※この作品はR-18です。

雷神のライバル枠の風神   作:ホンビノス貝

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エタったって思った?俺も思った


23話目 let's go レイド

「重ね重ね前回のことを水に流していただきありがとうございます、先輩」

 

腰を90°に折り、深々と頭を下げる。

 

「あー?そのことか‥前回も言ったが俺らが悪い。第一、一年坊に3人がかりでボコされるようなやつは暴龍鶏王にはいらねぇよ。で?なんだ藪から棒にお願いしたいことって?ま、なんとなく察しはつくがな、詫びの品こっちが渡すって話だろ?で?何が欲しいんだ?」

 

コネといってもそんな大層なものじゃない。大方あっちが一年に襲われ、負けたという事実の口封じとしての詫びの品だろう。そんな話が他の倶楽部に流れれば敵対しているところはこれ幸いと面白おかしく広めるからな。まあ、最大限利用させてもらう。

 

「もう少ししたらレイドに潜るのでそれに適した高ランクの刀とモンスターカードを頂きたい」

 

「‥は?」

 

『そりゃそうなるよ』

 

なぜだ、解せぬ。

 

「は?お前レイド潜んのか?」

 

そう問われる。

 

「何人で?」

 

「3人です」

 

「何年?」

 

「全員一年です。この前見つけたのでせっかくならと」

 

「」

 

絶句、そうとしか言い表せないような表情をしている。

 

「ああ、無論未熟なのは重々承知。だからあなた方‥レイド攻略のプロである暴龍鶏王のあなた方に支援を頼みたい」

 

「‥んな建前はいらねぇよ。第一お前らがレイドを見つけたってこと自体が怪しい」

 

痩せ気味のモヒカンとかいう情報量が渋滞している先輩に案内され、暴龍鶏王の部室に入る。

 

「前うちの部員3人をノしたってことはまあある程度は実力があるってことはまあわかるんだがな‥いかんせん浅い階層でレイドを見つけるってことがあんまりわからん。そこまできてるなら学園が俺達にまず知らせてくるからな。つまりだ」

 

話しながら椅子にどかっと腰を下ろしこちらを品定めるような、氷点下の目で見る。

 

「お前、次どこに喧嘩売る気だよ」

 

殺意と悪意と善意、曖昧で複雑な感情が迸っているのが見て取れる。

 

見て取れるが‥

 

なんかすごい威圧感出しながらすごい見当違いな深読みしてくるんだけどこの人。

 

え?なに?ドッキリ?

 

これで俺が「そうだ」って言ったら騙された大賞!みたいな看板出して現れてくる人いない?大丈夫?ハッ!ケツバットの方か!

 

「私たちは前回のことは水に流しましたよ‥力こそ全て、それが暴龍鶏王の価値観でありコンセプトですからね。学園内での奇襲ということでありながらも3対1を返したあなたに対する評価はあなたが思っているよりも高いです。それこそ貴方と友好的にしていずれはここに入ってきて欲しいからこっちが悪いと結論をつけ」

 

「信介(おい、言い過ぎだ)」

 

「失礼‥まあそれぐらいには貴方を評価しています。そんな貴方がなぜ私達にこのような戯言を吐くのかよくわからないのです」

 

思ったより好感度が高い‥弱い奴が暴龍鶏王にいらないというのもあながち嘘ではなくて俺に繋がりを保つために詫びの品を渡すということか。

 

『モヒカン痩せすぎ属性過多インテリ副部長‥そんな名前だったのね‥』

 

「俺としてはそれもいいが倶楽部の長としては気に食わん」

 

おもむろに山賊王先輩が右手に籠手を着ける。否、籠手というにはそれはあまりにも絢爛で豪勢で剣呑で暴力的であった。そう、それはいうなればガントレットだった。いやまあ和訳すれば同じなのだが伝わるイメージが違ってしまう。今回の場合のように、宝石がそこらに散りばめられていていかにもレア物…要するに本気武器に近いものの時はガントレットが正しそうだ。

 

『…やばいぞあれ。具体的に何がやばいのかは分らんが』

 

ああ、やばいな。

 

「答えろ、何が狙いだ?」

 

再度、問いかけられる。

 

「レイドの攻略、それだけです」

 

部屋中にタールを満たしたかなような重く、苦しい空気になる。顔つきは険しいという言葉を遥かに飛び越し、能面のような顔に。

 

数十秒、沈黙が流れる。

 

「…‥‥‥いいだろう」

 

「ですが部長!」

 

「第一こっちが持ち出した話だ。レイドの物資ぐらいくれてやるよ。ただ‥」

 

ガントレットを俺の目の前で構える。

 

「それを俺らに向けた瞬間、ぶちのめしてやるよ」

 

熱く、冷たい瞳でそう言われる。

 

嗚呼、嗚呼、なんて甘美な誘いなのだろうか、ここまでの強者が俺に喧嘩を売ってくれる。今すぐ、今すぐに買いたい。

 

だが、今の俺は背負う者がいる。いますがにでも地盤を固め、力をつけないと結衣が危険な状況に陥った時に助けれないかもしれない。

 

だから、すまない。その拳は受け取れない。

 

「ありがとうございます」

 

せめて、誠心誠意の感謝を。

 

「ケッ‥信介!」

 

「はいはい、1日で用意しますよ」

 

~~~~~~~~~~~

 

時間は流れ、3日後。

 

「結衣、この座標で本当に大丈夫か?」

 

「ええ、心配ありません」

 

「沙姫、食料は‥そのバックでいいのか?えらく小さいが」

 

「マジックバック?らしいですよ。なんでも見た目に反して結構な容量が入るらしいです。リストは‥これです!」

 

『え?こんな手提げバックの中にキャンプ用品もあるのか‥これの中に入ってるのだけで一週間は過ごせるな…ヴォルケの親分ありがとう』

 

「オッケーだ、なら行こうか」

 

――穿界迷宮『YGGDRASILL』、特異分界『天狗山』――

――様式『付喪』、※時空圧差『壱:玖』――

 

――※Option Intercept 『軍戦式(レイドモード)』 Adjustment――

――※Model 『煉獄(パーガトリー)』――

――※Confine 『72時間/648時間』――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー未確認の権限を観測ーー

ーー検索ーー、ーー検索ーー、ーー該当なしーー

ーーこれを『外神』と定義、アクセス権限を付与

ーー解析開始

ーーかいせ、かい、かかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかか

 

か

 

 

か

 

 

 

か

 

 

ーー『外神』の干渉を確認

ーー以降の解析を終了し、観察のみに止める

 

ーーこの干渉の原因を『観測者(カミタラズ)』と定義

 




お久しぶりです。しばらく更新しようと思います


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