「よーし、おおーい。お前ら、いまから数名ずつ術を解くからねえ──。だから、この女頭領を順番に犯しなあ。いいねええ」
その宝玄仙が突然に叫んだ。
「はああっ」
孫空女は度肝を抜かれた。
「わ、わたしは参加しませんよ──。見張り──。見張りしてますから──」
一方で、宝玄仙の護衛の沙那という女は、孫空女が呆れるほどの素早さで、どこかに隠れてしまった。
それはともかく、宝玄仙だ。
手下たちに、孫空女を犯させる──?
冗談じゃない──。
「ふざけるな──。冗談じゃないよ。いやだああ──」
孫空女は必死に暴れた。
首を後ろにやると、結界に貼り付けられた男たちが数人だけ、すでに宝玄仙の術で自由を取り戻しているのが見えた。
あの黒髪の巫女──宝玄仙は、孫空女のそばの地面に腰を下ろし、孫空女をちらりと見てにやにやと笑っている。
「おっ、やっと泣きが入ってきたじゃないかい。そうこなくっちゃ、さて、どうするかねえ。……そんなに睨まないでおくれよ、赤毛猿。せっかくだし、愉しい夜にしようじゃないか」
「やめろお。この術を解くんだよ──。この変態──」
孫空女は喚いた。だが、背中にも四肢にも、宝玄仙による法術の力場の術が絡みついていて、四つん這いの姿勢から動けない。
剣で立ち向かうどころか、手を振り払うことすらできない。
なのに宝玄仙の笑い声は軽い。薄いのに底知れぬ、なにかを含んでいた。
「変態で悪かったね。女頭領って、言っていたから、お前の手下なんだろう? だから解放してやろうって言ってんだよ。こんな結界の中で拘束しっぱなしじゃあ、可哀想だしね……。ほら、来たよ」
宝玄仙が手をひらひらと振る。
最初に解放された男たちがずるずると地面を這い出すように、孫空女の周りにやってきた。
三人だ。怯えきった顔をしている者もいたが、あっという間に三人とも目がぎらつくのがわかった。
「へへへ、頭領、すみません。そういうことでして……」
「この怖ろしい巫女様には逆らえませんし……」
「申し訳ないっす」
三人の男の部下たちが孫空女を取り囲む。
孫空女はぞっとした。
「お、お前たち、触るんじゃないよ──。あとでぶち殺すよ──」
孫空女は、四つん這いの身体を暴れさせる。
でも、やはり動かない。
さすがに「金剛身の術」でも、ここまで完璧に刻まれた身体の支配を解くことなど不可能だ。
「さあ、お前たち──この女頭領を慰めておやり。言葉通りだよ。さっきまでお前たちを引き連れて威張り散らしていた赤毛の女頭領だ。今夜は、ちょっと違う立場を味わってもらおうじゃないか」
「ふざけるなよ──」
孫空女は声を荒げたが、男たちはすでに宝玄仙の言葉に背を押されていた。
背後から生暖かい息がかかるのがわかる。
宝玄仙はそれを見て、軽く手を叩いた。
「好きにしていいよ。ただし、加減を忘れちゃいけないよ。あんたらの大事な“元”頭領だからね」
笑い声が、耳に張り付いた。
孫空女は首を振った。情けなく四つん這いのまま……。
「……お前……本当に、なにを考えてんだよ……」
もう悪態の言葉も尽きた。
だが、“元頭領”と口にした宝玄仙の軽口が胸に刺さる。確かに、ここで全員に犯されるようなら、もう孫空女は五行山の盗賊団の頭領などではいられないだろう。
そして、後ろで、男たちの衣の音がした。
男の荒い鼻息。生臭い指先が、背中の裾を引き裂く感触。
孫空女は、奥歯を噛み締めた。
宝玄仙の低い笑いが、耳の奥をくすぐる。
「怖いかい? いやいや、怖がらないでおくれよ。お前は強い女さ。なに、ちょっと身体を張って、部下たちの鬱憤を晴らしてやるだけさ。……ほら、始めな。わたしはしばらくは眺めてるから」
重たい空気の中で、男たちの影が孫空女の腰を押さえつけた。
吐息が熱い。
屈辱よりも先に、背筋を這い上がる恐怖が孫空女を噛んだ。
絶対に、あとで殺してやる……この女も、こいつらも……。
孫空女は心に決めた。
「じゃあ、頭領、申し訳ないっすね」
背中のあたりで、手下たちのひとりの男の操る小さな刃の音がひりついた。
寒気に襟首が逆立つ。
振り向けない首の奥で、孫空女は歯を食いしばった。
身につけている衣服が切り裂かれて、汗をかいている背中に冷たい風が当たる。
「やめろよ……」
声が喉の奥でかすれた。
誰に向けたのか、自分でも曖昧だった。
男たちの荒い息が、背にまとわりつく。
びりびり、と胸布が引き裂かれていく。
破れた布切れが、肩口からこぼれ落ちる。
「へへ……すまねえな、頭領……」
「思ったよりも、いい身体っすね」
「まったくだ。美人なのはわかってたけど、身体もすげえや」
後ろで小さな笑い声がした。
寒気よりも、別の熱が背骨に刺さってくる。
「くそうっ、触るんじゃ……」
言いかけた言葉が、刃の音にかき消された。そして、下袴がお尻で切断されるとともに、両側から手が伸びて、下袴が左右に破り千切られた。
下着もすぐに切断され、ついに股間が剥き出しになる。
「ふふ、手伝ってやるよ」
宝玄仙だ。
身体になにかが入ってくる得体の知れない感覚──。
すると、四つん這いで膝をついていた孫空女の両脚が膝を伸ばして腰が起きあがり、またもやその姿勢で固定された。
「な、なんだよ、これ──」
さすがに、孫空女は焦った、
ただの四つん這いではなく、お尻を高く掲げるような格好だ。孫空女だって、女の端くれだ。これほどの屈辱的で恥ずかしい格好はない。
「くそう──。俺が一番だ──」
横からひとりが押しのけて、孫空女の後ろに張り付く。
男の膝が腰を押さえた。
硬いものが尻の下から女陰の入口に当たった瞬間、孫空女は息を呑んだ。
「はっ……」
声が勝手に洩れた。
そのときだった──。
「こらっ──。お前、いきなり突っ込むのかい。せっかちだねえ。愛撫くらいしないかい──。どきな──」
宝玄仙の声が頭上から落ちてきた。
笑っている。
吐き気がするほど軽い声音だった。
「ひっ」
さすがに、宝玄仙のことは、怖ろしいらしい。いままさに孫空女の股間に男根を突っ込もうとしていた手下が慌てたように腰を引く。
「いくらなんでも、乾いた膣にいきなりは可哀想だろう」
宝玄仙が笑いながら立ちあがる。
「ふざけるな……」
孫空女は呻いた。
しかし、喉がかすれて言葉にならない。そして、懸命にもがくが、やはり身体は四つん這いで高尻の体勢のまま動かせない。
また、男たち三人と宝玄仙は、孫空女の真後ろから、孫空女の恥部を覗き込む位置だ。いや、離れた場所で地面に張り付けになっている部下たちの視線も孫空女の後ろにある、
その羞恥と屈辱で、股間の奥にじわじわと熱が集まる気がした。
「まあいいさ。お前たち……。一度、離れな──」
宝玄仙が手を払うように指を動かした。
「うわっ」
「ひっ」
「どわっ」
途端に、孫空女の腰に圧し掛かっていた重みが跳ね飛ばされた。
後ろで小さく地面に転がる音がした。
男たちの呻き声が遠ざかる。
「さて、赤毛猿……。逃がす前に刻んでやるつもりだったけど、男たちに犯されるのを愉しめるようにしてやるよ」
宝玄仙が孫空女の真横に位置する。
今度は、なにをされるのか……。
さすがに、ぞっとする。
「なっ、なに……するつもりだよ──?」
唇が震えた。
背筋の奥の熱が籠る。
「先に準備さ。お前を楽しませてやるんだよ。泣いて感謝するんだねえ。そもそも、お前、さっきから、文句が多いんだよ。わたしたちを襲おうとしたってこと、忘れてんじゃないだろうねえ。襲撃をして失敗すれば、返り討ちに遭う。それくらい覚悟しときな」
「ううう、くそうっ──。殺せええっ、もういい。殺せばいいだろう」
「ははは、殺しはしないよ。だが、死ぬほど気持ちがいい思いならさせてやるよ」
宝玄仙の指先が、背中の肌すれすれに宙をなぞった。
「うわっ」
その刹那、背骨の奥に熱が突き刺さる。
それは針の痛みではなかった。
皮膚の裏側を火で撫でられるような、ぞっとする灼けつく熱さ──。
「っ……やめ……」
声が勝手にこぼれた。
腰がわずかに震える。
背中の奥の熱は、溶けて広がるほどに、みぞおちや脚の付け根を疼かせた。
「面白いねえ。痛みが欲しかったかい? 残念だったね。淫紋は痛くはないんだよ。……それどころか、灼けるみたいに身体を疼かせるのさ。」
宝玄仙の笑い声が頭のすぐ横に落ちた。
熱が胸の奥まで滲んでいく。
息が荒くなるのがわかった。
自分の身体が、どこまで勝手に熱に震えているのか、それがわかるのが悔しかった。
「いん……もん……?」
いんもん……って、なんだ……?
だが、身体が熱い……。
股間が……いや、全身が疼く……。
肌という肌から汗が噴き出し、開いている脚の中心から、つっと愛液が垂れ落ちるのがわかる。
なにもされてないのに……。
孫空女は狼狽した。
「ほう……。これは、もともと人一倍、敏感な身体のようだねえ。だったら、淫紋の刻みは効くだろう? お前を色情狂にする法術の紋様だ。それを身体に刻んでやる」
「身体に刻む?」
「ああ、そして、身体の熱さを解除するには、この宝玄仙に定期的に術で疼きを緩和してもらうしかない。つまりは、もうお前はわたしから離れられないということさ」
宝玄仙の指がまだ宙を撫でている気配がする。
術を刻んでいるのは背中だが、そこから、奥に奥にと、なにかが体内に浸透していくのを感じる。
「うわっ、やめて──やめてよお」
孫空女は首を横に振った。
だが、熱は背骨から離れてくれない。そして、その熱が下腹部に集まっていく。
背中を這いずる灼熱は、どこまでも下腹に落ちていった。
そして、いまこそ、わかった。いんもん……というのは、淫紋だ。
自分の身体がとんでもない状態に作り変えられようとしている。
浸透していく宝玄仙の法術を感じながら、孫空女は今度こそ、心からの恐怖に囚われた。
「ふふ、もうちょっとだよ。我慢しな」
宝玄仙だ。
背中の奥を、なにかが最後の鍵をかけるように熱く貫いた。
灼ける痛みではない。
ただ、全身の奥が、骨の髄まで震えを溜め込んでから一気に解き放たれたようだった。
「はあああっ──」
声が喉奥から洩れた。
足首から肩まで、血管の奥がちりちりと疼き立つ。
息が苦しいのに、腰の奥が勝手に跳ねた。
「よし……終わったよ。これでお前の身体は、わたしの淫紋持ちだ」
宝玄仙の声が笑いを含んで降ってきた。
その声を背で受けた途端、孫空女の尻の奥に誰かの手が触れた。宝玄仙の指だ。
「ひんっ」
これが淫紋というものの効果なのか、噴き出し続ける熱のせいで、皮膚が擦られるだけで、孫空女の腰は勝手に弾んだ。
「おい、お前ら──ほら、もう一度慰めてやんな」
宝玄仙の指が、周りの空気を叩いた。
すぐ背後で男たちが吐息を荒くした。
「へへ……頭領、さっきは邪魔されたけど、今度は最後までだ」
ぐいと腰を押し当てられた瞬間、孫空女の口から短い声が漏れた。
「ひあああっ」
なにかが背中から下腹に引き抜かれるように、奥がびくんと痙攣する。
「や……やめ……て……」
声の端がかすれた。
だが、手下の男の怒張は、孫空女の膣に挿入していっている。
すでに完全に濡れている孫空女の股間は、まったく抵抗なく男の怒張を受け入れていく。ずぶずぶともう膣の奥に押し込まれた熱の塊が、孫空女の理性を舐め取っていく。
凄まじいほどの快感が孫空女の理性を灼く。
「ああ、いいいいっ」
自分でも信じられないような甘い声が口から噴きこぼれた。
「ふふ……気持ちいいだろう? お前の身体が自分から求めるんだよ……。これが淫紋の力だ」
宝玄仙の笑い声が遠くに霞む。
腰の奥を掻き混ぜる男の動きに合わせて、孫空女の脚が震えた。
──嫌だ、嫌だ──。
なのに、喉奥で言葉が消えた瞬間、律動が始まり、背骨の奥がなにかで再び弾けた。
自分の声だと信じたくないほど甘い吐息が唇から溢れる。
「んああっ……あああ……っ……」
尻を掴む男の手が乱暴に動き、孫空女の奥を突きあげる。
快感が飛翔し、気がつくと孫空女は全身を突っ張らせてがくがくと身体を痙攣させていた。
絶頂してしまった。
だが、律動は続いている。
あがりきった快感がさがらないまま、そこから、またもや快楽が飛翔する。
「いやあああっ」
孫空女は吠えるように声をあげた。
再び、全身を突っ張らせる。
「く……出る……っ」
一方で、男が吐息を荒くして呻いた。
熱いものが膣の奥にぶちまけられると、孫空女の視界が一瞬だけ白く弾ける。
「くあっ」
膝が崩れそうになったが、術の力場が四つん這いの形を固定する。
奥から、汗と何かが混ざった生温い感触が垂れていく。
「どけ。次は俺だ──」
吐息と一緒に別の男の足が背を踏むように押し付ける。
さっきの男が尻から離れると、すぐ別の硬いものが女陰に叩き込まれた。
「ん、んぐうううっ」
声を噛んでも止まらない。
膝の奥が痙攣し、股の奥が疼いて疼いて熱い。
「堪んねえや」
「くそうっ、こっちもっす」
横から別の男の手が身体の下から孫空女の胸を掴んだ。
ぐりぐりと乳房を揉み潰され、親指で乳首を弾かれる。
しかも、左右から別々の手──。屈辱感がせり上がる。
「おお、すげぇ……すぐ締まる……」
また、二人目が孫空女を背後から犯しながら泣くような声をあげた。
「はああ……あああっ……や、やめええ──」
必死に嬌声を噛み潰したのに、奥がまた弾けた。
全身が突っ張り、またしても絶頂する。
快感が骨の内側で湧き上がって、声が掠れて嗚咽に変わる。
そして、また奥で生温い液が叩き込まれた。
乳房を揉んでいた手がずるりと離れ、男がどっと息を吐く。
「もう一回だ……。俺がもう一回だ……」
「待つっす。俺の番がまだっすよ」
最初に終わったはずの男が、孫空女の尻を乱暴に掴んだ。争った気配もあったが、三人目は殴られて突き飛ばされたみたいだ。
またもや、男の怒張が膣の奥に叩き込まれる。
「くあああっ」
目の奥が白く染まる。
そして、律動──。
あっという間に、またもや絶頂寸前に追い詰められる。
「んあ……っ、く、あ……っ……」
すると、いまだに宝玄仙の術により、地面に張り付けられていた男たちがどっと騒ぎ出した。
「ふざけるな──。順番だろ、順番だぞ──」
「俺たちの番だ」
「ひとりで何回もするんじゃねえよ」
顔や胴体を地面に密着させたまま、大勢の手下たち怒声をがなりたてる。
「いいじゃねえか、先にやったって……。頭領の膣は、よく締まって、しかも、濡れ濡れで気持ちよくってしょうがねえんだ」
いま犯している男が腰を振りながら高らかに笑う。
すると、宝玄仙の笑い声が、突然にひときわ高く響いた。
「ははは、わかった、わかった。全員解放してやるよ。とにかく、順番だ、お前たち──。欲張るんじゃない。その代わり……わたしも相手をしてやるから」
孫空女の視界の端で、宝玄仙がぐいと誰かの腕を掴む。
孫空女を犯すために待っていた男を引き寄せ、宝玄仙の方へ引っ張っていく。
「ほら、わたしのところにもおいで。赤毛だけじゃなくて、こっちでも好きにしていいから」
宝玄仙が腰の衣服をすっと脱ぎ落とすのが見えた。
長い黒髪が月明かりに濡れて、艶やかに揺れる。
そして、背後で地面に張りられていた男たちが一斉に解放されて、立ちあがる気配がした。
「おい、ほんとか──?」
「じゃあ、俺はあっちだ」
「俺は頭領だ──。お前、さっきやったんだろうが──。どけええ──」
拘束を解かれた男たちが、声を荒くして孫空女と宝玄仙に群がってくる。
そして、全身に大勢の手が一度に伸びて愛撫される。
「ひああああっ」
孫空女は奇声をあげてしまった。
誰かの手が脚を掴み、誰の指が背を撫でる。乳房も乳首も──、律動を続けられている股間にも複数の手が伸びる。
一気に快感が爆発する。
もう、なにもわからない──。
孫空女は声を堪えても、喉奥から漏れる呻きと熱が、止められなかった。
一方で、孫空女の横では、数名の男に群がれている宝玄仙が自ら装束を脱ぎながら、男たちを受け入れている。その愉しそうな様子に、孫空女が腹が煮えるような気持ちになった。
息が喉の奥で引っかかる。
自分の声か、誰かの声か──。
耳に届く低い呻きが重なって、頭がどこか遠くへ沈んでいく。
「んあああ……ああっ……ああっ……」
熱い何かが、また奥を擦る。
誰の腰か、もうわからなかった。
背中の下から叩きつける重みと、尻を押さえる手の荒さだけが指先に残っている。
「はああ……やああ……だ、だめええ……」
舌が回らない。
声を吐くたびに、奥の熱がまた揺さぶられる。
視界の端が白く滲んだ。
乳房を掴む手が乱暴に潰すように揉む。
乾いた唇の奥から、勝手に声が漏れた。
頬に跳ねた汗が、誰のものかすら、わからない。
「へへ……まだ締めやがるぜっ」
誰かの息が首筋を舐める。
腰の奥でまた弾けた。
もう何回目の絶頂かもわからない。
ただ、脚が痙攣して、術の力場が無ければ崩れ落ちていた。
ちらと目の端に黒い髪が映った。
宝玄仙──。
月明かりの下で、長い黒髪を乱して、男たちに囲まれている。
腰を開いて、何人もの手が宝玄仙の尻と胸に群がっていた。
「ほら……もっとだよ……。ああっ、いいよお──」
宝玄仙の声が笑いと嬌声を混ぜて揺れる。
女のものとは思えない湿った吐息が、孫空女の耳まで届く。
宝玄仙の脚が誰かの腰に絡んでいた。
男の呻き声が一緒に混ざっている。
……あいつ……なにを……。
声にならなかった。
背後でまた誰かの指が腰を開く。
押し込まれた塊が、熱く膣を押し広げる。
「おお……頭領……気持ちいいぜええ……」
低く笑う声が響いた。
背中を抑え込まれて、尻の奥まで突き上げられる。
宝玄仙の笑い声が遠くに滲んだ。
「ははは、存分にやりな。淫紋は最大減に活性化させてるからね」
男の群れが宝玄仙の腰を抱えている。
宝玄仙の口が誰かの怒張を咥えていたが、それをちょっとだけ離して、孫空女に群がっている男たちに声を掛ける。
しかし、またもや、弾ける──。
絶頂感が孫空女を突きあげってきた、もう際限がない。
「くふううっ、またああっ」
孫空女の脳裏で、またもや烈しいものが白く弾けた。
「あっ、はああ──」
呻きは声ではなく、喉奥から泡立つ。
尻の奥が火を吐くみたいに痙攣した。
意識がまた一度、暗いところに沈む。
横で宝玄仙の笑いが響いている。
なにかが頬を叩いた。
生温い汗の飛沫だったのか、それとも自分の涎だったのか。
孫空女は微かに目を開いた。
どうやら、いつの間にか意識を手放したのか……。
それで、手下の男たちの誰かが、孫空女の頬を張ったみたいだ。
畜生──。
絶対にあとで殺してやる──。
でも、視界が霞んで、誰なのかよくわからない。
四肢を地面につけて腰を高くあげたままの身体は、いまだに犯され、大勢の男たちに群がられる感覚が残っていた。
「……んああ、あ……」
舌が喉奥で動く。
声にならない。
背中から尻にかけて、誰かの手が滑った。
膣の奥に何かがまだ打ち込まれている。
男の荒い息が腰の上に降っていた。
「あああ、締めつけるうう──」
いま、孫空女を犯している男が感極まったような声をあげる。
孫空女の背を抑えられて、腰が突き上げられるたびに、息が浅く千切れた。
熱が全身でどくどくと滲む。
目の端が月明かりを映した。
ちら、と黒髪の影が揺れた。
宝玄仙だ──。
男たちに胸を揉まれ、尻を押さえつけられながら笑っていた。
腰を開いて、何人もの荒い息が宝玄仙の白い尻を覆っている。
「ふ……ん……まだまだだよ……。おいで……。ほら、お前も、口でしてやろうか……」
宝玄仙の笑い声が、遠くで水に滲んだ。
「はあ、はあ、はっ、はっ、はあああっ」
孫空女の喉奥からは、かすれた呻きが漏れた。
尻を抑える手が滑り、別の手が乳房を掴む。
指が乳首を弾いた瞬間、腰の奥で快感が小さく弾けた。
脚が震える。
だが、力場の術は孫空女の膝を地面に縫いとめていた。
生ぬるい汗と唾液と、奥から流れ出した何かが脚の内側を伝って落ちる。
重い瞼をもう一度閉じた。
唇の奥で、小さく声を噛む。
──殺してやる。
必ずだ──。
この女も、この男たちも。
背骨の奥に残った疼きだけが、まだ孫空女の意識を繋ぎ止めていた。
月は雲に隠れたまま、夜は長い。
孫空女の四肢は、まだ地面に縫い付けられていた。
その小さな呻き声を、宝玄仙の笑い声が呑み込んでいった。