※この作品はR-18です。

異能幸運レアドロップでイキ抜く♡学校最後の男子ピネスと眼帯プラチナ女校長の不気味なダンジョン冒険記   作:山下敬雄

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⬜︎タコイカ学習帳

腹をこしらえ結束を新たに────ゴブリンナイトなどのグレードが20F以前より上がったモンスターを3人(+1台)で滅していき、その異能チカラを合わせて順調にダンジョンを駆け降りていく。

 

そしてたどりついた……

 

《不黒ダンジョン30F》

 

 

ピネス:

シールド値 66%

魔力量 74%

 

榎田椎名:

シールド値 61%

魔力量 37%

 

緒方結美:

シールド値 82%

魔力量 42%

 

冷蔵庫(仮):

シールド値 55%

魔力量 42%

⬜︎

 

 

「あーなんか魔力量リンクして減ってね、さっきから冷蔵庫と同じ数値な気がするが」

 

「えっ? あっ、そっそうかも?」

 

がらんとした小部屋でタコイカ学習帳を手に取ったピネスはなんとなく気付いたことを緒方に教えて即座に共有した。

 

「これって冷蔵庫動かすのにも魔力が必要ってことか?」

 

「たぶんそうかもっ? そういえば…学校の電気とかも魔力でまかなわれてたり? なんか廊下歩いてたら勝手についたり消えたりするよね…浦木くん?」

 

「あー気にしたことなかったが、たしかにするな? はは、そうじゃね? 今度こうちょ」

 

▽

▽

 

「う先生に……あっ? あぁ??? えなんだ? どした?」

 

突然景色のチャンネルが切り替わったように、そこにいたはずが今自分はそこにいない。緒方と話していたはずが自分は壁と話している。

 

一瞬のとてつもない変化に訳がわからず、キョロキョロと辺りを探しだしたピネスの振り返った顔に──白い景色がはばたき飛び込んできた。

 

何事かと顔面から引き剥がしその開かれたページを読む。

 

⬜︎タコイカ学習帳

ピネスと緒方結美はリラックスしながらモンスターのいない小部屋で雑談に励む。

きのこシスターは異能きのこレーダーで見つけた同小部屋隅のきのこを採集中。

 

 

きのこシスターがその灰色の笠に触れた瞬間────

 

 

それはランダムジャンプを引き起こすランジャン茸だった。

《30F赤石の通路》

⬜︎

「なんじゃそれええらんじゃんたけええええ!??」

 

「いやっなんだよそれ、えぇ!? そんなの今までダンジョンの角っこのきのこシステムになかったろぉってんな場合じゃっ! つまりランジャン、ランダムジャンプ……それってぇ、どういうこった!!!」

 

 

壁やノートと話していても埒が開かない。ピネスはとりあえず赤石の通路を走った。

 

が、走る暗がりから現れる行手を塞ぐゴブリンナイトたち。ダンジョンのモンスターは冒険者たちの空気を良いように読まない。

 

「そういうのはいいんだってぇ!!」

 

ピネスは立ち塞がる障害に対して跳躍し右の壁をスニーカーで蹴り元のレールへと素速くふらつき着地しながらも戻る。

 

やったことのない忍びのような身のこなしで敵から上手く逃走、赤く羽ばたくノートとともにどことも知らない先を急いだ。

 

 

 

▼

▽

 

 

 

⬜︎タコイカ学習帳

細い通路の突き当たりで走るピネスときのこシスターが鉢合わせ合流。

 

「あっ男子さん、ランニングとは奇遇ですね♪」

 

「おわっ!? 奇遇ってより遭遇してラッキーだな! あっそうそうそんなゆるい感じじゃなくって場所分かるか?」

 

「はいっ?」

 

「たくさん詰め込んでたろおーー」

 

「なるほどっ♪いいご提案ですっ」

 

ピネスの提案を呑んだきのこシスター榎田椎名を隊列の先頭にし2人は通路の先を走る────────

⬜︎

 

 

▼

▽

 

 

唯一の進入口と思われるドアは中側からは通行禁止のマジナイがかけられびくとも開かず。数度試したノックは意味を成さない。

 

緒方結美とセットでランジャン茸のトラップで飛ばされたその異能冷蔵庫はダンジョンの予想できない恐ろしさの沼にハマり────

 

異能冷蔵庫は迫るモンスターに対して奮闘するも、着実に傷付いていくシールド値、そして女子緒方に流れる冷えた玉のような汗。

 

緒方はショートソードを握りしめたまま……このままやっても勝ち目がない事を悟っている。

 

目の先奥にはぐーすか眠る巨大な猪がおり、その巨獣の上には豪華な神輿のようなものがある。

神輿の上や中でゴブリンたちは乗りノリノリに奇声をあげ騒ぐ、その眠れる猪を起こそうとでもするように。

 

そんな理解も及ばない光景にさらに付随する、猪の子ウリボーが巨大猪の周りに召喚出現。

そのウリボーは可愛いペットなどはない。ゴブリンナイトは神輿からウリボーに飛び乗り、〝ゴブリンナイトライダー〟人猪一体の進化を遂げる。

 

そしてまたゴブリンナイトライダーたちは突っ込んできた。

4騎のゴブリンナイトライダーたちは剣を掲げて、準備のできたものから次々とウリボーを走らせてかかる。

 

緒方と冷蔵庫、ささやかな気合いを込めてダンジョンに挑んだ料理頭巾には汗が染みゆき汚れていく。前衛の冷蔵庫はその白い装甲を引っかかれ穴が開けど、主人を守るために────

 

 

不意にウリボーの横腹に突き刺さる翠の刃は昂る雷鳴轟かせ、乗っていたゴブリンナイトは前に大きく弾き出されダンジョン壁にゴブリン鼻から衝突。

 

同時に緒方の視界に滑り込んできたそのチカラを食いしばる横顔、緋色のショートソードが浅はかな突撃に対して勢いはげしい突撃をプレゼント。

 

鋭利な突きは餓鬼と猪ごと吹き飛ばし、やがて緋色に燃ゆるクリティカル爆散。

 

「ふぅー焦ったぜぇ、まじダンジョン!」

 

「えっえ…!?」

 

後ろに倒れそうなところを支える冷蔵庫にもたれ驚く緒方に、緋色の剣を携えた黒ブレザーの黒髪が肩で息をし振り返る。

 

「おぉ緒方さん、ここにいたかーーー! はぁはぁっ……ところでいきなりで悪いけど……ランジャン茸の食い方って知ってるか! きのこの人が道中そればっかうるさくって!」

 

「ら、らんじゃん??」

 

「ふふ、触れた瞬間に瞬間移動するきのこさんがこの世にあるならどうすればそのきのこさんを美味しく救済できるのでしょうかふふ頭巾さん?」

 

ダウンするゴブリンナイトを大斧で滅しながら、きのこシスターは料理班でもある緒方に微笑み話しかける。

 

「やっやいてみたら…どうかな」

 

「へぇーなるほどその手があったか! 今度遠くから魔法で焼いてみるか」

「やはりおやきですかぁー、試す価値ありです♡ご提案感謝しまっす♪」

 

「うっうん…! ってそうじゃなくて浦木くんのこっちさん!」

 

「あぁ緒方さん分かってるって、きのこ狩りツアーのさいごは盛大な猪狩りかよ」

 

「宿命、宿敵ですねっ♪ 害獣は遠慮なく滅するプランをご提案します♪」

 

「たしかにこんなにたくさんのおおきいイノシシは困るかもっ……あっでも牡丹鍋になるなら…うれしいかも…」

 

突撃した4騎のうち2騎は、先行した仲間が突然の雷撃と爆撃のダブル災害でヤラれてしまい汗汗とあわてて後退。

 

眠る巨大猪の神輿は騒がしい部屋の空気についに目覚め、のそりとその逞しき太き四脚で起き上がり背のゴブリンナイトたちの搭乗する神輿を天へと上げていく。

 

「ぼたん鍋? なんか聞いたことあるな、モンスターは肉おとさねぇと思うが────んしょっ。異能幸運でなんとかなるかもなぁーいっちょブッ刺して試してみますかーっ!!!」

 

横たわるウリボーの腹から翠のショートソードを引き抜いた。

ピネスは緋色を鞘に休ませ、バチバチと刃唸る翠を構える。

 

ランジャン茸のトラップにかかるも、ついに合流を果たした3人と1台。

異能きのこレーダーが冷蔵庫のきのこさんたちの場所を探り当てるのに役立ってか、緒方も異能冷蔵庫もずっと奮闘し抗い幸い無事を得た。

 

危機するシチュエーションを各々の異能を繋ぎ潜り抜け、士気を益々上げたブク高の生徒たちと30F巨敵ビッグウリボーミコシのラストバトルが今勇ましく駆け出し始まる。

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