奉仕しないと帰れない部屋に囚われた男の業務記録 作:dolph
新たに増設された部屋は無限の広さがあった。途方の無さに、ダクネスは目眩を覚える。数歩踏み入れ、広いわけではないとわかった。
「これは鏡張り……ではないな」
壁の全面が鏡張りになってるから広さを感じる、と思ったが全く違った。
正面の壁にダクネスの全身が映っているのは鏡のようだが、像が大きい。鏡の真正面に立たないとこうは映らない。そのすぐ隣には顔だけが大きく映る。顔以外にも、体の各部位がそれぞれ大きく映っている。横から見た姿もあった。
横を向いても後ろを向いても、壁の全面にあらゆる角度から見たダクネスが映し出されていた。ターニャが見れば、マルチディスプレイと称したかも知れない。
「ダクネス様はこのような趣向もお楽しみいただけるかと思い、増設した部屋でございます」
「う……。凄いが、これは……だな?」
今のダクネスが着ているのは超マイクロチュニック。胸の部分は膨らみの頂点近くまで露わになり、股間では白い三角形の頂点が覗く。袖も広く取られているため、横乳が見えてしまっている。
ダクネスは甚振られたり辱められたりするのが大好きでも、恥ずかしいのは割と苦手である。しかし、これは駄目だとは言いづらい。自分のためにこんなにも大掛かりな仕掛けを作ってくれたのだ。ダクネスは重度の被虐性癖を患っているが、それ以外なら常識的で思いやりのある判断が出来た。ちょっと我慢すれば、いつものような素晴らしい時間がやってくるのだ。
とは言え恥ずかしいものは恥ずかしい。期待への興奮で上気していた体に、羞恥の熱が加わってくる。自身の卑猥な姿を直視できず、視線を泳がせた。どこを見ても自分が映っている。その中に、後ろ姿を見つけてしまった。
「あっ!?」
絶対的に丈が足らないチュニックは、後ろの丈も足りてなかった。白いパンツに包まれた尻が、半分以上服の裾から出てしまっている。
手枷を引かれてやや丸まっていた背筋をピンと伸ばす。尻はギリギリ隠れたが、今度は前の裾が足りなくなる。咄嗟に両手で隠した。手枷にはリードが繋がっていたが、ダクネスの力の前では何の障害にもならなかった。
「危険ですので急に動かないでいただけますか?」
「だだだだだってパンツが見えちゃうだろ!?」
「パンツ?」
男は首を傾げて下を見た。視線の先はダクネスの下半身ではなく床である。ダクネスも釣られて床を見て、
「はわっ!?」
きゅっと股を閉じ、服の裾を引っ張った。
壁にダクネスの姿が映るのだから、床も同じである。真下から覗く角度だ。ダクネスの股間が大写しで映っていた。パンツを見られるどころではなかった。
そして、服の裾を引っ張ったのがまずかった。丈が足りないのだから、裾を引っ張れば襟が広がる。
「はわわわわわ!?」
ギリギリで先端が隠れるバランスが崩れ、広げられた襟からダクネスの乳房が零れ出た。
ダクネスは体を捩って襟を戻そうとするのだが、下乳に引っかかってどうにもならない。乳房を隠すどころか襟を使って寄せるようなもので、乳房の大きさを強調している。
恵まれた体に相応しい大きな乳房が更に寄せられ突き出されるのは、素晴らしい迫力があった。
「こっこら! 見るなぁっ! 私はこーいうのは好きじゃ――」
言葉の途中で快音が響き渡る。今日三度目の平手打ちだ。
ダクネスに痛みはなくても、頬を乱暴に打たれた事実が心と体を熱してしまう。
「見るな、じゃないでしょう? ダクネス様には言葉遣いの指導が必要ですね」
「う……あ……。みないで、くださ……。はうっ!?」
乳房に硬いものを押し付けられた。男が握る鞭の柄だ。
鞭の柄は柔らかな乳肉に沈み、ダクネスに僅かな痛みを伝えてくる。ダクネスはそれを振るわれたことを思い出し、ぶるりと体を震わせた。
「み……み…………」
「み? なんですか?」
「見るなと言ったんだ! きゃううぅううんんっ♡」
口にした直後に鞭が大きく振り上げられ、覆うものが何もない太ももへ振り下ろされた。平手の時より高く鋭い音が鳴り響く。太ももに二度、背中へ一度、尻へ三度。
大きな音に反して、打たれた箇所は少し赤くなるだけである。ダクネスの異常な防御力の他に、鞭に工夫があった。
男が振るう鞭は、長さが腕の肘から指先程度しかない短鞭だ。いわゆる乗馬用の鞭である。先端にはフラップと呼ばれる平たいパーツが付けられ、叩いた際に大きな音を立てる。加えて通常よりも軽量で、速度を出せても衝撃が小さい。フラップも柔らかい素材だ。ダクネスほどの防御力がなくても「痛い」の一言で済んでしまう。全力で打っても皮膚が裂けることは絶対にない。
ダクネスは痛みに強いだけでなく、痛みを感じにくい。高すぎる防御力のおかげである。そのため、痛みよりも嬲られる事実に興奮を覚える。と分析した男が演出のために作ったダクネス専用鞭であった。
「んんっ! ……その程度で私が折れると思うなよ! はうんっ! おほっ♡ はあぁぁんっ♡」
鞭打つ度に、ダクネスのはしたない声が響く。
壁にも床にも、ダクネスのあられもない姿が映っている。こぼれた乳房は隠されずにそのままで、鞭が振り下ろされる度にぶるんと揺れる。裾を引っ張ったせいで尻は丸出しだ。大きな尻全部を白いパンツが覆っている。ターニャが見れば「一山千円」と鼻で笑った事だろう。
中でも直視し難いのは顔だった。美麗と言って差し支えない顔は情欲に乱れ歪み、口をだらしなく開いて床へ細い糸を垂らす。青空を映す湖水のような目は泥酔したかのように淀み、濁っている。
凛々しい騎士の姿はどこにもない。淫欲に耽る一匹の獣に成り下がっていた。
「ひゃああぁああぁぁああああああんっ♡♡」
腰より下、尻より上に鞭が入る。叩かれたポイントが良かったらしく、ダクネスは高い声を上げて膝を折った。手枷をされてるせいでろくな受け身を取れない。無様に倒れ、両手両膝を床についた。
「あうっ!?」
「おやおや、ダクネス様はついに観念なさるのですね?」
髪を掴まれ、上に引かれた。目の前に屈んだ男が、冷たい目で見下ろしてくる。ダクネスの心に炎が灯った。
「まだだっ! 私はまだ満足してなっ……。屈しないぞ!?」
「……さようでございますか」
男の目が一層冷たくなったように見えて、ダクネスはぞくりと来た。
鞭打ちはとても良いものだが、これまでに何度もやって来たことでもある。ここまでだったら、地下牢で吊るされての鞭打ちに軍配が上がる。
わざわざこんな部屋に連れ込まれて恥ずかしい思いに耐えているのだから、更なる高みに連れて行ってもらわなければ割に合わない。
「ふっ……ふんっ! どんな辱めを受けようと、私はけっしてっ!?」
ダクネスの視界から男の姿が消える。しかし壁の全面には男の姿が映し出され、目で追っていたダクネスは気を入れて待ち構えた。
「おっっふぉおおおおおぉぉおおーーーーっっ♡」
「鳴くな雌豚!」
「ぶひいいいぃぃいいいいいんっ!!」
バチンと尻が鞭打たれる。後ろからではなく上からだ。
四つん這いとなったダクネスの背の上に、男が尻を乗せていた。
ペチペチビチバチと鞭を使いながら、男は目論見が外れた事を直視せざるを得なかった。
多方面からダクネスを映すモニタールームを増設したのは、ダクネスの羞恥を煽って被虐癖を満足させ、労力を減らすためだった。
ところが何という事だろう。確かにダクネスは楽しんでいる。しかし労力は全く減ってない。むしろ地下牢で吊るした時より疲れてきた。
短鞭は軽いため、大きく振りかぶって全力で振り下ろさないと良い音が出ない。もしも先端が重いものを使っていたら鞭のしなりを利用して軽い力で速度を出せたはずだった。演出と安全重視の気遣いが裏目に出た。何度も振って疲れてきた。
馬乗りになったのは大失敗だった。ダクネスが四つん這いになっても椅子と比べれば低い。よって、体重を掛けるために足を床から浮かしている。これが思いの外疲れるのだ。休もうと思って床に足を突くと、ダクネスから挑発の形をとった催促が来る。休めない。
これでは前回と同じように、ダクネスはお肌艶々になってもこちらは疲れ切ってしまう。
何とかせねばと考えた。
どこかに打開策はないかと、壁中に映るダクネスを見回した。
丈が短いゆるゆるのチュニックを着て四つん這いになっているので、脇や襟の隙間から乳房が覗く。たわたに実った果実のようで、立っている時より大きく見える。
顔は言葉にしがたい。人はここまで獣に堕ちるものなのかと驚愕させられる。
尻の次に多く打たれている太ももは、染みも傷も一つもない。打たれた直後は少々赤くなるものの、すぐに消えてしまう。うすく赤みがかっているのは興奮によるものだろう。
そして一番重点的に打っている尻。実用重視のパンツはダクネスほどの耐久力がないらしく、生地が傷んできた。たとえ破れても、部屋からの持ち出し規制に引っかからないパンツを穿いてもらえばよい。
そのパンツに、一筋の光明を見出した。
▽
「あっ!?」
今までと全く違う柔らかな刺激に、ダクネスは顔を上げた。前を見れば壁に後ろが映っている。
両膝を床に突いて尻を突き出す自分の姿。ところどころが破れたパンツに包まれた尻に、もっと言えば股の間に、黒い棒が押し付けられていた。
「にゃっ……にゃにをすりゅぅう!」
「お分かりになりませんか? それでしたらもう少し強くいたしましょう」
「ひゃあぁっ!?」
触れていた棒が押し込まれる。薄い布地を巻き込み、柔らかな部分へ少し沈む。
ダクネスは知ってるようで知らない感覚に、可愛らしい声を上げた。
男が見出したのは、ダクネスの股間だった。
頼りない布切れは最低限の務めを果たし、ダクネスの秘部を覆っている。そこが変色しているのを見て取った。ダクネスが股を濡らし、染みてきたものだ。あれだけ情欲に狂っているのだから、体が反応しない方がおかしい。注意して見れば、乳房の先端も固く尖らせている。
今までそちらへ注意が向かなかったのは、ダクネスが平手打ちや鞭打ちなどの暴力を好んでいたからだ。
そちらで満足させれば、肉体の疲労を抑えられると思われた。
「淫らな欲望に負けないダクネス様は、随分と股を濡らしておりますね?」
「しょんなっ!?」
「ほら、良くご覧ください」
「あっ……あぁ……」
短鞭がダクネスの股間にあてがわれている。細く黒い棒は左右から盛り上がった布切れに包まれて、見えなくなってきた。
白い布地はたっぷりと水気を吸って変色している。少々汗ばんでいるだけの尻を包む部分と比べれば明らかだ。変色した部分は棒が押し込まれる場所を中心に広がる。中心付近では水気が滲み出し、濡れ光っていた。
「あぁっ! うごかすにゃあっ!」
棒が上下に動かされる。ダクネスの股に押し込まれたまま。
棒が布切れに沈んでいのは、その奥のダクネスに沈む部分があるからだ。盛り上がって棒を包む生地はパンツの皺ではなく、ダクネスの肉が盛り上がっている。薄布が張り付いているのはダクネスの陰唇で、棒はパンツを巻き込んでダクネスの割れ目に食い込んでいる。
「道具を使うなんて卑怯だぞっ!!」
この時ばかりは淫欲に歪んだ顔を凛々しく引き締め、ダクネスは強く叫んだ。
辱められるのは好きでも、このような辱めは想定外。これまでこのような事は一度もなかった。地下牢では半裸に近い姿だったのに、吊るされて、時に木馬で、時に緊縛で鞭打たれた。
今回もそうだと思っていた。現におっぱいが出てしまっても、直接は触られずに道具越しだった。卑猥な衣服に壁に映される姿は、高めるための小道具のはずだった。
「ふむ、道具は使うなと仰るのですね?」
「そうだ! いやらしく触ってやろうなんて思うんじゃないぞ!」
「承知いたしました」
男は短鞭を放り投げた。
ダクネスとの付き合いは長くはなくても、強烈な人物であるため否応なく理解が深まった。ダクネスの言葉もある程度なら理解が及ぶ。
ダクネスが「するな」と言う時は、言葉通りに中断或いは禁止の要請である可能性はない。「もっとやれ」を意味する。もしくはより激しい行為を望む、となる。そこを誤解して言葉通りに受け取ってしまうと、全く実りの無い言葉の応酬を繰り返す羽目になる。
男はダクネスの言葉を正しく受け取った。ダクネスの望みは三番目である。間違いない。
狼少女の末路であった。
「ひゃあぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁああぁぁああっっっっ!?!?」
ダクネスは反射的に体を起こそうとしたが、出来なかった。手首を拘束する手枷のリングが、床に据え付けられたフックに留められている。
拘束感を強めてダクネスの快感を高めるために男が繋いだのだが、とうのダクネスは全く気付いていなかった。
背の上に馬乗りになった男が手を伸ばし、鞭が触れていた箇所を触ってきた。ダクネスがもがいている間に事態は進行し、パンツをずり下された。
男の指先が、にちゃりとダクネスに触れる。
十分に潤った秘部はほぐすまでもなく緩く開き、内側に触れることを許してしまった。
長い指は肉厚の陰唇に埋もれて内側を探る。指先が下端にある小さな突起を見つけ、小さな円を描き始めた。
「ひゃっ……にゃっ……ひゃあぁぁ……。どこ、さわって……!?」
「見えるでしょう?」
「ひょわっ!?!? ひろげるなぁああっ!!」
中指が務めを果たしながら、人差し指と薬指が陰唇を押さえながら左右に開く。ダクネスの視界の妨げにならないよう思い遣りをもって中指を折り曲げ、指が隠した部分を見せてやった。
小さな豆状の突起が映った。ダクネスの記憶より大きい。真っ赤になって、表面はつるりとしている。つるつるに見えるのは濡れているからだと気が付いた。
「ダクネス様のクリトリスですよ。私が思っていたより小さいですね。あまり触らないのではありませんか?」
「くっくっくっくりりりり……!! ひあっ!?」
ダクネスの呂律が回っていない間に、またも指先が乗せられる。
中指がクリトリスを押さえるなら、人差し指と薬指は陰唇に乗ってゆるゆると揉み始めた。
「あっ……やぁぁ……、こんな、ことぉ……! うっくぅう…………!」
ダクネスが望んでいた行為ではない。だけれども、肉への刺激が直に伝わってくるのを避けられない。ほとんど未知の感覚だ。近いものは知っているのに、これは初めて。卑猥で淫らで直接的な行為が、体の奥から熱してくる。
口から熱を吐き出しても、際限なく体の奥から湧いてきた。
ダクネスが嬲られることを好むのは、精神的な意味が大きかった。
ダクネスは上級職であるクルセイダーのクラスを持ち、防御系のスキルばかりを取得してきた。それというのも、より多くの攻撃に耐えるためだ。攻撃されるのが気持ちいいのだ。
しかし攻撃されても、ちょっとやそっとでは何の痛痒も感じない。痛みがないのだからより多くの、より大きな攻撃を求められる。
攻撃されているのが重要である。寄ってたかって袋叩きは大好物だ。なじられ打たれることを悦んでしまう。
しかし今されている事は、心よりも体が強く反応する。
頑強な体を誇っていたからこそ滅多に得られない強い刺激が、体の内側から与えられている。それも並大抵のものではない。
そちらの経験が皆無に等しいダクネスには比べようもない事だが、ターニャの幼い肉体から女を引き出した指使いだ。ダクネスはまだ年若い少女であるが。ターニャより遥かに成熟した肉体を持っている。抗うことは出来ない。
「んっ、あっ、あっ、はっ! んあああーーーっんっ♡ しょこしゅごいぃぃいい♡ ひゃあああんっ♡」
短鞭を押し付けられた時だけは顔を凛々しく引き締めた。今や元通りにだらしなく歪んで、自身の無様を省みることがない。
大きく開いた口からは飢えた野良犬のように舌を突き出し、快感の叫びと共にぽたぽたと涎を垂らす。
体の震えに合わせてたわわな乳房もぶるんと揺れる。いつの間にかチュニックを捲り上げられ、充血した乳首を晒してしまっているが気にも留めない。
太ももで引っかかっていたパンツはダクネスが股を開いたことであっけなく千切れた。膣から溢れた愛液は男の指に絡みつき、ぽたりと床へ落ちていく。
顔の下よりも、股の下の方が雫が多い。
「あっ?」
止むことがなかった刺激が止まり、ダクネスは不満を含んだ声を上げる。
直後、つぷりと入ってきた。
「しょこはぁぁぁあああぁあ♡ はいってきたぁぁぁああああぁっっっ♡♡♡」
ぬめる内側をなぞった指が、ダクネスの膣に突き立てられる。本当の内側に入られて、ダクネスは更なる期待に期待に駆り立てられる。
ダクネスは心の赴くままに叫び、より深くと尻を突き出した。
しかし、入った指は動かない。指の主は怪訝に首を傾げた。
「にゃっにゃに? つづきは? わたしのあ……あ……、あしょこを……」
「少し気になるところがございまして」
「ふあっ?」
ダクネスの上に座っていた男が体の向きを変える。
前を向いていたのは、時々ダクネスの髪を引っ張って顔を上げさせるためだった。ダクネスの股はモニターで確認できたし、そんなものがなくても一向に困らない。数多のモニターは、あくまでもダクネス自身に見てもらうためだ。
「ひゃわわわわわっ!?」
「ふむ……」
男は両手でダクネスの尻を撫で、指先を陰唇に届かせると左右に広げた。
先ほど広げた時は自身の手が邪魔になってクリトリスしか見えなかったが、今度は肉色の内側全てが曝け出される。
散々嬲ったクリトリスは勃起して包皮が剥けていた。その下では金色の陰毛が溢れる愛液に濡れて寄り集まっている。ダクネスは公爵令嬢なのでここも上品なのか、陰唇や肛門付近には一本も生えず、恥丘だけに生えている。ラムやレムに比べるとやや濃いめだ。
赤みが強い肉色はてらてらと濡れ光り、鍛えぬいたダクネスであろうととろけるように柔らかい。
そして割れ目の上端にある薄く開いた小さい穴。ダクネスの膣口には、入り口を狭める薄い肉ひだがついていた。
「処女膜がありますね。ダクネス様は処女でいらっしゃいましたか」
「なっ…………!!」
ダクネスの正面にもダクネスの淫裂が映し出されている。男が指し示す先に、言われた通りのものがあるのを見てしまった。初めての快感によがっていたのも忘れ、顔も耳も首筋まで真っ赤になった。
男には意外過ぎる事実であった。
ダクネスはとても男好きがする肉体をして、本人は重度の被虐性癖を患って罵倒や暴力で性的な快感を覚え、荒くれ者と行動を共にする冒険者として危険な生活を送っているのだから、初体験はとっくに済ませていると思っていた。
が、処女の証がある。
道具や指を使って破る事もなかったようだ。
「こうして拝見いたしますと、小陰唇も伸びておりませんし着色もない。綺麗なおまんこですよ」
「ひゃぁ……………………!」
ダクネスは言葉が出なかった。恥ずかしさの余りに全身が固まってしまう。
処女である事が恥ずかしいのか、処女である事を知られたのが恥ずかしいのか、性器を鑑定されたことが恥ずかしいのか。どれであるのかいずれもなのかはわからないが、とにかく恥ずかしくなって体中が熱くなる。
「はあんっ!」
固くなった体がほぐされる。広げられたところを優しく揉まれ、緩んでくる。見る間に潤いを増し、またもぽたりと落ちていく。
「初めては誰にでもある事です。恥ずかしい事ではありませんよ」
「うぅ…………」
ダクネスは手枷で拘束された手をぎゅっと握り、俯いて歯を食いしばった。
「ああっ!!」
食いしばっても、内側からこじ開けられる。声が勝手に出てくる。意思では止められそうにない。
「それにここまで濡れるのでしたら挿入は問題ありません」
「っっっっ!??!?」
ダクネスは、弾かれたように顔を上げた。体を捩って振り向いた。正面に男の顔も映っているが、直接見なければならないと思った。
映像でダクネスを見ていた男も振り向き見下ろす。ダクネスと目が合った。重大な事を懇願するような、弱弱しい目だった。
「ま……まさか……」
「私に入れるつもりじゃ…………」
「……そうですね」
「あっ……」
男がダクネスの背から立ち上がる。しばし見下ろし、ついでと言わんばかりにチュニックを引っ張った。
「ひゃわっ!?」
柔らかな布を裁断しただけの服未満の布切れは、鞭打ちで傷んだ事もあってあっけなく千切り取られた。
ダクネスが着けているのは首輪と手枷だけになった。
「あわわわわわわわわ!!!」
男がジャケットを脱ぎ捨てる。ベストのボタンを外し、これも脱ぐ。タイを緩め、シャツのカフスボタンを外し、前面のボタンは上部の数個を外しただけで脱いでしまう。
男の上半身は細身ながらも引き締まっており、腹筋はダクネスより割れている。
スラックスのベルトに手が掛かると、ダクネスは生唾を飲み込んだ。覚悟の時間は与えられず、スラックスもその下も、あっさりと脱ぎ捨てられた。
「はうぅ……………………!!」
初めての訪問以来見た事がなかった男の体が、ダクネスの青い目に映った。股から生える肉で出来た棒状の器官は、しかし前回と様子が違っていた。
前見た時はだらりとして下を向いていたのに、今は中に骨でも入っているのか、急な角度で上向いている。見るからに固そうで、内側から漲る何かで張り詰めているようだ。
ダクネスは、勃起した男性器を初めて見た。
「しゅ……しゅごい…………。じゅる…………、んんっ!」
男の股に見入り、垂れそうになった涎を慌てて飲み込む。
「しょ……んんっ。……それを入れる、つもりなのか? きゃうぅんっ♡」
尻をぱぁんと叩かれ、嬌声を上げた。
叩いた男は不思議そうに自分の手を見た。叩いた手が痛くなかったのだ。
ダクネスの頬でも尻でも腹でも背でも、叩くと鋼のように硬くなって叩いた手が痛くなる。何度もあった事だ。それが痛くなかった。反対に、叩かれたダクネスの尻に赤い手形が付いている。もう一度叩いた。
「ひゃあああぁあんっ♡」
ダクネスが甘い声で鳴き、大きな尻が波打った。やはり打った箇所が赤くなる。
「ひぅ……。にゃ……、にゃんだ?」
今度は叩かず撫でた。痛々しい手形をつけた尻は見た目通りに柔らかい。なめらかな肌はしっとりと汗ばんで手に吸い付く。
「失礼いたしました」
「いい……。それくらい……。いつもの……。いつもよりしゅごかった……♡」
ダクネスが硬くなるのは防御スキルが発動するからだ。攻撃と認識した行為を自動で防ぐ。
硬くなかったと言う事は、ダクネスが無意識のレベルで攻撃ではないと認識したことになる。
「それよりも、『それ』とは何ですか? 指示語を使わずにはっきり仰ってください」
「ひょっ!?」
「それとも? ダクネス様はその程度の事すら知らないんですか?」
「ちゃんと知ってりゅ!」
「でしたらお答えください」
男はダクネスの真後ろに膝を突いた。
赤く腫れた尻を撫で、染みも傷もない美しい背中へ手を這わせる。
「ひゃぁぁぁ……」
背筋を撫でられるダクネスは、体の芯から震えが来た。体を包むベールを一枚一枚剥がされるようだ。
一枚二枚と何枚も剥がされて、ついに全部剥がされたと感じた瞬間に、背中を撫でる手が脇の下から回り込んできた。
「ああっ! あぁ……、おっぱいもむなんてぇ♡ ふうぅっ……!! くぅ……♡」
胸から実る女の果実を、男の手が荒々しくまさぐっている。
白い乳房を強く握られ、やわい乳肉に指が食い込む。むにむにと揉みしだかれ、思うさまに形を歪められ、初めて感じる男の手に、ダクネスは拒めない。
痛みを伴う荒々しさが気持ち良くて堪らない。乳首が張り詰めてくるのがわかってしまう。無意識に腰をくねらせ、何かが触れているのを感じた。
「はうううぅうぅぅぅ……♡」
映像越しではなく自分の目で見た。
下を覗けば、自分の股の間から棒が生えていた。反り返っているので先端が下腹にぶつかる。ぶつかった箇所が熱を持った。熱が移ったのかも知れない。
熱は肌に染み込み奥へ届く。とっくに熱していた女の器官が、早く早くと訴えた。
ダクネスは、言葉にならない体の声を、全身で受け取った。
「早くお答えくださいませんか?」
「あっ」
再三問われ、何の話だか思い出した。あれが何だか聞かれているのだ。
ダクネスはきゅっと目を瞑って唾を飲み込み、目を見開いた。
自分の股を覗くまでもなく、顔の真下の床に自身の下腹が映っている。大きく目を見開いた。細部までつぶさに見入った。
張り詰めた棒の部分だとか、浮いた血管のように走る筋だとか。先端の部分と棒の部分を繋ぐ筋は柔らかそうだ。先端の一番先には縦に短い割れ目があり、そこから出てきたおしっこを掛けられたのを覚えている。
「お…………お……、おち……」
はあはあと息を荒げる。開きっぱなしだった唇が乾き、赤い舌で舐めて湿らせた。
「おち…………。おちんぽ……」
「入れて欲しいですか?」
「!!」
声が近い。耳元で聞こえる。背中から男に伸し掛かられている。
聞かれるまでもなく、答えはとっくに決まっていた。
「欲しいっ!!」
力強く叫んだ。
「わたしのおまんこにおちんぽ欲しいっ!」
「仰せの通りに」
「あっ……」
背中から男の体が離れていった。
代わりに腰を掴まれる。導かれるままに背筋を反らせて尻を突き出す。股の間の女の割れ目に、指より太いものがあてがわれた。
後ろなのに真上から映しているのか、撫でられている部分がダクネスの前に映し出される。
緩く開いたダクネスの内側を、先端が上下に往復する。上の方に来る度にダクネスは体を強張らせ、数度往復したところで止まった。ダクネスの穴の部分だ。
「ああっ…………」
まだ入り口を圧してる段階なのに、沈み方がさっきより深い。そこは深くて入る穴が空いている。
圧はどんどん強くなっているのに、深くならない。ダクネスは焦れて腰を振ったが、パチンと叩かれ動きを止めた。
ダクネスは処女の上に、肉体を素晴らしく鍛え抜いている。
膣の締まりも相応で、入ろうとする男を強い弾力で押し返す。もしも初心者だったら、一度や二度の挑戦では叶わないだろう。
しかし、男には多数の経験があった。処女の相手はターニャにラムとレム以外にも数多い。中にはダクネスより鍛えた女戦士もいる。ダクネスから退くわけがなかった。
一瞬だけ力を込めた。
「ひぎいぃっっ!?」
入れると言うよりめり込むようで、亀頭だけがダクネスの中に侵入した。ダクネスの処女膜は破れ、破瓜の血がにじみ出した。
ここからは痛みを感じないようターニャ方式でゆっくり入れるか、力任せに叩きつけるか。どちらを選んでも良いが、ダクネスが相手なら後者に決まっている。
前傾になっていた体を後ろへ反らせ、勢いをつけて押し込んだ。
いきり立った逸物が未通の処女地を切り裂いて、一番深いところへ到達した。
「おっっっっ…………ふぉおおおおおおぉぉおおおぉおおおおおぉおーーーーーーっっっ♡♡♡」
ダクネスは背を弓なりに反らしておとがいを高く上げ、絶叫した。破瓜の痛みで絶頂していた。
被虐を好み痛みを願っていたダクネスに、体の真芯を貫かれる痛みは全くの未知でありとても素晴らしいものだった。文字通りに自分の体に空いた穴をぎゅうぎゅうに埋められて、肉体を満たす充足感が心すら満たす。
自分の中に男の体が入ってる異物感は圧迫感が強く、肉体を支配されてしまったのだと心身に刻まれる。刻まれた証が結合部から滲み、溢れてきた。
「はいってりゅうう! わっ……わたしの、しょじょがぁああ……、うばわえたぁあ♡」
「動きますよ」
「ひゃいっ♡ あっ、あんっ♡ あんっ♡ あっしゅごいぃいいっっ♡ しゅご、しゅご……あぁぁぁあんっっ♡」
力任せに処女を奪われたのに、ダクネスは男が腰を振るなり喘ぎだした。
罵倒と暴力で性的快感を得て悶え続ける日々だった。肉体の感度が相応に高かった。拘束されて嬲られ犯されるのはダクネスが夢見ていた事の一つであり、それが叶っているのだから悦ばないわけがない。
男の動きも巧みだ。ダクネスの嗜好に応え、荒々しく腰を打ち付ける。亀頭で膣壁を擦るのも忘れない。
下腹がダクネスの尻を打って、大きな尻を波打たせる。中でもその勢いのまま、ダクネスの一番奥を叩いた。
処女を失ったばかりの膣を目いっぱい広げられ、太い剛直が行き来する。最奥に届けばそのまま子宮口にぶつかって、ダクネスの体に鈍痛を響かせた。それがダクネスを悦ばせる。
視界が明滅して白い光に目が眩み、股から貫く男の体をぎちぎちときつく締め付けた。
「はうううぅううぅうんっっっ♡ お゛っ! お゛っ! あ゛! あ゛っ! あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛あ゛ーーっっ♡ 」
締め付けても男の動きが止まらない。言葉を失くすほど深く達しているのに犯され続ける。
大切にしてきた女の部分を無造作に使われて、屈辱に身が焦がれる。その事実が狂おしく、悶えてしまうほどに心も体も痺れさせる。快感が一層深くなり、ガクガクと顎が揺れ口を閉じられなくなってきた。
「あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡ お゛お゛っ♡ あ゛っ!? ひぐぅうぅううぅうううぅうっ!!」
口からはたらりと涎を垂らし、つま先をきゅっと折り曲げる。深いところへ欲しくなり、無意識に尻を突き出した。ぱぁんと強く叩かれ、痛みで達した。
「如何ですか?」
「ひぐぅっ……! いいっ♡ おちんぽしゅごいぃっ♡ おまんこいっぱいじゅぽじゅぽしてぇっ♡ あぁんっっ♡ あんっ、もっとつよいのぉ! あっあっはぁあぁぁあんっ♡」
ダクネスの膣内で攪拌された淫液は、亀頭が押し込んでは掻き出し続ける。大半はダクネスの愛液だ。逸物に絡みついた破瓜の血も流され、男の股間を濡らし、ダクネスの太ももを汚す。
ダクネスは男好きがする体の上、とても感じやすいようだ。何度も達しては逸物を締め付け、足腰を震わせる。膣内も痙攣し、絶妙な加減となって男を包む。それなのに、もっともっとと求め続けた。
単純に体力が有り余っているのと、常日頃から些細な罵倒で感じているのでそちらへの耐性があった。無限に嬲られ続けるために一切の攻撃を捨て防御を極めたのは伊達ではない。
このままでは拙いと男は考えた。
ダクネスが何度も絶頂を迎えているのは確かなのだが、瞬時に復活を果たす。さながら倒しても倒しても無限に現れるゾンビのようである。それだけなら倒れるまで続ければ良いだけだが、処女だったのに具合がいい。何度も達しているせいで柔らかくほぐれてきた。そこに絶妙な締め付けが加わるのだから、油断をすると出してしまいそうである。
一度や二度どころか五度や六度でも問題ないが、女の元気が有り余っているのに先に果てるのは細やかなブライドが許さない。
ダクネスが獣のように荒々しい行為を好んでいるのは明らかだが、人間には知恵がある。培った技がある。
「ひゃっ? あぁっ!?」
甘くとろけていたダクネスの顔に、焦燥が走った。知らないものを教え込まれる予感があった。
「このような事も出来るのですよ?」
「やっ、そこ、くりぃ……! あっ……んっ……!」
腰を打ち付ける度に暴力的に揺れる乳房にもそそられるが、今はダクネスを満足させるのが先である。男の手はダクネスの下腹と結合部に伸びた。
左手は五指を広げて下腹にあてがい、揺するように揉み始める。ダクネスの腹が凹んでは戻るを繰り返すが、気にせず続ける。
右手は湿った陰毛をかき分けて、淫裂の上端に届いた。中指は膨らんでなお柔らかなクリトリスに触れ、人差し指と薬指は肉芽の根を捉え扱き始める。
「ひうっ!??! しょっしょこぉおお……♡ うっくぅうぅ……、あっついぃいいい……♡」
熱に依らない熱がダクネスを炙り、高いところへ引き摺り上げる。全身が汗ばんで、顎に溜まった雫が落ちた。
膣の締め付けが柔らかく緩み、肉ひだが逸物に絡みついて蠕動する。ダクネスの体が奥に欲しがってる動きだ。
後ろから犯す男には、ダクネスの肛門が広がってきゅっと閉じるのが見えた。
「そろそろ良さそうですね」
「うんっ♡ うんっ♡ あんっ♡♡ しゅごいのぉおお♡ しょこっ、おまんこぉっ♡ おちんぽきてりゅぅううぅ♡」
「出しますよ?」
「だしてだしてぇっっ♡ おまんこいっぱいぃいい♡ ひゃぁぁあぁぁぁぁああぁぁんっ♡」
何を出されるかわからないダクネスは、快楽に支配されきった頭で即答した。頭ではわからなくとも、体がそれを求めていた。
「あっ……あ゛っ!! あ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっ♡♡」
子宮を揺すられクリトリスを責められ、何度も達したことで女の穴が熟しつつあり、子宮口を熱い精液で打たれた。
離さないとばかりに膣肉がきつく締まって男を捕らえ、隙間なく密着した媚肉が脈動する逸物を感じた。
ダクネスは高く叫び、腹の奥が熱くなる。震える太ももも温かい。僅かに色づき僅かに臭う液体が、結合部からちろちろと流れてきた。
男の逸物は、ダクネスの膣内でぴゅっぴゅると長い射精を続けている。男が出した液体ではない。
「あ…………あぁ…………♡♡」
男が離れても止まらない。
ダクネスは体を支えられなくなり、床の上に倒れた。ダクネスの股を中心に、仄かな金色をした水たまりが広がりつつあった。
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事のあとは女性を褒めるのが原則だ。内心でどう思っていても、素晴らしい一時を共有できた喜びを伝えなければならない。しかし、例外がある。女性が余韻に浸っている時だ。
絶頂が深ければ深いほど余韻も深く長くなる傾向がある。浸っている時に声をかけても無視をされるか邪険にされる。
ダクネスに声をかけても反応がない。浸っていると判断した男は、自分の身嗜みを整えた。
服を整えてもダクネスは床に倒れ伏したままだ。太ももはダクネスの愛液と溢れてきた精液で汚れ、破瓜の血も混じっている。床は小水が溜まり、その上で動かない。
室内は快適な温度でも、固い上に濡れた床に寝ていては体に良くない。浸るのなら別の場所でしてもらおうと思い、ダクネスに近付くと、聞こえてくるものがあった。
「うぅ…………ぐす、ひっく……うっうっ……ぐす……。は……はじめてだったのに…………ひっく……」
すすり泣きの声だった。ダクネスは声を押し殺して嗚咽していた。しかも、初めてを奪われたことを後悔するような言い様だ。
自分から求めて何を言うと思った男は、はたと気が付いた。
ダクネスは公爵令嬢である。いずれ嫁ぐか婿をもらうだろう。その際、処女でないと価値が減じると予想された。ダクネスはそれを恐れているのだ。
しかしその程度なら誤魔化す術は幾らでもある。特にダクネスは締め付けがきついので、男の側にそれなりの経験がないと挿入が難しい。処女をよそおうことは簡単である。
そんな助言をしようと考えるからこの部屋に飛ばされたことを男は気付かない。
幸いな事に慰めの言葉は発されず、ダクネスの言葉が続いた。
「はじめてはベッドがよかったのにぃ……!」
悔しさが多分に混じる嗚咽であった。
ダクネスは嬲られ犯されるのが夢だったのと同時に、良い雰囲気の中でロマンチックな一夜を過ごす事も夢見ていた。矛盾する願いがダクネスの中でごく自然に同居していた。
「それでしたら、体を清めた後にベッドに参りませんか?」
「……………………」
「如何でしょう? ララティーナ様」
「う……………………」
ダクネスは顔を上げ、恨めしい目で男を見る。泣いていた目が赤い。
それでも男から差し出された手を取り、自分の惨状に顔をしかめながら立ち上がった。
男の胸に額をあて、しばし押し黙る。
やがて小さく頷いた。
「……………………すりゅ。……んっ」
目を閉じ顎を上げ、踵を床から少し浮かせる。
ダクネスことララティーナは、初めて男に唇を許した。
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風呂を使って互いの体を洗い合う。ダクネスの長い髪は男が洗う。女性の世話は、この部屋に飛ばされる前から習得していた。
先ほどは激しかったので、ベッドの上ではムードたっぷりに。ダクネスからララティーナにされ、大いに恥じらいつつも乱れずにはいられなかった。
同じベッドで眠り、目を覚ます。
男の腕の中で目を覚ましたララティーナは、顔も体も茹らせながら目覚めのキスを送った。
帰還の時間になるまで鎧は身に着けず、クローゼットから令嬢らしい清楚なドレスを身に着けて、存分に乱してもらった。ララティーナは精液の味を覚えた。
食事の時も男の隣から離れない。手か足か唇かそれ以外かを触れさせている。精神年齢がターニャの実年齢より下がったようだ。
そして入室から24時間が経過する頃になって、ララティーナからクルセイダーのダクネスに戻った。
テーブルの上に利用者ノートを広げ、ペンを走らせる。
「何をお書きになっているのでしょう? 出来ましたら不要な事は書かないで頂きたいのです」
「問題ない。褒めてるだけだ」
「……さようでございますか」
男は疑っているが、本当に褒めている。
素晴らしい時間を与えてくれたことへの感謝とまた必ず訪問することを、公爵令嬢らしい美文で綴る。
書いた文章を二度見直し、退室する時のサインを記した。
「またいらして下さることを心よりお待ちしております」
男が恭しく頭を下げる。ドアに向き合ったダクネスの手はドアノブに伸び、静止した。レバー式のドアノブなので押せば簡単に開く。だから触れない。手を引っ込め、振り向いた。
目覚めのキスをした時のように、顔が真っ赤に茹っていた。
「延長する!」
「はい?」
「だから滞在を延長する! 24時間経ってもここにいられるんだろう!? 知ってるぞ、そう書いてた人がいるんだ!」
「それは確かに。仰せの通りです。ですがそうしますと、ダクネス様の一日のリズムが狂ってしまうのではないでしょうか?」
「それくらい問題ない! 一日中寝てれば一日や二日狂っても大丈夫だ!」
一週間の内、一日が30時間になっても、睡眠時間を加減出来ればリズムを戻せなくもない。しかし、とても駄目な発想だった。
ダクネスの要望に、男は是も非もない。次回の訪問につなげるため、最大限に応えるまでである。
延長を決めたダクネスはその場で鎧を外し、ララティーナに戻る。
食事の時間を除いて、体力が続く限り男に挑み続けた。
ダクネスが延長した時間は11時間に達した。
お肌艶々であるがさすがに朦朧として声は枯れ、押し出されるようにドアの向こうへ帰らされた。
残った男は前回と同じように疲れ果てた。
ララティーナになったダクネスはとても可愛らしかったが、ダクネスであった時のタフネスは変わらなかったのだ。次回は雰囲気を重視して、なるたけ労力を減らそうと考えた。
そして帰還の許しが出た。
豪奢な応接間が灰色に沈み、利用者ノートだけが色を持つ。
ノートが宙に浮き、ページを開いた。
今回男が囚われてから、新たに記されたサインを確かめるよう一ページ一ページと捲られて、ララティーナのサインが記されたページを開くと光を放つ。
色褪せた白いドアが独りでに開く。ドアの向こうには、やはりここと同じく色褪せた自室がある。
「ようやくか」
男は深い息とともに疲れを吐き出し、ドアの向こうに踏み入った。ドアは潜ったと同時に消えてしまい、世界が色を取り戻した。
ダクネスに頑張られたので疲れていた。外はまだ日が高いようだったが、構わずベッドに倒れ込んだ。
男が安らかな寝息を立ててから間もなく、ノックと共に部屋のドアが開かれた。
「いないと思ってたら寝てたんすか? お昼食べたばっかっすよね?」
現れたのは赤毛の美女である。彼女はベッドに近付くと快活な笑顔を凍らせ、凶相を浮かばせた。
「知らない女の臭いがする……。起きろーーーーーーっ!!」
「ぐはっ!?」
寝起きが悪い男でも、足を掴まれ壁に叩きつけられれば起きざるを得ない。
「何をする!」
「それはこっちの台詞っすよ。女の臭いをぷんぷんさせて、どこで何してたんすか?」
美しい女性に見えて、その正体は人狼である。匂いにはとても敏感だ。しかし、彼女でなくても気付くであろう濃い匂いをさせていた。
「誤解だ!」
男は無実を訴えた。
その場しのぎの嘘や詭弁ではない。本当に無実であると主張する。
外に遊びに行ったり、誰かをベッドに引きずり込んだわけではない。ここから遠い異界にて業務に勤しんでいたのだ。その業務について話せれば良かったかも知れないが、異界の部屋の情報規制が続いているのか、話しても通じる言葉にならない。
残念ながら、無実の主張は通らなかった。
男は女たちに囲まれ、血祭りに上げられた。
男は、これからは帰る直前に絶対に風呂を使おうと心に誓った。
ノルマクリア!
投稿した時は読む人いるだろうかと思いましたが意外に読まれているようで驚きました
新作とは言えお気に入り増加速度がエグイとおもいました、一昨々日とかあっちの一か月がこっちの一時間
お気付きの方が多いようでしたが、名もなき男の流用元がこちら
https://syosetu.org/novel/201352/
原作が異世界かるてっとですが異世界食堂方式はどことクロスさせるのも可と気付く
多分いつかその内続けるような気がします
感想いただけるととても嬉しいです
読んだの一言でいいんですが本当にそれだけだと文字数制限に引っかかるので顔文字でも足してください
ではまた