ゾンビになるまでにヤりたい100(暫定)のヒロイン 作:ボルメテウスさん
恵の呟きの意味。
それは、俺は首を傾げる。
「見て欲しいって、お前は今だってイヴァン雷帝の側近だろ」
「そうだね、それである意味、私の居場所となってくれた」
恵は、体育座りをしながら呟く。
すると、ちらりとこちらに見せつけたのは。
「見える?」
左脇腹付近を見る。
そこには深い傷跡があった。
「当時のいじめグループから暴行を受けた際に負った深い傷跡が残っているの」
「っ」
それは、今の世の中では珍しくない。
嫌な事に。
「中学時代では凄惨ないじめを受けていたの
殴る蹴るの暴行は当たり前で、無理やり落ちてる食べ物を食わされたり、好きでもない男子に告白させられたり、靴を舐めさせられたり、引き出しに動物の死骸を入れられたり等、考えられるあらゆるいじめを受け続けているの」
そう言った恵の目は虚ろだった。
「だからこそ、こんな状況でも、私は変わらなかった。私は、自分が安心に過ごしたい場所を作りたい」
「それが、イヴァン雷帝の側近か」
「そう、人前に出られない雷帝に代わり、連絡役の一人としてね。けど、それももうすぐ終わってしまう」
それは、俺が終わらせる宣言をしたから。
だからこそ、イヴァン雷帝の側近が無くなってしまう前に、別に依存する為の場所を探さなくてはいけないと恵は言う。
それが、俺という訳か。「だから、お願い。私を助けて」
そう言って恵は頭を下げてくる。
けれど、助けて欲しいのは俺の方だ。
「…………恵は、本当に、俺と付き合ってくれるつもりなのか?」
「うん」
即答。
なら、やはり、俺はこの提案を受け入れない訳にはいかないだろう。
恵の本音が、これ程までにストレートな告白だという。
けど。
「悪いけど、無理だ」
「なんで」
俺のその一言に対して、恵はこちらに詰め寄る。
「これが終わったら、たぶん俺も一般人となる。その時でも、恵は俺に依存するか」
「それは」
俺の言葉に恵が怯む。
そして、俯いた。
恵は、俺の事を好いている。
けど、それでも恵は俺を依存の対象とはしない。
恵が求めるのは、あくまでも自分の居場所。
だからこそ、ここで俺はハッキリさせておこうと思う。
「もしも、もしもだ。俺が普通の生活を手に入れたとして、その時、恵が俺に求めてくるものが、ただの依存だったら、止めておけ。ただ」
俺はそう、ここまでの行為を行ってしまった後だけど。
「ただの友達として、支えるんだったら、別に良い」
「良いの?」
見捨てるのも、何か違う気がした。
それは、今の俺の気持ちでもあったから。
だから俺は、恵を助ける事にした。
「分かった。それじゃあ、これから宜しくね」
恵は、俺の手を握る。
少しだけ嬉しそうに。
その瞬間、何か地響きがした。
「まさか襲撃か」
俺は、思わず叫んでしまった。
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