「足手纏いがいる状態で、果たして、どこまでいけるかなぁ!」
それと共に、クロウは俺に向かって、瞬く間に接近する。
その見た目からして、空中を移動するだけではなく、素早い動きを行う事は出来る。
俺の背後に回り込んだクロウのクナイに対して、俺はその腕に纏っているモンスターグローブで受け止める。するとクロウは、もう片方の腕で拳を放つ。
それを後ろに下がって回避した瞬間、俺の視界の端には、既に別の方向から迫っていたベアードの姿があった。
その手に握られている巨大な斧を振り下ろしたベアードの攻撃に対し、俺は地面を踏み砕くほどの脚力でその場から離れようとする。
しかし、ベアードの振り下ろした斧によって、地面に亀裂が入り、足場が崩れる。
その衝撃により体勢を崩された俺は、そのまま吹き飛ばされて地面に転がってしまう。
すぐに立ち上がろうとした瞬間、俺の前にはクロウが迫っていた。
「ほら、ほらぁ! この程度かぁ!」
クロウは、そのままクナイを俺に向けて、次々と切り裂いていく。
その攻撃に対して、モンスターグローブで防御する。
攻撃力は、あまりない。
だけど、それを無視する事は出来ない。
「ほらよっ!」
「っ」
クロウが放ったクナイの先。
そこにはスレッタちゃんだった。
俺はすぐにスレッタちゃんの盾になるように、前に飛び出した。
「ネクスさん!?」
「ぐっ」
その間にも、俺はスレッタちゃんを守るように、構えを取る。
「……悪いな。こんな小さい子を傷つけさせる訳にはいかないからな」
「そんな正義感で、果たして勝てるのかなぁ!」
それと同時に、ベアードの斧が襲い掛かる。
すぐに反応してガードしたが、衝撃までは殺しきれず、再び大きく弾き飛ばされてしまう。
そして、今度は、クロウがスレッタちゃんの方へと向かっていた。
「きゃああああっ!!」
悲鳴を上げるスレッタちゃん。
俺は、すぐに近くにある瓦礫を殴り、クロウに向かって放つ。
クロウはその攻撃を避けるが。
「隙ありだぜぇ」
「ぐっ!」
今度は防御が間に合わず、ベアードの攻撃を喰らう。
「おやおや、もう終わりかい?」
「まだまだ、これからだよ」
そう言って、俺は立ち上がる。
「ほぅ、まだそんな力があるとはな」
そう、クロウは言う。
だけどな。
「力とか、関係ないよ」
「なに?」
俺の言葉に、クロウもベアードも疑問に思うように首を傾げる。
「俺はまだ、立ち上がれる。まだまだ可能性がある若者がいる」
それと共にモンスターグローブを構えて、拳を握る。
それに答えるかのように、クロウとベアードもまた武器を構える。
その時だった。
「逃げたら一つ、進めば二つ」
その言葉と共に、先程まで怯えていたスレッタちゃんとは思えなかった。
「私は、もぅ何も失いたくない!」『SET』
それと共に、スレッタちゃんは、その手にあるレイズバックルをデザイアドライバーに装填する。
「変身!」『PITRAISE』
鳴り響く音声。
それと共にスレッタちゃんの姿が変わる。
スレッタちゃんに丸い球体が三つ、装備される。
「ネクスさん、ごめんなさい、遅れてしまって。だけど」
「良いさ、気にするな」
それと共にスレッタちゃんに向けて、俺は立ち上がる。
「いや、この場合、聞いておこう。お前の名前は」
そう、スレッタちゃんに問いかける。
「仮面ライダー、仮面ライダーラクーです」
「そうか。それじゃ、ラクー、行くぞ」
俺はそう言うと共に構える。
だが、問題は、ラクーが今使っているレイズバックルだ。
その能力が分からなければ、連携は。
「役立たずが一人、増えた所で!」
そう、ベアードが、その斧で、こちらに攻撃を仕掛けようとした。
俺は、すぐにその攻撃を防ごうとした。
だけど。
「やらせません!」
その言葉と共にラクーの身体から、その球体が飛び出す。
すると、なんとベアードに向かって、球体がビームを放った。
「なっ」
「なんだとっ」
クロウも、ベアードもまた、それに驚きを隠せなかった。
俺自身も、そんな能力を持っているとは、思わなかった。
だけど。
「ラクー、少しの間で良い。時間を稼いでくれるか」『MONSTER STRIKE』
俺はそのまま、モンスターレイズバックルを二度押す。
そのまま、俺はモンスターグローブをゆっくりと構える。
「はいっ」
それと同時に、クロウとベアードが俺達に向かって襲い掛かる。
だが、俺にはそれが見えていた。
しかし、その場を動かない。
「なっ、こいつっ」
それは、動けないからではない。
ラクーが、周囲に浮かんだ球体で、それらの攻撃を防いでくれると知っているから。
クロウとベアードは、実際にラクーの、その攻撃に妨害されている。
「こいつの攻撃っ、それ程威力はないけどっ」
「うざいっ」
だが、二人は同時にそう言い放つと、それぞれの武器を振るい始めた。
クロウのクナイが、ベアードの大斧が、俺を襲う。
そしてそれを、ラクーが防ぐ。
そんな光景が繰り返されていた。
「ちっただの小娘が、邪魔するなぁ!」
そのままベアードは、それらの攻撃を潜り抜けて、ついに俺達の元へと辿り着く。
「ネクスさん!!」
ラクーは、そう叫ぶ。
だけど。
「十分だよ、さぁ」
そのまま、俺はベアードからの斧による一撃を避ける。
同時に、ベアードの懐にモンスターグローブを叩きつける。
「この程度のっこうっ」
ベアードは、その一撃を受ける自信があった様子だった。
だが、十分に力が溜まった俺の拳は。
「なっ」「彼方まで、吹っ飛びやがれ!」
その防御は無意味だ。
ベアードは、その一撃を食らい、大きく吹っ飛んだ。
「なっ」
クロウは、その光景に驚きを隠せなかった。
「さて、どうするんだ」「降参しますか」
そう、俺とラクーは問いかける。
「くそっ、こんな所で「ぎゃあっぁぁぁ!」っ」
「今の悲鳴って」
聞こえた声。
同時に目を向ければ、そこにはロボットがいた。
正確に言えば、ロボット型のジャマトであり、そのジャマトがベアードを刺し貫いた。
同時に、ベアードはリタイアしたのを示すように、その姿が消えた。
「なっ、嘘だ」
そして、そのパートナーであるクロウもまた姿を消した。
だが、驚きはそれだけじゃない。
なんと、ロボット型のジャマトの姿が変形する。
先程の、ベアードが使っていたバックルの装備を沸騰させるその姿に。
「あれって」
「とにかく、今は逃げるしかないようだな」
俺はすぐにリタイアしたクロウのレイズバックルを拾い、そのままセットする。
『DUALON! WING! MONSTER!』
「捕まっていろ!」「はっはい!」
俺はラクーを抱え、すぐに脱出する。