異能幸運レアドロップでイキ抜く♡学校最後の男子ピネスと眼帯プラチナ女校長の不気味なダンジョン冒険記 作:山下敬雄
炸裂した赤きイチゲキに、ものの見事に弾け飛んだ巨大猪モンスターはコスモスエネルギーを秩序とともに物質化し散りばめ、残滓はダンジョンのケイオスエネルギーへと還る。
「えっエッチアイ怪我はないのです!?」
「え? あぁー、特に──ないな?」
あわただしく寄ってきた光角灯に、手持つ緋色のショートソードから白煙をながす背は振り返って無事だとかるく答えた。
「いきなり花火セットであそぶのはいけないのですよ!」
ピンク髪は彼の顔に指をさして注意した。
「はっ花火セット…?(その発想はなかった、自分でいうのもだが花火どころじゃなさそうだが? いかに?) ……って言われても手加減したらあのおっきな猪起きて突っ込んでくるからなぁ。それにコイツもなんかやる気満々だったぞ? てかなんかバフられたってのか? わかんね? なんだろなー」
ピネスはクールダウンしてきた出しっぱなしの剣を、光角灯のにらむ視線に誘導され無駄にあそばせず鞘へときちんと仕舞った。
そして彼の背、アタマからげんきに跳ね上がり現れた白黒赤の燃えたおさかな。
現れてはぐるぐるぐるぐるピネスの周りを、そしてくるくるくるくるトモルの周りを泳ぎつづけた。
「おっ、おさかなまでくぬぬぅーーあっこらっっだから燃えながらあちこち徘徊はいけないのですっっまてええええ!!!」
トモルは猫じゃらしであそばれた仔猫のように、不思議色に燃えるおさかなを追いかけた。
「はは…それは無茶じゃね……(そういういきもんだし)」
「浦木くんさっきのイチゲキ、どうだった?」
ピネスがおさかなとピンクさんが鬼ごっこしているのを和やかに眺めているところ、登別海は彼に声をかけた。
シンプルに問われたピネスは、さっきのイチゲキの手応えを……顔の下輪郭をさすりながらかんがえ振り返る。
「あぁー、なんか言ってたトライアングルのチョキ属性だっけ? たしかに剣のキレ味と威力がいつもよりきゅっ!てシャープな感じで上がったと思うな?? 入ったときに。前はたしか下から担ぎ上げて倒したし、下腹いがい硬かった気がするなこいつ? だからやっぱりたくさんバフられたってことだよな(校長風に言うと)」
「そうね今回は浦木くんの剣にチョキ属性カウンターを付与して剣のキレ味UP、そして同じくチョキカードを用いたトライアングル内のビッグウリボーミコシの防御をカット。それに光角部長が示現させたあの金魚型の──」
ドタバタと大部屋の床を走り回る元気な鬼ごっこの音のbgmが、
だんだんだんだんっと、とおくに駆け降りてゆく音に変わる。
「あ、──光角部長と示現したこが下に」
「え、──ってまじか? あぁー……。ほんとみたいだな…」
ピネスが振り返るとトモルらしき姿は既に一欠片しかない。
「神の使いがまだ闘争を求めているのかも」
「さっき闘争は十分したかんじだが、ってそんな場合でもないな。まぁ、冷蔵庫もおさかなも何故か階段を降りたがるってことで、追うか!」
「うんそうねっ」
ピネスは落ちていた見慣れた探偵帽を拾いあげた。他のドロップアイテムはのこして登別海と共に地下階段方へと急ぎ駆けて行く。
30Fの階層ボス、ビッグウリボーミコシを倒した感想戦をしていたところ。気ままに泳ぎ辺りや人の周りを徘徊する燃えるおさかなを追いかけまわしていた光角灯は、そのまま地下への階段を鮮やかに燃え誘うひらひら尾っぽに釣られて降りていった。
思わぬダンジョントラブルも過去に一度似たような事を経験ある若者は慌てず即決断。
忘れ物を手にして先に降りた仲間を追ってゆく。30Fから31Fへと校長から言いつかったダンジョンクエストよりも先へと────
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⬜︎タコイカ学習帳
《31F》
トモルはランタンの中へとおさかなを捕獲し戻すことに成功。
ピネスは探偵帽をトモルの頭へと装備した。
ブク高の3人は無事合流を果たす。
ウリボー、ゴブリンナイト、newオタマフロッグを撃破しながら無難に道のりを進んでゆく。
なにごともなく31F→32Fへ。
オタマフロッグ:
宙を浮遊するお玉杓子に似たモンスター。ぷっくりひらひらかわいいからといって油断はできない。宙を泳ぎ捨て身の体当たりを仕掛けてくるのでタイミングよく攻撃を当てる必要がある。
《32F》
newゴーレムナイト、オタマフロッグの集団と中部屋にて戦闘。
ピネスは硬いゴーレムナイトの石装甲ごとクリティカルの剣で構わず砕いた。
登別海は【パー】カードにあらたなルールを追加した。
登別海は同一カードを重ねることができるルールを追加した。
オタマフロッグは3匹で力を合わせて魔力を練り上げるも、おさかなの墨色の尾っぽに纏めてはたかれて燃やされた。
制圧した中部屋にてドロップアイテムを回収しながら雑談【しゅぶん…きん?】を開始。
ゴーレムナイト:
ゴブリンコボルトよりは大きい。前衛タイプで硬い防御力を誇るのが特徴だがクリティカル攻撃にはめっぽう弱い。
オタマフロッグ:
★束になり合体魔法を使うことがある、注意。
【しゅぶん…きん?】
ピネス:なぁ、そのランタンのおさかなに名前とかつけないのか?
トモル:なっ、名付けですか!? くぬぅ…ぬぬぅ…ぬぬぬぬんーんー
ピネス:ぬぬぬぬんーんー、変な名前だな?
トモル:ってちがうの!!! エッチアイ真面目にしなさいっ!!!
ピネス:わっわりぃ…(なぜかついつい)
登別海:
「「しゅぶん…きん?(三国志?)(エッチなの?)」」
登別海:金魚の名前よ、白黒赤の色合い模様が特徴の、詳しくはないけどたぶんそうだと思うわ?
ピネス:へぇー、たしかに言われてみれば和風っぽいか? 燃えてるけど
トモル:くぬぬ異能風紀のはずが金魚ですか?
ピネス:たしかに風紀というより風流か? あぁー、なんか心当たりないのか?
登別海:金魚は金運や子宝など縁起が良いときいたことがあるわ
トモル:こっ子宝!? そんなエッ!? …あぁっ!!! 思い出したです! お父さんがわたしが生まれて来る前に金魚を飼ったの!
ピネス:へぇー、それはたしかに、あっ! ゲン担ぎか? それがこいつ? ゲン担ぎが金魚の炎になってあらわれた??」
トモル:くぬ?? でも私はその金魚のすがたをまったく見てないのですよ!
登別海:金魚の寿命は10年以上ときくけど? それはおかしいわ、なぜ?
トモル:なぜなぜといわれたアレです! えー…そっそうっ! 水槽のフタをしめずに飼っていたの! お父さんがそれで逃げちゃったって! 思い出しましたァ!
登別海:なるほど金魚は意外にジャンプ力があると聞くわ。フタを閉めずにいたのは金魚を飼う初心者にそれなりにトラブルとしてあることらしいわ
「「……飼ってた?」」
登別海:飼ってないわ、近所のホームセンターの水棲ペット売り場の一角でいつかの夏休み暇そうな店員に色々とおしゃべりしたことがあったわ。そのときは買わなかったけど
「「へぇー」」
登別海:あ、それと思い出したわ。金魚はふってきた厄の身代わりになることがあるって
「「ヤク?」」
登別海:災難、わざわい。つまり元気な金魚がなにか部屋にただよう厄を見つけて飛び跳ねてつかまえたのかもしれないわね?
トモル:金魚さんにそんなすごい効果が? …くぬぬぅ(厄除けとはちょっと風紀みたいです)
ピネス:そのときの金魚かもしれないってことか、うぉっ!? たしかに勝手に次に進むぐらいにはおっと!? はは、──元気だしな
《32F》
雑談中の部屋に……ぷかぷかと通路からただよい侵入しようとてきたオタマフロッグの行進は、いち早く近付いたおさかなが口から火を吹き縦一列に焼き尽くされた。
戦果を上げてイニシエランタンの棲家に魔力と炎を補給しに戻ってきたおさかなはトモルにとりあえず〝朱文金〟と名付けられた。
ランタンに灯る火はぼーぼーといっそう燃え上がった。
雑談は打ち切られ、浦木幸、光角灯、朱文金、登別海はまたダンジョン32Fを探索していく。
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