奉仕しないと帰れない部屋に囚われた男の業務記録 作:dolph
なお次話は(ry
18.5k
脱がされている間、フェルンは赤い顔を背けていた。さりとて目は開いている。そもそも耳は閉じられない。衣擦れの音が聞こえ、衣服に守られていた肌を外気が舐めた。動悸は激しく、心臓が全身に熱い血を送り続ける。
受け入れる覚悟は完了していたのだから、抵抗せずにされるがまま。
それでも、ブラジャーのホックを外され肩紐が肩から落ちると反射的に胸を抱いた。してしまってから、これではまるで拒否しているようではないかと気が付いた。
恐る恐る前を向けば、優しい顔があった。
「フェルンは何も心配しなくていい。もしも心配する事があったら、それは俺が失敗しただけだよ」
「兄様が失敗なんて……。私の覚悟が足りていないだけでございます」
「初めての事だから不安なのは当然だよ。気になる事があったら何でも言って欲しい」
「兄様……♡」
幼い頃の三年間はとても大きい。それだけではなく、一番苦しかった時期に傍にいてくれて励ましてくれた。色々な事を教えてもらった。教わった事がどれほど有効であったかは、会えなかった十年で何度も実証してきた。
その兄様が心配しなくていいと言ってくれるのだから、本当に心配は要らないのだ。
そうと悟って顔を輝かせたのは短い時間。綻ぶ唇を固く結び、顔を伏せた。
「ですが、その……。私はおかしくないでしょうか?」
「フェルンが? 全く思い当たらない。何か気になる事があるのかな?」
「その……。私は……」
口籠るフェルンに、男は無言で続きを待つ。
フェルンは幼い頃に面倒を見ていた大切な少女である。そこに加えて貴重な見込み客。急かしてよい道理はない。
しばらくして顔を上げたフェルンは、目を逸らす事はないけれども揺れている。弱々しい声でこう言った。
「私の胸は大き過ぎるのではないでしょうか?」
人が多いところに行けば、チラチラと盗み見される。ソリテールたちと比べて密かな優越感を得ていた。
しかし、一番重要でそれ以外はどうでもいいとさえ言える兄様がどう思うかは別なのだ。
フェルンは審判を受ける心持ちで告白した。審議時間は全くなかった。
「とんでもない! 確かにフェルンの胸は大きい。他の皆と比べるまでもなく大きい。それは『おかしい』と言うんじゃない。『素晴らしい』と言うんだ。さっき俺がフェルンは綺麗になったと言ったのをもう忘れたかな? 顔立ちだけじゃなくて、体付きも含めてだ。フェルンの胸が大きいのはとても好ましい。さっき揉んだ感触も良かった。だからフェルンの胸は」
「わかりましたから! もう、おやめください……」
綺麗と言われた時よりずっと恥ずかしい。胸の大きさはあからさまに性的な事なのだから。
フェルンは羞恥を顔の熱さに変換して男の言葉を遮るが、口角が僅かに上がったのは意識してではなかった。フェルンのおっぱいに気を取られている男はもちろん気付かない。
フェルンの告白は不安の吐露であると同時に、男へ言わせるための策略であったのだ。自分をあれほどまで気に掛けていてくれた兄様なら否定的な事は言わないとの確信があった。
フェルンはもう子供ではない。大人の女である。大人の女はこうして外からも自尊感情を高めるのだ。
「わかってもらえたなら構わないかな?」
「……はい」
フェルンは胸を抱く腕を離した。
▼
ソリテールが論戦に勝利し、フリーレンが「少し離れたところを見る魔法」を発動したのはこの時である。
ソリテールは千年を超える生で培った魔法の知識と旦那様から教えられてきた魔法理論を駆使してフリーレンが使った魔法を解析。
大した効果がない魔法なだけあって、解析に要した時間は短かった。これでフリーレンが魔法を止めても続いての覗き見が可能となった。何の問題なく観察に徹せられる。邪魔は許さない。フリーレンが早速邪魔をした。
エルフの白皙を真っ赤に染めて魔法を中断。ソリテールがすぐに再発動。何かを喚こうとしたフリーレンの口を押さえた。
「うるさくしたら隣に聞こえるわ。今は防音の魔法を解除してるの。フリーレンは黙って大人しくしていて。見張っていなければならないのだから、フリーレンも見ている必要があるでしょう?」
そんなのないと言いたいが、口を押さえられている。
魔法の腕は拮抗していても、腕力では全く勝負にならなかった。
「観察するには対象に観察者の存在を知られない方が良いみたいなの。観測と云う行為そのものが観測対象に影響を与えるのよ。だからここでフリーレンが見てる事をフェルンに知られてはいけないわ」
もしも初夜を覗いてる事をフェルンが知ろうものなら三つ編みとか口を利いてくれなくなるどころでは済まない確信が、フリーレンにはあった。もしかしたらゾルトラークが飛んでくる。それ以上は想像したくない。
壁の向こうではフェルンが服を脱がされて、色々な事が始まろうとしている。まだ始まってない。しかし、ここまで見てしまっただけでアウトと思われた。
フリーレンは殺意を込めた目でソリテールを睨み付け、唇を噛んだ。
▽
フェルンはゆっくり腕を離したので、乳房がたゆんと揺れる事はなかった。
揺れはしなくても、男女問わず魅惑して止まない女の曲線が、これは柔らかいものであると主張する。それ以上に目を引くのが色付く先端。形のみならず色まで見えた。
暗い部屋だろうと真っ暗からは程遠い。時間を経れば暗がりに目が慣れる。色合いがわかってしまうくらいに。
自分の目にも良く見えた事で、フェルンはようやく灯りを落としてない事に気が付いた。
じっくり見られるのはやはり恥ずかしい。兄様は気になる事は何でも言っていいと言ってくれた。部屋の灯りをと訴えようとしたところで、
「とても綺麗だよ。大きさは素晴らしいし、大きいのに垂れる事なく形が整ってる。おかしいところはどこにもないんだからフェルンが心配する事は何もない」
「そ、そ、そうで、ございますか」
訴える前に先んじられた。
綺麗と言ってくれているのに見るなとは言えない。
胸を見られるのは恥ずかしいが、綺麗と言われるのは嬉しい。前者はいなくならないものの、後者の強さは圧倒的だった。
「兄様でしたらいくら見られても……。すこし、恥ずかしく感じますが……」
「見るだけではないけどね」
「はぃ……」
言葉の裏を読まない男である。政治の言葉なら精査しても、ここはベッドの上である。少しなら無視して良いと判断した。無視すべき言葉であった。
ソリテールは肉付きは控えめでも肉体は強靭で無理がありそうな体位でもこなせるし、体力もあるのでいつも複数回を望んでくる。複数回と言えどサキュバスゾンビ程ではない適切な回数。
魔族の特徴なのかソリテールだからかはわからないが、膣が深いのもいい。抱く度に味わい深くなる。
しかし、如何に良かろうとも社会性皆無の魔族である。社会的感情である羞恥心を全く持っていなかった。そこにフェルンである。
ソリテールと比べるまでもなく、恥じらうフェルンはとても可愛らしい。恥じらう乙女からしか得られないものがあるのだ。
「さっきもしていたように」
「あっ!」
男の手がフェルンの胸に伸びた。五指を大きく開いて正面から鷲掴みし、長い指が乳肉に沈む。沈む深さはわずかなもので、握ってはいない。柔らかさを堪能して、乳房の形を少々変えるだけ。
きちんと風呂を使って最強のローションで磨いたフェルンの肌は、素質も相まってとても滑らかだ。つるつるの上にぷにぷにで、柔らかいのに弾むようで指に吸い付く。ローションの保湿効果に加えてフェルン自身が汗ばんで、しっとりとしているのもいい。
おっぱいを軽く揉んだだけでこれなのだ。全身を隈無く探れば素晴らしいところがいっぱいあるに違いない。
しかし、それはまだお預けである。
一方的に楽しむのではなく、フェルンにも好いものと思ってもらわなければならない。
「んっ……」
ゆるく揉んでいた手付きがさするようになった。大きく盛り上がる乳房の輪郭をなぞり、乳肉を這う指は触ってるようで触ってない。指が発する熱だけを感じる距離。
右も左も同じようにされ、くすぐったいのかむず痒いのか、胸に溜まっていた息が押し出され、吐息が漏れる。
喉奥で鳴った声は声になりきらず、だからこそ艶めいていた。そう感じたのはフェルン自身。
胸を見られ触られる恥ずかしさにようやく慣れてきたところ。
触られるだけではなくて、大きさや形や柔らかさに手触りを褒められて、時々盗むようにキスされる。
唇が合うのはさっきと違ってほんの一瞬で、もっと続くと思ったフェルンは唇を突き出した形になるのが毎回だった。そうさせられてから改めてキスをされる。
最初と同じように舌を絡めて唾液を混ぜ合わせ、零してしまわないよう喉を鳴らす。さっきと違うのは、胸を直に触られている事。時々甘い声が漏れてしまったけれど、キスをしているのだから仕方ない。
だけども今の声は違う。
キスはしていなかったのに声が出た。自分でも初めて聞く声。いやらしく聞こえてしまう声。胸を触られて出してしまった。くすぐったいだけではなくなってきた。
「フェルン」
「は……はぃ……。んぅ……。んっ……。くぅ……!」
咄嗟に胸を押さえて顔を背けようとしたが、名前を呼ばれて正面から見られると縫い留められる。
顔は熱く火照って、何とか耐えようとしても胸の熱さが口をつく。
胸を触られていやらしい声を出してしまうのだから、顔もきっといつもの顔ではない。その顔を間近から見られている。唇を少し突き出すだけでキスが出来る距離なのだから、吐息だって届いている。
自分がいやらしい生き物になったようで恥ずかしくて怖いのに、兄様の手は離れない。それどころか触り方が変わっていた。
触れるか触れないかだったのが触っている。乳房に指が食い込んで揉みしだかれている。荒々しいと思うのに、痛くはない。自分の乳房があんな風に形を変えるのは初めて見た。自分で洗う時だって、こうはならない。
自分でもしない事をされている事実と、それを許している事に、自分の体は兄様のものになったのだと実感した。
「声が出てしまうのは自然な反応だよ。耐えても耐えなくてもいい。可愛い声だからもっと聞かせて欲しいと思うけどね。まだ始まったばかりだから緊張するのは当然だ。これから時間を掛けてほぐしていくから」
「は……い……。でも……、胸だけでは、ないのですよね?」
「それはもちろん。フェルンの全てに触れると言っただろう?」
「覚えています……。ん……ふぅ……。ひゃっ!?」
言葉を交わす時は耳元で。唇が耳朶を掠めながら耳の穴に甘い言葉を注がれて、頭の中で何度も反響し何を言われたのかわからない。喜びと嬉しさは残っている。
ちろりと耳を舐められると背筋に痺れが走った。唇で食まれると肌が粟立ってくる。
柔らかく温かくぬめる感触が気持ち良くてとろけるようで、不意に硬いもので挟まれ声が出た。
「いっ、いたずら、しないでください……」
フェルンはそれだけ言うのがやっとだった。
悪くなかったとまでは言えない。耳に吐息が触れて舐められるのは、温かくて頭の中まで舐められるように音が響いて、好きかも知れないと思ったのはもっと言えない。
言っていたら同じことをしてもらえたのか、それとも言えなかったから次に進んだのか。
感じる事全てが鮮烈なフェルンでは、体が気付いていても意識には上らなかった。
「悪戯というならこっちだろう。フェルンもそろそろ欲しがってるようだし」
「私が、でございますか?」
そう言われても、全くわからない。
もしかしたら耳を舐められるのかもと思ったが、刺激は予想出来なかったが予想すべきところで、耳を噛まれるより遥かに強く甘く、背筋どころか腰まで響いた。
男はフェルンが違和感や痛みを感じないよう少しずつ乳房の揉み方を強めていった。
いまや五指が乳肉に食い込み、ただでさえ豊かな乳房を搾るように揉んでいる。根元から先端に絞っていくのは授乳と似ていた。意図して触らなかった先端には、母乳の代わりに熱が溜まっている。
たっぷり焦らした甲斐あって、突起の高さが倍は違った。
男は搾るように揉んでいた手付きのまま、一番先端にまで手を滑らせた。今度は親指と人差し指を逃がさずに、フェルンの突起を捕らえキュッと摘まんだ。
始めは乳肉より柔らかかったピンクの突起が、官能的な弾力を伝えてきた。
「はぁっ!? ……んぅっ。……あっ? あっ! あっ、にいさま……。そんな、こと……。ん……っくぅ……。んっ……あんっ♡」
勃起した乳首を摘ままれ、くにくにと弄られ転がされる。
胸で弾けた熱は背筋を反らさせ口をこじ開け、堪えようとしても堪えられない。唇を噛んでも甘い痺れがそのままに、甘い声となって出てしまう。
驚いて、と誤魔化せる声ではない。いやらしい事をされて、気持ち良くなってしまって、気持ち良くなってる事を教えてしまう声。
「フェルンはずっと立たせていたよ。これくらいなら痛くはないだろう?」
「いたくは……、んっ……。ない、ですけど……。でも、こんな……」
顔を伏せて、熱く甘い息を胸の奥から吐き出した。幾ら吐いても際限なく生み出される。生み出されたのは違うものも。
待っているだけでぬるりと下りたものが、とろりと変わるのを感じた。外に溢れて染みになっている事すらわかってしまう。広がって貼り付いてくるのだから。
だけど、もう魔法は使えない。どんな魔法を使ったかは知られなくても、魔法を使った事は知られてしまう。それに一時魔法で綺麗にしても、次から次へと溢れてくる。
下を向いたので自分の胸が見えていた。
右も左も、乳首を親指と薬指で挟まれている。軽く回って擦られる。人差し指は先端を掠めた。瞬間、腰から力が抜けて倒れてしまいそうになる。
「フェルンは自分でした事もなかったかな? 乳首が立つと小さな刺激でも感じるようになるんだよ」
「ございません! 自分でなんて、そんな……、あんっ♡ ……うぅ。……こえ、でてしまって……」
「耐えなくてもいいと言ったよ。我慢してもいいけど、そろそろ我慢できなくなってきたようだね」
「だって、こんなっ……。あっ……」
下を向いたのだから、向き合って座る男の下半身も見えた。ペタンと脚を崩しているフェルンに対し、男はフェルンを包むように脚を伸ばしている。
フェルンは白いワンピースを半分脱がされ、上半身は裸にされた。
男は湯上りだったので、ベストとジャケットは着ていない。今の姿はワイシャツと黒いスラックス。スラックスはきちんと穿いてるが、ワイシャツはボタンが半分以上留まっていなかった。フェルンは何度も男の胸板を盗み見ていた。フェルンが見たのはそこではなくて、下半身。股間が膨らんでいるのが見えた。
胸を這いまわる官能で口を中々閉じられないけど、垂らしてしまわないよう湧いた唾を飲み込んだ。
幼かった頃は何度も一緒に風呂に入って、そこは何度も見ていた。とは言っても十年前。そこの記憶は曖昧だ。曖昧な形なら覚えている。
それから十年。好むと好まざるとそういった事柄が耳に入るようになり、そうなるらしいとは知っている。子作りのために入って来れる形になる、らしい。
そこが今、そうなっているらしかった。
乳首を摘ままれた時に気付かない内に手が暴れ、シーツの上に下ろしていたのが男の脚に乗っていた。少し動かせば触れてしまう。
見なければ気付かなかった。見てしまうとどうしようもなく意識してしまう。どうすればいいのか正解がわからない。全身がピキリと固まって、加熱した頭が一層熱くなる。
そこを優しく、あるいは淫らに導かれた。
「あっ……。にい、さま……」
男に抱き寄せられた。
柔らかな乳房が男の胸板で潰されて、尖った乳首は柔らかさを取り戻さず乳肉に埋められる。素肌と素肌が触れて、ワイシャツのボタンが全て外れている事に今更気付いた。
男の手はあやすようにフェルンの背中と髪を撫で、フェルンも抱き締めようと手を伸ばそうとしたが、男に手首を掴まれた。
「あっ!? ここ、は……! あ……の……。兄様の……、兄様が……」
「フェルンにも触ってもらうと言っただろう?」
フェルンの手が導かれたのは男の股座。手の甲で触れると体が震えた。手のひらを返させられた時は震えなかった。諦めたのか覚悟したのか受け入れたのか。
それとも、欲していたのか。
手のひらで男の膨らみを感じ、そっと力を込めた。
服の下に、棒状の何かが隠れている。
「一緒に風呂に入ったのを覚えてるよ。俺がフェルンを洗う事はあったけど、フェルンに洗ってもらった事はなかったね。そこを触るのは初めてかな」
「……初めてでございます。キスも、胸を触られるのも、兄様が初めてでございます」
「フェルンの初めてを全部貰う」
男の宣言に息を呑む。夢と現を行ったり来たりしていたのが、後者に引き寄せられた。夢ではないのだ。
フェルンは抱き締められたまま、男の耳に艶やかな唇を寄せた。何度もされてきたように、唇が耳朶を掠める距離で囁いた。
「兄様に私の全てを捧げます」
心も体も理性も本能も全会一致で承認した答えである。
男の声がフェルンの脳髄を犯したように、フェルンの囁きは男の劣情を大いに煽った。
フェルンの背中を抱いていた手は、左はつつつと下がって尻の丸みに届く。右は前に回った。スラックス越しに撫でるフェルンの手には一旦退場してもらい、数秒後に再入場させる。退場前と同じように手のひらで包ませた。
「にっにいさまっ!? ここここれ……って! あ……う……」
「これ、じゃないよ。子供の頃に教えたと思ったけど忘れたかな?」
「……おぼえて、ます。が……」
「覚えてるなら答えてごらん」
「そんな……」
フェルンの指先は、導かれるままに熱く脈打つ硬さを包んでいた。
硬いけども肉の弾力があって、先端は太くてフェルンの手では握りきれず、促されるままに手を動かせば棒状であるとはっきりわかり、おぼろげな記憶とは形が違っている。
しかし、名前は知っていた。幼い頃に、男女の体はここが違うのだと教えられている。今でもよく覚えている。
「上下に振って欲しい。もっと強く握っていい」
「はいっ。……あの、これで、どうでしょうか?」
「今はそれで。で、覚えているんだろう?」
「……はぃ。…………あの…………。お……、お……」
言われた通りに握った手を上下に振る。
扱いてはいても口にするのは恥ずかしい。自分の言葉を自分の耳で聞くのも恥ずかしい。
なのだから、喉奥から搾るような掠れ声で、兄様の耳に唇を寄せて、教えてもらった言葉を口にした。
(…………おちんこ……、です)
フェルンは初めて教えてもらった時から十余年振りに、男性器の名称を舌に乗せた。
「……耳に息を掛けられるのはくすぐったくても気持ちいいよ。もっとして欲しいくらいだが、答えは何かな?」
「ちゃんと答えました!」
とても恥ずかしいのを我慢して答えたのだ。聞いてない振りは許されない。フェルンは羞恥の熱に怒りを加えて言い返した。
男に意地悪してるつもりはなく、本当に聞こえなかったのだ。しかし、フェルンがそう言うのならそうなのだろう。追及しても意味はない。
「それなら一応答え合わせをしようか。ちんこ、だね。語頭に『お』を付けると丁寧な表現になる。他にも呼び方は色々あるが、フェルンに教えたのはそれだったと思うよ」
「そっ……そそそ、そう、で、ございました……」
「答え合わせをしたんだ。復唱してごらん」
「!?」
決死の覚悟で答えたのにもう一度。
聞かなかった振りではなく答えの復唱。
なんであれ、もう一度口にしないといけないのは同じこと。
「あっ!?」
「フェルン……。ほら?」
「あっ、その、にいさま? あっ……」
フェルンの背中にシーツが触れた。素肌に触れるシーツは少し冷たくて、けれどもさらりと柔らかい。
ずっと男の顔を見詰めていたものだから、押し倒されたと気付くのに少し時間が掛かった。
男は両手両膝をついて体を浮かせ、さっきまでの密着状態と違って体同士が離れている。フェルンの視線が下がると、暗がりに慣れた目がはっきり捉えた。
「お……、おちん、こ……。です。兄様の、おちんこが……、立って……」
「勃起とも言うね」
「ぼっき……」
オウム返しに口に上らせた。
言えなかった言葉を言ってしまったのには気が付かず、男の股間から目が離せない。黒いスラックスから突き出た肉の棒は、だった時間は短かった。
ボタンが外れていたワイシャツはあっと言う間に脱ぎ捨てられ、スラックスはフェルンが見詰める中で下りていった。
「フェルンも」
「はい…………。あっ!?」
寝そべるフェルンは軽く尻を浮かせた。ワンピースが抜き取られ、そこから先はするりと抜ける。外されたブラジャーと揃いの白いパンツだけの姿。何度もぬるりと来て、大きな染みが広がっている。思わず太ももを閉じ、両手で股間を隠した。
続きを拒否する防御態勢であるが、今のフェルンは反射で動いている。拒否したいわけではない。しかし体が動かない。
それを力尽くで開く男ではなかったし、その必要もない。フェルンの防御は一瞬で崩れた。
「ひゃっ!? あっ、あの……、にいさま? あんっ……。んぅ、あっ……やっ……。口でだなんて……」
「言い忘れたかな。ここは吸うところでもあるんだよ」
フェルンが意図したわけではないだろうが、股間へ伸びる二本の腕は乳房の脇を通っていた。上のルートでは大きいので邪魔になるのだ。結果、乳房を寄せて突き出す形になった。仰向けになって緩く潰れる乳房が山のよう。
ただでさえ乳首は吸うところなのに、吸ってと言わんばかりに突き出されては、しないでは失礼である。
「あっ……あっ……。兄様が……。あうぅ……」
フェルンは、性的な行為全てが初めてだ。キスも、キスで舌を入れるのも、舌で混ぜ合わせた唾液を飲むのも、乳房を揉みしだかれたのも、立たされた乳首を摘ままれたのも。
但し、ここまでは想像の範疇に入っていた。夫婦の営みは裸で抱き合って色々をするのだから、キスをするのも触られるのもわかる。舌を入れるのは意外だったが。
ここから先は知らない事。
立たされた乳首を舐められ吸われている。指とは違って柔らかく温かく包まれる。とろけるほど優しいのに、その甘さの奥に鋭い刺激があるのはどうしてなのか
顔を上げれば、乳房の先端が男の口に隠れている。あの中でされている事が、胸の先から伝わってくる。
甘く温かいものが体中を駆け巡って、とろりとしていたのが疼いてきた。もどかしく感じて疼きを紛らわせようと太ももを擦り合わせるが、疼いているのはもっと奥。すぐ近くを両手で覆っていた。
左手は指をピンと伸ばして右手を隠し、右手は人差し指を折り曲げた。滲み出すほどにぐっしょりと濡れていた。
「んっ……。あぁ、にいさまぁ……。あぁ……。はぁ……んっ。あ……」
ため息のような甘えた声を聞きながら、男は豊かな乳房に顔を埋めていた。大きくて柔らかくて甘く芳しく、フェルンに包まれる。肌がしっとりと汗ばみ上気して、女の匂いが濃くなってきた。
赤く尖った乳首も素晴らしい。互いに向き合って乳房を揉んでいたので、むくむくと立ってくる過程をずっと見ていた。気が急いて直に触ってしまっては見られない情景である。
口に含めばフェルンの反応は悪くない。強く吸っては舌で転がし、弾力を帯びた柔らかさを堪能する。
舌は尖らせずに乳輪を舐める。滑らかな乳房とは僅かに舌触りが違っている。乳首の側面も同様で、けども先端はつるりとしていた。勃起して立っているから舌で押しても潰れずに、柔らかかったのをこれでもかと膨らませるから先端が張り詰めている。
こんなにも自己主張されては吸いたくなって仕方がない。口を開いて乳輪まで捉えていたのを乳首だけにして、強く吸い出した。母乳は出なくても、幾らでも吸っていたくなる。
「あんっ! それはだめぇ……つよすぎて、……んっ。あむぅっ……。ちゅうぅ……」
フェルンの乳首は二つあって、どちらも同じくらいに立たせている。一つは男の口が吸いつき、一つは男の指が摘まんでいた。
そして、男の手は片方が空いていた。下へは伸びずに這い上がり、フェルンの肩を撫で、生殺与奪を握ったと言いたいのか喉を掴み顎を掴み、頬には触れず、柔らかな唇に中指を押し当てた。
赤い唇の形を僅かに変えてから少しだけ進み、舌先に触れたのはフェルンが伸ばしたからで、入る場所を見つけたかのように濡れた口内へ忍び込んだ。
フェルンは口を閉じて男の指を捕まえた。
入ってきたのは第二関節まで。それだけ入れば舌の腹に届いている。ちゅるりと吸っても指は逃げない。舌を動かせば、応えるように指も動いた。舌先でつつき、舌の腹で舐め、舌の裏で触れるのは少しおかしな気分にさせられる。口内に湧いてくる唾が零れないよう唇をしっかり閉じて、フェルンは指をしゃぶり始めた。
左手で隠す右手は押し当てるだけで動いてない。代わりに指が増えていた。人差し指だけだったのが中指も加わって、手を少し進めて手のひらを当てている。
太ももを閉じて擦り合わせていたのだから、指一本分の隙間しかなかった。手のひらが入るようになったのは、脚と脚の間に男が膝を突いたからだと、フェルンは気付かなかった。
「んっんっ、ちゅぷ……ちゅるる……。れろぉ……。ん……ふぅ……」
フェルンの口の中で卑猥な水音が鳴り、くぐもった声が度々重なる。
乳肉に幾つもマーキングされた事にも気が付かず、予行練習とは知らずにしゃぶっている。
男はフェルンの練習に右手の中指を貸したまま、そろりと体を下げていく。ぬめる肌にキスの雨を降らせて、小さく窪んだへそに辿り着いた。
形の良いへそにもキスを落とそうとしたその時、男に天啓が降りた。
アウラのへそを開発しよう!
アウラはいつだってへそ出しである。
異界の部屋にて利用者を迎える時は作業着であるメイド服を着せるが、それ以外はへそを出す。ソリテールの説明によれば、あれはアウラの魔法か魔力で編んだ服であるとのこと。アウラはへそ出しの服を作って着ているのだ。
ソリテールとの経験から、魔族は丁寧に開発しなくてもそれなりの性感帯を備えていると確認できた。しかしそれを知らず、アウラをじっくり開発してしまった。今や中でも外でもイケるようになった。十分な快感は得ているようで、開発のための訓練をアウラからねだるようになった。そこにへそを追加しても大した事ではないと思われる。
果たしてへそを開発されて、へそだけで感じて乱れるようになったらアウラはどうするのだろうか。
性感帯を晒す事を良しとせずへそを隠すようになるのか。それともいつでも感じられるようにへそ出しのままでいるのだろうか。叶うならば前者であって欲しい。
そんな事を考えながらだったのがいけなかったのか。
フェルンのへそに唇を落とし、甘く食んだ瞬間だった。
「ダメです!!」
甘さとは程遠い厳しい声で、フェルンが叫んだ。
「おっと」
フェルンの上にいた男は押し退けられて、フェルンはその場で体を転がしうつ伏せになった。枕を掴んで引き寄せ顔を埋める。
「私は兄様に全部を捧げるつもりでございます。ですが、兄様にだって許せない事があるんです!」
「嫌な事をしてしまったかな?」
もしも心を読んだとか言われたらとても分が悪い。ベッドを共にしているのに他の女の事を考えてはいけないと教えられていた。名前を出すのは最悪だ。最悪をしてしまった事もある男である。とても酷い事になった。
幸いなことに、フェルンに読心能力はなかった。大人の女になっても色々な経験が不足している。
フェルンは枕に顔を埋めたまま謝罪するように、けども譲れぬ一線があると主張した。
「兄様がいけないわけではございませんが……。これ以上は口にしたくありません」
フェルンの乙女心が猛ったのだ。
何度も繰り返すが、フェルンは胸が大きい。
フェルン自身も自覚している。乙女回路が解凍した今となっては、女として魅力的な体であるとも思っている。大きすぎと思う時もあったが、兄様に安心させてもらった。
しかしそれはそれとして、胸が大きいと服を選ぶのが大変になる。胸の下で切り替えるか腰で絞るかしないと太って見えてしまうのだ。フェルンの乙女心は、乙女回路が解凍する前からそんな事を許さなかった。
フェルンはけっして太っているわけではないが、気になるものは気になってしまう。お腹周りはいつも気を付けていた。
結婚してくれた兄様を拒否するようで苦しくなるが、お腹のお肉を摘まれて太っていると思われる方が嫌だった。
「ふむ……」
フェルンは拗ねるように顔を隠してしまったが、不味い事をしたわけではないらしい。男は一先ず安心して、うつ伏せになったフェルンの裸身を眺めた。
背中は長い髪が隠しているけども、髪の流れが肩の細さを窺わせて悪くない。髪は括れた腰まで届き、そこから先は白いパンツが一枚だけ。乳房同様に大きな尻がつんと突き出る。引き寄せられるように手が伸びた。
「あっ。……兄様?」
「フェルンのおっぱいも良かったけど、お尻もいい形をしているよ」
「おっぱい……。なんだか子供みたいな言い方です」
「おっぱいじゃなければフェルンは何て言うんだ?」
「それは……。おっぱいは…………。おっぱいです……」
フェルンは枕に埋めた顔を少しだけ上げたけれども、おっぱいと言うのが恥ずかしかったようでまたも隠してしまった。
そのおっぱいは体の下。それでも触れなくはないが、おっぱいと同じくらいに魅力的なところがある。男が触れているのはフェルンの白い尻だった。
軽く開かれたフェルンの脚の間に陣取って、丸い尻に手を伸ばす。意外と温かいのはずっとベッドの上にあったからか、それともフェルンが熱くなっているのか。
尻肉は柔らかくとも乳肉ほど気を遣う必要がない。最初から鷲掴みして柔らかさを堪能する。
んぅと呻くフェルンの視線を感じながら、両手を太ももまで滑らせた。胸も尻も太ももも、フェルンはむっちりと女の甘い肉を湛えている。どこを触れても柔らかく心地よい。
太ももの柔らかさをむにむにと楽しんでから、再び尻へ戻っていく。太ももを掴んだのだから親指は内股へ落ちていた。
「ひゃっ……! あっ、あのっ!? あ……。そんなの、しないで……。やぁ…………!」
柔肌はとてもなめらかで、男の手指は抵抗なく滑っていく。
伸ばした手指は白いパンツの内側へ滑り込み、フェルンの生尻を直に掴んだ。
内側に落ちた親指は違うところ。フェルンがパンツをぐっしょりと濡らしたところへ近付いた。こちらもパンツの縁から内側へ忍び入り、乳房よりも柔らかい女の肉に触れようとして、届かせる前に左右へ開いた。
フェルンは脚を閉じようとしたが、閉じられない。いつの間にか大きく開かされて、その間に男がいる。
開かされたのはその奥も。
濡らしていようとまだパンツを穿いている。直に見られてはいないのだが、今まで意識する事すら稀だった女の割れ目を、男の手指で開かされた。
フェルンは泣いてしまう寸前の顔で振り向いて、慌てて枕に戻った。溜まった涙が枕を濡らすが、顔の熱さはさっきと違う。
はっきりと見てしまったのだ。
男は膝立ちでいたものだから、股間からそそり立つものが瞼の裏にも焼き付いた。
さっきも見てしまって握って扱いたが、そこから段階が進んだ今は捉え方が全然違った。
「兄様の……」
「うん?」
「あの……兄様の……お、おちんこ、すごく……大きくて……」
「フェルンがとても綺麗で魅力的だからこうなるんだよ」
フェルンは好みの中央に近くて初夜なのだから、立たないわけがない。大きさについては比較対象がないので判断しようがない。一応、馴染みの娼婦たちは大きいと言ってくれた。リップサービスの可能性もあるので差し引いて聞いている。
フェルンが言う大きさ云々は勃起を指していると思われた。
「兄様と、初夜で、ございますから……」
「そうだよ。フェルンは初めてだから時間を掛けて準備する必要がある」
「準備……。兄様のおちんこが、私に入る準備でございますか?」
「それもあるが反対だね。フェルンが俺のを入れる準備だ。濡れ方は十分だよ」
「濡らしてしまうのはおかしくないのでございますね!?」
「……俺のを受け入れようとしてくれるんだからおかしな事じゃない。嬉しいくらいだ」
「そうでございましたか。……ええと、そうではなくて……。兄様はとても大きく思えますから……、本当に私に入るのかと……不安になってしまいました」
「そのための準備だよ。思った事は何でも言ってくれていい」
「はい……♡」
濡らしてしまったのは恥ずかしくても、悪い事ではなかったらしい。少しだけ心が軽くなった。
熱と共に不安を吐き出して、枕を抱き締めた。直後にそうじゃないと思い出した。
指で広げられたのが恥ずかしかったのだ。しかし、あんなにも大きいものを入れるのだから必要と言われたら頷かざるを得ない。
それにそんな段階は過ぎていた。尻を締め付けている感覚が全くないのだ。
振り向いて確認する勇気は出てこない。受け入れる覚悟は完了して兄様のする事全てを信頼していても、恥ずかしいものは恥ずかしい。ぎゅっと枕を抱き締めた。
フェルンのパンツを裏返して検分していた男は、一つ頷いてパンツを丸めた。
脱がす時はクロッチ部が最後までフェルンに貼り付き、離れる時は糸を引いた。外から見た通りに、フェルンは良く濡らしていたらしい。
濡れ方以外にも気付いた事があった。指でフェルンを広げる前の事だ。僅かではあったが、パンツはフェルンの割れ目に沈んでいた。濡らしただけではああならない。手指で押し込むから沈む。そこへ移る前にフェルンはうつ伏せになってしまったので、まだ一度も触れていない。
と云う事は、フェルンは自分の手で触っていた事になる。割れ目に沈むくらいの強さで。
フェルンは処女で恥じらう姿に興奮させられるが、もしかするとエーリカのように計算尽くなのかも知れない。それは勘繰り過ぎとしても、それなりに好かったようだ。しかし、推測を盲信してはならない。
パンツを検分したのだから、次はフェルン自身を確かめなければならなかった。
「あっ? あの、あの……。この格好は……!」
「こうした方がフェルンが良く見えるんだ」
「そうかも知れません……が……」
言葉は溶けて男の耳には届かない。
肯定と受け取った男はフェルンの尻に両手を乗せる。さっきよりも触りやすい。フェルンを膝立ちにさせたからだ。
フェルンは気にするが、きちんと括れた腰を掴んで尻を上げさせ、膝と膝の間は肩幅よりやや狭い。
尻を突き出させているのだから、たとえ太ももを閉じようとも後ろからは良く見える。色々な事をしてしまいたくなる。
揉みたいし舐めたいし、何よりも突っ込みたい。だが出来ない、まだ早い。フェルンは処女なのだ。
幸いな事に、今日はソリテールを相手に一度出してる。滾ってはいるが、舌を噛み切らずとも耐えられる。
己の理性を自賛しながらフェルンの尻の割れ目を開いてやった。
「っ!」
意識して閉じていたであろう尻の谷間が容赦なく開かれた。
最初に見えるのは色付く窄まり。抗うようにきゅっと締まって幾本もの皺が深くなる。直下の割れ目も媚肉が閉じて筋のまま。
フェルンの女は一度も使われた事がない。けれども半ば以上目覚めていた。
陰唇はふわりと盛り上がって充血しているし、内側から溢れた汁で濡れ光る。割れ目こそ無毛でつるりとしても、上端辺りから髪と同色の陰毛が茂り始める。長さはよくわからない。フェルンの汁に濡れて肌に貼り付いている。
ゴクリと唾を飲み込んだのは男かフェルンか。
男の手は更に下がって、割れ目を作る媚肉に親指を当てがった。
「んっ……!」
フェルンはぎゅっと枕を抱く。何かをされてはいるけれど、込み上げる気持ちが大きすぎて後ろを振り向けない。振り向かなくても、何をされているか曖昧でも、初めての大事なところに触れられているのはわかっている。
子作りに使うところだ。入る場所があるのは知っていたが、本当に入るのか。見て触ったあれはとても大きくて、小さなそこに入るとは思えない。
だから、小さいところが広がるようにほぐされている。文字通りに揉みほぐされてる。
枕を抱けるくらいに腕には力が入っても、腰から先は力が抜ける。小さなそこに繋がる穴の奥から、とろりと溢れるのを何度も感じた。
緩やかな愛撫なので、フェルンの呻きは枕に抑えられた。
男はフェルンの割れ目を開くことなく、陰唇に当てがった親指をゆっくり上下に動かすだけでいた。右に左にと動かしても、両手は同じ方向に動くのでまだ開かない。
フェルンが感じたように揉みほぐすだけ。但し、他の指は真っすぐ伸ばして尻肉を掴んでいる。中でも人差し指は親指の少し上に、皺の深さが変わる窄まりを左右から責めていた。今日はしなくても、いずれは使うつもりでいる。
そちらとは違うフェルンの女は、閉じているのに溢れてくる。真っ直ぐ下に流れて陰毛を濡らし、ポタリと落ちてシーツに染みを作った。
指で押さえていなければ薄く開いていたかも知れない。
じっくり揉みほぐすのはフェルンの準備であると同時に、男の期待も高めていた。すぐに見てしまうのは勿体ない。楽しみは取っておき、と言うやつである。
しかし、まだ前戯に取り掛かったばかりである。そろそろ始めなければならなかった。
「あっ!?」
フェルンが枕から顔を上げた。体を捩って振り向き、高く上げた自分の尻の向こうに男の顔を見た。
目線は合わない。男は下を見ている。自分の尻を、おそらくは指で触れているところを。
パンツの上から開かれた時も反射的に叫んでしまったのに、今は脱がされている。ずっと隠していた大事なところを、子作りに使う小さな穴を、奥から溢れる汁で濡れているのを、広げられて奥まで見られた。
「フェルンはここも綺麗だよ」
「あ……う…………」
目が合った途端、男が笑った。その笑みを、フェルンはいやらしいと感じた。自分にいやらしい気持ちを向けている。欲しがられている。立っていたのも思い出す。自分の魅力でああなったと言われていた。
体が熱くなって、男に応えられる心と体に変わっていく。
何も言えなかったけれど、背筋を反らして尻を突き出した。
男の言葉は社交辞令ではなく、本当に綺麗だと思ったからだ。
フェルンは胸も尻も大きくて体は熟れているのに、完全に未使用な陰唇は着色もなく無垢そのものの筋だった。けれども奥には淫靡な肉が隠れている。
濃いピンク色は充血して、勃起した乳首よりも鮮やかに赤く、フェルンの汁で濡れている。広げた事で暴かれたフェルンの雌穴は、想像通りに薄い肉ひだが狭めている。フェルンの処女膜だ。
膜の裂け目は個人差が大きく、フェルンの膜は指が二本は入りそう。今はそこから愛液を垂れ流す。広げた事で奥にあったのが溢れだし、透明な汁がゆるゆると流れて陰毛に伝っていく。
とても官能的で、表情を落として杖を掲げるフェルンからは想像出来ない淫靡な姿。
男が見ている間にも、膜の向こうの雌穴はきゅうと閉じて入り口を潰し、僅かに開いては奥を覗かせた。その度に汁が増えて、時折小さな泡が混じる。
開くのに合わせて指を差し込めば、フェルンの愛液が押し出された。
「あんっ! にっ、にいさまっ? そこ、はいって……。にいさまの指が……。あっ……、そんな……、そこぉ……♡」
「ここに入るんだよ。おまんこの穴、だね」
「はいぃ……。フェルンの、おまんこ、です……。兄様の……おちんこに来ていただくところ……。んっ♡ あっ!?」
フェルンの穴が開くときはぬるりと温かく包まれて、閉まるときは肉の弾力で締め付けられる。逸物を挿入するなら抵抗は大きいだろうが、入り口からほぐされたフェルンの膣は、指一本なら難なく受け入れた。
締め付けに固さはあるけども、全方位から満遍なく咥えられるようにも感じられる。反対に緩む時は、入口の肉と同じように女の柔らかさで受け入れる。
男はフェルンのリズムに合わせて指を動かし、時には捻じって時には折り曲げる。
左手も遊んでいない。大きな尻を震わせるフェルンを支えるように、柔らかな下腹に押し当てた。
瞬間、フェルンはグッと気合を入れて腹を凹ませたが、一秒の半分も持たなかった。下腹の肉をぐにぐにと揉まれて、余計なお肉を、と思えたのも僅かに半秒。
入る場所に初めて異物を入れられて、異物なのに体に馴染んで溶け込んで、なのにここに入っていると教えられる。
下腹を揉まれて揺すられて、その奥がますます熱くなってくる。指が入ってる穴の一番奥。子供を孕む奥の小部屋が疼いている。フェルンを女たらしめるところの全てが、女の役割を思い出したかのよう。
「はっ……、あっ……、あっあっ、んっ♡ んぅ……! くぅ……あぁっ!」
枕に顔を埋めていても、口まで埋めてしまえば息が出来ない。
隠した口元はだらしなく開かれて、見えないのをいいことにたらたらと涎を垂らす。喘ぎ声も隠せない。尻を突き出し足腰を震わせて、下の口でも垂らしている。
全身が張り詰めているのにとろけるように緩んでしまって、湧き出てくるのか与えられているのか、幸せと喜びが駆け巡る。
「あ…………」
埋まっていたものが離れる時、フェルンは無意識で膣肉を締めていた。
その様子が男からはよく見えた。小さな穴が媚肉に潰れ、すぐに小さく口を開いては淫液を垂れ流す。
そこに入っていた指は、指先から根元まで、手のひらまで濡れていた。
「フェルン」
「……はい」
余分なお肉が恥ずかしかったフェルンはもういない。
男の呼びかけに素直に応え、枕に隠した顔を見せた。
赤い唇は妖しく濡れて、薄く開かれ閉じられない。潤んだ目は男から逸れることなく真っすぐ見返す。
快感の気怠さでゆっくりと体を起こし、すがるように男の体へもたれかかった。
「もう少しフェルンの準備をしたいところなんだが」
「はい。何でも仰ってください……♡」
フェルンは男の胸に唇を押し当てながら、甘えた声で答えた。
兄様に喜んで欲しい。そのためなら、自分に出来る事は何でもしたい。求められる全てに応えたい。
手を取られて導かれ、言われなくてもわかった。
「このままだとフェルンの準備が出来る前に入れたくなりそうだ。フェルンがしてくれないか?」
「……はい。兄様の……おちんこ、ですよね」
抱き着いているのだから、反り返った逸物が腹に触れた。
フェルンは熱い肉棒を握って、上目遣いに男の顔を見ながら上下に動かす。根元まで下げたら、先端の膨らんだところに触れるまで上げて、もう一度下げて。
しかし、振り方はぎこちない。フェルンが慣れていないのもあったが、フェルンの内側と違って濡れているわけではないのだ。
「引っかかる感じだな。そういう時は唾を垂らすんだよ」
「え……。でも…………。はぃ……。んっんっ……、れろぉ……」
汚いのではと思ったのは僅かな間。兄様が言う事に間違いはない。
フェルンは言われた通りに口内に唾を溜め、唇をすぼめてとろりと垂らした。あぶくが混じる唾は先端に落ちて、重力に従って竿部へ流れる。フェルンの手まで届き、上下に振って塗り伸ばす。
一度では足りずに二度三度と繰り返し、唾が出なくなったら熱い口付け。
吸って吸われて舌を絡め、舌で攪拌した唾はフェルンの口の中に。とろとろと垂らして塗り伸ばし、逸物を扱き続ける。
熱心に扱くものだから塗り伸ばした唾が泡立って、白く濁ってきた。
フェルンはキスをしながらも、チラチラと逸物に目を落とす。先端にある小さな割れ目に、透明な雫が滲むのを見た。
「そろそろフェルンの準備を再開しようか?」
「はい……。でも兄様も……。その、お辛いのではと思うのですが……」
一時中断して扱いて欲しいと言うくらいに滾っていたらしい。
手の中の逸物は熱くて硬くて、男の逞しさを感じつつも、可愛らしいとも思ってしまう。
「一緒にするやり方もあるんだよ」
「……はい。それなら……」
揃えた脚を僅かに開く。拳一つ分の隙間があれば手を差し込める。
自分は扱いて、兄様には指を入れてもらって。
相互愛撫の言葉は知らなかったけども、これなら一緒に出来る。
「さっきと同じように横になってくれ。うつ伏せじゃなくてこっちを向いて。枕を使った方がいいな」
「え?」
しかし、フェルンが思った事は外れだった。
疑問はあるけど言われた通りに横たわり、枕に頭を預けて横を向く。
あっと思ったのは、顔のすぐ傍に兄様の股間があるから。
まさか口で、と思う間もなく兄様も隣に横たわった。自分とは頭の向きを反対にして。
「さっき指をしゃぶらせただろう? あれと同じように。歯が触れない事だけ注意して欲しい」
「え……あ……その……。あのっ……あっ……。やっ、あっ、にいさま!? あっあっ、やぁ……!」
フェルンは股を開かされた。その間に男の頭が入ってくる。
脚の付け根に指とは違った柔らかいものが触れて、じゅるりと鳴っても何が起きたかわからない。
温かくて柔らかいものが押し付けられて、舐められていると気付いた時にはどうにも出来なかった。
見られるだけで恥ずかしかったところに口を付けられている。舐められている。風呂では全身を隈なく磨いて、当然そこも軽く流しはしたけれど、綺麗にしたつもりで綺麗と言われてしまったけれど。
「あっ……はぁっ……。あんっ……。あぁ……、にいさまぁ……! んっ……。あっ……」
耐えるようにきゅっと目を閉じて、けれども口は閉じられない。今日初めての声を何度も上げてしまう。
右手はシーツをキュッと握って、左手は宙を掻いて。
目を開ければ、目の前に濡れた逸物がそそり立っていた。自分が唾を垂らして塗り伸ばし、扱いていた肉の棒。
思わず喉が鳴った。
右腕と左腕を小さく折りたたんで、反り返る逸物を自分へ向ける。近付いているのか、自分が顔を寄せているのかはわからない。
もう一度喉を鳴らして、小さく口を開いた。
枕のおかげで高さは合ってる。
先端に口付けし、唇で挟んだ。
歯を当てないよう口を開いて、唇はすぼめたままで、頭を動かす。
口の中に、愛しい欲望が入ってきた。
ソリテールのサブタイは詩的ですらあったのに何故なのか?
今月中に次話を投稿できるかどうかはわかりません。
'25.6.29追記
【挿絵表示】
多分どっかでこんなシーンが。
こんな作品書いときながら、ハーメルンでこんなイラストうpするのは罪悪感に似た何かが湧いてくるのは何故なのか。
容量制限がなく刑法175条が存在しなければあれもこれもうpしてしまうのだが。
うpした翌日、罪悪感ではないと気付く。
文章で表現すべきを視覚情報に頼ったのが気に食わないらしい。
しかし、他所様で挿絵あったらお得だと思う不思議。