深い夜が染み渡っていた。しかし、燭台の灯りが、まだ興奮のさなかにある広間を明るく照らしている。
刻限はすでに後更──夜はとっくに半ばを過ぎていた。
広間に満ちているのは、獣じみた喘ぎ、途切れ途切れの嬌声、幾度も絞り出された悲鳴、そして凄まじいまでの陵辱の臭気だった。
一方で、四肢を欠いた孫空女の躰は、すでにぐったりと項垂れている。
けれど、その孔だけは、なおぬめりを失っていなかった。
「ひ、ひいっ、も、もう、ゆるし……うっ、うきぃ、うきいっ……」
いまの順番の男に貫かれながら、ぐずぐずに崩れた声がまた漏れた。
手足のない胴体がそり返り、ぶるぶると孫空女の身体が痙攣する。
それを見て、周囲から野太い笑いが起きる。
「ははっ、また達しやがったぜ。今夜だけで何回目だ、姫猿様よお?」
「五十回は下らねえな。さすがだよな、頭領。啼かされるときも一流だ──。こんなに狂いいきしてるのに、よくも体力が保つもんだぜ」
「まあ、腐っても元頭領ってことじゃねえのか」
「腐ってやしねえよ。手脚がねえだけだ。肌は瑞々しくてかってらあ」
「違えねえ──」
孫空女のまわりに群がった手下たちが、興奮の嘲りを交互に浴びせかける。
だが、孫空女にはもう抗うそぶりはなかった。
ひたすら、大勢の男たちから、寄ってたかって陵辱され続けているだけの存在だった。
「うああぅ……っ、んぁ……んふううっ、あっ、ああ……」
何度も失神し、水をぶっかけられて目を覚まされ、また嬲られる──その繰り返しのなかで、孫空女の声はすっかり雌に変わっていた。
「どうした、もう締まりもねえのか? あんなに俺たちを殴ってきたくせによ」
「なあ、誰か覚えてるか? この女にぶん殴られなかったやつ」
「いるかよ。幹部全員、一度はやられてんだろ。こいつの拳、まるで鉄だったぞ。歯が三本折れたんだからな、俺はよ……」
「それがいま、こんなだぜ。ほれ、泣け泣け、姫猿さまぁ」
いま犯している男が、孫空女の赤髪を掴んで引き上げた。
髪は汗と精でぐしゃぐしゃに濡れていて、まるでぼろぼろの縄のようだった。
仰向けの体勢で、胴と頭だけになった孫空女が、性器を突き刺したまま抱き上げられる。
胴の下から、肛門に刺さった「猿の尻尾」が、ぴょこんと柱に浮かび上がった。
あれもまた、御影という五行山の“客人”が持ち込んだ法術の淫具だ。
外に出ている尻尾を刺激すれば、肛門内の張形が変形し、同じ刺激を奥へと返す仕組みになっているらしい。
それを知った手下数人が、面白がって尻尾を無造作に掴み、くにゃくにゃと揺すり摩った。
「ひああああ、ああああっ」
尻尾を擦られ、仰向けの体勢のまま性器を貫かれていた孫空女が、首を折れんばかりに仰け反る。
肛門の内側に伝わる張形のうごめきが、内奥を抉るように嬲り上げているのだ。
何度も繰り返されたその刺激に、孫空女がまたもや、火を噴くような悲鳴をあげた。
「おっ、おおっ、いいぜ、締めつけやがるぜ──」
いま犯していた男が、喜悦の叫びをあげ、数度腰を打ち込む。
そのまま、そいつは射精したようだった。
満足げに孫空女の躰を突き放すと、膣口からどろりと、精液と愛液が混じった白濁がこぼれ落ちた。
「はあ、はあ、はあ……」
床に転がったままの孫空女の唇は、半開きに崩れていた。
だが、濁った瞳は、まだ焦点を持っている。
しかも、それは──怒りと、憎悪を孕んだまま、真っすぐに眼看喜を見据えていた。
──それが、たまらなく、いい。
眼看喜は、酒の香を鼻に抜きながら、唇を歪めて嗤った。
「次は俺だ。ほらよ、もうひと突きだ。奥まで感じな、姫猿」
すぐさま、次の男が孫空女を抱き起こす。
今度は対面座位──。抱き合うようにして、男根を孔へと押し込んでいる。
ぐちゅり、と粘音が広がり、孔から再び白濁がはみ出した。
「や、やめ、やめて……ぅ、うっ……、んきぃぃ、ううっ──」
「ははは、また鳴いたぜ。もう猿の鳴きまねすんのが板についたなあ、頭領」
「それにしても、そろそろ三巡目も終わるってのに……まだこいつ、毀れきってねえのか?」
「毀れて堪るかよ──。誰か、また尻尾をやってくれ。あれで締め上げるのが一番気持ちいいんだ」
「よしきた」
孫空女の背後から、また尻尾が撫でられはじめる。
「うひゃっ、いやっ、ひっ、やっ……そこ、や、やあ……っ」
孫空女の声が裏返る。
尻尾の揺れは止まらず、肛門の奥で淫具がまたうごめき始める。
「ぅひいいっ、うっ、うっうぅぅっ……や、やあ……ああぁ……」
嬌声とも悲鳴ともつかない響きが、再び広間を満たした。
誰もが、それを笑いながら聞いていた。
そして、孫空女がまたひとつ絶頂に達した。
男もまた、種を流し込んだ。
孫空女の躰を放り捨てるように離れ、男根を抜く。
「ぐああっ、ああっ」
受け身もとれぬ躰が、床に落ちる。
ごん、と音を立てて、頭を石の上に打ちつけた孫空女が、顔をしかめた。
「おい、ところで、さっきから……猿語以外、喋ってやがるよなあ?」
眼看喜は、酔いを押し込めて言った。
孫空女の肩がびくりと震えたのがわかった。
手下たちがわっと声をあげる。
「どうも……ずいぶん汚ねえ鳴き声になったなあ。なあ?」
「確かに、確かに」
「そういえやあ、人間に近い雌声をあげてやした」
誰からともなくそういう声が返る。
眼看喜は指を鳴らした。
すぐに数名の手下が顔を見合わせて、広間の隅へ駆け出していく。
「……また、あれですか?」
男たちの間に笑いが漏れた。
しばしの間をおいて、がらがらと重たい音を引きずりながら、水を満たした大樽が戻ってきた。
樽の縁から冷気が立ちのぼり、水面がかすかにゆれている。
「さあて、姫猿さま。お清めの時間だぜ」
眼看喜がそう言ったとき、孫空女の顔が青ざめた。
「き、きいっ、きいきいっ、きいっ──」
猿の鳴き真似を必死に口にする。
声が上ずり、喉の奥から悲鳴のように漏れ出ていた。
そして、涙と鼻水にまみれた顔を、横にぶんぶんと振る。
「おいおい、なんだよ。ちっとは猿らしくなってきたじゃねえか」
「でも遅ぇよ。声が違ったってのは、もう皆が聞いてたろ?」
「うんうん。じゃ、儀式といこか」
返事も待たず、数名が孫空女の躰を担ぎ上げる。
ずるりと持ち上げられた裸身──頭と胴体しかないその身体は、もはやぬるぬると精に濡れていた。
「やっ、や、やめろおお──」
孫空女が絶叫した。その声には、確かな恐怖と哀願が込められていた。
「猿語以外に喋るなと言ってんだろうが──。構やしねえ──。頭から突っ込んでやれ──」
眼看喜は怒鳴った。
手下の男たちは、抱えあげた孫空女の手脚のない身体を逆さまにすると、ずぶりと頭から水樽へと突っ込んだ。
ばしゃっ、と大きな水音が響く。
四肢のない身体が、樽の中でもがく。
水面が盛大に揺れ、跳ね、泡が立つ。
「おい見ろ、必死だぞ」
「尻で必死で水掻いてやがる」
「はははっ、泳げない猿って、沈むしかねえのか?」
水面のなかで、孫空女の背が揺れ、躰がばたつく。
だが、それも長くは続かない。
もがく動きが弱まり、しぶきが少なくなり──やがて、水面が静かになっていく。
男たちの笑い声も止まる。
ひとりが前屈みになって、水中に手を突っ込んだ。
「そろそろか?」
ずるり──と、そいつが孫空女の赤髪をつかんで引き上げる。
「ぶはっ……ごほっ、ごぶっ……はあっ、はあっ……」
孫空女が頭から引きあがる。
盛大に息をして、水に濡れた顔からは目が大きく見開かれたままだ。口を開き、よだれを垂らし、荒く荒く呼吸する。
喉を掻くような音が、しばらく続く。
「……あれ?」
「いまの、猿声じゃなかったよな?」
「違ったよな。なあ、姫猿様よ──」
すでに返事など待っていない。
また別の男が孫空女の後頭部を掴み、なんのためらいもなく──。ずぶん、と再び水樽の中へ突っ込んだ。
孫空女の裸身が逆さにされ、頭から水樽に突っ込まれる。
「おかわり入りまーす」
誰かが、間延びした声で言った。
それを合図にするように、水面が派手に波打ち、空気を求めて蠢く肉体が、ぶくぶくと泡を立てはじめる。
「……ほら見ろ、まだ暴れてんぞ」
「さすが、姫猿様。水の中でも抵抗だけは一流だぜ」
「いやいや、見ろよ。さっきより動き鈍ってる。これ、沈む猿じゃねえの?」
「そろそろ、魚と喋れるんじゃねえか? “きいきい”じゃなくて“ぶくぶく”ってな」
水樽のふちを囲んだ手下たちが、げらげらと笑い合う。
だが、その笑い声を打ち消すように、孫空女の胴がばたんと樽の側面にぶつかった。
ぎし、と木樽が軋む音──。
尻の辺りが跳ね、浮かびあがるほどに震える。
その直後──ぴくん、と尻尾がひときわ跳ねた。
水中で、尻尾の根元が引かれたのだ。
「おっと、忘れてた。このおもちゃ、水でも使えるじゃねえか」
「沈めたまま、いじってみようぜ。なあ、動くか試してみよう」
男の一人が水に腕を差し入れ、尻の奥へ刺さった淫具の柄をぐにりと捻る。
もう一人が根元を揉み擦ると──。ごぽ、と大きな泡がひとつ浮かんだ。
まるで、呻きが水に変わったような、泡だった。
「おお、出た出た。ほら、魚語に進化してきたぞ」
「じゃあ次は……沈黙語ってやつか?」
その言葉とともに、水面の揺れがゆっくりとおさまりはじめる。
尻がもう動かない。泡も出ない。ぴくりとも震えない。
数秒の沈黙が、広間に落ちる。
「……姫猿さま、寝たか?」
「それとも、悟り開いた?」
くすくすと、気の抜けたような笑いがあがった。
「──ま、どっちでもいいけどな」
眼看喜が酒をひと口飲み、肩を竦める。
その背後で、水をすくっていた男がようやく手を伸ばす。
「……さて、そろそろ引き上げるか」
ざぶ、と水音が立ち、赤髪が水面を割って現れる。
水を滴らせた顔が、ぴくりとも動かないまま引き上げられる。
唇はだらしなく開き、鼻の奥からは水と気泡がゆっくり溢れていた。
「──おい、まさか……」
男の声が、一瞬だけ強張る。
だが次の瞬間──。
「うぶっ、ごふっ、はっ……ごぼっ……がはっ……」
孫空女の喉から、吐き戻すような音があふれ出た。
目を見開き、苦しげに咳き込みながら、肺の奥の空気を必死に求める。
口から大量の水が涎とともにこぼれ落ちた。
「はあ、はあ、はあ……き、きい……きいっ……きっ」
荒々しく息をする孫空女が必死の様子で猿の鳴き真似をする。
眼看喜だけでなく、全員が爆笑した。
「──あ、やっぱ、生きてたな」
「くくっ、すげえ……魚語と猿語──やっぱり頭領だぜ」
「名物だな、魚語も喋る姫猿様だ」
孫空女の顔が蒼白のまま、水垂れたまま、樽の縁に突っ伏していた。
肩がひくひくと震え、息を吸っているのか、泣いているのかもわからない。
「たっぷりと水を飲んだから、元気になったろう。だが、冷てえばかりじゃ気の毒だ。今度は火責めといくか。犯しながら、蝋燭でも垂らしてやれや」
眼看喜の言葉に、手下たちが歓声をあげた。
「おお、きたか、垂蝋だ」
「さすが眼看喜頭領、遊び方が粋でいらっしゃる」
「そこの灯台のを使えばいい。真新しいやつだ、油蝋の白いやつだぜ」
すぐさま数名が動き、燭台の上の蝋燭を一本、火を絶やさぬまま取りはずす。
そして、再び孫空女の身体が持ち上げられた。
「さあ、姫猿様。これが今夜のご褒美だ」
「じゃあ、俺はまずは、姫猿を使わせてもらうぜ」
ひとりが対面座位で体勢で膝の上に孫空女の胴体が跨がらせる。
「う、うっ……うきぃぃ、ううっ──」
四肢のない胴が男根に深く沈み込まれると、孫空女の喉が無様に啼いた。
すでに理性も半ば崩れたその鳴き声に、周囲の男たちがわっと笑う。
「やべえ、最初から猿語で啼いてやがる」
「よっぽど水が怖かったんだな、こいつ」
「さあて──そろそろ、お熱いの、いきまーす」
蝋燭を手にした男が、真上に構える。
灯心にたゆたう炎が、白蝋をじわりと溶かしていく。
とろり、と一滴──。
それが、孫空女の乳房の尖端に落とされた。
「ひぎっ──……う、きぃっ、きいいっ」
反射的に突き出した絶叫を、必死に猿の鳴き声へと変える。
口をひくつかせ、喉を震わせ、全身を痙攣させながら、孫空女が己に課せられた「規律」を守ろうとする。
「はははっ、すげえな、あいつ。蝋落とされて、悲鳴を猿に変えたぞ」
「お行儀いいじゃねえか。そのまま見世物にして売れそうだぜ」
「いっそ、お城の見世物小屋に送ってやるか?」
口々に笑う声のなか、また──ぽとり。
二滴目の蝋が、今度はもう片方の乳首に垂れた。
「んぎっ、んひぃ……うき、うっ、うううっ」
声が裏返り、唾が飛び、涎が垂れる。
だが、鳴き声は──崩れながらも猿語を保っている。
「すげえよ、やっぱ姫猿は根性が違う」
「けどよ……いま、ちょっと感じてなかったか?」
「え?」
ふと、誰かが言った。
その言葉のとおり、孫空女の乳首は、熱に潰されながらも、こりこりと膨らんでいる。
男根をくわえた膣孔も、ぐっと締まりを増しているのがわかる。
「おいおい……感じてんじゃねえのか?」
「おい、お前、腰振ってみろ。どれだけ締めてるか試せ」
「うおっ……な、なんだこれ、さっきより締め上げてやがる……。やべえ、これ……」
「ほら、やっぱり、感じてんだよ」
ざわりと、空気が変わった。
蝋燭を持っていた男が、今度は意識的に三滴目、四滴目を立て続けに落とす。
白い蝋が、孫空女の柔肌を焼くように垂れ、乳房を赤く染める。
「うきぃぃぃっ、うう、うううっ……っ、きっ、きいいいっ」
絶叫がもはや叫びにも悲鳴にも似ず、歪んだ猿語へと変わり果てていく。
それを見た男たちが、爆笑した。
「どうした、姫猿。熱いのが好きか?」
「この変態雌猿が──。いま、膣が痙攣してやがるぞ」
「おい、乳にまだ落としてやれ。どこまで感じるか、試してやれよ」
「よっしゃ、もっと蝋持ってこい。何本でもな──」
さらに火が、追加されていく。
孫空女の胸が、熱と痛みと快感に、わなわなと震えながら、ぴくぴくと跳ねている。
そして、嗤う眼看喜の目の前で、猿の女が、熱と快楽でまたひとつ、淫らに啼いた──。
しばらく、手下たちが蝋で孫空女を遊ぶのを眺めていたが、眼看喜は尿意を覚えて腰を上げる。
「おい、ちょっと抜けるぞ。あとは好きに回しておけ」
広間の狂騒を背に、暗い廊下へと出る。
そして、用足しを済ませて、広間に戻る途中で風が当たるのを感じた。
だが、外気が通るわけでもない廊下なのに、風が吹くというのはおかしなことだった。すると、ふと曲がり角の先に並ぶ燭台の灯りが、長く伸びた影が動いた気がした。
その影が、さらに揺れる。
そして、音もなく、影の中から、
「おや……こりゃあ、先生。どこにいらしてたんで? ありがたく、孫空女を愉しんでおります。今回のことは、なにもかも先生のおかげで」
眼看喜はすぐさま頭を下げた。
御影は、にこりと微笑んだ。
「ふふ。愉しむのは結構だけど、あの巫女は気が短いからね。……迎える準備、早く整えておいてちょうだい」
その声音には、穏やかさと命令の両方が混ざっていた。
「ええっと……整える……とは?」
「しっかりしてちょうだい。
「えっ……?」
眼看喜は、一瞬、言われた意味が呑み込めなかった。
だが、すぐに思い出す。
孫空女を捕らえ、抵抗できないように四肢まで切断できたのは、間違いなく、この御影のおかげだ──、
その手伝いと引き換えに、宝玄仙を捕える協力を条件として突きつけられたのだ。
──だが、あの巫女とやり合うのか?
山中で一度、対峙した記憶が甦る。
「そのことですけど……どうしてもやらなきゃならねえんですか? ……いや、そのう……。そもそも、ここに来ないって可能性も……」
「そんなわけないでしょう」
御影の目が、細く笑った。
「……あの孫空女をここに監禁してる限り、あの狂い巫女は必ず来るわ。執着しているみたいだしね。だから、餌代わりに赤毛猿を捕まえるのに協力してあげたのよ」
静かな口調だったが、含まれていたのは冷たい断定だった。
「そう……なんですかねえ……?」
「どっちにしても、あの赤毛を捕まえた時点で、あんたたちが宝玄仙と戦うのは確定してるのよ。だから、無駄な臆病風吹かすより、どうやって捕まえるか考えなさい」
眼看喜は押し黙った。
だが、そのとき──。
「ほら、こっちを見なさい。術が中途半端だったようだから……」
そう言われて、御影の顔を見る。
その瞳の奥に吸い込まれたような、妙な感覚……。
頭の中が、すっと澄んでいく。
さっきまでの不安が、まるで水に流れたように消えていた。
「……わかりました。任せてくだせえ。待ち受けなんてまどろっこしい。あの美人巫女を封じる道具があるなら、こっちから仕掛けてやりますよ」
「まあ、頼もしい。期待しているわね」
御影は微笑む。
眼看喜も、歯を見せて笑った。
そして、思いつく。
「それより……もし、この五行山に連れ込むことに成功したら──。あの巫女も、孫空女みたいに……手脚を切って、だるまにしてもらえますか?」
御影の微笑が深まった。
「ええ。もちろん。頑張ってちょうだい。……もちろん、そのときには、そうしましょう。
その言葉を背に、眼看喜は再び広間の方へと歩を進めた。
──暗闇のなかに、焔が揺れていた。