ゾンビになるまでにヤりたい100(暫定)のヒロイン 作:ボルメテウスさん
「ルーラー、その方法って、一体」
「本来のやり方は、少し違うけどね」
そうしながら、ルーラーは、その手にある杖を、その地面を叩く。
すると、その中心から花畑が広がる。
「世界の果て、永遠の輝き。地平の彼方で私は告げる。理想は君達の歩みの先にある――“さあ、諦める事なく進みなさい”……『久遠に開かれた理想郷』」
「っ」
聞こえてくる声。
それと共に、周囲に広がった光景は、俺にとっては、見覚えがあった。
「これって、俺とマーリンが初めて会った時の」
「えぇ、私の宝具は、この光景を再現させる事。そして、この花畑の中では、対象に対して開かれたゴールという位置づけを行う。まぁ、そのおかげで魔力はかなり食うけどね」
「なるほど、そこにいる男を通して、様々な人間から僅かでも魔力を集める。それが、お前の目的だという事か」
「あぁ」
その言葉を聞きながらも、俺は歩き出した。
その先にいたのは、1人の男性だった。
白髪の男であり、その人物はじっとしていた。
「・・・ここは、どこだ?」
「俺のまぁ、サーヴァントの宝具の光景ですよ、ヴラド三世」
先程のルーラーの言葉を信じるならば、今、目の前にいる人物。
彼が、この事態を打開する事が出来る人物であるヴラド三世だと分かる。
「奇妙な話だ、余は、あの吸血鬼によって、意識は既に一体化されていた。故に、余自身の意思など既に消えていたと思ったが」
「どうやら、それを行えるだけの力が、この場所にはあるみたいですよ」
ここまで紡いできた全てが、その成果だろう。
俺はそうしながらも、ヴラド三世を見つめる。
「それで、貴様は、何を望む」
「・・・正直に言えば、これから言う事はあなたにとっては不愉快な命令になります」
「不愉快だと?」
そう、ヴラド三世はこちらを睨む。
だけど。
「俺と契約して、令呪で自害をして欲しい」
「ほぅ」
その言葉に、ヴラド三世は驚いた様子であった。
元々、マーリンはルーラーとして偽って、この世界に来ていた。
それは、俺がマスターとして選ばれていたが、それを遮ったからだ。
そして、俺の手にある令呪。
それは、彼女、ルーラーとの令呪ではない。
「余は未だに契約しているはずだが?」
「だけど、あなたは、自分のマスターと一体化している。それは、既にサーヴァントとマスターの関係性から逸脱していないか」
「ふむ、そうかもしれないな、だが、それは本当かどうか分からないぞ」
「かもしれない、けど希望はある。残酷かもしれない希望だけど」
それに対して、ヴラド三世は。
「あぁ、残酷だ、だが、今の余には、それが心地良い」
笑みを浮かべていた。
「この余にあれ程の屈辱を味合わせた吸血鬼を、滅ぼせるならば、喜んで、その提案に乗ろう!」
「あぁ、だけど、その場合は、その」
「・・・分かっている、安心しろ」
その言葉を聞き、俺は、令呪を構えた。
それは、互いに再契約を認識した証。
そして。
「令呪を持って、命ずる。吸血鬼の厄災から、我らの世界を守る為に、奴らにその心臓を串刺しにしろ」
あまりにも呆気ない決着かもしれない。
だが、それに対してヴラド三世は、笑顔だった。
「あぁ、忌々しい吸血鬼達は、我が手によって、串刺しにしよう」
それと共に、自らの心臓を貫く。
笑みを浮かべながら。
「感謝するぞ、そして、もしも機会があれば」
その言葉と共に、ヴラド三世は消えていく。
そして。
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