固有能力は【洗脳】 ~エロ目的に使うしかねえ!~ 作:レイジー
「うい、終わりだな」
いやあ、学校の身体測定なんか目じゃないくらいバッチリ調べられちゃって。
流石の俺も羞恥心がちょびっと感じちゃったよ。
「う~ん……やっぱり転移直後のタイミングで調べたかったですねぇ」
「そんなに違うの?」
「違うかどうかを調べるため、ですね。ただ高い確率でその方がより多くの情報が得られたかと」
「転移直後、ねえ?」
正直ロクに考えてなかったからなぁ。
前の世界に帰るの興味ないからその手掛かりがどうとかも気にしてなかったし。
「俺の一部が欲しいんだよな? 髪の毛とかの。異世界の物品、じゃなくて」
「どっちも欲しいです!」
「ははは、欲張りさんめ。……なんかあったっけ? カバンの中に残ってたりするかな? あ、もしかしたら……」
え~っと、カバンカバン。
ここにあれば良いんだけどなければ宿に戻って改めて――。
「お、あった。どのタイミングのかはわかんないけど色は黒だし初期だと思うよ」
「おおぉッ!?」
カバンから取り出したのは1冊のメモ帳。
中身は元々使っていたモノをこの国の文化や言語を憶えるためにしたモノだが、今回重要なのはそこではない。メモ帳を開いた目的は、そこに髪が挟まっている可能性があったからだ。
そしてその予想通り、ページをめくっていくとその中に抜け落ちた黒髪が挟まっていた。
抜け毛はDNA鑑定には使えないと聞くが、今回はDNA鑑定ではないため問題はない。
「探せば――他にもあった」
「ふぉおオオオッ!」
「……元気ね」
そんなに嬉しい?
「提供者として聞きたいんだけどさ、これ使って何すんの?」
「組成や構造の調査ですかね? 今軽く調べただけでも色素の違いが見て取れました」
「色素の違い? それはユーメラニンとかフェオメラニン……ってこっちじゃ伝わんないのか。あ~、もう、どう伝えれば良いんだ?」
「要するにヒイラギさんの髪に含まれていた色素の名称、で良いんですよね? 認識としては」
「そう。つまりは、そう」
「であれば明確に違います。この世界の現行人類、および今のヒイラギさんは単純な髪色でいえば無色です。正しくは半透明の白、ですかね?」
そういうとサロメは俺の髪を1本抜き、俺の目の前に掲げる。
色は採った部位の影響で白かつ毛先が空色。
そして彼女は俺から採った位置と同じ自分の頭の位置を指さし、そして目の前に掲げていた髪の毛を軽く振り、魔力を流した。
一度色が抜け、そして今度は茶色に。
彼女の同じ位置の髪色に変化した。
左右で茶色と青の髪。その右眼側の茶色に。
「わぁ」
「ん~、少し色が違いますね。元がヒイラギさんの髪なので染まりきらないのでしょう。これには個人差がありますからね!」
「……なあ、色素が違うっていうなら、なんで今俺の髪は一部元の黒髪なんだ?」
「まだ仮説の域を出ませんけど、それは恐らく水でいう過冷却状態ですね! 転移した時点で既に変化はできたと思います。けど私たちの毛色を決める色素は魔力に反応して色を変えるため魔力のない、あるいは乏しい状態では変化をもたらせなかった。その結果が元の髪色を維持した、ということでしょう。なので今髪に魔力を流せば完全に色が変わると思いますよ!」
「ホントぉ? ……ホントぉ」
言われた通りに髪に魔力を流す。
普段の魔力を纏う以上の魔力量と強度。
すると見えていた黒髪が一気に変化して、鏡で確認をすると白と空色と緑がツートンカラーだったりメッシュだったりになっている愉快な頭になっていた。
気になって他の部位にも流すと、眉は灰色、まつ毛は空色に。
「まあ、そういうことで違いがあるんですよ。ただこれは……無魔環境を作って調べないとダメそうですね。下手に実験をすると魔力を与えてしまって変化を起こしてしまいますからね! 楽しくなってきましたよぉッ!!」
「お、おう。髪はわかったけど他は?」
「成分とか、そういうモノですね。といっても本当に調べたいのは物質構造から転移の仕組みを解明できるか、ということなんですけどね!」
「??」
「保存則というモノがあります」
「質量保存とかエネルギー保存とか?」
「はい。魔力も同様で、無から有を生み出しているように見える魔術でもその実異なることが研究でわかっています。詳しい仕組みは未解明ですが。それはさておき、であれば2世界の保存則は適応されるのか、ということになります。極端な話をすれば、このままヒイラギさんの世界の人間がこちらに転移し続ければそちらはその分が減少し、こちらは逆に増加します。観測されていないだけで転移が人間以外にも適応されているとすればいずれ世界が全て吸収されかねません」
「なるほど? 無から有は生まれない、エネルギーは物質に、物質はエネルギーに、ってことか」
「はい。それが例えば転移の際に転移して来た存在と同じだけの物質やエネルギーが元の世界になだれ込むのか、それともまた別の何かなのか」
なるほど。
そこに関して考えたことはなかったな。
そういえば召喚術ってのは聞かないっけ。
ないんだろうな。
「別の何か。……魔術で物質を創造するみたいに、あくまでもこちらに来たのは魂的な無質量無エネルギーで肉体はこっちの魔力を素に創られた、みたいな?」
「――なるほど!! たしかにそういう考え方もありますね! 魔術の固定には核となる存在力や想子が不可欠ですがそれを魂なる未知の魔術概念で補えば肉体は創造できる! たしかにそれなら――……ふむふむ、なるほどなるほど! 可能性はありそうですね! いや~、素晴らしい発想です!!」
「そう? いや~、照れるなぁ」
適当なんだけどね。
いやぁ、俺ってば天才? だからすぐこんな発想が?!
「これは同一性の問題が少し気になりますね! 私は関係ないですけど!」
「あ~……テセウスの船、みたいな?」
「それは?」
「船があって、その木材を少しずつ交換するとして、元の木材全てを交換し終えたときその船は元の船なのか。また、交換した廃材を船の形に組み直した時、2つあるうちのどっちがテセウスの船なのか。まあ、俺は今の俺が複製体でも気にしないが」
「それは、どうしてですか?」
「だってよ、そこ気にする意味ある? 今こうして俺が俺として生きてる、それで良いわ。今この場で俺が2人に分裂して、1つになれなくて、意見が食い違ったら殺し合って生き残った方が本物でいい。もし1度別れて、合流した時に敵になったらそれはそれで殺す」
「自分ですよね?」
「いや? 別人。だって今の俺は昨日の俺とは別人だから。経験が違えば多少なりとも人格が変わる。人格が違えばそりゃ見た目が同じだけの別人だろ。つまり敵対すれば殺しても問題なし!」
「……」
まあ、分身ってどういうのかにもよるけど。
肉体だけでの分身ならその時に服を着ていた個体が本物。
多分俺ならその時点でメンタルは決まる。
偽物の俺は捨て駒。死んでも構わない。
まあ、本物が死んだらどうなるかは知らんが。
「ちなみにさっきの話。船はどっちがテセウス? の船だと思いますか?」
「ぶっちゃけ大事なのって船として使えるかだし……そこに興味はないんだよなぁ。でも明確にテセウスの船を選べ、って言われたら2つの船を燃やして肥料にして木を育ててそれをテセウスの船って名付けるな! 燃やして混ぜりゃ同じだ!」
「……あははっ! 思い出もなにもないですね!」
「おう! 船なぞ安全に乗れるのが第一だからな! そもそもテセウスの船として大事にとっておきたいならそもそも元の状態、部品の交換なぞせずに保管するわ。朽ちりゃ思い出の消費期限、ってな」
「良いですね! 今度、魔道具や研究目的以外でも私のところに来てくださいよ! 学術的な話はできなさそうですけど面白い話はできそうです!」
「……ああ、落ち着いたら遊びに行くよ。もし卒業するとかなったらギルドの伝言板にでも残してくれ」
「はい! 今日はありがとうございます!」
――――――――――
「あ~、色々結構楽しかった~! 一切気遣う必要のない相手って楽だわ~!」
……うん!
つくづく俺って社会生活向いてねえんだな!?
大小違いはあれど、気遣いってメンドクセーもんなぁあ……。
思い通りにいかないと疲れる俺っておこちゃまね!
「うぼぁ……」
「な~にしてるの?」
「…………頭ン中空っぽにしてる?」
「なにそれ……」
ん~、今はメイソンたちと話す気分じゃないんだけどなぁ。
あ、でもやることはあるか。
「そだ。ちょっとやりたいことがあるから数日抜けていい?」
「良いけど……何するの?」
「まあ、溜まってるモン色々? 魔術の実験とか、そういうの。完全に探索効率とか考えない趣味のヤツだから1人でしようと思って。というか1人のがいい」
「ま、良いんじゃないのぉ? アタシもちょっと東に行く用事あるし、ちょうど良い」
「ついていっちゃ――」
「くんな」
「はぁい……」
「……メイソンさぁん? そんな
ドMは知らん。
もっとメンドクサイ。
「……具体的にはどれくらいなの?」
「ん~、わかんないけど5日くらい?」
「長いなぁ。どれだけやること溜まってんのさ」
「なるほど。ではヤり貯めないといけませんね!」
「――はぁ?」
「……それは~、そういうこと?」
「よし、やるか」
「ヤダよ? そういう気分じゃ――」
笑顔の3人。
いつの間にそんな仲良くなったんだとツッコむ間もなく、突如として背後から頸動脈を絞められ、呼吸も浅く潰され。
周囲に目を向けるも一切気にせず、見ている者はニヤニヤと笑っていた。
そして目を覚ます。
「――説明、しよ? ね?」
「アンタの魂胆はなんとなく察しがついてる。だから身体で繋ぎ止めようかと思ったの」
「アタシたちを遠ざけようとしてるだろ? わかりやすすぎ」
「いや~、女3人だなんて贅沢ですね~」
……はぁ、バレてら。
そのうえで俺を選ぶって、どんだけ物好きなの?
ゲテモノ食いかよ……。
「生憎、興奮しないから。伊達に何人も抱いてねぇ、今さら裸見たところで興奮なんて――」
「でしょうね。だから――」
「ンぶッ!?」
唐突なキス。
同時にドロリとした甘酸っぱい液体が口内に流し込まれる。
舌が入れられ、舌で舌を下げられ、液体が強制的に食道を通された。
「媚薬。理性がトぶ。ついでに効果が続いてる間は惚れ薬の効果も持つ。だから、惚れる」
まるで、濃厚な糖を摂取したような、そんな灼けるような感覚。
それが口を、喉を、胃を順に犯す。
順に進み、そして広がる。
度数の高い酒を胃に何も入れないまま一気飲みしたような、脳の膨張するような感覚が。
全身へ。
「大丈夫。アタシたちも飲むから」
ヴィータのキス。
再び媚薬が流れ込む。
続いてクラウディアのキス。
媚薬の過剰摂取。
「明日、休みなら。存分に乱れましょう」
意識が膨らむ。
組木パズルのような理性が分解され、広がり、そしてできた隙間を埋めるように、視界が入り込む。
目の前の、極上の女が――。
組木の理性を
「ぁぁ……」
「飲ませすぎちゃった?」
「やっちゃったな」
「まあまあ。楽しみましょうか!」
ヒイラギの手が、正面にいたクラウディアを襲う。
「んッ!」
押し倒され、けれど犯されない。
思わず目を閉じていたクラウディアはゆっくりと目を開く。
そこに広がっていたのは淫靡な表情をした、煽情的な眼差しの
「え――」
訓練で硬くなりつつも、まだ柔らかな指先がそっと唇を押し、そのまま横へとスライドし。
耳を挟む。
「んっ」
クルクルと親指の腹で弄ばれるクラウディアの耳。
なんてことない、ただの悪戯のような行為が、不思議なことにクラウディアの感度を上げる。
「さあ、狂おうよ」
1度は触れるだけのキス。
けれど口惜しさを感じたクラウディアが離れる間際にそっと下唇と舐めたことで、舌を交えるキスが行われた。
そして舌は1度ヒイラギによって開発されている。
耳の愛辱と、舌の快楽が股をジワリと濡らした。
それを空いた指先で確かめたヒイラギはゆっくりと剛直を挿し込む。
「わぁ……ヒイラギって理性なくなるとあんな顔するの??!」
「なんで理性トんでるはずなのにゆっくりできるの??」
媚薬でいつもよりも大きく、硬くなったモノには目もくれず。
2人はただひたすらヒイラギの顔に釘付けになっていた。
全員が飲んだ媚薬の、惚れ効果か、それとも別の理由か。
2人はヒイラギの表情に強く惹かれ。
それは今まさに抱かれているクラウディアも同じだった。
むしろ、正面からそれを目の当たりにしている分効果は強かった。
ヒイラギの
至近距離にいて、それ以外目にすることのできないクラウディアは思考がそれに支配されていた。
挿入し、動くために遠ざかる顔を無意識に目で追うほど。
「ふッ、うぅっ、あっ……くぅっ――!」
「ふッ、ふッ、ふッ、ふッ――」
【洗脳】を介さない感度の向上。
性欲増大と、性機能向上と、惚れの効果。
それは凄まじく、不感症気味のはずのクラウディアを呆気なく堕とした。
この男が良いという思考に支配され、種の保存の本能が沸き立ち、上げられた感度が。
拒絶していたはずの快楽を全て受け入れ、増幅。
思考が色で満たされていた。
「うわぁ……スッゴ、激しい……」
「理性消し飛んでるのにあの腰づかいって……セックス人間かよ……」
触れてすらいない2人の股から欲が漏れる。
立ち昇る淫臭。
それを感じ取ったヒイラギの目が2人へ向けられる。
「――」
「――」
自分が崩れる恐怖。
掻き立てられる色の好奇。
疼く本能が身体を前へと動かす。
「口、開けて」
「うん……」
メイソンの口を舌が蹂躙する。
優しく、ゆっくりと、まさに味わうように時間をかけて。
舌を、歯茎を、口蓋を撫でる舌先が興奮を増進する。
「ほら、ヴィータも」
「あ、ぁ……」
吸い込む闇のような眼が向けられたヴィータはリンゴが地に落ちるが如き当然で、キスを差し出した。
起こる口内の氾濫。
粘度の高い液が絡み合い、糸を引き、身体の深部へと送られる。
「――っは」
ただ繰り返すだけではないキス。
2人に合わせた、2人だけのキス。
起こるは最高感度。
舌を弱点とされたクラウディアとの経験て学習した口の犯し方。
感じ方の反応読み取り。
キスをされた2人は酸欠で意識を朦朧とさせるかのように目をとろけさせていた。
「――ィラギ」
「ごめんごめん。浮気、かな? 不誠実な僕を許してほしいな」
責めるような、涙目。
クラウディアの身体を少し起こし、丸まり縮んだ距離で口づけをする。
身長差。
不自由なキス。
けれどそれが逆に2人へ新たな興奮を与える。
「ッ――」
「ぷはッ」
クラウディアの激しく求めるキス。
離れず、けれど苦しく。
ようやく離れた瞬間、クラウディアの歯がヒイラギの唇を傷つけた。
垂れる
味でそのことに気づいたヒイラギは指で拭う。
広がる
口紅で膨らんだ妖艶はクラウディアの中に残っていた僅かばかりの理性を殺した。
「ンぐぅぅぅっ!!」
そこからは早かった。
快楽は脳という制御を失い、快楽は肉体を蹂躙する。
思考が
全身を震えさせた。
「くッ――」
そして3人よりも遥かに多くの媚薬を飲んでいたヒイラギは本来無視できたはずの微々たる感度上昇効果を得てしまい、耐えられなくなり膨大な白濁を放った。
「――メイソン」
「う、うん……」
掻いた汗が興奮を誘う。
蕩けた眼はヒイラギしか見えない。
惚れた意識は恐怖すら与えない。
「ケツ、向けろよ」
「は、はいぃ」
ゆっくりとベッドの上を移動するメイソンを急かすようにお尻を叩く。
それに興奮と快楽を感じ、液を散らすメイソン。
「おせぇよ。薬盛ってるんだから早く動けよ」
「ご、ごめんなさい」
誘う雌犬の髪を乱雑に掴む。
そしてヒイラギは一切の慣らしなく、一気に奥へと挿入し、そのまま激しく腰を動かす。
にもかかわらずメイソンの弱点は正確に苛め、膨大な快楽と苦しみで責め立てた。
髪を掴み、激しい腰の打ちつけ。
受け入れれば揺れる頭で意識が混酩し、抗うように頭を固定すれば激しい頭皮への痛みと首への負荷。
ブチブチと千切れ、抜ける髪。
その中でメイソンは快楽を貪り食う。
「喧しい。みっともなく喘いでんじゃねえ」
「ご、ごめ――ぎゅゥッ!?」
ヘッドロックのように腕が首へ回され。
身体はベッドへと圧しつけられる。
挟み、締め付ける腕は気道を押し潰していた。
そして逃げられないように全身が圧しつけられ、そのまま腰が振られる。
「くぁ……ぁぎ……」
激しい腰づかいのたびに全身が揺れ、気道が絞まり、緩むを繰り返す。
けれどそれだけでは空気が足りず、顔は赤らみ、白み、蒼褪める。
全身の力は徐々に失われ、腕に伝わる首からの脈拍は加速し、そして意識が失われた。
それを理解したヒイラギはゆっくりと腕を解き、雑音が消えたと満足げにしながらそのまま腰振りを続けるが、反応のなさに退屈をしてメイソンの角へと手を伸ばす。
そして根元から勢いよくへし折り、意識回復を待った。
だが意識は目覚めず、退屈そうにもう1本を折る。
やはり目覚めない。
冷めた眼でそれを見下ろすヒイラギは握った角を反転させ、角の尖りで残った角の断面を打つ。
「ぎゅッ!? ぎゃッ! ぅぐゥゥッ!!」
「ハハハハハ!」
神経の通う角。
その中心は神経の集中する場所。
何度も傷つけられれば嫌でも気絶から覚める。
「なぁ? 誰に許可貰って休んでんだ?」
「は、はいぃ。すみません、すみません、すみません!」
「叫ぶな。うるせえ」
再び髪を掴み。
片手で雑音を生む口を掴む。
「な? お前は黙って俺に奉仕すりゃいいんだ。お前は適度に反応を返しつつ、ずっと締めてりゃ良いんだ」
「
「わかるだろ?」
「わ、わ
「うん、よろしい」
優しい声音でそう耳元で囁く。
「やらなきゃ――」
口を掴む手がゆっくりと肌を伝い、胸に触れ、その奥へと魔力が侵入した。
そして弾けた。
「ぐがッ!!?」
「こうだからね?」
メイソンの魔力を一気にかき乱す。
それによって魔術回路が傷つき、とてつもない激痛が走ったのだ。
「なあ? わかりますってのはウソ?」
「う、嘘じゃないです!」
「じゃあさ、なんで締めつけが緩んでるのかなぁッ!?」
「ア゙ァア゙ア゙アアアアアッッ!!!?」
激痛。
見えないはずの魔術回路が発光し、表皮に
「ほら、締めろよ」
「は、はぁいぃぃ」
「……締めろって!」
「ッッ!! はぃ……」
「締めろ!!」
「ッッ……」
「……もういいや。寝てて良いよ」
言いつけを守れない駄犬に興味はない。
そう言わんばかりにヒイラギはメイソンの髪を離し、腰を離す。
「あとは2人だけでやろうか。ほら、ヴィータ」
「あ……う、うん」
「気にしなくて良いよ。アレはもう」
「ぁ……」
微笑み、ヴィータを抱きしめる。
愛の込められた抱擁を受けるヴィータと、それとは真逆にベッドの片隅に捨てられたまま涙を零すメイソン。
「待って、ヤダッッ、捨てないで! お願いッッ!! なんでもするから! いうこときくから……だから……おねがい、すてないでぇ……」
「はは、もう興味ないからさ、身体が動くようになったら帰って良いよ。なんでもする、言うこと聞く。ならさっきすれば良いじゃん。できないこと口にする女に興味はないかな。じゃあね」
「待ってぇ……おねがい……おねがいだからぁっ……」
ヴィータに向けられるような蠱惑の顔はメイソンには向けられない。
それは無機質。
他人に、外部の者に向ける中身のない笑み。
視線は後を引かず、ヴィータに向けられる。
「ヴィータ。愛してる」
「アタシも……」
向き合い、微笑み合う2人は抱き合い、そして交わった。
ゆっくりと重なり合い、少しずつ動く。
「んんっ……」
「可愛い声だ」
「調子いいこと言って……でも、ありがと」
「本当だよ」
あえて顔は見えない状態で、抱擁で顔が隣り合う状態。
そんなヒイラギの脚に縋りつくメイソン。
「お願い……お願い……」
「邪魔だな~、もう関係ないんだからさぁ? いい加減鬱陶しいよ、お前」
「あぐッ!?」
脚にまとわりつく手を振り払い、顔を蹴って跳ね上げる。
当たりどころが悪かったのか、受けたメイソンはそのまま動かない。
あるいは泣いているのか。
興味を失い見る気のないヒイラギにその真実はわからず、メイソンの身体は小刻みに震えるだけ。
「ごめんごめん。ヘンなのが付きまとってさ」
「もうっ。アタシに集中しなっ」
「うん。こんな良い女から意識外すなんてどうかしてたよ」
ゆっくり、トントンと奥を圧す動き。
そしてゆっくりと顔が離れ、そして唇が近づく。
「血の味」
「……ありゃ、拭いたつもりだったんだけどな。治したから、もう1回」
「んんっ――っはぁ」
か細い銀橋が2人の間に架けわたされる。
色を沁みついた視線が交わし続けられる中、静かに銀橋は伸び、切れて2人の胸へと線を引いた。
「なんだろ。今、すっごい、幸せ。アタシ、今、幸せっ」
「うん、僕もだよ」
微笑み合う。
指が絡み合う。
身体が解けたように交わり。
幸せの只中で絶頂を交わす。
「んんッ!! ――すごかった……」
「僕も、気持ち良くてすぐイっちゃったよ」
「ホント? ……んっ」
「んっ」
キスをして、惜しみながら離れる。
「もう、終わったの?」
「――いや、もう少し休んでて良いよ」
「そう? ありがと」
行為の終了。
再び自分の番かと顔を上げたクラウディアを制止してヒイラギは冷たい視線に切り替わる。
「俺に奉仕する気がまだあるなら、最後に1回だけチャンスをやるよ」
「――ります……やらせてください……。もう、捨てないでぇ……」
「ごめんごめん、ちょっと意地悪しすぎちゃったね。嘘だからさ」
「ほんと?」
「ほら、俺が悪かったよ」
「――ッ。ご奉仕します、だから私を貴方の傍で居させてください……」
「うん。良いよ」
恐怖に顔を歪めるメイソンの頭を撫で、キスをする。
そうして2人は再び交わり。
4人の交尾は早朝まで続いた。