※この作品はR-18です。

ゾンビになるまでにヤりたい100(暫定)のヒロイン   作:ボルメテウスさん

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㉝恵の依存

 恵の呟きの意味。

 

 それは、俺は首を傾げる。

 

「見て欲しいって、お前は今だってイヴァン雷帝の側近だろ」

 

「そうだね、それである意味、私の居場所となってくれた」

 

 恵は、体育座りをしながら呟く。

 

 すると、ちらりとこちらに見せつけたのは。

 

「見える?」

 

 左脇腹付近を見る。

 

 そこには深い傷跡があった。

 

「当時のいじめグループから暴行を受けた際に負った深い傷跡が残っているの」

 

「っ」

 

 それは、今の世の中では珍しくない。

 

 嫌な事に。

 

「中学時代では凄惨ないじめを受けていたの

 

 殴る蹴るの暴行は当たり前で、無理やり落ちてる食べ物を食わされたり、好きでもない男子に告白させられたり、靴を舐めさせられたり、引き出しに動物の死骸を入れられたり等、考えられるあらゆるいじめを受け続けているの」

 

 そう言った恵の目は虚ろだった。

 

「だからこそ、こんな状況でも、私は変わらなかった。私は、自分が安心に過ごしたい場所を作りたい」

 

「それが、イヴァン雷帝の側近か」

 

「そう、人前に出られない雷帝に代わり、連絡役の一人としてね。けど、それももうすぐ終わってしまう」

 

 それは、俺が終わらせる宣言をしたから。

 

 だからこそ、イヴァン雷帝の側近が無くなってしまう前に、別に依存する為の場所を探さなくてはいけないと恵は言う。

 

 それが、俺という訳か。「だから、お願い。私を助けて」

 

 そう言って恵は頭を下げてくる。

 

 けれど、助けて欲しいのは俺の方だ。

 

「…………恵は、本当に、俺と付き合ってくれるつもりなのか?」

 

「うん」

 

 即答。

 

 なら、やはり、俺はこの提案を受け入れない訳にはいかないだろう。

 

 恵の本音が、これ程までにストレートな告白だという。

 

 けど。

 

「悪いけど、無理だ」

 

「なんで」

 

 俺のその一言に対して、恵はこちらに詰め寄る。

 

「これが終わったら、たぶん俺も一般人となる。その時でも、恵は俺に依存するか」

 

「それは」

 

 俺の言葉に恵が怯む。

 

 そして、俯いた。

 

 恵は、俺の事を好いている。

 

 けど、それでも恵は俺を依存の対象とはしない。

 

 恵が求めるのは、あくまでも自分の居場所。

 

 だからこそ、ここで俺はハッキリさせておこうと思う。

 

「もしも、もしもだ。俺が普通の生活を手に入れたとして、その時、恵が俺に求めてくるものが、ただの依存だったら、止めておけ。ただ」

 

 俺はそう、ここまでの行為を行ってしまった後だけど。

 

「ただの友達として、支えるんだったら、別に良い」

 

「良いの?」

 

 見捨てるのも、何か違う気がした。

 

 それは、今の俺の気持ちでもあったから。

 

 だから俺は、恵を助ける事にした。

 

「分かった。それじゃあ、これから宜しくね」

 

 恵は、俺の手を握る。

 

 少しだけ嬉しそうに。

 

 その瞬間、何か地響きがした。

 

「まさか襲撃か」

 

 俺は、思わず叫んでしまった。

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