※この作品はR-18です。

異能幸運レアドロップでイキ抜く♡学校最後の男子ピネスと眼帯プラチナ女校長の不気味なダンジョン冒険記   作:山下敬雄

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⬜︎タコイカ学習帳

《37F》

【幸運の像】

トモル:くぬぬぬぬぅ~…なんでそんなに簡単に倒せちゃうんですかぁエッチアイ! この硬いの30回ぐらい斬らないと倒せませんよぉー!

 

ピネス:そうは言われてもなぁ、クリティカルだし? ただの運じゃね? 俺も1回じゃいかないときはけっこうあるし、そーまさに運?

 

トモル:そのクリティカルがちっとも出ませんよぉー! おみくじに当たりはないのですか! エッチアイだけずるいです!

 

ピネス:校長がいうには俺はツいてるらしいし、まぁそのうち…でるんじゃね? おみくじだし

 

トモル:くぬぅー明らかに興味なさげな言い方です! ぬぬぬぬぬぅ~!

 

ピネス:いやんなことはないが…完全に運なものは教えようもないっつぅかな(またコボルトみたいな顔を)ってなにしてんだ?

 

トモル:不本意ですがっっとりあえず拝んでおきます!

 

登別海:それはいいかも、普段より幸運が舞い込みそう

 

ピネス:くすぐったい冗談だな…(睨みながら拝まれてる)

 

 

 

ダンジョンに現れた新敵にも慣れてきた。

ピネスが前衛の前衛を担当、おもに硬い装甲を持つゴーレムナイトを受け持つ。

登別海は2人を様々な異能術、ときには剣で斬り込み、ナイフを投擲し臨機応変の器用にサポート。

トモルはランタンに魔力を供給しながら、リンクする魔力の炎属性エネルギーで活動し自由に泳ぐ朱文金がオタマフロッグを元気に焼いていく。イニシエランタンの灯りはダンジョンに潜む罠の発見にも貢献し、道中を安全にみちびいた。

⬜︎

 

 

そして三人長旅…迎えた

 

《40F ゴールデンゴーレムコンディショナーの大部屋》

 

ゴガゴガゴガ────

 

不穏な音が鳴り進入口は石の壁に溶け込み閉じられた。内側のこちらからはもう後戻りできない。闘いは既に始まっている。

 

 

⬜︎敵情報

ゴールデンゴーレムコンディショナー×1:

ゴーレムナイトの豪華大型バージョンと考えられるが詳細は不明。胸に砲門が二つついている、注意。

 

ゴーレムナイト×5:

 

ゴーレムオタマフロッグ×8:

石色のオタマフロッグ。スピードは落ちたが硬さは上がっている。魔力を用いた攻撃かクリティカルで迎撃を。

⬜︎

 

 

わらわらと向かい来る敵の隊列へと先制攻撃を仕掛ける。投げたカードは床に突き刺さり起動、キノコの数々が平面ステージの上に不思議と現れた。

 

⬜︎登別海情報

【ホワイトカード】:

①まっさらゆえに詰め込める。

このカードを引いて使用すればカードの中に物を仕舞うことができるが、それほど多くの物、多くの重量は詰め込めない。また1枚のホワイトカードにつき一種類のものしか詰め込むことはできない。

異能冷蔵庫を参考に登別海が考案したものであるが、それよりは大きく収納力は劣る。

物を収納した場合カードはもう一度使用しないかぎり失せずにのこるが……手札の1枚にカウントされるため、別枠でキープすることはできない。邪魔な場合はカードを異能の基礎ルールでチェンジし、また使いたくなった場合は魔力を消費してまた運よく手札に引きあてるしかない。

 

②仕舞う前の状況を任意で記憶する。

例えばホワイトカードに物を仕舞う前、平面床にW字に並べられたキノコがあったとする。

その状態のキノコをスベテ仕舞ったホワイトカードならぬ性質が変化し化けたキノコカードを使用すると、そのさっき仕舞ったW字に並べられた様がカードで指定した場所に復元される。

⬜︎

 

 

「部長よてい通りに」

 

「わかったの、朱文金やるです!」

 

名を呼ばれ主人の命令にしたがった金魚は並べられたキノコのひとつへと火を吹いた。

 

点火し連鎖爆発──W字に配列し仕掛け効果的に爆破した〝起爆キノコ〟。

 

これまでの冒険でストックしていた秘蔵のアイテムはその効果を発揮、ゴーレムナイトとゴーレムオタマフロッグの集団を効率良くその火力で殲滅した。

 

「さすがに、警告一回では増援は止まらないわね」

 

登別海は事前に調整していた手札からイエローカードをボス級のモンスターにかかげた。

 

巨大黄金ゴーレムは一歩、二歩、固まっていた土汚れをひび割れ落としながら……その元あった輝きを取り戻していく。

巨足で踏み出した……大部屋を伝う地鳴りとともにゴーレムの兵隊たちは召喚されていく。

 

高鳴る戦いの緊張感に、ピネスは翠の剣を抜き、巨大なシルエットへと駆け出した。

 

 

▼

▽

 

 

巨大ゴーレム、その胸部砲門から炎のバルカンが魔力を圧縮され放たれる。

大部屋にばら撒かれる厚い熱い飛び道具の脅威に──

 

「わっ、わっ、わっ!?」

「こっちよ部長、【パー】のBSビームマント」

 

背部に対称に留められたバッテン印の骨飾りは急速充填した魔力とともに、たおやかに広がる青白いマントを作り出した。

登別海ははちゃめちゃと足を上げ踊る部長の前に立ち、前方に翻した魔法のビームマントで飛んできた炎属性のバルカンを鮮やかに防いだ。

 

荒れる戦場の大部屋も、現在はピネスと巨敵ゴールデンゴーレムコンディショナーの2人の喧嘩状態。

股をくぐり緋色の剣でクルブシを引っ掻き、腕を走り、肩からひょこっと出てきた石のお玉杓子を雷撃のマジックで撃墜する。

黄金の装甲を纏わりつき攻撃をくぐりながら砕くことに熱中するピネスは、狂人と蛮勇と勇猛の狭間で二種の剣を必死にあそばせつづけている。

あの動き出したデカいのを受け持つと彼が最初に決めた以上……持ち前のなんとなくのセンスで攻撃を凌ぎ黄金を削り。

ぽっと出で巨体の体内から現れる小物も雷撃に処して、必死に汗水を飛ばし頑張るしかないのだ。

 

そんな彼の動きを注意深く見つめる登別海とトモル2人にできることはただ足を引っ張らず見守ること──ではなく。

 

部屋の天には既に、とても重々しい魔力は練り上げられ……きつくかたく握りしめた石拳は既にエネルギーのチャージは十分。

 

それを魔法というにはあまりにも────登別海は狙いをつけた【グー】を天井から切り離した。

 

「エッチアイ!!! 天井注意離れるのです!!!」

 

登別の代わりに大声を張り上げてトモルは闘いにのめり込む前衛の彼に注意を促す。

 

「うおっ!? んじゃこりゃ!? んじゃ──!」

 

ピネスは天からの贈り物から逃げる際に、右膝の黄金のひび割れに翠のショートソードを投擲。

 

練り上げた雷撃魔法の残りストックが、刺さった翠の刃から即発動。

膝の一点に集中ダメージを与えて、黄金の膝装甲を削り穿った。

 

たまらず右膝突くゴーレムは天から滴った巨大グー拳を、両手の巨大パーをひろげて受け止めた。

 

魔力、質量、衝突──衝撃、凄まじく。

 

とんだ要らない重りを持ち上げる膝突きゴーレムは器用にも胸部の砲門をうごかし狙いをつける。

狙うは、足と足を綺麗に合わせ祈るポーズで魔力をたらふく練り上げつつ佇む……ミントグリーンの小人。

 

この奇妙な魔法の術者を精密操作しながらロックオンし────

 

 

朱文金は火を吹いた。

 

 

宙を燃え泳いだ胸部の前、1匹の金魚のアシスト。

口から吐き出した細い火は砲門の口径を通り注入されやがて内部から誘爆し焼き壊した。その危険なバルカンをグーの足で待機する術者に撃つことを許さない。

 

 

胸は焼け、両腕は砕ける。

自己再生の能力を持てど、焼石に水、すぐには──その手で立ち上がれない。

 

巨大黄金はついに倒れる。

 

そしてとどめのイチゲキが仰向けの頭に向けて、飛び上がり、舞い降りていく。

 

待っていたとばかりに緋色のショートソードを突き立てるニンゲン。

待っていたとばかりに口から不吉な冷風を吹かせるゴーレム。

 

「もう風邪はひかねぇよ、薬草茶術ってご存知かァ!!!」

 

危険なデバフを吹かせど油断と隙のない超陽気な今の彼にはさほど意味を成さない。

不吉な冷風すら熱し切り裂いていく緋色の刃は、今光りかがやく黄金のいただきへと届いた──

 

弱点部へと炸裂したクリティカル陽術【バーンファイア】。

 

砕け散っていった黄金のほとんどがその魔力を失い土塊へと還ってゆく。

 

寄り道した40F節目の一戦。

登別海、光角灯、朱文金、異能チカラをタイミングよく合わせ、最後は引率リーダー浦木幸の手で階層ボスGGC(ゴールデンゴーレムコンディショナー)を完全撃破した。

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