職場の女と娘が入れ替えられたお話~全部あんたらが悪いんだ~ 作:プニたけっち
「ぐ…んん、ここどこ… ? うぅ…頭痛ぁ…な、なんで私こんなに酒臭いの… ? 」
翌朝、松井恵子は一人ホテルの一室で目を覚ました。目覚めは言うまでもなく最悪である、二日酔いで頭はガンガン痛いし口臭は強い酒の匂いが混じっている。
「まさか入れ替わっている間にあの子お酒飲んだの… ッ ! ? な、なによこれ ! 」
恵子はようやく自分の身体の状態に気が付いた。全身精液と愛液まみれでベトベトで秘所からは精液と愛液が混じり合った液体が零れ出ている。そして内装を見るにここはラブホテル…恵子の背筋が凍る。
(わ…私、まさかここで男と…セックスしたってこと… ? )
(どこの誰かもわからない男と自分は、正確には自分の身体はセックスをした…伊予が男に騙されてセックスしたのかもしれない。しかしどうすればいい…自分が今どうすべきか…)
考えるうちに恵子の頭はクリアになっていく、これは緊急的な対応を仕事柄しなければならない恵子だからこそだろう。二日酔いに苦しんでいる場合ではない、まずは早く家に帰らなければならない。恵子は手早くシャワーを浴び身体を綺麗にし髪を乾かすと放り投げられていた服を身に着けその場を後にする。急に動いたせいで頭痛は酷いが休んでいる暇はない、時刻はもう9時、早く家に帰らないと夜勤の毅が帰ってくる。酒を浴びるように飲んだ恵子の身体は重く口からは未だに酒の匂いがするのだ。ホテルのすぐ近くにあった店で口臭剤を買い水で飲みこむと同時に買った消臭剤を身体にふりかけタクシーを呼び帰宅。車から降りて玄関のドアまでたどり着いた所でちょうど毅が帰宅してきた。
「あれ、今まで出かけてたのか ? 」
「あ、う、うんそんなところ(セーーーフッ ! ! ! ) 」
間一髪のところで恵子は間に合い必死に平静を装い毅を出迎える。中へ入ると伊予はおらず、平日のため学校へ行ったのだろう。母の身体で泥酔セックスをした後だというのに逞しい7歳である。ちなみに伊予が一人で自宅で過ごし登校するのは今に始まったことではない、不規則なシフト制の仕事をしている毅と恵子は互いに夜勤が重なることも多いのでどうしても伊予が一人でなんでもできるようにならざるを得ないのだ。両親の愛情を受けていないわけではないことを理解しているのだが、それでも寂しく感じるのもまた仕方がないことなのだ。
さて、夜勤疲れで毅が眠っているお昼ごろ恵子はスマホのアドレス帳から岩田へ連絡を取ろうとしていた。入れ替わりの原因を恵子は知らない、だが前回岩田と話している時に伊予と入れ替わったのでもしかしたらと思ったのだ。
『…もしもし ? 』
「あ、い、岩田君 ? ごめんなさいね突然電話して…」
『いいえ、俺こそ心配してたんですよ。昨日先輩と…その、セックスをした後ですぐ逃げ帰っちゃったから…』
「 ! ? や、やっぱりあんただったの ! 私を…あんな風にしたのは ! 」
『ま、待ってください ! なんで怒るんですか ! ? そもそも昨日俺をホテルに誘ったのは先輩ですよ ! ? 』
「なにをいいかげんなこと…痛たた…」
『ほら、頭痛いんでしょう ? 昨日あんなにお酒飲むから…その後にラブホで無理矢理セックスするんだから、無理しちゃダメですよ』
「う、嘘言わないで…どうせ私と娘の身体が入れ替わるのもあんたの…」
『…わかりました、今度の先輩の休みに会いましょう。その時に俺の潔白を証明しますから』
「今すぐでいいわ…今から行くから」
『ダメですよ、俺今月の勤務表持ってるんですから。先輩…毅さん今家にいるんでしょ ? 昨日のこと話すのに俺はいいけど先輩には都合が悪いんじゃないですか ? 』
「ぐ…そ、それは…」
『ですから後日、先輩と二人っきりで会える時間の方がいいでしょう』
「わ、わかったわ…じゃあ…2日後の夕方…毅また夜勤だから…」
『わかりました、ではその日にこの前のラブホの近所にある喫茶店で』
ピッとスマホが切れ長いようで短い電話が終わる。毅に聞こえないよう外で話をしていた恵子は力なくズルズルと壁にもたれかかる。
「…なによこれ…これじゃ私…本当に浮気してるみたいじゃない…」
毅に内緒で他の男と二人っきりで話し二人っきりで会う約束をし毅に隠し事をする自分…本当なら嫌なはずなのに昨夜味わった浮気セックスは身体が覚えており下腹部が疼く。心の中ではまたあのシチュエーションを楽しんでいるのではないかと錯覚してしまうような…罪悪感と昂揚感入り混じる奇妙な感覚に恵子は悩まされるのだった。
恵子が次にすべきは伊予に事情を聞くことだったがそれはできない。何故か ? 家には毅がいるからである。夫がいる状態で娘に『あんた岩田とセックスした ? 』なんて聞けるわけがない。毅は元に戻った後の、3回目の入れ替わりを知らない、問いただしたら間違いなくまた入れ替わりが起きて恵子になった伊予がセックスしたという話にまで進んでしまう。そうなると結果的に自分がセックスしたという事実に変わりはないから離婚の危機に瀕してしまう。それだけはなんとしても防ぎたいので恵子は聞けない、伊予と二人っきりになるチャンスはない。ここで全てぶちまけてしまえばよかったのかもしれないのだが恵子は判断を誤ったのだ…。
* * *
恵子が岩田と会う約束の前夜、恵子は毅と寝室で夫婦の営みを行っていた。久々のセックスに燃え上がる毅は騎乗位になり何度も肉棒で恵子を突いて妻を満足させてやろうと気張っている。
「どうだ…気持ちいいか恵子 ! 」
「え ! ?え、ええ…もちろんよあなた ! 」
対して恵子は一瞬言い淀んでしまう、先日まで自分は夫との性生活を満喫していたし満足していたはずなのだ…が。
(ど、どうして…気持ちよくない…足りない…全然イけない…どうしてよ ! ? )
「もっと突いて、もっと強く ! 」
「あ、ああ…ど、どうだ ! 」
これは岩田も想定していない事だったが、昨日の強烈すぎる泥酔浮気セックスをした快感は恵子の身体に未だ根強く残っており毅の普通のセックスでは満足できない身体に作り替えられていたのだった。
(これが岩田だったら…じゃない ! 私なに考えて…)
身体は正直、どれだけ頭に浮かんだ考えを否定しても身体の方はこれじゃないと毅を否定する。
「もっと激しくッ ! ! お願いだから ! ! 」
「わ、わかった…ぐ、クッ…」
毅は恵子の頼みに従い懸命に腰を振るが恵子の希望する快感は与えられない。翌日腰痛確定なのだろうがそれでも届かない。恵子は段々夫に対する苛立ちが目立ち始めるが耐える。頭の中から岩田を追い出そうとするがそれは叶わず。むしろ鮮明に身体に残る記憶が蘇ってくる。
(なにやってんのよ…あいつは、岩田はできてたはずじゃない ! )
岩田もそこまでセックスが上手なわけではなくシチュエーションが味方しただけにすぎない、それでも岩田が恵子と伊予に最高の快感を与えたことに変わりはないのだ。
結局この日恵子は満足したとは毅に伝えたものの内心は全く満たされず不満が膨れていたのだった。
* * *
翌日の夕方に岩田と恵子は約束通り喫茶店で会っていた。岩田はサングラスをかけヨレヨレの白いシャツとダメージジーンズにサンダルと非常にラフな姿で来店していた。太り気味の彼が何故このような服装で来たのかはわからない、お世辞にも似合っているとは思えない。恵子もブラウスに普通のズボンにスニーカーとそこまで余所行きの服装ではなかったが、少なくとも他人と会うわけなのだからこれはないでしょうと岩田の服装にマイナス点を与えていた。それはさておき、会って数分程度の時間にも関わらず恵子は顔面蒼白になり絶望を感じていた。岩田はこんなこともあろうかとわが身を守るために忍ばせていたボイスレコーダーを持ってきていたのだ。
『恵子さん、俺の事が好きなんですか ? 』
『あたりまえですよぉ~ヒック ! だ~いすきです~ ! 』
『ありがとう。でもそろそろ帰らないと…旦那さんがいるんでしょ ? 』
『ん~ ? い~のい~のたけしなんて、あ~んなろくでなしのとうへんぼくこっちからねがいさげよ ! わかれていわたくんとさいこんしちゃいたいわ ! 』
ボイスレコーダーから流れる二人のやり取りはしっかり録音されており、内容からも恵子の方から誘ったことは明白なように聞こえる。
「そ、そんな…こんなのあの子が言うわけ…」
「そうですよね、俺も伊予ちゃんがこんな事言うわけないと思ってました。7歳の女の子が唐変木とかろくでなしとか、そんな言葉知らないはずだって…だからあの日あった先輩は、松井恵子さんだと考えてお付き合いしたわけで…そうでなければすぐに家に帰してましたよ」
恵子は顔面を両手で覆いしばらく黙ったままだった。
(どうすれば…どうすればいいのよ…あの入れ替わりは夢だった ? そんなはずは…でもこのやり取りは…私なの ? 本当に私が入れ替わったふりして不倫してたの ? わかんないよ…助けて毅…)
「じゃあ俺はこの辺で失礼します」
ガタッと席を立とうとする岩田の手を恵子は慌てて掴む。
「ま、待って!お願い、このことは誰にも言わないでちょうだい!こんなの毅に聞かれたら…」
今にも泣き出しそうな恵子を見て、岩田は安心させるような口調で声をかけた。
「大丈夫ですよ、これは俺の保身の為に録音したものですから先輩が俺に何もしてこない限り公表するつもりはありません」
よかった…と声を出し椅子に座る恵子だが、でもと岩田は続ける。
「でも…また入れ替わったりしたら困りますよねぇ…ちょうどこれくらいの時間でした…」
「え…な、なにが…?」
「決まってるじゃないですか…先輩が伊予ちゃんみたいになったのですよ」
恵子が次の言葉を出す前に岩田はパチンッと指を鳴らす。すると恵子の様子が変わった。
「あ…岩田さん…また私ママの身体になっちゃったんですねぇ…」
恵子…伊予が再び恵子の身体に入る。今伊予の身体には恵子の精神が瞬間移動していることだろう。夕方といっても時刻はもう6時を回っており子供が出て歩ける時間ではない。
「またママはお留守番…また大人の遊びをさせてくれるんですか岩田さん?私信じてたんですよ、またママと入れ替わるんだろうなぁって」
恵子の姿は先程とは違いまるで男を誑し込もうとする悪女のようであり、瞳にはギラギラとした熱がこもっていた。
「もちろんさ…でもね、実は俺の再就職が決まりそうで会えるのは今日くらいになりそうなんだ…本当にあっさり決まりそうで驚いたんだけどね」
就職に苦戦した時期はおよそ3年前でありその間に介護関係の求人が急増、岩田も先日面接に挑んだところすぐさま採用の返事が来たのだった。入れ替わっての性行為に味を占めた恵子は、ええ〜ッ?と不満そうに口を尖らせるが岩田は続けて話す。
「だから…今日は思い出作りとして朝まで楽しもう」
「はい、さんせ〜い!」
先程まで暗い様子だった女性とは思えないほど急に陽気な性格になった恵子に少々驚く他の客だが所詮は他人事としてすぐに視線を外した。
岩田は会計を済ませると自分の左腕に抱きついてくる恵子を横目に喫茶店を出ていくのだった。
恵子はもはや何度目かわからない入れ替わりと視点の切り替えに驚くも、周囲を見渡せばここはいつも見ている自宅にある伊予の部屋だった。自身の手を見るととても小さく、愛娘のものに違いはなかった。
「また…伊予の身体になってる…痛い、夢じゃない…」
伊予の身体に入った恵子は自身の頬をつねり夢ではないかを確かめる、当然ながら現実であるから頬をつねったジンジンとした痛みが襲ってくる。外はもう夕暮れ、7歳の子供が外出したらすぐさま保護されてしまう。伊予となった恵子にはもはや現状なす術などない。ふとポケットに入れておいたスマホが手にぶつかる。
「…そうだ、スマホ ! 」
今まで気分が落ちていたから気が付かなかったが、恵子のスマホに連絡すれば自身の身体に入っている伊予に話しができる。早速アドレス帳から電話をかけようとするが。
「…な、えッ ! ? 」
手にあったスマホは消えいつの間にか恵子はベッドへ横になり大股を広げていた。さらに秘所にねじ込まれる異物…。
「は、はああッ ! ん、んんんッ ! ? 」
恵子は一瞬何をされたのか全く理解ができず、自らの子宮に男の精液が注ぎ込まれた事実と全身に漲る充実感を感じたのはワンテンポ遅れてからであった。
「なな、なにが起きた…」
恵子が言葉を発し。
「の…え、ここ私の家 ! ? 」
秘所に男の肉棒がねじ込まれ射精された事を理解しきる前に意識は自宅に戻った。
「た、確かに今身体が元に…」
恵子は元の身体に戻った、しかしそれはほんの数秒だけ。自分の身体がイった瞬間だけのほんの僅かな時間だけだった。
「岩田が…岩田が私たちの身体を好き勝手に…」
パチンッ !
「入れ替えあああンッ ! ? 」
また身体が入れ替わり元に戻る。自分の身体が絶頂を迎え男の欲望液をその身で受けきる。身体が震える、喜びで全身が悲鳴を挙げた。
『コレだ』
身体が正解だと、目の前にいる男とのセックスこそがこの身体にぴったりかみ合うピースなのだと、自分の夫だとこうはいかない、身体が感じてしまった。身体が覚えてしまった。身体が絶頂を迎える瞬間だけ元に戻され、意識がクリアになる直前にまた身体を入れ替えられ娘の身体に移される。
「はあ…はあ…ッ ! くそッ…」
意識が覚えた快感に肉体が反応し、伊予の身体は全身汗まみれになっていた。いつの間にか床へうつ伏せになり身体を横たえる。
「こうなったら…次に入れ替わったらあいつを…岩田をぶん殴ってやる」
恵子は次の行動を決めこぶしを握る、今は子供でも本来は大人なのだ。あのにやけ顔をボコボコにしてやろうと決意した…。
5分後
(さあ来なさい…早く身体を入れ替えなさい… )
10分後
(なかなか来ない…さすがに種切れかしら ?)
30分後
(なにしてんのよ…早く身体を入れ替えなさいよ…早く)
恵子は痺れを切らし始めたのか手が勝手に娘の秘所へと伸び始める。
「はッ ! な、なにしてんのよ私…」
娘の身体でオナニーしようとしていた自分を抑え再度入れ替わるタイミングに合わせ意識を集中させる…だがいつまで経っても身体が戻らない。
2時間後
「なんでよ…なんで身体が入れ替わらないのよッ ! ? 」
恵子はその場で悪態をつき地団駄を踏む。彼女は気が付いているのだろうか ? 岩田を殴る事から入れ替わりを渇望している自分の変化に… ?
「戻しなさいよ…く、はやくぅ…」
再び恵子の手は娘の秘所へと伸びる、先ほどは耐えられたが今は誘惑に負けついに穴へと指が入る。幼い子供の指が未熟な秘所に侵入しくちゅくちゅといやらしい音が出始めた。
「は、あ…ああ…伊予…ごめん…」
娘への謝罪も軽いもの、ただの心がこもっていない戯言、歯を食いしばり母が娘の身体を使い娘の初めてを奪う。未だ達したことがないであろう娘の未成熟な身体は母親の手によって一歩大人へと前進してしまう…。
「ごめんなさい…ごめんなさい…弱いママでごめん伊予 ! 」
ジュポジュポと音が大きくなり指の出し入れが早くなる、指の数は次第に増えていき終いには3本へと増えた。片手はつつましやかな胸を触り色の薄い乳首をいじり段々大きくなっていく。こんなものじゃないと先ほどの快感を思い出しながら、思い浮かぶのは自分の身体を使い今もお楽しみ中の娘の事。
(私の身体なのに…なんであの娘だけ気持ちよくなってんのよ…)
一度生まれた嫉妬の炎は中々消えない、本来ならば自分の身体なのだから自分が快感を得ているはずなのだと、いつしか娘を見る目は女を見る目へと変化していき同時に身体は限界を迎える。
「い…イクッ…イクゥッ ! ! 」
ブシャアッと勢いよく秘所から潮が噴き出る。7歳の子供が人生初の絶頂を迎えたのだ…他ならぬ母親の手によって。
「はあッ…はあッ…わ、私…なんてことを…」
一度冷静になり考えれば自分がとんでもない事をしたという自覚はあった、だがポッと点いた嫉妬の炎は消えない。それどころかどんどん強く燃え広がっていくことを恵子は知らない。その証拠として自身の顔は醜く歪んでいたのだから。
恵子の意識が再びホテルへと飛んだのはそれから数分後の事であった。
* * *
「ここははぁぁぁんッ ! 」
元に戻った恵子を襲ったのは全身を襲う快感であった。あれから何度もイかされた身体は全身性感帯レベルにまで達しており、まだ意識がある方が驚きである。周囲にはもう岩田の姿はなく、恵子のグショグショに濡れた秘所の上にメモが残されていた。
『先に帰ります。今日はお疲れ様でした。先輩の衣類はもう使い物にならないので俺が処分しておきます。気を付けてお帰りください、伊予ちゃんによろしく』
「…は ? はああああッ ! ? 」
ビクビクと震える身体をこらえ恵子はベッドに転がった。
「も、もう終わったの…」
ガクリと肩を落とす恵子、今や頭の中はセックスすることでいっぱいになってしまっていた。娘の事は頭の片隅に追いやるくらいまで優先順位が変わっていたのだ。
岩田がここにいない以上このラブホテルに留まる必要はない、早く家に帰ろうとする恵子だが先程のメモが頭に浮かぶ。そう、恵子の服が無いのだ。
ベッドの下、上、自分のバッグを全て探すが見つからない。本当に岩田が持ち去ってしまったのだ。それも衣類だけでなく靴まで、あるのは岩田が着ていた服だけ。おそらく岩田は別に用意していた服を着て帰ったのだろう。
「…あいつの服を着て帰る…?はは、まさか、そんな事、この私が…」
恵子の言葉とは裏腹に、岩田の残した衣類を手に取っていく。下着は無いからそのまま直に身に着けていくしかない。
まずはダメージジーンズ、あちこち空いた穴から恵子の素肌が露わになっている。白いシャツを着るとサイズが合っていないのと豊かな胸がシャツの生地を押し上げ2つの大きな谷間を作り少しだけお腹と背中が見えていた。ノーブラだから敏感になり大きくなった乳首が、私はここよと自己主張を続けている。自分の足よりも大きなサンダルを履き残されたサングラスをかける。恵子は部屋の鏡に自分の全身を映す、はっきり言って全く似合っていなかった岩田に比べ、恵子が同じ服を身につけると非常に絵になっていた。浮気相手の恰好を自分がしている、そう自覚しただけで心拍数は跳ね上がり口元が自然に緩んでいき、はっと我に返ると両頬を軽く叩き気合を入れなおす。
「よ、よし、大丈夫そうね…うん、仕方なく、そう、本当に仕方なくあいつの服を着ているだけよ」
先程まで密会していた男が着ていた服や履物を自分が身につける。岩田の体温が残る生暖かい衣類が恵子の身体を包みこんでいるのだ。
男物のファッションに身を包んだ恵子はそそくさとホテルを後にする。知り合いがいないか周囲を見渡しながら夜の街を歩く彼女の姿はまさに浮気現場を見られないよう変装して歩くふしだらな人妻そのもの。サングラスまでかけ歩く恵子を見て何かあると思わないほうが無理がある。タクシーを拾い帰る恵子だが、自分に精液を注ぎ込んだ男の服を着ている自分の姿をガラスで見ると妙に心拍数が跳ね上がり口元が緩む。
(私…わたし…本当にあいつの服着てる…だめよ、しっかりしなきゃ。戻さなきゃ、まずはこのだらしない顔を戻さなきゃ)
ガラスに映る自身の微かに笑う顔、薄弱とした意思では戻すことはできずむしろさらに笑みが強くなっていくのだった…。
「いい加減にしなさい!あんた自分が何やったかわかってるの!?」
「なによ、ママだってお楽しみだったんじゃない!」
深夜遅く松井家では母娘の親子喧嘩が始まっていた。
「私知ってるんだから…ママ本当は岩田さんの事好きなんでしょ?パパの事飽きてるんでしょ?」
「伊予、ママ本気で怒るわよ?」
恵子の言葉を聞き伊予が微かに、母親をバカにしたように笑う。それがより恵子の怒りを燃え上がらせる。
「なにがおかしいの!?」
「クス…だって、ママ岩田さんの服を着て街中歩いてきたんでしょ?嫌いな人の服なんて着ないよね?しかもサイズの違うサンダルまで履いて本当に仲良しなんだね、パパの時なんてやらなかったのに…」
「だ、だからそれは…」
「大丈夫だよママ、私岩田さんがパパなら大歓迎だから。それじゃあおやすみ〜」
「ま、待ちなさい伊予!まだ話しが!」
非常にマイペースな娘の伊予はこれ以上怒られる前にさっさと自分の部屋に引っ込みベッドに飛び込んだ。
「…はぁ、どうしたらいいのよ…」
恵子はため息をついてリビングに戻るとそのままテーブルに突っ伏して思案を巡らせる…だが今の彼女にそれは悪手であった。疲れが溜まり頭が回らない恵子はそのまま眠りに就いてしまう…岩田の服を着たままで。
「ただいま〜」
翌朝夜勤を終えた毅がガチャッと自宅の鍵を開けて入ってくる。疲れた〜と言いながらリビングに上がろうとしたが玄関でふと立ち止まる。
「あれ?俺こんなサンダル持ってたっけ?」
玄関にある男物のサンダルを見て首をかしげた。この家に男は自分しかいないのだから自分に見覚えの無い物があるのはおかしい。では何故こんな物があるのか…。
「まさか…いや、まさかな」
毅は自分の頭に浮かんだ不倫の二文字を振り払い今度こそリビングに上がる。リビングには恵子がテーブルに突っ伏して寝ているだけで誰もいる気配は無い。伊予は既に学校へ行っているので自宅にはいない。ふぅと一息ついたところでまた毅の視線が止まる。
「え…なんで恵子男物の服なんて着てるんだ?」
恵子はテーブルの上で岩田の服を着たまま疲れ切って寝てしまっている。毅が知る限りでは恵子が男物を着ている記憶はない、何故そんな物を妻が着ているのか… ?
「待てよ…これ岩田が以前新人歓迎会で着ていたやつじゃなかったか… ? 」
昨年の新人歓迎会で岩田は一発芸をする際に全く同じ服を着ていたのだ…結果は散々だったが。それと同じ服を着ている妻…。
「は、はは、偶然だ、偶然だよな…恵子 ? 」
ひょっとしたら同じ歓迎会でもやって男物の服を着てそのまま帰ってきたのかもしれない。そう信じて毅は心の奥底へ疑問に蓋をした…したかった。ついつい目についた恵子が着ている服のタグなんか見なければよかったのだ。この世には自分の衣類に律儀にも、例えばタグに名前を書く者もいる。仕事上よく毅も恵子も利用者の持ち物や衣類に名前を書かせてもらっていた。似たような私物の区別をつけるためである。
タグにはきちんと書いてあった…『イワタ』と。
決定的だった。妻は個人的に岩田と会っていた、しかも個人の衣類を着るほどの仲になっていた。毅の脳裏に岩田と恵子の逢瀬が浮かび上がる。妻の裏切りに毅の手げ握り拳へと変わる…。
「し、信じていいんだよな…恵子」
つい先日まで笑っていた妻、毅と笑っていた妻…先日セックスをしたときにぎこちない笑顔を浮かべていた妻…。
毅には真実を確かめるだけの度胸は無い。妻の変化は自分が育成しきれなかった岩田の仕業である事を。
毅は知らない、目に入れても痛くない愛娘は自分よりも岩田に心を奪われている事も。妻は笑顔で、にやけながら眠っている。その夢の中では毅ではなく岩田とお楽しみ中であることも。夢の中には毅の存在は欠片も出てこないことも。
あの日仕事を休ませればよかったのか?否、それ以前に岩田の育成をしっかり行えばよかったのか?毅にはわからないしその疑問にもたどり着く事さえできない。
なぜならば、毅はこの一件に関して、ことごとく蚊帳の外だったのだから…岩田の復讐ターゲットは間違いなく松井毅である。だが岩田にはまともにぶつかっても勝ち目など無い。だから毅の妻と娘の心を奪う事にした。毅に妻へ対する疑いの心を持たせた。
結果として松井恵子はなんだかんだと理由をつけては来るだろうが、今後も岩田に会うだろう。娘を守るために仕方なく、そう仕方なく会う、そう自らに暗示をかけて…自分が気持ちよくなりたいから会うのだ。
松井伊予は幼い心に強い快楽を与えられ、黒幕を恩人や恋人として寄り添っていくだろう。内心また母親と入れ替わりセックスしたいとも考えているに違いない。伊予は仕事はできないが恵子の身体を扱う事に関してはこの世の誰よりも上手いのかもしれない…。
松井毅は今後も恵子を疑いながら生きていく。伊予だけは味方だと思っても実際は味方など一人もいない事に気がつくのは果たしていつの日か…。今度の休みに予定されていたピクニックは誰も行く気がなくなり取りやめになった。
松井家の絆を壊すこと…それが岩田の考えた身勝手な報復だったのである。
数ヶ月後
「少し大きくなってきたねママ」
「え、ええそうね…」
「ああ…元気に生まれてくるといいな」
近所の産婦人科へやってきた松井家の面々、理由はもちろん恵子の妊娠がわかったからである。恵子の胎内では今も健やかに新しい命が脈を打っている。
あれから恵子と伊予の身体が入れ替わることはなかった。あまりにもぎこちない夫婦の会話、毅と恵子にはなんとなく想像がつき現実を見たくないのだろう。
この子の父親が誰であるか?
三人が話をしている時、リフト車から一人の男性が降りてきた。
「あれ、松井さんじゃないですか。こんな所で奇遇ですね」
三人が声の方を振り向くと、そこにいたのは岩田であった。何処かの制服を着ており何処となく貫禄が付いている。
「岩田、お前「岩田さん!お久しぶりです、お元気でしたか?」
毅が声をかける前に伊予が元気よく挨拶をする。伊予の目はハート型で久しく会えなかった恋人に対するそれだった。
「ところで岩田君…貴方はどうしてここに?」
伊予の態度の理由に気がついたのか、恵子が話題を変えた。
「いやぁ実は妻が妊娠しまして…」
「………は?」
岩田の一言に恵子の表情が凍りつく。信じられないというような、ふざけた事言ってんじゃないわよというような表情であった。
「へ、へぇ…ちなみに奥様はどちらに?ぜひともご挨拶したいわぁ」
恵子の口元がピクピクとひくつく、気のせいか額に青筋も浮かんでいるような感じもしている。
「お、おい…それよりもだな岩田…「貴方は黙っててくれる?(にっこり)」は…はい…」
毅としては恵子と不倫したのかを問いただしたいのだが恵子がそれを許さない。お前は引っ込んでろと笑顔で且つ鬼の形相で毅を黙らせた。
「あぁいや、実は冗談で…」
「………は?」
恵子の顔が再び鬼へと変わる。てめぇ次ふざけた事ぬかしたら(ピー)するぞと恵子を纏う気がそう語りかけている、と同時にほんの少しだけだがホッと安心してしまう不倫妻恵子。以前なら感じた罪悪感も今の彼女には興奮材料にしかならなかった。
「すいません、皆さんに会えたのでつい冗談を…実は仕事で受診対応中なんですよ。これから施設に帰るところです」
そう話す岩田の表情はキリッとしていて、今の職場で立派に働いているのだろう。
「やっぱり他の職種になるのは勇気がなくて…でも今の職場でなんとか仕事できてます…先輩のおかげですよ」
「そ、そうか…」
岩田は毅に向かって笑顔でそう答えた。当然ながら額縁通りの言葉ではない。
岩田が前の職場で獲得した一番の武器は立ち回り方であった。業務内容を教えてもらったら素早くメモし実践し覚える。毅を見て自分が嫌だと思った箇所は自分なりにアレンジして業務に落とし込んだ。その結果、今や職場の職員から頼られる存在となったのだ。
『お前を反面教師にしたおかげで俺は独り立ちできたよ松井』
そう岩田の心情を表すならこうであっただろう。
「では仕事がありますのでこれで」
そう話し岩田は送迎車に乗り込んだ。
「ち、ちょっと待ちなさい、貴方スマホの番号変えたでしょ?繋がらないもの…借りた物があるから…返さなきゃ…」
「ずるいよママ、私もアドレス交換したい!」
そう、数ヶ月前の一件から岩田と連絡が取れなくなり恵子は火照った身体を持て余しており悶々とした日々を過ごしていた。
『なにしてんのよ…なに勝手に番号変えてんのよ…早く出なさいよ…早く私に教えなさいよ!』
そうして恵子は自宅内で独り言を話しイライラしながらスマホを操作していたのだ。完全に彼氏の行動にやきもきさせられる彼女の気分だったそうな。
ピロロンとアドレス交換して三人、岩田は今度こそ車に乗り込み出発。恵子と伊予は思わぬ収穫にホクホク顔である。
またしてもポツンと蚊帳の外となった毅であった。
数日後
「ふふ…お出かけしてくるね、ママ…」
恵子の休日、目一杯おめかしした中身が少女の恵子はルンルン気分で家から出ていった。身体の中身は伊予で、数ヶ月ぶりの母親の身体である。その日恵子の帰りは遅くいったい何をしていたのか誰にも話さなかった。
さらに別の日
「行ってきます」
恵子は一言だけそう話し家から外出していった。だが服装は以前岩田が着ていた服である。サンダルもサイズが合わない岩田の物を履き、口笛を拭きながらとても楽しそうに出ていった。外出先で何をしたのかは話さないが、服を返すといった名目を掲げていたが、いざ帰ってきてみるとまた岩田の服を着ていたのだ。返せなかったからまた行かなきゃ…とのたまっていたが。
こうして岩田の報復は終わったのだった…松井家はもはや空中分解寸前、恵子と伊予はもはや毅をそっちのけで生活をしており家を空けることが激増、とても冷たい家庭となっていった。
だが忘れてはいけない。岩田が毅と同じようなことをしでかしたら、今度は岩田が指導した職員から報復を受けるかもしれないのだ。
初心忘るべからず。
パチンッ!
主役の岩田の性格に関しては受け止められない所があると思います。ですが世の中にはこういう男もいるかもしれないという事で一つ…。
では、お読みいただきありがとうございました<(_ _)>