※この作品はR-18です。

ゾンビになるまでにヤりたい100(暫定)のヒロイン   作:ボルメテウスさん

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㊵未だに遠き吹雪

「それにしても、まさか東京で、こんな事になっているなんて」

 

 三日月さんがそう呟きながら、眼前の光景に驚きを隠せなかった。

 

 未だに夏に入りかけているこの頃。

 

 先程まで居た場所は薄着でもかなりの暑さで僅かに歩くだめでも汗でびっしょりと濡れる程だった。

 

 しかし、吹雪のある東京タワーを目指して、数分。

 

 その認識は一瞬にして変わった。

 

 この場は異常な寒さである、と。

 

「はぁ~、なんでこんな事に……」

 

「いやいやいや、確かに、ここまで寒いとは思わなかったけど、それでも北極とか比べたら大分ましだと思うよ」

 

 三日月さんは呆れたように呟く。

 

 だが、未だに東京タワーからの道のりは遠い。俺達が歩くその場所は、一面雪景色となっていた。

 

 既にこの場所に来たのは数十分前。

 

 しかし、未だ到着には時間がかかりそうな距離だった。

 

 それでも俺達が足を止めないのは。

 

 吹雪で視界が悪い中、ただ歩き続けるだけというのも暇なので、話を続けていた。

 

「だけど、このままだと辿り着けるか?」

 

「はっきり言うと、このまま進むのは危険かもしれないわね」

 

 青子さんは、そう呟いた。

 

「ここは猛吹雪の中で、視界が最悪な場所だからね。目的地に向かう為にも、ある程度は覚悟しておく必要があるわ」

 

「そ、そうなんですか?」

 

「えぇ。吹雪自体はまだ弱い方なのだけれど、それでもここまでの距離を進むのは無理があるわ」

 

「なら、どうすれば?」

 

「仕方がないけど、この辺りで一度休むしかなさそうね」

 

 そうして、俺達はまだ遠くにある建物を見て、一旦そこで休むことにした。

 

「まぁ、これくらいは予想していたけど」

 

 建物を見た瞬間、俺は思わず、溜息を漏らす。

 

 この辺りの建物は、既に吹雪によって倒壊してしまっていたのだ。

 

 恐らく、建物自体が吹雪によって崩れてしまい、それが積み重なり、結果として大きな瓦礫となってしまっている。

 

「でも、ここなら多少なりとも休憩が出来そうだな」

 

「あぁ、確かにね」

 

 三日月さんが納得したように、そう呟く。

 

 俺達の目の前には、小さな空き地があった。

 

 建物が崩れて出来た、その瓦礫が積み重なった、その場所。

 

「まぁ、休憩をする分には十分じゃないかしら」

 

「そうですね」

 

 とりあえず、ここで休息を取る事にしよう。

 

 そして、俺達はようやく一息つけると思い、その空き地へと入っていく。

 

「だけど、ここは東京で助かったわ。幸い、キャンプを行う道具は、その辺の店から確保する事が出来ているから」

 

「それに関しては、本当に助かりました」

 

 そう、俺達は東京タワーに向かう前に、必要な物を集めていた

 

「まぁ、流石にこの吹雪の中、何も持って行かないのは危険だからね」

 

「でも、本当にこんな場所で休めるのでしょうか?」

 

 三日月さんは不安そうに呟く。

 

 確かに、こんな場所で休むなんて、不安でしかないだろう。

 

 しかし。

 

「まぁ、とりあえず、ここで休憩するわよ」

 

 青子さんはそう呟くと、そのまま瓦礫の上に座る。

 

「それにしても、吹雪であるから、運は良かったかもしれないわね」

 

「本当にね」

 

 そう見つめた先。

 

 そこにはゾンビもまた凍っていた。

 

 吹雪の影響かもしれない。

 

 だが、本来だったら、防寒する必要のある場所を、薄着で歩いているゾンビ達だった場所。

 

 その場所は、ゾンビ達は完全に凍っていた。

 

「警戒はある程度必要かもしれないけど、それでも、この場所は安全よ」

 

「そう、みたいですね」

 

 三日月さんは、少し不安そうな表情で、青子さんに言う。

 

「まぁ、とりあえずは休憩をしましょうか?」

 

「そうですね」

 

 そうして俺達は、その場所で休憩をする事になった。

 

 しかし。

 

「それにしても、この吹雪はいつまで続くのかしら?」

 

 青子さんは、そう呟く。

 

「流石に、この寒さが続くのも、問題じゃないかしら?」

 

 確かに、青子さんの言う通り、この吹雪は異常だった。

 

 東京タワーから大分離れたこの場所でも、ここまで寒いのだから。

 

「本当に、東京タワーにキャスターはいるのかしら?」

 

「そ、それは分からないですよ。だけど……」

 

 そう、それだけは事実であった。

 

「向かうしかないわね」

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