※この作品はR-18です。

二次創作短編集   作:檀崎 不浄

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最初は第一話のデスツリーで書こうとしたけど、
蟻の一歩程も進まなかったのでこうなりました。


異世界失格
触手∶タマがローパーに襲われる話


 そこは人っ子一人見当たらない、洞窟の中。そこに彷徨っていたのは一人の少女だった。

 可愛らしい黒のショートヘアで、頭上には猫の耳が生えていた。髪のシルエットに合わせてか、白緑色のメッシュを入れている。丸い緑色の目と端正な顔立ちは活発な印象を与えるものである。細長い尻尾は大部分が黒いものの、先端はメッシュと同じく白緑色だ。細い首には白緑色のシンプルなチョーカーを着用している。

 黒の付け半袖、黒のドレスを着用している。オフショルダーで、スカートマイクロミニの丈のため、可愛らしくも胸元と太腿に自信の籠もったファッションだ。胸元のスリットから覗かせる深い谷間は鍛錬と食事の賜物だろうか。

 スカートから伸びる足を黒のオーバーニーソックスで覆い、黒のブーツを履いている。

 全体的にボディラインが浮き出るデザインで、可愛らしさと動き易さを取り上げた着こなしである。

 その少女はタマと呼ばれる者である。しかし本名ではない。彼女は先程から一人で洞窟の中を彷徨っていた。いつもならばセンセーやアネットたちと共にいたはずだったが、異変はその入り口に御一行が立った時点で何かしら起きていた。

 少し歩けば矢を撃たれ、扉の奥に控えていたアンデッドの群れに追われ、スイッチを踏めばやけに綺麗な球体の岩がパーティを潰さんと転がって来たこともあった。ダンジョンの罠としては古典的なものだったが、分断の効果は確かなようだ。

 ふと気付けばタマがパーティからはぐれてしまったのである。思い返せば、何処かのタイミングで味方の悲鳴が聞こえなくなっていたような気がした。明確なタイミングはわからない。

 

「センセー、アネットー!」

 

 大きな声を出してはみるものの、当然成果は芳しくない。彼女一人だが、周囲に魔物がいない点に関しては不幸中の幸いというべきか。

 とはいえ孤立無援もまた事実だ。壁を破壊したり道標を発見したりできれば楽なものだが、何にせよ、まずは動かなければ始まらない。タマは眉間にシワを寄せこそするが、気強く立ち上がった。

 

「センセー、アネットー! ニアー! メーロースー!」

 

 幾ら仲間たちの名前を呼ぼうと堅き闇の中を彼女の声が木霊するのみだ。耳を澄ましたやはり返事は無い。

 先程まで和気藹々としていたはずが今やこの有り様だ、どうしても孤独感に苛まれてしまう。しかしそれでも立ち止まるつもりは無い。

 暫く歩いたところ、彼女は分かれ道に差し掛かった。洞窟に看板を置くような親切心などありはしない。鬼が出るか蛇が出るか、先の読めない別れ道は辿り着くまで見えないものだ。

 焦燥感に駆られるままに、タマは右の道へ突っ走った。何処まで走れば皆の元に辿り着けるのか、いつになったらこの闇から抜け出せるのか。本来ならば不必要な体力の消耗は避けるべきだが、それ程に彼女は冷静ではなかった。

 やがて一心不乱なタマの行き着く先は、広間だった。これまでの回廊や階段とは明らかに違う、円形に設けられた空間だ。天井には何やら、人工的な円形の穴がある。

 しかし何より視線を引き付けるのは、この間の主と思しき不気味な生物だった。広間の中央に座す楕円体とそれを囲むようにして蠢く何かで、サイズは人間より一回り大きい程度だろうか。

 

(蛇……? 真ん中のは何?)

 

 魔物の類いだとは思われるものの、少し距離がある所為か見難い。しかし相手が何であれ、この場で巡り会うのは恐らく敵だろう。タマは重心を落として拳を構える。

 彼女が一歩踏み出したその瞬間、それは開眼した。球体がビクビクと震えた直後、張り裂けるような生々しい音と共に、その中心が開かれ、大きな一つ目を現した。眼球だけでも人の頭程のサイズだ。

 数多の触手を持つ魔物、ローパーである。

 

(何か前にもこういうことがあったような……)

 

 嫌々といわんばかりの表情で、以前あった命の危機を思い出すタマ。その時はセンセーによって救われたが、今回ばかりは仲間の助けは期待できない。

 無意識の内に力む拳。緊張のあまりタマは全体的に力を入れ過ぎた状態だ。彼女はローパー目掛けて真っ直ぐに跳躍し、拳を振り上げる。強烈なネコパンチはローパーの眼球へと向けられた。

 

「──!」

 

 ──彼女が何かしらの魔法や飛び道具を使えれば、また違う結果になったかもしれない。

 ローパーの本体から伸びた太い触手だ。繰り出された四本が盾となり、タマの拳を受け止めたのである。皮膚は滑らかな質感ながら、その内部には筋肉が詰め込まれている。凝縮されたそれは固くも柔軟に動く、盾にも鈍器にもなる代物だ。

 ダメージは期待できないだろう。先手必勝を仕掛けたタマだが、一転して窮地に陥ってしまった。

 床に蠢く触手の群れが宙に佇むタマに襲いかかる。最初に機動力の要たる足を絡め取り、次に武を振るえぬよう腕を縛り、頭上で固定させた。最後に、無抵抗であり生物の弱点である首に巻き付く。

 

「離しなさいよ!」

 

 完全な拘束といえよう。地に足がついておらず、少しの身動ぎが関の山だ。それでもタマは脱しようと暴れ出した。

 ローパーは揺るがない。それは決して拘束を緩めず、淡々とした眼差しでタマを観察した。必死な表情を見つめる網膜からは微塵も感情が確認できない。

 しかしそれが女を縛るのみで何もしないとは、誰も言っていない。唐突にそれはタマの無力化を試みたか、彼女の四肢と首を捉えた触手に力を込め、締め上げたのだ。

 

「ぐっ……!?」

 

 軋む関節、圧迫される首。まるで万力を前にしたかの如く、タマの体から段々と力が抜けていく。

 ローパーは無力化を執行しながら自らの元にタマを運ぶ。口が開かれないことから捕食という訳でもないようだ。封殺されたタマはモンスターの手繰るままだ。そのまま少女と恐ろしい眼が間近に対峙する形となる。

 

(何、を……する気……!?)

 

 観察でも、捕食でもない、この不可解な行動。しかしローパーの次の一手は次の瞬間に執り行われる。

 大きな瞳が光を発したのだ。赤紫の怪しいそれはタマの体を鈍く照らし、その網膜に奇怪な色を刻み込んだ。

 

(何これ……いや、見ちゃダメなやつだ……!)

 

 突然の光に反射が働き、目を瞑ろうとするタマ。その瞼を細い触手が抑え、無理矢理彼女の目を開かせた。顔を背けることも当然させない。光は余すこと無く注ぎ込まれ、やがて静かに潰えた。

 間もなく異変は起きる。タマの体の芯からじんわりとした熱が湧き上がる。それは彼女の思考回路にまで侵食し、風邪を引いた時のようにぼーっとさせる。目の前の視界すらぼやけた。

 

(逃げ、なきゃ……!)

 

 今何をされたのかも、これから何をされるのかもわからない。しかしタマの本能がけたたましい警報を発し、自らに逃亡を命じた。命の危機かそれ以上の何かを予感したのだ。

 無論、勝ち取った獲物を逃がす獣はいない。鈍り切ったタマの頬を太ましい一本が力強く振り切った。

 

「がっ……!?」

 

 鈍痛と衝撃に脳を揺さぶられ、タマの意識が一瞬飛びかけた。しかしすぐさま二発目が彼女の頬を襲い、鈍い音が広間に響いた。

 抵抗も逃走もできない少女の体にローパーは容赦無く殴打を繰り返す。一撃ごとに鈍い音が響き渡り、その度に少女の顔が悲痛に歪んだ。殴られた勢いで口腔内の一部が切れ、少女は鉄の味を噛み締めることとなる。

 タマにとって恐ろしいのは殴られることではなかった。武闘家である彼女は鍛錬により強く頑丈な体に仕上げた故に、ダメージこそあれど骨折や腫れは無い。戦う意思も折れてはいない。

 げに恐ろしきは熱の侵食だ。少女を蝕むそれはダメージの蓄積に比例して広がり、手や爪先にまで伝達されていった。

 

(体が、あつい……!)

 

 病は気から。ならば、気を磨り潰せば病むのもまた自然の摂理といえよう。ローパーはタマに状態異常を付与し、それを万全なものにするべく、彼女の体を追い詰め、心をへし折りにかかったのだ。

 殴られているタマにも、ローパーにすら見えないだろう。触手で隠された彼女の首に、薄紅色の闇が刻まれつつあるさまが。

 そして、紋章は完成する。摩擦で千切れたチョーカーの下、そこに刻み付けられた呪淫の印。首を一周した鎖。繋がれ、縛られたハート。焼け爛れ、溶け落ちた薄紅色は縁を残して虚ろとなる。

 触手の隙間から漏れ出た光を皮切りに、ローパーは殴打をやめる。それは同時にタマが堕落の底に踏み入れてしまったことを意味していた。

 

「──!!」

 

 その瞬間、タマの本能は醜く──否、ある種において誤りならぬ形に歪まされた。危険信号を発していたはずのそれは彼女の体、その奥深くを強烈に疼かせる。

 ギュッと締め付けられるような、しかし痛みそのものは欠片も無い下腹部の感覚。女としての本能が彼女の体に張り巡らされた。ピリピリとした甘い痺れに彼女は目を見開き、頬を赤く染めた。

 

(やだ……こんなの……!)

 

 タマの首に付与された紋章は淫紋と呼ばれるものだ。それは刻まれた者の性感帯を活性化させ、発情を促す。そして今この場で雌雄が決し、揃ったことは火を見るよりも明らかだ。

 待ち侘びていたローパーがここぞとばかりに触手を手繰る。細長いそれらがタマの体を這い回り、胸や臀部、太股といった柔らかい部位を存分に揉みしだいた。

 

「っ……やだぁ……!」

 

 口では拒絶するものの、体は正直に反応する。タマは頬を赤く染めたまま目を伏せた。触手が這い回る度に彼女の体が跳ねるも、四肢と首を縛る拘束具によりそれは叶わない。

 しかしローパーは彼女を逃がさない。三本の触手を彼女の口に捻じ込み、無理矢理に開かせたのだ。

 

「んんっ! んぐっ……!」

 

 喉奥まで侵入する触手の群れにタマは苦しげな声を漏らすも、ローパーはそれを気に留めない。蹂躙というほかないだろう。我欲の刺客は舌に絡み付き、少女の頬粘膜をねぶる。さらに彼女の食道に至ると、侵入と後退を無遠慮に繰り返した。

 触手が喉奥を擦る度にタマは吐き気を覚え、目尻に涙を浮かべた。喉をまさぐられる感触も、その息苦しさすら雌を掘り起こす一打となる。淫紋が苦痛と快楽の境界線を掻き消している以上、キャパシティを超えた快楽が注ぎ込まれることとなる。

 

(苦し、いのに……気持ちよく、なって……やだ、こんなに気持ち悪いのに……!)

 

 やがて触手の抽挿は激しさを増す。タマの粘膜と摩擦する度に触手の表面から粘っこい液体が分泌され、彼女の内部に塗りたくられていく。

 触手が全身を弄ぶ程、タマの脳に甘く痺れが注がれていく。不本意かつ不愉快だと彼女の心が断じたところで、その体が雄を受け入れる準備を完了してしまったのだ。悔やんでも悔やみ切れない、彼女は雌としての一面を直感的に感じ取り、涙した。

 

(やだっ、こんな奴となんて……!)

 

 しかし本番の時は刻一刻と迫っていた。タマの臀部を這い回っていた触手が黒のショーツに潜り込んだのだ。既に濡れていたそれを引っ張れば、陰門が晒される。

 三本の触手が粘液を滾らせながら、タマの秘裂にあてがわれた。蜜の滴る門を叩くという行為が何を意味するのか、タマに谷底へ落下するかのような戦慄が走った。

 

「んんっ、んぶっ! やめ──んっ、んんんんんん!!」

 

 次の瞬間、無情にも触手は一気に彼女の膣内へと侵攻した。異物が侵入する衝撃と圧迫感にタマは思わず仰け反り、声を漏らす。

 三本は各々の方向へ膣壁を押し広げながら最奥を目指す。容赦の無い侵略を前に、タマは鳴くことすらもできなかった。理性と本能の狭間でローパーの陵辱を享受する状況は凄惨なものだった。今のタマは、本能に狂うことも、理性に従うこともできないのだから。

 板挟みもまた精神負荷の一環だ。ローパーはタマを本能側へ追い詰めようと画策する。乳房に絡み付いた触手を上昇させ、彼女の乳首を強く締め付けた。

 

「ん、んっ……んん……!」

 

 触手の愛撫にタマは甘い息を漏らす。性感帯と化した胸への刺激は、子宮まで響く甘美な電流となって彼女の全身を駆け巡った。

 ローパーが刺激を強めれば膣圧もまた強まる。膣内を穿つ三本がきつく締め上げられ、より激しく反発する。

 

「んんんっ! んんーっ!!」

 

 触手が抽挿を繰り返す都度、子宮を揺さぶられる。鋭敏に刺激を受け取るタマは思わず、くぐもった声を漏らした。

 きつい膣圧もか弱い悲鳴も、何と甘美なものか。タマの生理的な反応と声色にローパーは歓喜し、その責めを苛烈なものにしていく。膣口付近まで引き戻す時はゆっくりと、しかし最奥へ押し込む時は一気に突き刺す。乱暴な触手使いにタマは翻弄された。

 

「んっ、んんっ……んぐっ……!」

 

 触手が膣内を往復する度に膣液が溢れ、淫靡な水音を立てる。子宮口を小突かれる度、その衝撃に反応して蜜が分泌されるのだ。ローパーの粘液と混ざり合い、彼女の陰部はぬらぬらと光っていた。

 

「んっ、んん……! んんんっ……!」

 

 触手が出入りする度にタマの性感帯は責め立てられる。子宮を揺さぶられたかと思えば、今度は膣壁を擦り上げられ、時には両サイドに圧をかけられた。

 本来ならば苦痛のみだったであろう刺激も、今の彼女にとっては艷やかなものだ。その刺激に呼応して彼女の膣内もきつく締まり、ローパーから快楽を搾り取る。触手が出入りする度に淫猥な水音が響き、両者の性感は高まっていくばかりだ。

 

(やだ……! もうイきたくない……こんな気持ち悪い奴相手にイキたくない……!)

 

 ローパーによる淫靡な刺激と熱に、タマは絶頂が近いことを悟り、彼女は涙を流して首を振る。

 魔物はその一切を許さない。乳首への圧をそのままに強く引っ張ると共に、両足を下に引っ張った。引き伸ばされる乳房と、さらに深く穿たれる最奥。

 

「んんっ! んんーっ!!」

 

 強烈な刺激にタマは仰け反り、触手越しに悲鳴を上げた。足を伸ばしている触手が彼女の体を支えながら、ローパーはさらに

子宮口を小突く。陰門から淫液が溢れ、それを潤滑油として触手の抽挿は早まる。

 子宮口を小突かれる度に揺さぶられるタマの体と心。刺激に跳ね上がる自らの勢いすら嬌声を紡いでしまう。快楽の頂はもう目の前まで来ている。触られている感触も触手の存在そのものが不快なはずなのに、淫紋一つで感覚を狂わされている。

 

(助けて……センセー…!)

 

 歩けど願えど助けは来ない。タマの脳裏に浮かぶのは、己の故郷、父と、そして二度と会えない二人の家族だ。

 しかしそれもすぐに快楽に掻き消されてしまう。欲望のままに弄ばれ、挙げ句それを飲まされているその屈辱は筆舌に尽くし難い。

 

「んんーっ! んぅっ、ぐっ……!」

 

 喉を押し込められ、触手が引き抜かれる度に唾液が溢れ、顎を下る。そこから伝って降りた唾液は淫紋を濡らし、妖しい光を放った。

 タマの意思など一切介さぬままに子宮口と膣壁が痙攣し、触手を締め上げる。欲しきは子種と、サガを満たすための快楽だ。

 ローパーは自らとタマの絶頂を悟ったのだろう、最後の仕上げにかかろうとしている。三本の触手を膣内で束ね、太い一本に仕立て上げる。纏めたことで凹凸とサイズを拡張し、よりタマの膣壁を刺激しようというのだ。

 

「んんーっ!」

 

 その意図はタマにも伝わったのだろう、彼女は目を見開いて拒絶を露わにした。

 しかしローパーが孕ませようという女の拒絶を聞き届けるはずも無い。何よりも、彼女の肉体そのものがこの状況に震える程喜悦していたのだ。

 

(やだ……! 化け物なんか産みたくない……!)

 

 タマの拒絶は言葉にすらできない。束ねられた触手は彼女の膣内を思うままに抉りながら最奥を叩く。喉を貫くそれもまるで彼女の体内をねぶるようにして擦り、何度も吐き気とえづきを促進させた。

 雄に対して従順な膣内は強く触手を締め上げ、子宮口も吸い付く始末だ。魔物の陵辱を止められる者など、ここにはいない。襲われている本人すら、その身が受け入れている。

 

「んんっ! んっ……んんんんんっ!!」

 

 触手が最奥を小突き、子宮口と膣壁を強く押し込んだその瞬間、ローパーとタマは同時に果てた。タマは体を仰け反らせながら絶頂し、同時に快楽に絶望する。

 彼女の意思とは関係無く体が打ち震え、痙攣し、淫紋が強く光る。膣内の締め付けも一層強まり、ローパーの触手を搾り上げた。

 それに応えるかのようにローパーは触手を脈動させ、タマの子宮へ子種を注ぎ込む。その量は凄まじく、彼女の子宮を容易く満たし、荒れ狂う肉欲が自らの勢いを以て逆流を為す。膣壁を押し退けた遺伝子はそのまま秘部より脱し、外気へと晒された。

 

「んっ……んんっ……!」

 

 触手の脈動にも反応してしまう程に鋭敏だ。タマは虚ろな瞳で影の差し込んだ表情となっていたものの、触手を挿入されたままの膣口は今もなお内部に圧力をかけ、ローパーの子種を搾り取ろうとしていた。

 彼女の肉体がまだ満足していないのだ。今すぐにでも注がれたものを吐き出し、掻き出したいところを、淫紋の所為で雄を欲する体へと作り変えられている。

 

(熱い……気持ち悪い……!)

 

 注がれる感覚と自らを侵略する熱にタマは恐怖し、嫌悪する。しかしやはり体は快楽に打ち震えている。拒む心に体が応えない違和感もまた、タマの心に影を落とす。

 やがて射精を終えたところでローパーは再びタマを見つめた。最初の勢いは完全に消沈しており、息は絶え絶えで顔もぐしゃぐしゃになってしまっている。その精神も既に風前の灯といったところか、彼女の意思が折れる時も近い。

 このまま続けるのが得策か。ローパーはそう判断したか、再び触手を手繰る。タマに挿入していた触手を引き抜くや否や、彼女を手放すようにして床に叩き付け、這いつくばらせる。そうしてタマが四つん這いの体勢になったところでその四肢を拘束し、固定した。タマが屈服し、土下座しているかのような光景である。

 

「はっ……離、せぇっ……」

 

 再びタマに襲いかかる触手の群れ。地面に向かう乳首が再び絡み付かれ、力強く下へと引っ張られ、乳房は円錐状にされる。

 射精されたばかりの陰門と口に再び触手を突き立てられ、タマの体はまたも跳ね上がる。膣の狂喜にシンパシーを奏でるように、触手は淫らな衝動に荒れ狂った。

 太腿や臀部に対して拘束と愛撫を兼ねた侵略行為が行われる。肉の詰まった肢体は一度汚されてなお柔く甘美である。肉の弾力と肌の質感に、触手はねぶるように絡み付いた。

 

「んんっ! んっ……んぐっ……!」

 

 触手が彼女の口内を蹂躙する中、ローパーはその表面にカウパーを迸らせる。粘着質の液体は触手の往復でタマの粘膜に塗り込まれ、己の臭いと味を刷り込んでいく。ただでさえ吐き気を誘うというのに、泡立った感触が加えられる。

 何度味わわされたことか。この醜悪な魔物の粘液も表皮も、胃に入れたものごと吐き出してしまいたい程の下劣さだ。キャンディにしては精巧さも甘さもあったものではない。

 

「んぶっ……んんっ、や、あぁ……! んぐっ……!」

 

 触手が喉奥を小突く。タマは何度もえずき、気持ちの悪い異物に涙が途絶えない。しかし淫紋の効果でそれすらも肉体が喜んで受け入れてしまう。その身が侵食された事実もまた彼女の心に影を落とす。

 タマの心が幾ら抗おうと、魔に魅入られた肉体が魔物に逆らうことは無い。首に刻まれた淫紋が強制的に女の蜜壺を刺激し、禍々しい情欲を沸き立たせるのだ。指で触れられればその身が震え、薄衣の下を侵されれば女陰も泣き締まる。淫紋とは即ち、好色の従僕につけられる印である。

 魔に引き込まれた少女をさらに引き摺り込むべく、ローパーは彼女から新たな不可侵領域を見出す。臀部に触れていた一本がゆっくりと下降し、ショーツに潜り込む。ぬるりとした通過の感触でタマは背筋を震わせた。これから起きる陵辱は震えるだけでは済まないだろう。薄布の下に侵入したそれが目指したのは、一度として触れられなかった菊座である。

 

「んむっ! んんーっ!!」

 

 菊座に異物が押し当てられた瞬間、タマは目を見開きながら痙攣した。今までのような前準備もなく、いきなりの肛虐である。

 触手の表面から滲み出る粘液が潤滑油となるかもしれないが、そこは異物の侵入を想定した作りではない。力技だ。触手は露程の手心すら加えず、不浄の間を抉じ開けながら肛門へと侵入して行った。

 

「んっ! んんーっ!」

 

 排泄器を抉じ開けられるという感覚に、タマは目を見開いて拒絶した。異物による不快な圧迫感と嫌悪感に白目を剥きそうになる。

 しかしそれも快楽にされる。彼女の肉体は打ち震えたままだ。触手を咥えた菊座もまたその侵入物を歓迎するように収縮する。

 触手が腸内へと入り込み、その身をくねらせる。肉壁越しに子宮を刺激され、タマはくぐもった声で鳴いた。粘液と振動が直腸を伝い、彼女の脳に快感という電流を流し込む。

 

「んぐっ……んんっ!」

 

 抽送される二つの穴に、タマはどんどん力を失っていき、涙と涎を零してしまう。菊座を犯されながら女陰と乳首を責められるというあまりにも煩雑な快楽で、彼女の意識が掻き乱されていた。

 その中で、二つの穴への抽挿が激しさを増していく。乱された肉体を犯され続けた結果、己の限界が近いことをタマは悟らされた。散々犯され、体の熱が上昇していくのだ。

 その感覚は触手にすら伝わったのだろう、ローパーの抽挿がさらに激しさを増す。腸内と膣内を抉られながら、タマは絶頂へと押し上げられていった。蓄積される快楽が淫紋でさらに強くなる。

 

(やだ、魔物の子どもを孕むなんて、嫌ぁ……!)

 

 そして、タマは全身を痙攣させながら絶頂した。二つの穴で同時に果てさせられ、腸内と膣内がきつく締まる。

 強い圧をかけられた触手は雌の要望通り自らの内から子種を吐き出そうとした。高まった欲望が触手の内部を通ってタマの中へ突っ込んで行き、弾けるようにして解き放たれた。

 

「んんっ……んんんんんんーっ!!」

 

 脈動。侵攻する遺伝子は喉と腸内、子宮へ注ぎ込まれ、内部を満たさん限りに暴れ回る。子宮と腸が満杯になるまで吐き出され続け、タマの膣内は既にキャパシティの限界を迎えていた。そうなれば当然、先に注がれた精液は外部へと追いやられる。

 穴から噴き出る白濁液。膣壁を押し退けながら脱出される感覚すらタマの脳を焦がさんばかりのものだった。

 淫乱という言葉で片付けられるものではない。腸内と膣内を犯され、精を注がれ、あまつさえ満たされて達するなど、まるで自分の体が自分のものでなくなってしまったかのようだ。浮遊感に包まれるその心地は、タマにとって言葉を以て表せるものではない。

 

(センセー、アネット……誰、か……)

 

 注ぎ込まれて数秒後、ローパーはようやく彼女の穴から触手を引き抜く。差し込まれた異物から解放される感覚に弱々しく反応するタマ。栓を失った穴から白濁液が漏れ出し始めた。

 口から触手を引き抜かれた拍子に彼女は俯き、胸の内側から込み上げるものを感じた。精液を受け付けなかった胃が嘔吐感を訴え、逆流を促した。

 

「んぐっ! うっ──!」

 

 タマは胃から込み上げて来た勢いに逆らえず、そのまま胃の中身を吐き出した。吐瀉物が床にぶちまけられ、異臭が鼻腔を刺す。殴打や陵辱とはまた違うダメージに、タマは息を切らし、可愛らしかった表情を涙と涎で歪ませ、汚した。

 異物を吐き出してなお不快感が残る。涎と涙で顔を汚した、弱々しいものながら彼女はローパーを睨んだ。肉体は既に快楽に屈し、陵辱にも反応してしまうという有様だ。しかし、その意思は確かにローパーを怨敵と断じたのだ。

 それでも所詮彼女は敗者に過ぎない。武術が一切通じず、状態異常の耐性も無い女などもはや敵ではない。嬲られ、陵辱された後ならばなおさらだ。

 

「離せ、って……言ってるでしょ……!」

 

 触手が疲労困憊のタマを持ち上げ、ローパーの本体よりも上の位置に運ぶ。抵抗できない彼女は魔物を見下ろす形となった。

 直後、その上部が花弁のように開かれ始める。数多の突起物を帯びた肉厚な花弁が開放したその先にあるのは粘膜の壁と白濁液の泉である。

 これから何をされるか理解したタマの心は再び闇に沈められる。その身もまた繁殖の浴場へと誘われるのだ。

 

「や、やだ……もう嫌ぁっ!!」

 

 その叫びが仲間たちに届くことは無い。彼女の体はゆっくりと肉の牢獄へと運ばれて行く。近付く程に悪臭と仄かな熱が漂い、鼻に突いた。

 脈動する花弁が今か今かと彼女を待ち構える。魔物の体内に取り込まれてしまえばいよいよ救助はおろか、彼女の発見すら困難になるだろう。

 ぐしゃぐしゃになった表情、タマはしどろもどろに抵抗した。当然、何度も敗北を喫した彼女が今さら拘束を脱せられる訳が無く、どんどん汚濁の源泉へと引き込まれて行く。

 恐怖のあまり、タマはギュッと目を閉じた。せめて悪質な夢であることを、藁のような一抹の逃避で──

 

「やぁタマ、奇遇だね」

 

 天井の穴から来た男とタマが邂逅した。邂逅とはいっても、それは殆ど一瞬の出来事であり、挨拶されたタマも反応が遅れてしまっているのが現状だ。

 理解を超えた事態にタマもローパーも反射的に動きを止めてしまうが、落ちて来たその男は違う。何処からともなく現れた彼は重力と移動エネルギーのままに白濁の牢獄に飛び込んだ。

 

「センセー!!」

 

 思わず叫んでしまうタマ。

 センセーと呼ばれたその男は打ち所が悪かったのか、殆ど抵抗という動きも無いままに醜い白に沈んでしまう。

 異変はその直後に起きた。体内にセンセーの肉体を収めてしまったローパーの全身が震える。その目は大きく見開かれると共に充血し、それが生やしていた触手が苦しそうに暴れ出したのだ。

 その勢いでタマの身柄は解放され、背中から床に叩き付けられてしまう。それもまた子宮への刺激となってしまうが、タマの視線は目の前の惨状から引き剥がせない。

 タマの攻撃を容易く受け止めたローパーは柔らかな全身を震わせて振り回した。上部の口は開かれたままである。

 頭の追い付かない状況だが、彼女は伏したまま彼の名を呼ぶ。

 

「センセー!」

 

 彼の仕業だ。その肉体には毒が蓄積されており、並大抵の魔物が噛み付いたり摂取したりしようものならば忽ち毒をもらってしまうものだ。その上、精巣とは決まってデリケートな部位だ。頑丈な肉に覆われているならばまだしも、繊細な内部に直接毒の塊を突っ込まれては処方もしようが無い。

 毒が周り、どんどん触手の末端へと広がって行く。紫色に変色した矢先、皮膚や筋肉は砂のように崩落する。これにてローパーはセンセーの毒に崩壊し、絶命したのである。

 

「栗の花の臭いに包まれての溺死か……異世界での死因とはつくづく妙なものだ」

 

 塵となる骸の向こうから下駄が鳴る。センセーは白濁液の臭いに淡々と鼻を抓みながらタマへと歩み寄った。

 流石に悪臭が酷いのか、カルモチン∞も白濁液の洗礼を浴びてしまったからか、感情の目立たない彼の表情は僅かに不機嫌なように見えた。

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