異能幸運レアドロップでイキ抜く♡学校最後の男子ピネスと眼帯プラチナ女校長の不気味なダンジョン冒険記 作:山下敬雄
⬜︎タコイカ学習帳
トモル:こらっエッチアイそんなにいきなり斬りかかってはいけないの!!
ピネス:いや、いきなりも何もな。…あぁーそれじゃどこをどうすりゃいいんだ?
トモル:『ゴブリンっっ!!! あなたのようなダンジョンの風紀を徘徊し乱すグリーンなヤカラは今からこの剣でわたし不黒高校風紀委員部部長光角灯がじきじきに斬りかかり成敗するのです!』 とあらかじめ宣言するの!
ピネス:まてまてぅーー…ながいな、何時代だよ、それ、けっこうふるいだろ
トモル:現代でダンジョンですっ!
ピネス:あぁー。おっしゃるにしてももう少しスピード感もった方が…よさそうだな、現代だし、ダンジョンだし? あぁー、あれだあれ、アップデート?
トモル:くっ!? くぅぅくぬぬぅ…ぬぬぅぅー
ピネス:噛みつきそうな、顔だな…(コボルトみたい)
登別海:浦木くん、剣やナイフを投げる際のおおまかなコツを聞きたいわ。うしろで観察させてもらったけど剣術だけではなく投擲術も上手いわ
ピネス:上手いってほどでもねぇが…コツかぁ。なんつぅんだろうな、あぁー、そだ回転、か、直進じゃね?
登別海:回転数を上げるか、余計な回転をさせず真っ直ぐ飛ばすかの2種類ということ?
ピネス:うーんまぁそうだな? おおまかにそうなんだけど、もっと違ったチカラのアレがあるっつぅか……
「「魔力」」
登別海:ね?
ピネス:そうそれ! だから投げ方は俺もうまくいえねぇんだけど、とにかる当たる、いや当たれっ! ってイメージの分配…が、のほうが?
登別海:イメージの分配、なるほど。勢い、軌道、回転数、魔力を含んでいる投げ剣は分配したイメージで投げたあとからも修正微調整できるのね? ありがとう浦木くん、これをもとにもっと良くなりそうだわ。
ピネス:おっおぅ? そりゃぁ、よかった?
《不黒ダンジョン1~10F》
玄人のピネスを戦力の中心にして。
トモルは剣をぐっと握りもち、登別は剣ナイフの扱いを彼に聞き上質なノウハウを取り入れる。
各々ダンジョンという特異環境に浸かり魔力や様々な恩恵を帯びつつあるその身は、彼とともに足音を立てながら前へと進み、徐々に慣れていくのであった。
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⬜︎タコイカ学習帳
登別海:私の異能はおそらくカードね。こうして魔力を消費してランダムなカードを引いていき2枚まで手札にストックできるようだわ。とりあえず、今は【グー】【チョキ】【パー】のじゃんけんカードと【イエローカード】と白いカードを魔力を使って引いていき確認したわ。
ピネス:へぇー、なんか、登別さんらしいな?
登別海:そう? ありがと。といってもまだまだ
ピネス:成長に期待、だな?(校長っぽく)
登別海:そうね、この異能はおもしろくなりそう。成長に期待ね
トモル:くぬぬぅー異能風紀はかならずぅ!
ピネス:まぁあんまり焦らずいこーぜ、俺もじぶっ
トモル:なっ慰めはいりませんエッチアイ! 見ててくださいっっ必ず発現してみせますっ観念して待っててください! くぬぬぅー!
ピネス:おっおぅ? そのいき、だな?
《不黒ダンジョン11~16F》
11Fにて登別海の異能カード(仮)が発現。できたてほやほやの異能をより深く知るため、もっとひろく成長させるためにチカラを試しながら潜っていく。
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そして現在
▼不黒ダンジョン17F▼にて
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朱なゴールドなイニシエランタン:
魔力量 大
物理威力 中減
省灯時 魔力量回復 小 魔法威力 中減
魔力充填時 属性変化
炎+5
DP獲得量+3
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「はは、これはいい。ランタンさいこー。やっぱダンジョンにはあるんだな、冒険らしいヤツ?」
ピンク髪を追い抜いたピネスは石通路の先頭を手持つ赤と金のランタンで照らしながら踊るように歩いていく。
道中手に入れたレアなランタンはとても冒険の気分が高まる、ダンジョンの暗がりを煌々と盛り立ててくれるあたたかな光を灯しつづける。
「そうね。いや──待って浦木くん今までの冒険でランタンはダンジョンでドロップしたの?」
「え、いや…おっしゃる通りないな。今回がはじめてだ?」
すっと横に並び彼に声をかけた登別は洒落たランタンの光を見つめながら、再度そのことを確認した。
タコイカ学習帳の冒険ログをインプット済みの登別はさらに何かに引っかかり気づいたらしく、
「角灯はランタンの日本語表記のひとつよ。つまりこれは──」
「「かくとう…??」」
並んでいた2人の間をすこし強引に分け入り顔を出した、ピンク髪の探偵帽。そしてピネスも口をそろえクエスチョンマークを浮かべ、右隣の登別を見た。
「な、なんですそれぇ?」
「あなたの名前よ部長。ヒカリ・カド・トモル、カクトウ、角灯」
登別はそれが自分の名前なのだという…光角灯はまだ分からず、首をこてっと傾げた。
「くぬぬ? わたしはカクトウましてやランタンじゃありませんよっ登別さん! お母さんとお父さんに男の子女の子どっちでも使えるからと生まれてくるまえのあらかじめ灯と名付けられたの! コズミのトモっ」
「よし、じゃあこれで様子を見てみるか」
光角灯が自分の名前に関する意味合いをていねいに正している途中──ピネスはすぐ右隣のうるさい彼女に光るソレを持たせた。
「くにゅっ!? ちょっといきなり燃えてるものを渡すのは危ないですよエッチアイ!?」
「ごめんごめん。でも俺の異能幸運もそうだけど、校長が言うには願われても、願いって判定されるらしいんだ」
「願われても…ねがい? ふぬぬぅ…」
「あぁー、だからこれ持ってたら異能発現すんじゃね。コ・カクトウさん?」
「なるほどです。まぁランタンは悪い気はしませんがっって誰ですかそれコズミトモルですっエッチアイ!」
「あぁーごめって熱熱つぅぅ!?? ちょっランタン振り回すな風紀委員!? 熱熱ちち!??」
「わわっっ違いますっ勝手にあばれ!?? エッチアイ!?これどうすっっ────」
「願われる願い。──おもしろくなりそうね」
ガタガタと入れ物の枠を震え鳴らし暴れる火灯は、暗がりを騒がしく盛り上げて進んでゆく。登別海はカードを2枚、追加で1枚ねがい宙にすこし無理して並べてみる。
交わり踊りあばれるピンク髪と黒髪の背をみつめながらゆるむ口角をあげた────