異能幸運レアドロップでイキ抜く♡学校最後の男子ピネスと眼帯プラチナ女校長の不気味なダンジョン冒険記 作:山下敬雄
《みどりのダンジョン30F コカトリスの大部屋》にて
今日も今日とて午前10時からのダンジョン日和。
ダンジョンの様相がみどりにオシャレに変わったとて、いつものようにパーティーの前衛の前衛をつとめる浦木幸は白い巨大怪鳥を剣一本で相手取っている。
つつくグレーの嘴は槍のように鋭く、見た目の遺伝子情報そのまま鳥のように首を前後し独特のしなりでピネスを襲った。
ゴブリンやコボルトやウリボーを数多葬った経験はあれど鳥型のモンスターと対峙したことは今回がピネスにとってもパーティーの皆にとっても初めて。襲いくる鋭利なグレーの軌道を本能と持ち前のセンスで避けながらも全ては避け切れず────
「鳥ってよりぃ恐竜なんだろ!」
小爆発の目眩し。
しつこくつつく鳥頭に対して受けに回ったピネスは防御と同時にあわせた緋色の剣を魔力爆発させた。
つついて出てきたびっくりの火に、ピネスを襲っていた巨大生物は首をもたげもだえ慌てる。
カウンターでダメージを与えたもののしかし嘴の威力は剣を砕かんばかりの強烈。
みどりの草地を背はすべり、遠くへと弾かれた剣士の代わりに────
タキシードを纏う者は指抜きグローブをはめなおして、機をうかがい待っていたみどりの地を飛び立つ。
宙を高く、上から現れた執事がアシスト。
ターゲット頭部近く、空中の一点で静止したかのように、そこからすぐさま放つ姿勢正しき連続蹴りが鳥頭にクリーンヒットした。
8回──鞘から剣を居合抜くように、溜めた力を解放する。黒くてきゃしゃなドレスシューズの蹴りを放った。
「お嬢様にカロリーを届けるため、私は何者にもなりましょう!!! 巨大な鶏もカロっ…拳を抜くのは今こそ!」
⬜︎スマートタコイカ学習帳アプリ
紫家に仕える思いやりの精神にあふれる執事。
傘下外食チェーン店運営企業である〝ぱーぷるまーくぐるーぷ〟
現在はお嬢様とおなじく不黒高校に通う3年生女子であり、やはりお嬢様ファースト。なにかとハラヘリなお嬢様へとカロリーを届けるため、思いやる執事はいざダンジョンでその
髪色 アッシュカラー基調、紫のメッシュ
瞳色 淡いエメラルドグリーン
バトルスタイル 拳剣流できたえた太刀筋のような蹴りが主体
異能 依然不明だが体にわずかに軋んだようなズレを感じると本人は校長とピネスに報告している。体術が主体なためそれを補助する何か相関のある異能であると校長は考えている。
そうび
執事の黒タキシード★★★
フォーマル+1
執事の黒ネクタイ★★★
フォーマル+1
突撃のクールなコボルトベスト★★★★★★★★
物理威力 中
物理威力 小
物理威力 小
クール+2
フォーマル-1
拳剣道場の指抜きグローブ★★★★
レア+1
オリジナル+1
酒羊のトリュフカラーのハンケチ★★★★★★★★★
毒魅了耐性+5
地属性+8
攻撃hit時回復 小
シールド値 小
青きサファイア盤のゴーレム懐中時計★★★★★★★★★★★★
連打威力 小→中→特大
戦闘時間が伸びるほどシールド硬度UP
執事のドレスシューズ★★★
フォーマル+1
蹴り+42
紫檀の数珠
愛+3
⬜︎
戦闘能力の高い生徒である格闘執事の蹴りが鮮やかに決まる。
ニヤリとそれを見て微笑う校長に次の行動は決行された。
巨大な鳥がいいのをもらい隙を見せた、モンスターが隙を見せたときには──
(注意が霧散し敵のもつ影を私のスペシャルな魔力で掌握しやすくなる特性があるというものだ、ふっふ)
校長は蹴りと爆破の連続にうろたえる白い巨鳥の影を既に切り離し忍ばせた己の影で50%掌握。
順調にまた掌握した影から闇光属性2種の魔力を練り上げ影召喚魔法を実行する。
シャドーゴブリン出席番号❹をあばれるコカトリスの尾っぽの後ろへと召喚した。
シャドーゴブリンは校長の命令に従い激レア刀を鞘から抜き、しろい背後からの斬撃を仕掛けた。
校長の潤沢な魔力を共有するシャドーゴブリン❹から放たれた墨のように黒い魔力性質のエネルギー斬は────
溢れたコーヒーのようにあられもなく。
突然白くしなるナニかに頭からがっぷりと噛まれた出席番号❹は倒れ、放った黒い魔力斬はターゲットに到達することなく──失せた。
「チッ、後ろにも目を飼っていたか。さすがコカトリスといったところ…ふむふむやはりこいつはコカトリス」
鳥の尾に溶け込み…ひっこんでいたいっぴきの白蛇はその姿をにゅるりとのばし現した。
寝起きなのか欠伸するかのように目一杯天へとクビをのばし、一心同体…完全体となったモンスターコンビは冒険者たちを睨んだ。
⬜︎敵情報
コカトリス:
蛇の尾をもつ伝説の巨鳥。
一方が起きているときもう一方は眠っていることがおおい。
尾っぽに飼っている蛇の数でつよさが変わるというが……。
蛇が目覚めかわいた舌をなめずり、鳥がテンションをあげ翼をひろげたからにはそこに死角はなし。巨鳥のタフな肉体と蛇の狡猾さが加わり完全体となった。
立派なしろい翼はあるが飛翔能力を有するかは定かではない。
⬜︎
宙を徘徊していた赤いタコイカ学習帳は校長の手に取られた。
「ふむ、やはり電子より紙のほうがいいな。ピネスくんキミがランタンやロープにこだわるのもわかった気がするものだ、はっは」
「いててて…(クチバシがやっかい…)え、ランタンっロープぅ?ってんなことより次どうすんすかこれぇ、なんか作戦がモンスターにバレてねぇ?」
「なっなにぃ…この校長せんせーがコカトリスの鳥頭以下と言いたげかぁ?ハッハッハ! ──上手いこというな? ピネスくんにしては」
「そんなこと言おうとしたつもりもっ──おっ、さんきゅ?」
「すみません…仕留めきれませんでした! せっかくチャンスをお届けしていただけたのですが…」
執事はみどりの苔の上に倒れていたピネスの手を取り、起き上がる手助けをした。さっきの作戦と攻撃が巨鳥を倒すまでには至らず申し訳なさそうな顔をしている。
起き上がったピネスは思いがけず謝られてしまい、しかし繋ぐ手のそこに謝られる筋合いもなく。黒髪をかきながらなんとなくを言語化──ピネス節を練り上げてゆく。
「え?あぁー、…んなの俺もしょっちゅう。まぁこれってやっかいなボス戦だし、敵もすこしかしこいし、まぁーなんだ…あぁーじっくり! じっくりいこうぜ?(これがいいたかった)」
「そっ、そうですね!(熱くなったり?冷静なひと? …なのでしょうか? 不思議と余裕すらかんじて……あ、師範級…つよいひとがみんなもっているような…?)」
「ふっふそうだピネスくんさすが私が不在のときの引率リーダー。板についてきたな? そーそー蛇が姿を出さざるをえなかった!旗色が悪いというわけではないじっくりいこうではないかぁーこちらの手札っ…生徒たちの方が圧倒的に多いというものだ!」
「今、手札って言ったよね?」
「のこのこと言いましたね♪」
「言った…かも……」
詰まったお言葉を聞き逃さなかった木浪はジト目でかるく言い、シスターはニコリと同調、緒方は冷蔵庫に採取したきのこを詰めながらゆっくりと頷いた。
「手札ぁー、では、…あるよな?」
「私は特段悪い響きとは思いませんが?」
執事とピネスはきょとんと疑問した顔とマイペースな顔を見合わせた。
「はっはわるいわるい、ではいくぞブクっ──!? 気をつけろおおおおおスペシャルな全体攻撃の予兆だああああ!!!」
7人悠長にだべっている間に────前のめりにながくしていた鳥首は縮み、尾から生えた白蛇が連動するようにぐぐんと天に首をもたげた。
蛇が鎌首をもたげ、鳥が首を縮める──それはどこか不吉な予兆。
人よりスペシャルなセンスを持つ校長は感じ取ったがままに叫んだ。
「風、ひらくね、【ツバサ】」
よく通る声が皆にきこえた次の瞬間から、ハープの音は奏でられた。
魔力をのせたソライロの音がダンジョンに鳴り響き、巨鳥コカトリスはためた翼をおおげさに広げた。
耳をつんざく鳥の鳴き声に柔らかなハープの演奏、群がる影の壁と雷電とともに抜かれた翠の剣。
数多の白く巨大な羽々はブク高の生徒たち、冒険者パーティーへと向けられ射られた────────
若干1名増えましたが、
増えたんだな?────ぐらいで思っていただけるとありがたいです。
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