夏休みとは、この世界にもある。
二度目の学生生活であり、俺もまた、その夏休みを満喫する予定だった。
これまで、多くの危機を乗り越えてきた。
命の危機は幾度もあったが、なんとか乗り越えてきた。
だけど。
「人間、結構慣れというのは、恐ろしいな」
そう呟きながら、白い砂浜の上でボーッとしていた。
南国の孤島で本来ならば、バカンスをして楽しむべき場所。
そういう場所だろう。
けど。
「無人島じゃなければなぁ」
その呟きが響き渡る。
俺は現在、謎の無人島に漂流している。
アルファ達からの誘いもあり、超高級リゾートに遊びに来ていた。
それだけでも、普通に俺は満足していたのだが、何をとち狂ったのか、シドの奴がボロボロのイカダで海に漕ぎ出しやがったのだ。
もちろん、そんなボロボロのイカダで海を渡れる訳もなく、あっという間に沈んでいった。
そうして、漂流したこの場所は、どこかの無人島。
「本当、これからどうするのやら」
これまで、ディアボロス教団に攫われたりしたり、謎の襲撃者に襲われたりなど。
はっきり言って、かなり危機的状況に陥ったが、既に慣れている。
「だとしても、まさかサバイバル生活を送る事になるとは」
幸い、このサバイバル生活を送る際の問題点である孤独というのは解決している。
遭難した際に、シドの奴はどこに行ったのかは分からない。
まぁ、あいつが死ぬ姿は、あまり想像出来ない。
元々、殺しても死なないような奴だし、今頃は、遭難したモブキャラらしく必死に生き延びようと頑張っている事だろう。
というよりも、あいつよりも今、考えるべきは。
「なんか、視線がどんどん鋭くなっているような気がする」
それは、俺にとっては死活問題である。
無人島に漂流した際にもう1人、一緒に来ていた。
だけど、問題なのは、その人物の視線が徐々に鋭くなっている事だった。
何度、視線を合わせてもすぐに目を逸らされる。
しかし、確実に何かを気にしている様子。
「……幸い、今は生きる事を最優先にしているからな」
無人島を脱出する手段が手に入るまでは、それはないだろう。
正直に言うと、やりたいという気持ちに、嘘はない。
けど、今、やると、確実にヤバい。
性行為に関して、全員がリミッターが外れていた状態だ。
一日中の行為は、これまでシャドウガーデンの活動を行う為に、制限されていた部分がある。
だけど、この場所、無人島では、その制限はない。
いずれ、脱出をしなければならないのは変わりない。
だが、無人島に遭難という大義名分があれば。
「一日で済まないような気がする」
そう考えていた時だった。