人なのかはなんとなくわかってる。」
「……なんで?」
エクスの問いかけにペルはふふ、と短く笑ってからからかうように笑った。
「困っている人を見たら、助けずにはいられないって――そういう目をしてるのよ、あなたって。」
意味不明な回答にエクスは苦笑するしかなかった。
「後悔してる?腕の事。」
「そうでもない。過ぎた事を考えても仕方がないし――」
右手は未だペルが両手で握っているため、空いている左手で彼女の左胸を優しくなでた。
「あの日が無かったら、今頃俺はこうやって君の胸を揉むことなんてできなかっただろうから。」
下から支えるように手のひらで乳を持ち上げる。親指は乳首に当てて、先っぽに微かに触れながらゆっくり弧を描いて刺激する。
「……んっ……前向きなのね……」
ペルは悩ましげな吐息を漏らしながらエクスの右手を離した。
自由になった右手でも彼女の大きな乳を堪能する。
すべすべの肌に静かに指を沈み込ませる。触れるか触れないかの距離で肌を優しくなでる。乳首をなぞるリズムと彼女の呼吸のリズムが揃う。
くりくりと指を押し込むたびに、吐息が空気を震わせた。
「そこばっかり……」
ペルが口を尖らせて文句を言う。
彼女の意思は右から左に聞き流して、執拗に乳首をいじめた。勃起した乳首が、もっと触ってほしいとひくひく震えるさまを見ていると、嗜虐心が体の奥底からふつふつと湧き上がってくる。
「んっ……ふっ……」
吐息が漏れるような声を抑えた喘ぎ声と共に、彼女の体が震える。
白く、透き通るような喉がごくりと唾液を飲み込んで、うごいた。
その愛らしさに思わず、ペルの首筋に吸い付いてしまう。
「ひゃっ」
しっとりとした滑らかな彼女の首筋は、エクスの唇が触れるたびに、脈打つ。肌の下で脈動する筋肉を、舌で感じる。
そのまましばらくの間、胸をまさぐりながら首筋に吸い付いていると、ペルがエクスの頭を右手で押さえて体から引きはがした。
首筋から顔を離したことで、彼女の表情がよく見える。
頬を赤く染めながら、瞳に涙を貯めて、声を震わせる。
「……いつまでそうやって舐めているつもりなの?」
荒い吐息を言葉ににじませながら、彼女は体をベッドに倒して、しとどに濡れた恥部を指で開いてさらけ出した。
「……ここには、触れてくれないの?」
雷に打たれたように、衝撃が走った。
恥ずかしがりながら誘惑する彼女の姿に、あらゆる理性は微塵も残らずどこかへ消えた。
仰向けに倒れた彼女の上に覆いかぶさり、髪の匂いを嗅ぐ。
爽やかなシャンプーの香りに、ほんの少しの汗のにおいが混じっていた。
トランクスの中で窮屈に膨らんだ男性器を、露出させる。
反りかえるその股間をペルは驚いた顔で見つめていた。
「で、でか……」
むき出しの陰茎がペルの柔らかな下腹に当たる。熱くはれ上がったそれは、ペルの柔らかいおなかを押して、存在を意識させた。
「ゴムつけないと……」
かろうじて残っていた理性が、エクスにゴムの存在を思い出させる。ベッドの近くに置いてあった三十個入りのコンドームを開封して、滾る陰茎に装着。
「はやくつけて……」
ペルが泣きそうな声ですがる。急かされると余計手元がくるってしまいそうだ。
少しもたついたが、すんなり装着を完了する。予習はばっちりだ。
「えっと……」
ゴムを付けたことにより、頭が冷えて、少し冷静さを取り戻したエクスが股間を構えてペルを見下ろす。
ペルは、顔を背けたまま両手で、自身の生殖器を広げた。
「ここ、だよ……」
湿った花びらが、卑猥な香りを放っていた。入り口からはぬるぬるとした液体が垂れている。
開いた彼女の生殖器がひくひくひくついて、震える。まるで、早く入れてほしいとせがんでいるように。
彼女の生殖器に自身の肉棒を押し当てる。ぬるりとした感覚と、生暖かい肉の締め付けが亀頭に伝わった。粘着質な音を立てて肉棒が、彼女の中に吸い込まれていく。
「はっ、……はあ……」
ごくりと唾をのむ音が耳のすぐそばで鳴る。荒い呼吸音が至近距離で重なり、誰の呼吸なのかわからなくなるほどまじりあう。
彼女の奥まで辿り着いた。だが、間近にある彼女の顔は、少しの苦痛に歪んでいる気がした。
少しだけ気を使って、ペルの艶のある黒髪を撫でる。
ペルはエクスの顔に不安の色が浮かんでいることに気が付くと、優しく微笑んだ。
「大丈夫だから、動いて……?」
そう促しながら彼女は、エクスの体を抱きしめた。
言われた通りに、ゆっくりと腰を引いて、痛くならないように優しく肉棒を彼女の中になじませる。
時折苦しそうに呼吸をしながらも、ペルは両腕で強くエクスを抱きしめた。
肉棒が彼女の柔肉を押し広げていく。締まる肉厚の膣壁をゴム越しに感じながら、優しく上下する。
肉棒が奥まで入り込むたびに、ゆっくりと入り口まで引き抜かれるたびに、ペルは吐息を漏らしながら、声をこぼし続ける。
「はあっ、ああっ――」
彼女の声が次第に大きくなっていく。頭の奥までしみ込んでくるような彼女の矯正を聞いていると、だんだんと脳のタガのようなものが外れていく気がした。
声が大きくなるのに合わせて、エクスの腰を振る速さも早くなっていく。
「ペル、ペル!」
強く抱きしめてくる彼女に応えるように、エクスも彼女の体を抱きしめた。
男の体とは違う、大きな胸とそれなりに高い身長があるはずの彼女の体は、抱きしめると何故かとても華奢なように感じた。
「エクスぅ、もっと……」
ペルがエクスの胸板に顔を埋める。熱い吐息が肌に当たる。
柔らかい彼女の体を、ベッドに押し付けるように激しく腰を打ち付ける。
腕の中で、ペルがびくびくと体を震わせている。
もっと彼女の中に入りたい。もっと彼女の声を聞きたい。もっと彼女をいじめたい。
ベッドが、大きくぎしぎし軋む音を立てる。打ち付けるたびに沈み込んで、ぐらぐら揺れる。
激しくなるエクスの動きに合わせてペルの抱きしめる力が強くなっていく。強く力がこもったペルの指がエクスの背中をひっかいた。
「ペル、そろそろ出そうだ……」
「っ……出して、私も、そろそろイきそう……」
顔を赤くしながら甘えた声を出すペル。瞳から涙がこぼれ、口元から唾液が垂れた。
「イくッ!イくぅッ!」
目を閉じてペルが叫ぶ。彼女の喘ぎ声と共に、膣の締め付ける力が強くなった。
びくびくと震えて、男根をがしりと挟み込む。
「俺も、出る!」
びゅるッ、びゅるるる!
コンドームの中に大量の精液が吐き出される。濃厚な白濁液の濁流が、ゴムの袋の中で暴れまわった。
「ああッ!あああああああ!」
ペルが大声を上げて体を激しく硬直させた。大きく痙攣させて、体を弓なりに逸らす。
エクスの体の下で、大きく体が脈打った。
星が散る。
ぐったりと動かなくなった彼女の体を抱きしめて、大きく息を吐く。
静まり返った部屋の中で、二つの呼吸だけが響き渡っていた。
「気持ちよかった?」
不意にペルが話始めた。彼女の顔をみると、彼女は潤んだ瞳で恥ずかしそうにエクスを見上げている。
「ああ、気持ちよかったよ。ペルも?」
「うん……」
そっか、と呟いて男根を引き抜く。精液で膨れ上がったコンドームが、ずるりと彼女の中から引き出されて、べちゃりと湿った音を立てた。
「あついね……」
ペルが額の汗をぬぐいながらエアコンのリモコンを操作した。湿度が上がり、蒸れる室内に冷たい空気が流れ始める。
「ありがとう。エクスのおかげで明日の校外学習、頑張れる気がするわ。」
「ん?ああ。」
そういえば校外学習をするって言ってたっけ。
「あ、やべ。明日の準備しないと。」
急いで支度をし始めるエクスの背中を、ペルは寂しそうに見つめる。
「じゃあ、ペル、また明日。学校で。」
「うん。またね。」
裸で手を振るペルをみて、エクスは顔を赤くしながら目を背けた。
部屋のドアを開けて去っていく彼の背中を見ながら、心の中に満足感と、寂しさと、申しわけなさが広がる。
一人になった暗い部屋の中で、
エアコンの低い稼働音だけが静かに響き続けていた。