ゾンビになるまでにヤりたい100(暫定)のヒロイン 作:ボルメテウスさん
その街に辿り着いて、一番始めに感じた違和感は、あまりにも静か過ぎる事だった。
周囲を見渡しても、街は静かな状況だ。
それは、少し前のゾンビ達が現れる前の街でも決して見られないような静けさ。
「ここって、元々三日月さんが住んでいた所ですよね」
俺は、隣にいる三日月さんにそう問いかけた。
元々は、三日月さんが住んでいた場所という事で地理や案内を含めて任せている。
「えぇ、間違いないわ、私が住んでいた街であるのは間違いないけど」
そうしながらも、彼女は周囲を見渡す。
三日月さんにとっては見慣れていたはずの光景だが、ゾンビパニックによって、三日月さんを含めて、ほとんどの住人は逃げていた。
見れば、ゾンビがいた跡だと思われる血痕がある。
「昼で、太陽が出ている間は、ゾンビが出ないとしても、さすがに物陰にも潜んでいないのは可笑しいけど」
「おそらくは、ここにいるサーヴァント、アサシンの虞美人がほとんど倒したと思うけど」
俺の言葉に、三日月さんは、サーヴァントである虞美人を探す為に歩き始める。
周囲はビル街であり、人の気配は全く無い状態となっている。
それでも、誰かが隠れていないかどうかを確認する為に見渡しながら歩く。その最中の事だった。
──カタッ……カタカタ……ッ そんな音がした事に、三日月さんと目を合わせる。
そして音の正体を探るべく周囲を警戒する。
「ルーラー、何か気配を感じるか」
「そうだねぇ」
俺はルーラーに尋ねると、笑みを浮かべている。
その様子から察すると、特に危険な存在はいないようだ。
俺達が見つめた先には、一つのビルがある。
「あれって、私の家じゃないの」
三日月さんが、そう呟いた。
「ふむ……まぁ、とりあえず行ってみるしかないかな」
「危険じゃないのか?」
「大丈夫だと思うよ、ほら、こっちに来て」
俺達は、そのまま、元、三日月さんの家だというビルに入る。
タワーマンションとまでは言わないが、そこそこの高さのある建物だ。
中に入ると、そこは綺麗な状態で残っていた。床には埃一つなく、窓も割れてない。
そのまま、ゆっくりと屋上に上がる階段を上り始めた時だった。
──ガタガタッ! 突如として、大きな音が聞こえてきたのだ。
慌てて音の方に視線を向けると、そこには一人の女性がいた。
だが、その格好は開放的な水着を着ている。
「……あんた達、私の家に何の用よ」
「いや、ここ私の家でもあるんだけど」
「ほとんどが出て行った家よ、何か文句でも」
「えっと、聞きたいけど、あなたが虞美人で合っているか?」
「えぇ、それが何か」
そう、虞美人は自信満々に言った。
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