少しずれての投稿ですが、お願いします。
俺は、スレッタちゃんを抱えて、すぐに逃げ出した。
あの場で、何の対策もせずにジャマトと戦っても勝ち目はない。
それを直感で理解したからこそ、離れた。
「はぁはぁ、あのジャマト、一体何だったんですか」
あの時、始めて人が死んだ光景を見たスレッタちゃんにとってはトラウマになっても可笑しくないだろう。
未だに高校生ぐらいならば、不思議ではない。
「これから、一体」
「どうやら、あのジャマトをどちらにしても相手にしないといけないようだ」
俺はそうしながら、懐から取り出したスマホで、その情報を見る。
『ロボットジャマトから手に入れる事が出来る赤い歯車を20個集める。集めた20個の歯車で宇宙船は出来る。それで最初に脱出したペアが優勝である』
「そんな」
それは、スレッタちゃんにとっては恐怖でしかない。
あのジャマトを相手に、どう戦えば良いのか。
「どうすれば」
怯えるように、スレッタちゃんは体育座りをする。
「……倒せなくても良い。ようするに、歯車を手に入れたら良いからな」
「ネクスさん」
俺は、そう言い、立ち上がる。
「俺が囮になる。その間にスレッタちゃんがロボットジャマトから歯車を奪え」
「そんなっ」
スレッタちゃんは、そのまま俺の方を見る。
「駄目です、そんなの、無理ですよっ」
涙を流しながら、訴えかけてくる。
だが、これは必要な事だ。
この世界で生き抜くには、強くならなければいけない。
それに、まだ、死が確定したわけじゃない。
「ネクスさんは、死ぬのは怖くないんですか」
「怖いさ。でもな」
俺はゆっくりとスレッタちゃんの頭を撫でる。
「それでも、戦わなけれならない時がある。戦わないと、生き残れない時がある。
「ネクスさん……」
「だから、今は泣いても良い。でも、絶対に挫けるなよ」
「うわぁあああんん!」
スレッタちゃんはそのまま泣きじゃくる。
俺は、それをそのまま収まるまで待つ。
年相応であり、仕方がないと言えばそれまでだろう。
しかし、それが当たり前である。
周囲に、ロボットジャマトが来ないかどうか警戒しながらも、俺はスレッタちゃんが泣き止むまで、待った。
「……ごめんなさい、ずっと待ってもらって」
「別に良いよ、これぐらい」
すると、スレッタちゃんは、少し照れたように笑う。
「なんだか、不思議ですね。ネクスさんって、今日初めて会ったはずなのに、なんだかお父さんのような気がして」
「お父さんって、スレッタちゃんぐらいの子供は、まぁ、もしかしたらいたかもしれないけど、残念ながら俺はそういうのには縁がなかったからな」
「いえ、そういう訳じゃなくて、私、お父さんがいなかったので」
すると、スレッタちゃんは
「お母さんが、昔、言ってくれた緑あふれた世界。その世界に行きたい。それが、私の夢です」
「……そうか、良い夢だな」
その夢に対して、俺は、どう答えれば良いのか分からない。
緑溢れる世界と聞くと、確かに素敵に聞こえる。
だけど、俺からしたら、それは残酷な世界だ。
でも。
「その夢の為に、戦おうか」
「はいっ」
スレッタちゃんの夢の為にも、戦うとしようか。