「エロゲ君、僕達は、ようやく気付きました」
その日、ジャガとヒョロの奴らが、俺の部屋に入ってきた。
シドの奴は、その日はいない事もあって、俺は久しぶりにのんびりとしていると、突然入ってきた。
同時に、その手に持っているのはチケット。
「どうしたんだ、そのチケット?」
見ると、それは、どこか見覚えのあるチケット。
確か、アルファ達が以前言っていた新しいアミューズメント施設の名前だったな。
しかも、見る限り、かなりプレミアをついているような。
「実は昨日、シド君の部屋にあったチケットでしてね」
「偶然にも、6枚ありましてね、僕、ヒョロ君、エロゲ君の三人で、残りは三人、デートする事になりました」
「いやぁ、友達思いのシドで本当に良かったぜ」
そう二人は言っているが、俺は、なんとなく嫌な予感がする。
「それで、お前、結構痛い目にあっているだろ」
これまでの出来事を振り返れば、二人は、あの無法都市で散々尻を掘られまくった。
その影響もあって、この二人は、より女性に飢えている感じがする。
「とにかく、エロゲ君も!」「今度は、お前を」
「…」
どうやら、次は俺を囮にする気満々のようだ。
「それじゃ、行きましょうか!エロゲ君!」「僕達も、これでリア充に!」
そう、俺の両腕を掴んだまま、目的の場所であるミツゴシ温泉ランドに向かった。
あまり、こういう場所には行く気はなかったのだが。
正直に言えば、あまり外での遊びは好きな方ではなかったのだが。
「おぉ、エロゲだったんですか!」
「これは、なんというか」
ミツゴシ温泉ランドに到着すると同時に、デルタは定位置と言わんばかりに俺の肩に乗った。
先程、買ったのか、おでん串を食べており、地味に頭におでんの汁がかかって、熱い。
「えっエロゲ君!その、お知り合いだったんですかぁ!!」
「こんな美人と知り合いって知り合いって!!」
デルタが何も考えずに俺に肩車をした結果、ジャガとヒョロの反応がとんでもない事に。
というよりも、これはまずい。
この二人は、こういう事を広げられると、色々と。
そう考えていると。
「そうなんです、私達、お知り合いなんですよ」
すると、ベータが俺の右腕をがっしりと掴んだ。
それは、もぅ離さないと言わないばかりに。
「そっか、シド君は来なくて残念だなぁ」
そして、ゼータもまた、音もなく、反対側の左腕をがっしりと掴んだ。
「そう言えば、あそこにいる人達、お知り合いだと思いますが」
「「えっ?」」
そう、ベータが指を指すと、そこには二人と関係を持っている無法都市の方々が。
「なっ、マジかよ、えろって、いねぇ?!」「エロゲ君が、僕達を置いて、逃げましたぁ!」
二人は叫んでいるが、実際には、二人の注意を逸らした間に、ベータとゼータの二人が凄まじい速さで、俺を連れて行った。
「それにしても、エロゲが、なんでここに?」
「いや、あの二人に一緒に来いって、言われたから、無理矢理連れてこられた」
「それは、そのお疲れ様です。でしたら、良かったらどうですか、こちらで休んでは」
「えっ、いや、でも」
「エロゲも温泉に入るのです!」
「うぅ」
三人からの圧が凄まじい。
「…それだったら、まぁ」
断れる雰囲気ではなさそうだ。
その頃、裏側では
「まさか、エロゲがここにいるなんて、驚きだわ」
「エロゲさんは、こういうのにはあまり興味ないと思っていけど」
「実際に、エロゲはあまり外に出るつもりはなかった。温泉には興味あるけど、こういうのには」
「えぇ、でしたら、これは」
そう話し合っている時だった。
「そういう事」
「えっ?」
すると、アルファが何か察したように頷く。
「彼は、これから先、戦いが激しくなるのを察した。そして、ディアボロ教団との戦いが終わった後にも、きっと英雄の血が必要だと考えたはず」
「それで、もしかして」
「えぇ、シャドウは後の世に必要な子孫を残す為に最も適任として、エロゲを選んだ。けど、エロゲは」
「えぇ、エロゲさんは優しいから、いつも私達を心配してくれていました」
「そう、関係を持つ事は仕方ないと考えていた。だからこそ、恋愛感情が出てこなかった」
「それは、つまり」
「彼は、ここで少しでも彼の負担を減らす事、つまりは」
『誰がエロゲさんの心を射止めるか』