「ああっ、いやああっ、屈服する──。屈服するから、もっと強く掻いて──」
沙那が逆さ吊りの裸身を激しく揺らして泣き叫んだ。
張須賀は、沙那の股間を筆でくすぐりながらほくそ笑んだ。
あの沙那がついに、「屈服」の言葉を口にしたのだ。
もちろん、そう簡単にこの沙那が本当に墜ちるとは考えていない。いまのは、心の底からの言葉ではなく、ただ、狂わんばかりに襲っている長芋の汁の痒みを癒やしてもらいただけの方便なのはわかっている。
しかし、沙那は知らないのだ。
感情のこもった「
ここまでくれば、沙那を隷属させてしまうまで、いくらもかからない。
あとは、繰り返すだけだ。
張須賀は、再びわざと痒み汁が染み込んでいる股間を避けて、そのぎりぎりの内股を筆の穂先で掃く。
「ああっ、それはないわよ──」
沙那がぶるぶると身体を震わせて声をうわずらせる。
求めている刺激を与えられないことで、すでに沙那も理性を保てなくなりつつあるに違いない。
「そうか? だが、筆で与えられる刺激はそれで精一杯だしな。なあ、お前たち?」
張須賀はわざと筆を股間から遠く離れた膝裏をくすぐる。
「ひゃん」
しかし、たったそれだけの刺激で沙那はまたもや電撃でも帯びたように、身体を跳ねあげる。
「ははは、随分と淫乱な身体じゃないか。弱水の鬼娘がこんなに淫乱な女だと知っていたら、もっと早くこうやっていたぶってやるんだったよ」
張須賀は嘲笑った。
沙那の口惜しそうな歯ぎしりの音が床側から聞こえる。
しかし、張須賀の合図で後ろに立つふたりの兵が同時に尻穴を左右からくすぐると、たちまちにそれが淫らな喘ぎ声に変わる。
「くっはははは、少しは謹まんか。あまりにもだらしないぞ」
張須賀もまた筆で無防備な肉芽を掃いてやる。
「ひああっ、ああっ、ああああっ、あああっ」
前後から股間と尻穴を刺激されて、沙那がいよいよ感極まったように悶え、がくがくと激しく身体を痙攣させる。
どうやら、このまま絶頂してしまいそうな感じだ。
焦らし抜いて追い詰めるつもりだったので、想像以上の差なの身体の敏感さには驚いたが、ここで気をやらせるわけにはいかない。
まだ早い。
張須賀は部下に合図をして、一斉に筆を沙那から離させた。
「あああっ、なんでよおおっ、も、もっとしてったらあ」
沙那が悲鳴をあげる。
「だったら、奴隷になることを心から誓うんだな。そして、俺たちに犯してくれと頼め。そうすれば、痒い場所を徹底的に擦ってやるぞ。俺たちの肉棒でな」
張須賀は沙那を嘲笑する。
すでに全身を真っ赤にして、水でも浴びたように脂汗まみれになっている沙那が後手縛りの身体を小刻みに震わせる。
だが、大人しかったのは一瞬だけだ。
すぐに、再び逆さ吊りの身体を激しく揺すりだす。
痒みに犯されている身体をほんの少しもじっとさせることができないのだろう。
「わ、わかったって、言っているでしょう──。犯して──。犯しなさいよ──。わたしは屈服したと言っているのよ──」
沙那がやけくそになったかのように絶叫する。
張須賀は、開脚で吊り上げている沙那の太腿を力いっぱいに平手で張る。
「ひゃああっ、あああっ」
だが、沙那は痛がるというよりは、むしろ気持ちのいい愛撫でもされたかのように、甘い声をあげて裸身を震わせる。
張須賀は思わず噴き出した。
「なんだ、沙那。叩かれて感じておるのか。やはり、とんだ変態だ」
張須賀は大笑いした。
兵たちも同調して応じる。
だが、沙那は身体を激しく揺すりながら行きを荒げるだけだ。
まあ、無理もないだろう。
いまの沙那には、叩かれた痛みなど、狂いそうな痒みを癒やしてくれるありがたい刺激でしかないはずだ。
「くっ、い、いい加減いして……。いえ、お願い。お願いします。もう許して。犯して──。わたしを犯してください」
すると、沙那がまたもや哀願の言葉を口にした。
見下ろすと、逆さ吊りになっている沙那の顔かららぼろぼろと涙が落ちている。
それだけ、口惜しいのだろう。
張須賀は、沙那を観察する。
いまも、屈服の言葉そのものは口にしたが、首に装着させている隷属の首輪が沙那に隷属を刻んだ気配はない。
張須賀そのものは、呪術師でも、法術使いでもないので、呪術の流れそのものを読むことはできない。それは、さっきまでいた黒風斎が確認することになっていたのだ。張須賀たちの役目は、ただ沙那を追い詰めることだけだったのだ。
ただ、なにを思ったのか知らないが、その黒風斎は、突然に部屋を出ていき戻ってこない。
だから、沙那に隷属が刻まれたかどうかは、観察で確認するしかないが、まあ、それはわかるのだろう。
沙那は追い詰められている。
もう少しだ。
「いいだろう。だったら、証拠を見せてみろ……。脚をおろせ」
張須賀は兵に合図をした。
兵のひとりが壁にある操作具を使って、逆さ吊りの沙那をおろしていく。
沙那の顔が床につき、やがて、完全に鎖が緩んで横たわった。
「ああっ、もう恥もなにもかも捨てる──。が、我慢ならないの──」
床に身体をおろされた沙那が乳房と股間を床に当てて、必死になって床に身体を擦りつけようとする。
だが、足首と足首のあいだを棒が嵌まったままだし、それでは乳房はともかく、股間を床にうまく当てることもできないだろう。
いずれにしても、芋虫以下のあまりもの沙那の無様な姿に、張須賀たちはまたもや笑ってしまった。
張須賀は、沙那の後手縛りの縄に改めて一本鎖を繋げさせて、沙那の身体を引きあげさせる。
今度は沙那は跪いて身体を起こした格好になる。
「舐めろ。俺たち全員の精液を一滴残らず、飲み乾してみせろ。そうすれば、痒みを癒やしてやる」
張須賀は沙那の顔の前に仁王立ちになった。
沙那の顔が歪む。
「さ、先に痒みをなんとかして。そうすれば、なんでもするから」
「だったら、いくらでも身体を揺すってろ。じゃあ、もう一度逆さ吊りだ。おいっ」
張須賀はわざと兵に声をかけた。
「い,いやああ、待って──」
沙那が顔色を変えた。