※この作品はR-18です。

ゾンビになるまでにヤりたい100(暫定)のヒロイン   作:ボルメテウスさん

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㉕降り注ぐ雨

 虞美人が言った白骨夫人という名前。

 

 その名前を、俺はあまり知らない。

 

「三日月さん、白骨夫人というのは」

 

「西遊記に出てきた有名な妖怪よ」

 

 そう、俺と三日月さんが言いながら、眼前で行われた戦いに目を向ける。

 

 白骨夫人は、その手に持つ身の丈はあるだろう刀を、そのまま虞美人に向かって、振り下ろした。

 

 その一撃に対して、虞美人は、両手に持った血を思わせる剣を生やして、受け止める。

 

 甲高い音を立ててぶつかり合う二本の魔刃。しかし片方は、そのまま刀を振り切ったのに対して、もう一方の虞美人は、まるで吸い込まれるように受け流した。

 

 それはまるで水が流れるかのような滑らかで美しい動きだ。そしてそのまま、流れるような動作を持って、今度はもう片方の血のような剣を繰り出していた。

 

 そしてそこからは互いに一歩も引かぬ攻防だった。

 

 白骨夫人の振るう連撃に対して、それを上回る速度で、剣を振るう虞美人。

 

 打ち合い、弾きあいながらも、互いの武器を折る事はない。しかしそれは永遠に続くかように。

 

「それで、その、白骨夫人というのは一体」

 

「白虎嶺と言う渓谷に根城を構え、解屍法と言う、偽の死体を用いて相手を油断させる妖術を使うの」

 

 そうしていると、虞美人の前に白骨夫人は吹き飛ばされる。

 

 そこには傷一つない白骨夫人がいる。

 

「なっ」

 

「ちっ」

 

 虞美人が、そのまま周囲を見る。

 

 すると、湧き上がるように現れたのは、白骨夫人。

 

「あんた、偽物を随分と用意したようね」

 

「えぇ、あれからさらに数を増やせたから」

 

 三日月さんの言うように、偽の死体を用意する。

 

 その死体がゾンビになれば、確かに脅威になるかもしれない。

 

「さて、どうするのかしら」

 

 そう、白骨夫人は呟く。

 

 それに対して、虞美人は。

 

「仕方ないわね」

 

 虞美人が呟く。

 

「これ、あんまりしたくないけどね」

 

「あまりしたくないって、何を」

 

「あんた」

 

「えっ」

 

 すると、俺の方に虞美人に指を指す。

 

「後で手伝いなさいよ」

 

「えっ?」

 

 そう呟いている間に、虞美人は構えていた。

 

「まっまさか」

 

「泣いて許しを乞うが良い! 滅びを知るモノ、何れ安らぎを得る果報者達よ。我が羨望! 我が憎悪! 死の痛みを以って知るが良い!!」

 

「よっと」

 

 そのまま、ルーラーは俺達の周囲に何かを囲んだ。

 

 次の瞬間、虞美人が、爆発する。

 

「「っ?!」」

 

 あまりにもエグい光景。

 

 そうしている間にも、爆発した虞美人を中心に、そこにいた白骨夫人に向かって、呪詛の雨として降らせている。

 

「なんなの、あれは」

 

「自爆」

 

 その光景に、俺は思わず呟く。

 

「うぅん、まぁ自爆ではあるけどね」

 

 そうしている間にも、虞美人は、そのまま何事もなかったように、俺達の所で再構成される。

 

「さて、ちょっと借りるわよ」

 

「えっ?!」

 

 そのまま、俺の首を掴む。

 

「ちょっと、待ちなさい、あなたっ本当に虞美人なの!」

 

「どういう意味かしら? いきなり偽物扱いして」

 

「だって、今のは明らかに人間じゃないわよ」

 

 そう、三日月さんは問いかける。

 

 それに対して。

 

「何を言っているの、何時、私が人間だって言ったのよ」

 

「えっ」

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