ゾンビになるまでにヤりたい100(暫定)のヒロイン 作:ボルメテウスさん
虞美人が言った白骨夫人という名前。
その名前を、俺はあまり知らない。
「三日月さん、白骨夫人というのは」
「西遊記に出てきた有名な妖怪よ」
そう、俺と三日月さんが言いながら、眼前で行われた戦いに目を向ける。
白骨夫人は、その手に持つ身の丈はあるだろう刀を、そのまま虞美人に向かって、振り下ろした。
その一撃に対して、虞美人は、両手に持った血を思わせる剣を生やして、受け止める。
甲高い音を立ててぶつかり合う二本の魔刃。しかし片方は、そのまま刀を振り切ったのに対して、もう一方の虞美人は、まるで吸い込まれるように受け流した。
それはまるで水が流れるかのような滑らかで美しい動きだ。そしてそのまま、流れるような動作を持って、今度はもう片方の血のような剣を繰り出していた。
そしてそこからは互いに一歩も引かぬ攻防だった。
白骨夫人の振るう連撃に対して、それを上回る速度で、剣を振るう虞美人。
打ち合い、弾きあいながらも、互いの武器を折る事はない。しかしそれは永遠に続くかように。
「それで、その、白骨夫人というのは一体」
「白虎嶺と言う渓谷に根城を構え、解屍法と言う、偽の死体を用いて相手を油断させる妖術を使うの」
そうしていると、虞美人の前に白骨夫人は吹き飛ばされる。
そこには傷一つない白骨夫人がいる。
「なっ」
「ちっ」
虞美人が、そのまま周囲を見る。
すると、湧き上がるように現れたのは、白骨夫人。
「あんた、偽物を随分と用意したようね」
「えぇ、あれからさらに数を増やせたから」
三日月さんの言うように、偽の死体を用意する。
その死体がゾンビになれば、確かに脅威になるかもしれない。
「さて、どうするのかしら」
そう、白骨夫人は呟く。
それに対して、虞美人は。
「仕方ないわね」
虞美人が呟く。
「これ、あんまりしたくないけどね」
「あまりしたくないって、何を」
「あんた」
「えっ」
すると、俺の方に虞美人に指を指す。
「後で手伝いなさいよ」
「えっ?」
そう呟いている間に、虞美人は構えていた。
「まっまさか」
「泣いて許しを乞うが良い! 滅びを知るモノ、何れ安らぎを得る果報者達よ。我が羨望! 我が憎悪! 死の痛みを以って知るが良い!!」
「よっと」
そのまま、ルーラーは俺達の周囲に何かを囲んだ。
次の瞬間、虞美人が、爆発する。
「「っ?!」」
あまりにもエグい光景。
そうしている間にも、爆発した虞美人を中心に、そこにいた白骨夫人に向かって、呪詛の雨として降らせている。
「なんなの、あれは」
「自爆」
その光景に、俺は思わず呟く。
「うぅん、まぁ自爆ではあるけどね」
そうしている間にも、虞美人は、そのまま何事もなかったように、俺達の所で再構成される。
「さて、ちょっと借りるわよ」
「えっ?!」
そのまま、俺の首を掴む。
「ちょっと、待ちなさい、あなたっ本当に虞美人なの!」
「どういう意味かしら? いきなり偽物扱いして」
「だって、今のは明らかに人間じゃないわよ」
そう、三日月さんは問いかける。
それに対して。
「何を言っているの、何時、私が人間だって言ったのよ」
「えっ」
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