それでもこの速度で攻略してんのやっぱこいつ頭おかしいよ
座敷童の雪ちゃん?そいつが何なんだ?
『本来なら‥違うんだ。沙姫ちゃんを救うのもあいつのはずだったんだ。主人公に関わったから‥いや違うな。最悪関わっても良かったんだ。流れを‥運命を捻じ曲げてしまったんだ。このまま進めばおそらく‥』
おい、どうした?大丈夫か?
『‥ああ、すまん。取り乱した』
進めばどうなるんだ?俺が何かしてしまったのか?
『多分‥おそらくだけど‥世界が滅ぶ』
マジ?やばくない?
『ああやばい。沙姫ちゃんは俺が観測していた所まではお前がどうにかできるが雪ちゃんはやばい。マジでやばい。代用が効かない』
…それが本当だという証拠は?
『強いて言うなれば叶馬の存在だ。あいつの存在はお前から見ても特別なものだろう?』
…ああ。少なくとも俺が知っている範囲ではあそこまですさまじい者はいなかった。正直ダンジョンに潜っても手ごたえがそこまでなく、ライバルと呼べる存在がいなかったがあいつは話が別だ。ふっふっふ血沸く血沸く。
『あいつこそがこの時代の特異点。とびっきりのイカレ野郎、
まあ…了解した。でその雪ちゃんさんとやらはどこにいるんだ?
『えーとな確か沙』
「旦那様!」
沙姫の声で一気に現実に引き寄せられる。
そこには女子生徒をを犯しているゴブリンがいた、
大きいな…この前弐層で会ったゴブリンジェネラルってやつよりさらに二回りから三回りほど大きい。おそらく上位種とかそのあたり。見たところゴブリンジェネラルと同じく武器と防具はない。命名基準からみてゴブリンキングとかそこらへんだろう。
ボス部屋まで歩いた実感はなかったが、自称相棒と話していて気づかなかった。
「
風を纏うと同時に息を吐き、三戦立ちに構える。
「ギャハ」
ゴブリンキングがそう笑ったような声を出し、拳で女子生徒の頭を握りつぶした。
酸っぱいにおいが辺りに飛ぶ。
笑うか、そうか。
そうだよな。
弱い者いじめなどしてもつまらない。強者との闘争こそが欲を満たす。
その発露がその笑みだろう?
「アハッ」
俺もそうだ。
二人目だ。お前と叶馬。俺が今まで生きてきた中で闘争を楽しむのはそれしか見たことがなかった。
なあいるのか?いるんだよな?この先には同じ奴がごろごろいるんだな?
いいな。
最高だなぁ!
「ゴァア!」
ゴブリンキングがそう叫びながら、砲台のような右腕を大きく振りかぶって俺を殴ろうとする。
まともに受けたら吹き飛ばされ、壁に打ち付けられるであろう。
だからこそ受ける。ここで受けなければこいつにも失礼だ。そして何より今の俺は弐層までとはまるで違う。
右手でメイスを逆手で持ち、前腕に水平になるようにセット。さらに右肘に左腕を乗せ、固定し、衝撃に対する準備をっ!
ガゴッバキン!
嫌な音が響きわたり、ほぼ同時に右腕に鈍い痛みが走る。
痛む右手のほうを見るとメイスの7割ほどが吹き飛んでいた。
防御が間に合わずに武器が壊れたか。だがまあいいだろう。隙を作れたと考えるなら安いものだ。
目つぶしがてらに壊れたメイスを投げる。
「シァア!」
沙姫がそう叫びながらゴブリンキングの伸びた右腕に太刀を入れる。
目算だと半分ぐらいで止まっている。骨にひびが入っているかどうかだろう。
「申し訳ございません!」
悔しそうな顔をにじませながら一撃だけ入れて離脱し、そう言う。
「案ずるな」
血がダバダバ垂れて安定していない右腕を掴み、風装束の力を利用しながら
千切り取る。
「ギャオガァ!」
今の俺には沙姫がいる。どっちかが隙を作り、一撃を入れ小さな傷を入れる。その傷をさらにもう片方が広げるということが今できた。
このように一人と二人じゃ使える手札の量が倍以上違う。
風を利用して右腕をそこらへんに飛ばす。
「さあ…殺り合おうか」
拳を構え、右腕に風を集める。
「
タノシイトウソウノジカンダ
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楽しかった。すごく楽しかった。
ドロップした物をあさる手を動かしながらも思わず口を緩めてしまう。それほどまでにいい時間だった。
手の甲についた返り血をなめると鉄の味が口いっぱいに広がり、独特なにおいが鼻腔を満たす。
正直美味とは言えない。だが血を流すのは生物にとって禁忌に近いもの。それを味わうのは勝者の特権であり、俺が生きていることを教えてくれる。
「旦那様は剣道の他に何をしていましたか?」
俺と同じくドロップ品を鞄に詰める沙姫がそう聞く。
「空手と柔道とかの護身術を数年はしていたな…数年前からあまりできなかったがな」
乾いた笑いでそう言いうとキラキラした目でうおーと賞賛してくれた。
『それだけ久しぶりでも体って動くんだなー武器破壊された時に結構怖かったぜ僕はよぉ』
なんだ心配してくれたのか?
『か、勘違いしないでよね!お前が一度でも死んだら僕にどんな影響が出るかわかんないからなんだからね!』
なるほど。
「私は剣術しかできないので教えてほしいです!」
「わかった。今度剣術を指導してもらう時にやるか」
「約束です!」
『強くなることに貪欲ぅ!』
最後のドロップ品を手に取って立ち上がり、大きく伸びをする。
ふと時計を見るともう三時だった。
「ご飯食べに行くぞ」
ああ、本当に楽しいなこの場所は。
風堂 チームワークを得た!楽しい闘争を味わった!人間性が上がった!この後めちゃくちゃご飯食べてめちゃめちゃセックスした。
沙姫 隙を作って傷を広げるアタッカーへと大幅成長した。合気とか空手とかの強化もあるってマジ?バランス壊れちゃーう
叶馬 怖い顔で廊下を歩き回っている。おそらく新たな仲間を探しているのだが全員目を合わせてくれない