異能幸運レアドロップでイキ抜く♡学校最後の男子ピネスと眼帯プラチナ女校長の不気味なダンジョン冒険記 作:山下敬雄
ピネスの運はたまた実力で炸裂した緋色のクリティカル。幸運がよびこんだレアドロップのお宝に。4人の勇敢なる死者、副島たちとのふれあい邂逅。
そして校長は浦木幸のただひとりの校長としての格は変わらず、
2人は悪魔の像を浄化しダンジョンからの帰還を果たした────。
▼▼
▽▽
いつもの正門をくぐった先────いつもそこでたたずみ待つ女神石像の前に2人はまばゆき光とともにワープ移動し、こんもりとした芝の安心感の上に足をつけている。
「ふっふ、今日という日は刺激的な冒険だったなピネスくん」
「きのうよりダンゼン…っすね校長。って俺、今日2回目だった」
「「ははははは」」
ダンジョンで運命を共にした男子生徒と校長は顔を見合わせてくだらなく笑う、再び帰ってきた不黒高校のなつかしい敷地内で。
そして2人が帰ってきてからお互いの面の次に見た──
うれし懐かしの構える校舎には、何故か白い垂れ幕が今いきおいよく垂らされてゆく。
【おめでとーーーー!!!】
屋上から身を乗り出す勢いでげんきに手を振る制服の少女がいる。
とてもとても手をおおきく扇ぎ振っている。濁った赤紫の異界の空をも元気な女子成分で浄化するように、よく知るフレンドリーな校長のことを、誰とも知らないピネスのことを、白い垂れ幕の太い元気な筆字で迎えてくれている。
⬜︎タコイカ学習帳
サンチュ:
1-B
B⬛︎⬛︎
H⬛︎⬛︎⬛︎
とにかく元気なみんなの後輩キャラ。
ミーハー気質でよく兄に呆れられている。
身近な男子を勘違いさせてしまうこと多々。
韓国語はしゃべれない。
願い…光になりたい。
ドロップアイテム
もうだいぶ酸っぱいキムチ
まだパリパリの韓国海苔
いつぞやのプリクラ
りんごのリップクリーム
⬜︎
ピネスはぼーっと見上げる、たぶん2人あてであるとにかく元気でダイナミックに垂らされた力強い光景を。
「なんのおめでとうなんすかね」
「さぁ? とにかくめでたいではないかははは」
しばしその垂れ幕といつまでも疲れ知らずに手を振る元気のフルコースをピネスと校長がならび眺めていると──
「おっ、おにぎり!!!」
突然右横からきこえた〝おにぎり〟。ポニーテールを揺らしエプロン頭巾姿が駆けてきた。
「なんだ? あぁー、おにぎり? バジPあれイチバン」
「えぇ!? ばじぃ!? じゃなくてマッ──」
⬜︎
緒方結美:
2-A
B⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
H⬛︎⬛︎⬛︎
いつも黒髪ポニーテール。トレードマークの頭巾にはおしゃれにこだわる。
いたって普通の可愛い女の子だがおにぎりへの執着心と探究心には目を見張るものがある。
彼女がおにぎりを頬張る姿にひそかに恋をする男子はちらほら。
願い…マイ冷蔵庫がほしい。
ドロップアイテム
おにぎり大図鑑
塩昆布
おしゃれな頭巾
緑のヘアゴム
⬜︎
親指立てのサムズアップ。
ピネスが普通の顔で披露したそれに頭巾娘はあたふたと反応。〝おかえり〟と言うつもりが〝おにぎり〟とアガり言ってしまったらしく、頭巾娘は余計に取り乱した反応をみせおもしろい。
「きのこいかがですか?」
間髪いれず今度は左手側から、謎の白髪ボブのきのこ。
「あぁ、きのこっすね。たしかこれ…土産っす」
「わおキノコっ! のこのこお布施お恵みありがとうございます♪」
⬜︎
のこっち:
3-C
B⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
H⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
不黒きのこ協会に属している。
おっとりやさしい物腰だが……
願い…不明
ドロップアイテム
お気に入りのしいたけベレー帽
修道服
きのこ
きのこ
きのこ
⬜︎
背負ったリュックのサイドポッケから土産のダンジョンに生えていたダンジョン産謎きのこを差し出した。珍しいきのこを両手にしたまま深くお辞儀をし、しいたけベレー帽が地にずり落ちたのでピネスはそれを彼女に拾ってあげた。
何かわからないまま謎きのこの納品クエストを達成したピネスの耳に、突然ブク高の学校生活できいたことのあるようなハープの音が遠方のソラから流れる。
「流れてる……あぁーなんかたまに不定期にきいたことあるやつ」
「ほぉ珍しい屋上の誰かからもキミにおかえりだと、てれてれてってって…というやつだなふふ」
⬜︎
屋上の魔術師:
3-F
B⬛︎⬛︎⬛︎
H⬛︎⬛︎⬛︎
気が興じると音楽をときどき奏でる。
屋上のハーブ園は彼女のテリトリーであり許可なしであまり近づいてはいけない。
違法建築ペントハウスにひそむブク高でもっともミステリアスな生徒である。
願い…
ドロップアイテム
ハーブ類
タロットカード
なぞの楽譜
⬜︎
「あなたがうわさの浦木ピーナッツですわね」
今度は真正面からピーナッツではなく、金色ウェーブ髪のセンター分け。
体も顔も大人びた高貴な存在が堂々ゆっくりと歩み彼の前に現れた。
「ぴねすですけど」
「ピネス?? 私は〝Venus〟ですわよろしく、いい名前ね」
「おぅよろしくな、え、ぴーなつ??」
⬜︎
Venus:
3-E
B⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
H⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
ブク高の圧倒的マドンナ、そのかもしだす黄金のオーラ説明はいらず。
願い…美
⬜︎
『ゔいぃーーなすですわ』と丁寧に舌の使い方まで訂正され、とてもいい匂いのする存在とピネスは握手ご挨拶を淡々と済ませた。そのまま豊かで美しい金髪を爽快にかきあげ、キラキラな彼女はUターンし去っていった。
「ふむこれは俗に言うキミをとりまくカオスというヤツだな」
「ゔぅぃぃなすね……てかどこにいたんすかこんなに(会ったことないキャラの女子までいる気がするんですけど)」
「ははは、キミの活躍がテリトリーにこもっていたみなを動かしたのかな。あといい加減これからはヒトの顔を覚える努力をしたまえピネスくん、人間関係呆れられてからではおそいぞぉ?」
「それも…そうっすね、あぁー努力させてもらいます」
浦木幸のもとに一気に押し寄せた不黒高等学校の各持ち前のテリトリーに潜んでいた麗しき女子たち。ピネスは握手した生温かな手のひらに謎のお近づきの印であるピーナッツを一粒のせながら、前よりも名前と顔を覚える努力をすることをとなりで笑う校長先生に誓った。
「そこの頭巾さんっ。きのこ、おやき」
「冒険しすぎたとおもっていたけどバジPがいちば…えっ、あはい? うわぁーーなにこのきのこ見たことない模様、ニオイは……嗅いだ事なッッ────えでもこれは食しても大丈夫なのかなぁ?」
「やけばわかります、さぁおやき」
どこからか持ってきた七輪セットの炭火の上に、香り笠の模様不思議なダンジョン産きのこはやかれていく────。