※この作品はR-18です。

奉仕しないと帰れない部屋に囚われた男の業務記録   作:dolph

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一話20k字とかやったことあるのでこのくらいヘーキ、ですよね?


喜多川海夢▽

 触れ合うだけのキスを繰り返し、海夢の首からネクタイが抜き取られたところで唇が離れた。

 海夢は初めてのキスだ。嬉しいやら恥ずかしいやらもしや夢かと思う夢見心地は現実と信じきれず、思わず手が出た。彼が着るジャケットの袖を掴んでいた。

 

「邪魔ですか?」

「あっ、えと……。そうじゃなくて、ホントにキスしちゃったのかなーって。……あっ」

 

 美麗な顔がすっと近付き、盗むように唇を啄む。

 のぼせていた海夢の顔は一層熱を持ち、両手で頬を押さえようとして出来なかった。彼の手に見入ってしまった。彼の手は自分の喉元に伸びている。無理に引っ張る事なくシャツの第三ボタンを外され、胸元に空気が入ってきた。

 

「あの、その。みっ! 見せるのは……、いいんですけど!」

「けど? 何か心配な事が?」

「うぇっ! その………………。ご……ご…………」

「ご?」

 

 海夢の声は消え入りそうだ。しかし大切な話であるらしい。男の手は第四ボタンを外したところで待機に移る。

 

「ゴム…………。持ってなくて…………」

 

 海夢は勇気を振り絞って言い切った。向き合う彼と目を合わせられず真っ赤な顔を俯けた。その内心は、

 

(あ゛ーーーーーーーーーっ!!!!! 言っちゃったーーーーーーーーーっ!!!!!)

 

 であった。

 

 エロゲが大好きと言うのは、そー言うのではない。ストーリーと登場人物のキャラクター性を重視しているのであってそっちが目当てなわけではない。その証拠にキスだって初めてだ。

 自然な流れでそんな雰囲気に持っていければ最高で、リードしてくれそうな気配があった。それなのに自分から言ってしまったのは、そういう事になったら絶対必要なものだからだ。

 しかし彼は怪訝に首を傾げる。

 

「ゴム? 髪留めのゴムではありませんよね?」

「ち……、ちがいます……。ゴムって言うのは別名って言うか、皆が勝手に呼んでるだけって言うか……」

「正式名称を聞いたらわかるかも知れません。話せますか?」

 

 20世紀初頭の日本に生きる海夢と、異界に生きる彼とでは常識の前提となる知識が違う。不思議な力で言葉が通じても、概念がないものは説明しないと通じない。

 

 部屋に囚われた男は利用者たちの満足を引き出して再訪問してもらうために、彼女らの世界の知識を熱心に学んでいる。主に書斎の書物からだ。一度閲覧可能になった書物を、男は全て読むことが出来た。海夢が好きなマンガもそこで読んだ。海夢が読者モデルを務めるファッション誌も確認した。

 しかし学ぶべきことが多すぎるため、スラングまでは手を出せない。ターニャからの要求が色々と圧迫している。ゴムと言われても、特定の樹脂を精製して得た弾性の高い物質を用途に応じて再加工したもの、としかわからない。

 

「……コンドーム、です」

「用途を窺っても?」

「!?!?」

 

 海夢は俯けた顔を跳ね上げた。もしかしてわかってるのを言わせようとしてるのかと思ったがふざけた様子はなく、ちょっぴり困ったような顔をしている。真剣にわからないらしい。ちょっぴり涙が出てきた。

 

「うぅ~~~~っ!」

「辛い事なら話さなくても構いませんよ?」

「ちがくてぇ……」

 

 ここまで引っ張って何でもないとは言えない。海夢はコンドームの用途を説明しなければならなくなった。

 

「おっと」

 

 とてもではないが、顔を見て話せることではない。彼の胸に額を押し付け、腹の底から絞り出した。

 

「避妊具、です……」

 

 言ってしまった。避妊具が必要になる状況は非常に限定的だ。それが必要な事をしたいと言ってるも同然である。

 

「その心配はいりませんよ。妊娠を避ける手段はありますし、その逆に望めば授かる事も出来ます。副反応がない薬や避妊の魔法なんてものもありますよ」

 

 海夢は死にそうな思いで口にしたのに、返ってきたのは軽い言葉。そもそも海夢の取り越し苦労である。コンドームくらい情報収集の一環で目にしたかも知れないが、そもそも不要なものだから記憶に留まらなかった。

 

「そんなのあるんですか!?」

「どこの世界も人の営みは同じと言う事ですね」

「うえぇ……、なんかすごい生々しいです……」

「私に魔法は使えませんが、薬の在庫はたくさんあります。海夢が痣を作った時に使った薬があるでしょう? あの類です」

「あっ! あの一瞬で治ったやつ!」

 

 放っておけば二三日で消えそうだった痣が、赤い薬を塗ったと同時に治った事がある。明らかに海夢が知る技術では作りようがない魔法の薬で、それと同レベルの薬なら確実と思われた。

 

「尤も、ここでは海夢が強く望まない限り出来ませんよ。私にしか読めないらしいノートの記述からですが、嘘ではないでしょう」

「そうだったんですね」

「ええ、そういう事です」

「あははっ……、なーんだ! 心配しなくて良かったんじゃん!」

「心配な事がなくなったようで」

「はい!」

 

 海夢は元気よく返事をしてから、何を心配していたか思い出した。

 ワイシャツの第五ボタンを外され、空いた隙間からブラジャーのフロントが覗いている。

 自分の部屋から着けてきたヌーブラではない。クローゼットルームで探した大人っぽいデザイン。

 ワイシャツの前を開かれる事なく下のボタンも外される。前のボタンを全部外されると、結んでいた裾もほどかれた。

 

「見せて頂きましょうか」

「…………はい」

 

 海夢は唾を飲み込んだ。彼から目を逸らすことなく、シャツに伸びる手を受け入れる。

 緊張しすぎて、体が小さく震えてきた。

 今日までに衣装の着替えや撮影で、下着同然の姿を見せた事がある。ベロニカのおっぱいベルトなんて普通のブラジャーより面積が小さい。

 しかし、これから見せるものは意味が違った。

 直感に従って選んだブラジャーは見せるため。見せるだけだったらこうも緊張しない。見せブラ見せパンはお洒落の一環だ。

 今着けてるのは見てもらってその後で、脱がせてもらうブラジャーなのだから。

 

「ああ、とても綺麗です。私に見せるために探してくれたんですか?」

「……はい」

 

 シャツの前を開かれ、広がった襟が肩から抜ける。

 乳房を包んでいるのは白いレースの大人なブラジャー。魔法が掛かっているからか立体縫製が凄いのかわからないが、生地が凄く薄いのにしっかり支える。生地が薄いのでちょっぴり透けてる。

 ブラジャーの上からでも先端の形がわかればピンク色も見えてしまう。

 きちんと寄せられ、そこそこに深い谷間を形作る。

 

「それに綺麗なだけでなく……」

 

 男は海夢の顎に指を掛けた。

 

「とてもいやらしい。そそられます」

 

 初めて見る笑い方をされ、海夢は自分の心臓の音を聞いた。

 「顎クイだー!」と思うと同時に、伯爵様は割とSだと気が付いた。色んな事をされてしまうと確信した。

 何もかもが初めてなのだから不安がある。怖気づいたりしないでちゃんと出来るか、伯爵様におかしいと思われたりしないか。ここに来る前にお風呂でチェックして、クローゼットルームでもチェックした。きっと大丈夫と思うがやっぱり初めて、確信出来ない。

 頑張って選んだブラジャーを着けて、綺麗と言われたのだから勿論嬉しい。嬉しいと同じくらい恥ずかしい。そーゆー目的で選んだ勝負下着なのだ。エッチな子と思われる可能性はそれなり以上に高かったが、そーゆー意識をする前にエロゲを嗜んでいると言ってしまった。毒を食べるなら何とかだ。

 そして期待が一番大きい。自分に触ってくれて、キスもされて、それ以上をされてしまう。エロゲを嗜んでるのでどんな事かは履修済みだ。伯爵様が相手なのを想像するだけでくらくらしてきた事が現実になろうとしている。

 頭の中をぐるぐると色々な思いが駆け巡り、口から出てきたのは最初に思った事だった。

 

「伯爵様ってけっこーSですよね!」

「海夢を見ていたいからですよ」

 

 ノータイムで返された。

 そうだろうと思っていたが、やはり百戦錬磨。自分が知らない女性たちへ色々な思いが湧き起こったが、

 

「ただ、海夢の前ではいつも以上に丁重でいようとは思っています。初めてここに来た海夢は随分と怯えた様子でした。怖がらせてはいけないと務めていたんですよ?」

「それはもう忘れてくださいっ! だっていきなりでビックリしちゃったんだから仕方ないじゃないですか!」

 

 生きてここから出られるかとまで思ったのだ。今思えば笑ってしまうが、あの時は真剣に怖かった。

 

「努力いたしましょう」

「やっぱSじゃん!」

 

 含み笑いをされ、ちょっと頭に来てポカポカと反撃する。

 ぐるぐるお子様パンチが5HITしたところで腕を取られ、キスをされた。それだけで黙らされた。

 最初にしたキスと違って、口が少しだけ開いている。繰り返す内に唇が湿ってきた。肩に置かれた手が腰に来てる。んぅとくぐもった声が出た。

 

「それでは……。立ってもらえるかな?」

「…………なんでですか?」

 

 海夢は、彼の口調が砕けたのは歓迎する。が、幸せなキスをしていたのに離れるのはちょっと不満で不安がある。照れ隠しで見せた子供っぽさを呆れられたとは思いたくない。

 海夢の不安を他所に、彼は笑った。

 

「スカートを脱がす前に。わざわざ短くしたんだろう?」

「気付いてたんですか!?」

「そりゃ勿論」

 

 部屋の利用者たちは知らない事だが、高速で振り下ろされる剣の軌道を1ミリ単位で把握出来る男だ。静止していればその下のオーダーまでわかる。触れれば更に二つ下まで。センチ単位で短くなったスカート丈をわからないわけがない。

 

「短くしたのはスカートを穿いたまま見せるためと思いましたが?」

「う…………そうです、けど……」

「けど?」

「…………は、……はずかしくて……」

 

 見せパンを見せるだけならこうはならない。今着けてるのは見せパンを越えた勝負下着。かなり攻めてる。選んだ時はこれだと思ったが、いざその時を迎えると恥ずかしい。向こうは余裕たっぷりなのが拍車を掛ける。ブラジャーと同じで脱がされるために選んだのだから。

 

「それなら私の前に立ってくれるだけでいいですよ。それくらいなら出来るかな?」

「……はい」

 

 彼から離れると、自分の格好が意識に上った。

 上半身は透けてるブラジャーだけだ。今更になって恥ずかしくなり、胸を抱いて隠した。

 下半身はいつもより短くした制服のスカート。丈は股下指二本。ちょっと下から見られると全部見られる。

 けども、下から覗かれることはなかった。

 

「ひあっ!? そそそそーいうのは先に言ってくださいよ!」

「失礼。拝見してもよろしいでしょうか?」

「…………よろしいです」

「それでは改めて」

「うぅ…………。しゅごく……はずかしいんですけど!」

 

 彼の手は、短くしたスカートの縁を摘まんだ。

 下から覗かれるのも自分でたくし上げるのも恥ずかしいが、彼の手で捲られるのも恥ずかしい。

 椅子より座面が低いソファーに座っていたものだから、彼の顔との距離が近い。ちょっと前かがみになられると息が掛かりそうだ。

 

「あっ」

 

 どこで覚えた技なのか、それともいたって普通の事なのか。捲られたスカートの縁を、スカートのウエスト部に差し込まれた。丈を短くするために折り込んだところも見られて余計に恥ずかしい。

 彼の手が離れてもスカートは下りてこない。自由になった手でまたも腰を掴まれて引き寄せられる。足が彼の足に触れる。近くで見るために上半身が傾いて、太ももに息が届く。

 パンツはブラジャーとセットだ。ブラジャーと同じレースの極薄生地。

 

あンっ

 

 海夢は咄嗟に口を押えた。彼がちらと上を見る。ニヤリと意地悪く笑い、指を動かす。

 彼の指は、パンツのラインをなぞっていた。

 

 角度はかなり急で、穿いてきたTバックとほぼ同じ。来る前にTバックに合わせた処理したのではみ出てはいないはず。

 そこまでは処理をしていないので、どうしても膨らんでしまう箇所が布目から出てしまうかと思ったが、そんな事にはならなかった。やはり魔法が掛かっているとしか思えない。毛でチクチクしなくても極薄。透けて見える。

 髪は金色に染めていても、そっちは黒のまま。ゆっくり進む指が、ちょうどその横を通っている。

 指はどんどん進んでフロントを制覇する。それでもまだ止まらない。

 海夢は普通に立っただけだ。太ももと太ももをぴったり合わせていたわけではないし、逆に大股になってるわけでもない。太ももと太ももの間に僅かな隙間が空いている。そこへ進もうとしていた。

 

「んっ……」

 

 指が太ももに触れ、触れる面積が加速度的に大きくなり、フロントとは違う要因で膨らむところが近くなって、

 

「あっ……、あの!」

「何かな?」

 

 海夢は堪らず声を上げた。彼の手は止まったが、止めたかったわけではない。予想していたことが予想通りになって、わかっていても聞かずにはいられなかった。

 

「ここで借りた服って勝手に綺麗になるんですよね!? 汚しちゃっても大丈夫ですよね!?」

「汚れどころか破けても大丈夫だろうね。試したことはないが燃やしても勝手に補充されるんじゃないかな。それが?」

「それが……その…………」

 

 海夢の顔は、ゴムと口にした時と同じくらいに赤くなった。中々言葉を続けられず、明後日の方向に視線を飛ばす。あのそのと小さく呻いて時間を稼いでも落ち着けない。

 彼からは急かされることも何かされる事もない。海夢の言葉を待っている。海夢は思い切って彼を見たが、一瞬だけで直視できない。

 泣いてしまいたいくらい恥ずかしいが、泣いてしまったら台無しだ。絶対に元の空気に戻らない。

 

「珈琲でも飲むかい?」

「……大丈夫、です。その……」

 

 特濃珈琲の苦さを思い出し、海夢は覚悟した。

 

「パンツ………………。汚しちゃったかも…………です」

 

 クローゼットルームからここまで穿いてきただけである。大した時間は経ってない。少々汗を掻いたが、それとは違う。

 彼の指がなぞった近くを、汚してしまった。

 

「ひゃあんっ!!」

 

 不意に体の真ん中を触られた。

 全くの無防備で覚悟も何もなかったところに、とても敏感な部分を触られた。汚してしまったかも知れないところ。今ので間違いなく広がった。

 パンツのラインをなぞった指が、クロッチの上から押し込んできた。

 

「これで汚したのは海夢じゃなくて私になったね」

「うぅ…………伯爵様のばかばかばかぁ!」

 

 泣きながら抱き着いた。

 濡れた顔をシャツに押し当て涙を拭う。メイクが崩れたかもと思ったが、目元は薄めにしたので気にしない事にする。

 一度だけぎゅっと抱き締められ、体が離れる。海夢からも背伸びした。

 

「あ……んっ……。ちゅっ……。んんっ……あむっ……」

 

 前は薄く開いたところで終わった。今度は最初から軽く開く。

 開いた唇の間から、舌が入ってきた。驚いたが、固まってしまった最初のキスに比べたら余裕がある。恐る恐る海夢からも応え、彼の背中に腕を回した。

 手で触れ合うよりも、温度が溶け合うのがずっと早い。体の内側同士だから、きっと混ざってしまっている。

 彼の舌が海夢の舌をつつき、口内を舐めると動きを止めた。同じことをやれと言われているようで、海夢からも舌を差し入れかき回す。

 強く吸われて舌を吸い出され、海夢からも強く吸う。けども彼の舌だけでなく、ぬめる唾も入ってきた。彼の舌が蠢いて、海夢の舌も絡み、唾は一瞬で混じり合う。

 海夢の細い喉が小さく鳴ると、スカートが床に落ちた。キスをしている間に脱がされていた。これで海夢が身に着けているのは下着だけ。スカートを捲られるより恥ずかしくない。

 しかし、背中を撫でられプツンと開放感があった時は強張った。

 

(外されちゃったーーーーっ!!)

 

 ブラジャーのホックを外された。彼の手が肩を撫でるのは、肩紐を外している。

 抜き取られそうになると、慌てて胸を押さえた。

 

「……ここって広くて、落ち着かないから……」

「エスコートいたしましょう」

「……はい」

 

 海夢はジト目で睨むも効果はない。

 さっきは砕けた口調になったのに、今度は過剰に丁寧な言葉遣い。

 今度こそ間違いなくからかわれている。伯爵様は絶対Sだ!

 海夢はそう確信したが、何も言えずに左腕でブラジャーのカップを支え、右手は彼の手を取った。

 

 

 

 

 

 

 天蓋付きのベッドには紗が降りて、海夢は男を凝視していた。

 自分は脱いだのだから伯爵様も、と訴えた。結果、海夢の目の前で脱いでいる。

 ジャケットとベストはベッドに入る前に。今はワイシャツのボタンを外し、思っていたより逞しい胸板が見えた。腹筋は割れていて固そうだ。スタイルの良さは思った通り。色々コスさせたくなる。

 鎖骨の形が良い。首から肩へのラインは目が離せない。へそが見える。自分のおへそも見られている。

 

「これで海夢と同じになったね」

「ず、ズボンまだですよ?」

「海夢はブラジャーもまだだろう?」

 

 海夢はずっとブラジャーを胸に押し当てていた。手を離せば見られてしまう。

 男が近づき腰を抱かれ、顎に指を掛けられ上を向かされる。顎クイが凄く様になっていて、何度もしてるのだと確信した。けれど、される度に胸が高鳴る。彼の顔しか見えなくなり、他の事を忘れてしまう。だから、自分の腕が落ちたのに気付かなかった。

 

「あっ……」

 

 顔が近付いて、キスをされるのだと思った。彼の目は海夢の目を見ている。なのに、唇が触れ合う寸前、彼の手が胸に触れてきた。

 

「んっ……んん……。あんっ……、っふぅ……。んっ!」

 

 キスは回数を重ねる毎に情熱的になる。吸い方が強くなって舌を捕らえられ、口の中全部を調べられるみたいに舌が動き回る。

 静かになったと思ったら、くすぐるようにそっと触れる。もどかしくて、海夢からも舌を入れた。

 キスを始めてからずっと、胸を触られている。

 始めは優しく撫でるだけだったのが、キスが激しくなるにつれて触り方も強くなる。痛いほどではなかったが、彼の手で形を変えられてる。

 恥ずかしかったり期待しちゃったりで最初から顔も体も熱かったのに、触られたところが熱を持つ。肌を直に触れられ、手のひらから熱が移ってきた。

 移ってきた熱なのか、自分の体が生み出しているのかわからない。確実なのは、ずっと触って欲しいと思う事。

 

「はぁ……ふぅ……。あたしのおっぱい、変じゃないですよね?」

「とっても綺麗だよ。それに……」

「はうっ! ……いまピリッとして……。あんっ!」

「乳首も綺麗な色をしてる」

「うぅう~~~~っ! 超恥ずかしいんですよ!?」

 

 モデルをしているだけあって、海夢の乳房は同年代の平均以上。つんと上向いて形も良い。なお、海夢が生きる日本では女性のバストは年々平均サイズが増しており、海夢はその最先端にいる。

 乳首の色は蛍光色。と言いたいところだが、今は充血して赤みが濃い。揉まれる内に立ってきた。男の親指と人差し指に摘ままれ、くりくりと揉まれている。

 

「ベロニカの衣装を探す時、バストポイントがどうのと言ったのは海夢だろう?」

「あっ! あれは! その……。言ったけど……」

「20センチだったね。海夢の体は全部知ってるよ」

「うぅ……。んっ! あむぅっ……。んっ……ちゅる……」

 

 バストポイントはバストで最も高い位置だ。衣装を選ぶ際に、バストポイント間が重要なものもあった。

 言ってしまえば、乳首と乳首の間。

 その乳首を弄られながら、キスをされれば覚えた動きをしてしまう。触られているのが気持ち良ければ、粘膜同士が触れ合うのも気持ちいい。貪るような吸い付きでなくても気持ちいい。舌と舌が触れ合い、目と目が合えば見詰めてしまう。

 

「あっ!」

 

 海夢の口が緩んでしまった。

 舌と舌を繋ぐ唾液の糸が、思ったより重かったらしい。千切れることなくたらりと垂れて、海夢の突き出た乳房に落ちた。

 

「ひゃんっ!?」

 

 断りなく男が海夢の腰を掴む。ベッドにペタンと座っていた海夢は男の太ももを跨らせられて抱きしめられ、男の顔が胸に埋まった。

 

「んんっ! ……こんなの、エロ……。んっ……んっ……! んっ♡」

 

 エロゲで履修済みの海夢だ。知識だけは色々ある。されているのは知ってる事だが、されるのは当然初めてだ。

 

「乳首、吸うなんて……♡ んぅ……。これ…………いい、かも……♡」

 

 海夢の乳房に垂れた唾を追うように、男は海夢の乳房に口付けた。

 滑らかな肌は舌で舐めても形を変えるほど柔らかく、仄かに甘い匂いがする。白い乳房に唾液の跡をつけながら、バストの一番高いところへ辿り着いた。

 散々責められ勃起した乳首は、吸って欲しいと自己主張しているようだ。

 舌で押せば艶めかしい弾力が返ってくる。舌を吸う時より強く吸い、唇で捕らえて舌で転がす。頭の上からは、海夢の甘い声が降ってきた。

 

「あぁ……、あたし……、乳首吸われちゃってる……♡ おっぱい出ないけどいっぱい吸っていーですよ♡」

 

 さっきまでは見られるだけで悶えていた。今はそれより進んでいるのに、海夢の態度は余裕が出てきた。

 始めは驚きと恥ずかしさが強かった。それが薄れて来れば、体が正直に感じてくれる。それが徐々に育っていく。

 男の顔を胸に抱き、自分から押し付ける。応えるように甘く噛まれて強く吸われ、海夢は腰を震わせた。腰をきゅっと抱かれているのもある。無意識に前後に揺すった。

 海夢は男の太ももを跨いで腰を落としていた。パンツの汚してしまった部分を乗せている。腰を揺すればそこが擦れる。

 

「あっ、やばっ……。でも……、綺麗になるって言ったし。んっ……。あ、あたし…………。エロすぎ、かも……♡」

 

 男の太ももに股を擦り付け汚れた部分を増やしていく。男の体でオナニーをするのと同じだった。

 エロゲをしてるのだからそういったシーンを何度も見て来た。伯爵様とあんな事を、と意識してからは自分の手指を使う事もあった。それなりに自己開発してきた海夢の体は、海夢の求めに応えている。

 

「んっ、あんっ♡ ……うわ、すっごいぬれてる! なんか貼り付いちゃって……。こんなになったことないのにぃ……。ひゃあっっ!?」

 

 腰を振るのに夢中になっていたら、突然ベッドに押し倒された。顔の両脇に手を突かれ、男の顔が間近に迫る。

 

「俺の仕事を取らないでもらえるかな?」

「伯爵様が…………俺って言ったぁ♡」

 

 海夢は恍惚と呟いた。感涙しそうな高ぶりようだ。

 愛欲に上気した顔を近くで見られているのに、恥ずかしがって悶えたりしない。乳首が立っているのも経験がないレベルで濡らしているのも今は小さい事である。

 伯爵様が自分の事を俺と呼んで、キスできる距離から見られている方が遥かに大切。一瞬たりとも無駄にできない。

 

 マンガやアニメやゲーム好きが高じて、コスしようと思ったら一直線だったのと同じである。海夢は夢中になって一線を越えると、越えたままになってしまう。

 思いが行動に直結する。言葉にも出てくる。自分を忘れてのめり込む。好きなものを全力で愛するのだから、恥ずかしいなんて言って無駄な時間を過ごすのは余りにも勿体ない。

 恥ずかしい事はやはり恥ずかしい事ではあるが、それよりずっと大切なものがあるだけだ。

 海夢の素直な気質は皆に愛され、学校では友達が多く、アルバイト先では関係者に可愛がられ同業の仲間たちとも親しくしている。

 

 コスプレを手伝ってもらうたびに高まっていた気持ちは、とっくに閾値を越えていた。隠さなくても良くなった。告白して受け入れてもらえた。

 心を包まれ体を愛してもらって、大丈夫であると確信した。

 あとはもう、飛び込んでしまうだけでいい。

 

「今のあたしメスみがエグくてヤバヤバに濡れちゃってるんですけど雫たんに比べたら……」

 

 黒江雫は海夢が初めてコスプレしたキャラクターだ。エロゲのヒロインであり、作中主人公の性奴隷でもある。作品のタイトルは「聖ヌルヌル女学園~お嬢様は恥辱倶楽部ハレンチミラクルライフ2~」。タイトルから推して知るべきである。

 しかし、海夢は言い止して違うと思った。

 今の海夢は喜多川海夢だ。黒江雫ではない。大好きなキャラクターたちの力を借りるべきではなく、自分自身をぶつけるのだ。

 

「愛が溢れちゃってるんです♡♡」

 

 雫のコスプレをした時以上に輝かしい笑顔を見せた。

 

 溢れてるのは愛液、と男は言わなかった。突っ込むのが仕事でも、突っ込んではいけない時もあると学んでいる。何度も足蹴にされてきたのを無駄にしない。

 俺も愛してると囁いて、唇を合わせた。すぐに離れるつもりだったが海夢から抱き着かれ、たっぷり唾液を交換する。

 キスは海夢の体を下がっていき、顎に首に、さっきまでしゃぶっていた乳首を舐めたら柔い乳房に吸い付く。

 

「あ~~~~っ♡ 伯爵様にマーキングされたぁ♡」

「モデルでここを見せる時はないだろう?」

「ダイジョブです! もっといっぱい着けちゃっても平気です! ……あ」

 

 モデルでベロニカコスをするわけないのだから、下乳にキスマークがついても問題ない。しかし、学校の体育の授業などで着替える時、友達に見られる可能性があった。ブラジャーまでは滅多に外さない。しかし危険性はゼロでもない。やばいと思ったが、伯爵様からのマーキングと友達への言い訳を天秤に掛ければ前者に傾く。

 

「ここだけにしておくよ」

「はっ……、はぃ……」

 

 キスは下がってへその上。軽く吸って舐めるだけで痕は付けない。へその下に来ると、海夢は手で顔を覆った。

 

「うぅ……やっぱ恥ずかしぃ……。これからあたしのおまんこが伯爵様に見られちゃってクリとか触られてあそことか舐められ……なめ…………。クンニはちょっとまだダメですから!」

 

 エロゲで色々履修済みだ。女性器を口や舌で愛撫する事をクンニと言うのは知っていたが、されるのは恥ずかしすぎた。目の保養になってずっと鑑賞していられるあの顔で舐められると思うと、よくわからないものがこみ上げてくる。されたら泣くか死ぬと思った。クンニがクンニリングスの略なのは知らなかった。

 

「それだけ元気なら大丈夫だろ?」

「マジでダメ!」

 

 男は苦笑交じりに返事をして、パンツのサイドで結ばれる紐を引っ張った。レース地でラインはTで透けてる紐パンが、はらりと海夢から剝がされた。

 

「あっ! もう……ホントに……、ダメですからぁ……!」

 

 下着を抜き取り、海夢の股を開かせる。

 

「今日は剃らないで昨日ワックスでやったから剃り跡とかないしクリームも塗ってそれとあとお風呂の後でお腹にちょっとだけ香水つけたから匂いもそんなじゃないはずで」

「ちゃんと綺麗だよ」

「うぅ~~~~~~っ! でも舐めちゃ……」

「それじゃ俺が何してるかわからないだろ?」

「ず……ずるいっ!!」

 

 監視するか、顔を隠して怯えるか。海夢は頑張って顔を上げた。彼が指で触れるところだった。

 

「あっあっ、ホントに、あたしの……」

 

 海夢が勝手に自白した通り、陰毛は綺麗に整えてあった。

 肛門周辺のOラインは元から生えず、性器周りのIラインはちょっぴりで、一番手が掛かるのが恥丘から下腹へのVライン。はみ出ないよう剃るのが基本でも、剃り跡を嫌った海夢はワックスで剥がした。綺麗にしたいところにワックスを塗り、固まったところをペリッと剥がす。処置後のスキンケアが必須だ。

 ただし、残した部分の長さだけは気が付かなかった。

 

「あんまり……、見ないで、ください…………。んっ……!」

 

 触れられたところと指の動きで、広げられているのがわかった。

 

 海夢は15歳の処女で、この春までオナニーの頻度は少なかった。今週は一週間で14歳時での総回数に届いたが、最近の話だし中に入れたりはしていない。

 性器は可愛らしく、脚を広げても割れ目は閉じたまま。指で広げ、隠れたところを暴いた。

 愛が溢れてると言った通りに、内側は潤っている。レース地の頼りないパンツでは吸いきれなかった。海夢の愛液はパンツの外にも滲んで、男のスラックスに染みを付けた。

 クリトリスはまだ小さく、皮を被っている。男は指先で愛液をすくうと、クリトリスに押し当てる。海夢の泣きそうな顔が歪み、んっと鳴いてから右手の人差し指を噛んだ。

 

「んっ……んっ……、マジ……やば……! ほんとに……やばくてぇ……♡」

 

 羞恥の余りに怯えが混じった声が艶めいてくる。左手はベッドのシーツをぎゅっと掴んだが、何かを探すように彷徨いだし、動悸を押さえるように胸に置いた。それが乳房を揉み始め、尖った乳首を撫でるのに大した時間は掛からなかった。

 

「うぅ……、あたし、エロくなっちゃったぁ……。いつもこんなならないのにぃ……。メスにされちゃってるぅ……♡」

 

 自分の言葉に酔ってしまうのか、人差し指に歯型を付けた右手も胸に触れる。男に揉まれ吸われた感触を思い出し、された動きをなぞっている。

 海夢の股では、クリトリスを擦られながらその根元を扱かれていた。小さくて皮を被っていた肉芽は充血して膨らみ、顔を出した。直にされるのは刺激が強すぎるのか、甘い声に混じって時折息を飲む。海夢はオナニーでクリトリスの皮を剥いたことがない。

 

 と言う事を、男は察した。

 海夢は十分感じて愛が溢れ続けているが、痛くない方が良いに決まっている。幸いにも手段があり、実行の妨げになる監視も途切れた。

 

「ひゃっ!? え? え? あんっ! えっ? なに? え? えぇぇえええぇえーーーーーっ! あぁんっ! あっ、なんでぇ……! あっあっ、らめって言ったのにぃ! あっ、らめ、らめなのにぃいいぃいっ♡」

 

 海夢は未知の感触に、体が溶けたと思った。温かくてぬめって柔らかくて、自分の中から尽きない何かを引きずり出されているようで。

 何をされているのかわからなかった。わからなかったから気持ち良くなってるところを見てみれば、自分の股に彼が顔を埋めている。それでもすぐにはわからなかった。

 わかってしまった瞬間に全身が痺れて顔が熱くなり、止めようとするのだけれど体は動かないし言葉も出ない。駄目な事をされているのに抗えず、体の中が暴れている。

 

 海夢はオナニーを覚えて、気持ち良くなったことはあっても達した事はない。画面の向こうでは大好きな雫たんが泣きながら悦んでいたが、過剰な演出とわかっていた。

 それが今、自分の体に同じことが起こっている。

 宙を掻く脚が勝手に強張り、つま先がきゅっと折れる。視界が明滅して体の中で波が生まれる。体の奥で強く疼き、自分の叫び声は聞こえなかった。

 股を舐められ、生まれて初めて絶頂した。

 しばしの忘我から戻ってくると、何があったか思い出した。

 

「うっ……うぅ……。らめって言ったのにぃ……。おまんこなめたぁ……。ぐす……。しゅごいはずかしいのになめられたぁベロはいってきたぁ! しゅごかったけど……らめらったのにぃ!」

 

 男はぐずつく海夢を抱きしめる。

 美味しかったよ、いい匂いがした、感じてたな、むしろイッたろ、などの発言は全てNGである。何度も無神経と詰られてさすがに覚えた。

 ここは誠実であるべきはずだ。

 

「指だと痛そうだったんだ」

「でもぉ……でもぉ……!」

 

 凄く良かったけれど、口でされたら死ぬか泣くかすると思った。現に泣いてしまっている。

 涙を拭いつつちらと見れば、彼の顔がすぐ近くに。あの口で、と思うだけで恥ずかしい。真剣に顔が見れない。幸いなことに中断する気配はないが、このままではわからない。泣いた振りで時間を稼ぎ考えて、雫たんがヒントをくれた。

 

「伯爵様も脱いで! あたしもちんこ舐めるから!」

 

 今度は海夢が男を押し倒す。長い脚の間にペタンと座り、四苦八苦してベルトを外した。

 

 雫たんは性奴隷である。色々なプレイで主人公にご奉仕していた。ご奉仕は最終的におまんこを使われるが、その前段階で、いわゆる前戯での基本があった。

 

「う、うわぁ……。ちんこおっきぃ…………」

 

 怒った振りで勢いをつけ、えいっとスラックスを脱がせば閉じ込められていたものが跳ね上がった。

 海夢がプレイしてきたエロゲは例外なくモザイクが入っている。日本には悪しき刑法175条があった。

 モザイクやらぼかしやらがあっても大体の形を察していた海夢は、修正が入らない男性器を見るのは初めてだ。男の股間から肉の棒が突き出てそそり立ち、先端は半球を斜めにつけたような形をしている。

 ところどころに筋があって長さがあれば太さもあり、海夢が親指と人差し指で作った輪を通れない。

 

「こんなにあっついんだ……」

 

 ぽうっと見入って指で触れ、思い切って軽く握った。

 

「それじゃ……その……。フェラ、します……」

 

 上目遣いで彼を見てから、上半身を前傾させる。長く伸ばした髪が前に流れ、彼の手が優しくかき上げ一つにまとめた。

 海夢は、次は気を付けようと心に刻み、舌を伸ばす。先端に触れ、海夢の唾が付けられた。

 

「ちゅっ! れろ……。えへへ♡ ちんこ舐めちゃった♡」

 

 キスの時よりずっと大きく、サンドイッチを食べた時より少しだけ小さく口を開き、口の中に迎え入れた。歯が当たらないよう気を付けて、ぷるんとした唇で優しく包み、口内の粘膜に逸物が触れる。

 夢中で頭を振った。キスの時より強く吸った。口内に雄の味を感じても離れない。

 

「んっ、ちゅっ……。んっんっ、ちゅる……。こんな感じで、いいですか? あたしのフェラ下手じゃないですか?」

「それで大丈夫だよ。体をこっちに」

「はい? わかりました? えっと……。もっかい……ちゅっ♡ あむぅっ……、んっ……。んっ♡ あんっ♡ あん、らめ……。フェラできなくなりゅ……♡ んっ♡」

 

 正面からのフェラチオが横からになり、海夢の尻に男の手が届いた。

 長い中指を尻の割れ目に沿わせ、さりげなく肛門に触れてからその下へ。

 

「入れる前にほぐさないと」

「そっ……そうです、よね。あっ、あたし、フェラ、します、から……。んんっ♡ はむっ! んーー、れろぉ……」

 

 男の中指は第二関節で曲がり、海夢の膣口を撫で、抵抗なくぬるりと入る。

 中に指を馴染ませる。人差し指と薬指は陰唇を撫でた。愛液が指に絡み、溢れてくる。海夢の陰毛が濡れ、肌に貼り付いた。

 海夢は髪をかき上げ、顔の右へ流している。フェラチオの邪魔にならないようにするためと、口でしているところを男から見えるように。

 

 エロゲではフェラチオが基本で、口に出されるのも当たり前だった。

 何が出てくるか知識はあっても見た事はない。味も匂いも知らないし、食感だってわからない。多分ぬるぬるしてると思うくらいだ。

 でも出してもらったら、飲めると思った。

 

「あ…………」

 

 海夢の股から男の手が離れ、海夢の顔を上げさせる。たっぷりと唾を塗しているところだったから、海夢の口と亀頭とを糸がつないだ。亀頭を濡らした唾はとろとろと流れ、竿を伝っていく。

 

 男は海夢の髪を二つに分けると、体の下に敷かないよう静かに寝かせた。

 海夢はわかった。動機が激しくなってきた。膝立ちにさせられて脚を開かされる。M字開脚だと一瞬だけ思ったが、太ももを押されて足がベッドから浮く。自分の太ももに彼の太ももが触れて、近付いてきた。

 

「海夢は痛いのは嫌だろう?」

「はい! 初めてってすっごい痛いって聞いててでも伯爵様だったら痛くされてもいいんだけど……、あれ、おっきくて……。あたしのあそこあんなに広がったことないし……。ちょっと怖いかなー……って。でも……あたしの初めて、もらって欲しいです」

 

 計画的にデリケートゾーンのお手入れをして、おかしな匂いをさせないように香水も使って、すけすけでエッチな勝負下着を着けた。

 こうなる事を期待してリードされそうだったけど、最初にゴールを設定したのは海夢の方だ。ゴムがどうのと言ってしまった。エッチまでいかなければ必要ないものなのに。

 体は準備が出来てしまった。とろとろになってるのがわかる。奥が疼いてひくついている。

 彼の準備を手伝った。自分のフェラチオがどこまで効果があったかわからないが、固くなって立っている。

 

 男は海夢の危惧がわかっていた。

 種族として肉体が強靭なラムやレムとは違う。人間だけど人間を越えた何かではなかろうかと思わせるダクネスとも違う。海夢は普通の人間で、可愛らしい少女だ。ターニャと同じ方式で行くべきだ。

 

「普通に入れたら痛いだろうが、こーいうものがある。海夢も知ってるね?」

「あ、それ……。ええ……、そんな風に使っていいんですか?」

「使えるからいいんだよ」

 

 男が海夢の太ももを抱えてから取り出したのは赤い液体に満ちた小瓶だ。ここでは赤い飲み薬で通っている回復ポーションは、肉体的な損傷を一瞬で癒す。破瓜の痛みにも有効だ。何度も実証済みである。

 片手で器用に小瓶の蓋を開け、海夢の上で傾けた。

 

「あ」

 

 海夢は下腹に赤い薬が垂らされるのを呆然と眺めた。水よりも粘性が高いようで、ゆるゆると流れていく。

 入れるところから少し離れているけど効果はあるのだろうか。それに下腹部はちょっと膨らんでいるので、赤い液体は流れてしまう。少し窪んだお腹の上に溜まって、残りはシーツが吸ってしまった。

 

「あ゛う゛っ!!」

 

 呆然と見ていたところに、大きな衝撃が走った。体の反射で顎が上がった。

 痛くないらしいと聞いたのに、抉られて切り裂かれる痛み。だけども不思議なのは、痛みが苦しくなかったこと。麻痺して鈍く感じるのではなく、鋭い痛みと奥に響く鈍痛を確かに感じた。痛いのに痛くないとしか言いようがない。それに、痛みが走ったのはほんの一瞬。本当に痛かったのかどうかすらわからない。

 大きな衝撃が抜けて体を見れば、下腹を濡らしていた赤い薬が消えている。下腹の向こうは彼の体が密着して、さっきよりも距離が近い。

 そして、お腹の奥にある圧迫感。おっきすぎると思ったあれが、入ってきたらしかった。

 

「もう……入っちゃったんですか? 入ってるのすごく感じるけど本当に入ってますよね? 思ったより早いって言うか一瞬だったし……」

「ちゃんと入ってるよ。痛くなかったろう?」

「ビクゥッ! ってなりましたけど大丈夫です! 今は全然へーきで痛くないし。……あたし初めてだから優しくしてくださいって言おうと思ってたんですよ? 結構言ってたヒロインいたからあたしも言いたかったのに…………。入れるって言ってくれたらちゃんと言えたのにいきなりだったから言うチャンスなかったじゃないですかっっ!!」

「言ったら海夢は緊張したよ。体の力が抜けてた方が良かったんだ」

「そうかもですけどぉ……。あっ……」

 

 上に乗った男が体を倒し、海夢の細い体を抱きしめた。

 海夢も抱きしめる。肌と肌が密着して、裸で抱き合っている。繋がっている。

 

「あぁ…………!」

 

 海夢は愛の他に想いも溢れて、涙が勝手に溢れてきた。唇でちゅっと吸い取られ、堕ちるってこういう事かと実感した。

 

 

 

 感極まってる海夢は、男の失敗に気付かなかった。

 やってしまった男は不味いと思わなくもなかった。なにせ取り返せない失敗である。が、大きな弊害がない以上、黙っている事にした。

 破瓜の痛みを和らげるために回復ポーションを使ったのはターニャの時と同じである。ターニャは幼く小柄であるため慎重に事に及び、問題は生じなかった。

 回復ポーションを使うところまでは問題ない。問題は、ダクネスを抱いた感触を体が覚えていた事だ。異常な被虐趣味であるダクネスは痛みを好み、望みに応えて一息に奥まで押し込んだ。それと同じことを海夢にしてしまった。

 回復ポーションが効果を発揮している間に痛みを感じる部分を終えてしまおうと急いだのは確かだ。一息で奥まで貫き、そこで止まれば良かったが更に押し上げた。その状態で回復してしまった。

 具体的に言えば、海夢の膣が少し深くなった。海夢が大きいと驚いた逸物が根元まで入ってしまった。失敗しなければ少し余ったはずだった。

 

 男は失敗を嘆くことなく、体の相性がとても良くなったと思う事にした。初めてで深く入っているのに、海夢の体は受け入れている。

 中に馴染み、そろそろ動こうとしたところで海夢が口を開く。

 

「あ……あの……。折角ちゃんと入ったんだから、あたしのおまんこでちんこいっぱい扱いて中にたっぷり濃ゆいの出してくださいっ!」

 

 言ってから顔を紅潮させ、目を逸らした。

 

「だって雫たんもそー言ってたんです!」

「恥ずかしいなら言わなければいいだろう?」

「だって……。マジでエッチしちゃってるってなったら恥ずかしくて……。それに、その…………、う……、動いて、ほしくて……」

 

 処女膜を破られ未通の膣を押し広げられて、奥まで来ている。太さがあるので圧迫感がある。海夢は、自分の体の中に彼の逸物が本当に入れられたのだと実感した。それをもっと感じたい。

 セックスは単に挿入するだけでなく、動かすのだと知っている。雫のようになれるならなりたいし、彼にも感じてもらって気持ち良くなって欲しい。

 

 しかしこれまでどんなお願いでも聞いてくれたのに、今になって初めて渋られた。顎クイされた時と同じ目で見下ろされる。

 

「海夢は散々俺の事をSだって言ってくれたね?」

「うぇっ!? いまそれ出すんですか!?」

「海夢様の意向に沿わない事は致しませんよ。ですから、海夢様のお言葉でお望みの事を仰って下さったらと存じます」

「うぅ~~~~っ! やっぱどSだぁ!」

 

 Sだサディストだとなじるのに、海夢の心も体も蕩けていく。

 腰から下が自分の思い通りにならず、勝手に締め付けて彼を強く感じ、感じた事に驚いて、セックスしている事を再確認する。

 

「いま……すっごいキュンってしちゃってます。おまんこにちんこ入っちゃってるのわからされて、んっ……。あたし、メスにされちゃって、すごくエロくなっちゃって、もっとエッチしたくてぇ……。あっ……んっ!」

 

 潤んだ目で男を見上げ、熱く甘い息を吐く。半開きの唇を舌で舐め、続きを口にした。

 

「あぁ……、やば……! んっ……。キュンキュン来ちゃってるから……、あンッ! だから……、いっぱい……して? ……あっ」

 

 海夢が告白している間も、男は絶妙に動いて海夢の中を探っていた。

 告白が終わると海夢がわかる速さで逸物を引き抜き、同じ速さで戻っていく。奥までは戻らず、膣壁に亀頭を擦り付ける。隙間なく密着する肉ひだがざわめいてくる。

 

「あっあっ……それ……♡ んんっ、ちゅぅっ……、ん……。あんっ♡」

 

 顔が近付けば、最後の距離は海夢が詰めてキスをする。

 上の口で熱心に体液を交換すれば、下で繋がった部分も激しくなってきた。

 

「あんっ♡ やばっ♡ きもちぃっ! あっ、あっ、それしゅきいぃーーっ♡ はいってりゅうぅううっ♡」

 

 破瓜の痛みがなく相性ぴったりの体にされた。

 繋がった幸福感が心に歓喜をもたらして、全身に伸し掛かる重みと欠けた部分を埋められた充足感が追い打ちをする。

 さっきまで処女だった海夢の膣を暴力的な逸物が何度も往復し、海夢の愛液を攪拌した。

 掻き出された汁は小さなあぶくが混じり、男が腰を打ち付けると儚く潰れる。代わりに幾らでも補給された。

 

「あっらめ! はなれないでっ! ぎゅっとがいいっ! くっつくのしゅきなのぉっ! うぅ~~~♡」

 

 男が体位を変えようと体を浮かせば、愛欲に乱れた顔を一瞬で悲痛に染め、全身を使ってしがみつく。

 

「次からは伯爵様の好きでいいから、最初はずっとこうがいい。ダメ?」

「……ダメじゃないよ」

「うんっ♡ んっ、あんっ♡ ……あたし、しゅごいやばくて……。雫たんとおなじになっちゃう♡ ん゛っ! あ゛っ! マジで、やばくて……♡」

 

 体を男に包まれ、心を多幸感に包まれ、海夢は鳴いて泣いてる事を意識出来ない。

 ぎゅっと抱き締め抱き締められたい。けれどキスもしていたい。キスをすると唇でも繋がるけれど、体の密着が僅かに離れる。そんな些細な事で葛藤する。

 二択は男に選ばれ、背中と頭を抱えた腕が肩を押さえた。密着感が強くなり、腰の動きがベッドのスプリングで減衰することなく伝わってくる。

 じゅぷじゅぷじゅぽじゅぽと、卑猥な水音は海夢のあえぎが覆ってしまう。

 

「あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡ メスになりゅぅ、メスにされてりゅぅうう♡ あ゛あぁぁぁぁああ~~っ♡ メスのあなつかわれてりゅうぅぅうう♡」

 

 叫び声が高くなる。海夢は自分が何を口走っているかわからず、感じたままを叫ぶ。

 メスになった海夢の雌穴は快感を貪りながら男を悦ばせようと蠢いて、海夢の意思に寄らずに奉仕する。

 オナニーを覚えてから達した事はなかったのに、開発されきったように何度も達した。浅い波が幾重にも重なって、海夢は恍惚としながら予感した。

 

 とある不死の吸血鬼が、永劫の孤独を癒す、とまで称賛した。

 海夢はちょっと変わってるところがあっても、人間の可愛らしい女の子だ。心も体も飲まれて引きずり込まれ、雫より深いところへ堕ちていく。

 

「あひぃっ♡ くりゅ、きちゃううぅぅうぅ~~~っ♡ あんっ、らめなかでぇぇぇぇぇええぇぇっ♡♡」

 

 しがみつく腕に力が入り、男の脚に絡めていた脚を宙に蹴り上げ男の腰を挟み込む。男の体が離れるのを全力で拒絶した。

 一番奥に自ら迎え、逸物が脈動するのを感じた。

 

「はうぅぅううぅううぅ~~~~~~っっ♡♡ おまんこでちんこピクピクしてりゅ♡ しきゅーにせーえきかけられたぁ♡♡ あひゅうぅう~~♡」

 

 海夢はエロゲで覚えた大好きホールドを無意識で発動し、膣内で射精された。

 脚で捉えて子宮口に亀頭を強く押し付け、どぴゅどぴゅどくどくと男の欲望を吐き出された。

 

 

 

 

 

 

「うわ、すっごいドロドロ! こんなの魔法がなかったらマジ孕んじゃうじゃん。あたし高校生だからまだちょっと早いんだよねー」

 

 海夢は膣から溢れる精液を見て、量の多さに驚きつつも顔が緩むのを抑えられない。

 

「初エッチで中出し……。うぅうぅうううぅう~~~~~~~~っっ♡♡」

「なんだ?」

「うーーーっ♡ うーーーっ♡」

 

 海夢から言語能力が失われた。

 正面からは気恥ずかしいらしい。後ろから男に抱き着き、広い背中に頬擦りをする。猫が匂い付けするような仕草だ。

 匂い付けに気が済んだら、広い背中にキスマークを付けられた乳房を押し付ける。ゆるゆるの顔を銀髪に埋め深呼吸。

 次いで肩に顎を乗せ、耳朶を甘く食んだら耳孔に舌を差し入れる。反対の耳は手を伸ばしてさすり、やはり耳たぶを弄ぶ。

 

 今の海夢をターニャが見たら「一度寝ただけで女気取りか」と呆れ、ラムが見たら「淫乱」と蔑んだ事だろう。

 

 海夢はひとしきりスキンシップを取ったら高らかに宣言した。

 

「あたし、伯爵様の性奴隷になる!」

 

 確信が込められた言葉であった。

 レムが聞いたら言葉では窘めつつも内心で同意し、ダクネスだったら「性奴隷は自分だ!」と主張した事だろう。なんであれ、彼女らが偶発的に遭遇する可能性はない。

 海夢は胸を高鳴らせて応えを待つが、

 

「間に合ってます」

「なんで!?!?」

 

 即座に拒否された。

 これまでは色々なお願いや提案を全て受け入れてくれたのに、明確な拒絶である。さっきも渋られたが、あれはあーいうプレイだ。今のとは意味が違う。海夢は大きな衝撃を受け、隠された事実に気が付いた。

 

「まさかもういるの!? 性奴隷が!!」

「いやそうじゃない。海夢にそんな事をさせられないよ」

 

 性奴隷みたいなのはいる。しかし、奴隷が望むことを察して与えなければならない。形だけはご主人様と性奴隷だろうが、実質は反対である。男は部屋に囚われている以上、どうしてもあちらに主導権を握られてしまうのだ。

 海夢がそうなるとは思えないが、芽を摘んでおくべきだ。

 

「伯爵様だったら何されてもいーよ? コスしてエッチしよ? 伯爵様が好きなの着るから。あたし、エッチでコスしたい衣装が100個あるし!」

「むむ……」

「エッチもいっぱい覚える! フェラの仕方とか、いろんな体位とか、今日のって正常位っていうんだっけ? 教えてもらうだけじゃなくてあたしもちゃんと勉強してくる!」

「むむ……」

 

 押せば行けると察した海夢はここぞと売り込む。

 大好きな雫たんと一緒になりたいし、そーなったらいつでもエッチしてもらえる。コスも出来て一石三鳥だ。

 

「……そこまで言うなら試してみようか?」

「はい!」

 

 海夢はとても元気よく返事をしたが、本気で責められあっけなく失神した。

 

 凄かった事よりも、体力が尽きて眠気が限界に達してしまった。特濃珈琲で目を覚ましても、海夢の体感時間では深夜を越えて夜明けが近い時刻である。色々と無理だった。

 

 寝て起きて美味しいご飯を食べて体力全快になってからまたも責められ、静止の声を無視されて失禁に追い込まれた。海夢は身の程を知った。

 加えて、寝てる間にカラコンを外されていたことが判明。限界の果てを突破し、逃げるように部屋を後にした。

 翌週は訪問出来なかった。

 

 毎週欠かさず来ていた海夢が来なかったことに、男はペナルティが付きやしないかと戦々恐々とノートを捲るが、そのような様子はない事に一先ず安堵する。

 海夢の機嫌を取るために撮影スタジオが作れないか考えた。




吸血鬼はシャルティアじゃありません。彼女は言語化が不得手と思うので

海夢が甘かったため次回中和
間違いなくフェルンの需要は高いと思うが中和せずにいられない
なのでフェルンちょっと先延ばし
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