※この作品はR-18です。

二次創作短編集   作:檀崎 不浄

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陵辱∶慧音が出資者に脅されて娼婦にされる話

 夕刻、上白沢慧音は微笑みながら、寺子屋から子どもたちを見送っていた。

 彼女は先生と呼ばれているが、その背丈はどちらかといえば小柄で、子どもに近いものだ。丸みを帯びた輪郭に緩やかな垂れ目がその印象を強めている。

 青のメッシュを含んだ長い銀髪が夕暮れを吸って輝いている。その頭には浅い博士帽に六面体を乗せたような青い立体に、赤いリボンで飾り付けた帽子を被っている。

 上下一体となった群青色の衣はまるでワンピースのようで、その下には白いブラウスを着用している。スカートの裾は大小の円を重ねて繋いだような意匠を作られ、白いレースで柔らかく飾られていた。

 本日の授業も終わり、今のが最後の一人だ。後は彼女も備品を片付けて帰宅するのみ。

 細やかな達成感を掻っ攫うかのように、彼女に歩み寄る人影があった。当然、その足取りは帰る親子と擦れ違い、対称的に寺子屋へ向かっている。

 慧音の目の前で立ち止まり、一礼したのは初老の男性だった。褐色のハットを被り、黒いウーステッドの上着と暗青色のトラウザーを着ている。一際目立つのは白いシャツと赤いネクタイか。

 彼は穏和な笑みを慧音を向け、帽子を脱いだ。その男の来訪に、彼女は眉間にシワを寄せ、警戒心を抱く。

 

「お時間、よろしいですかな?」

 

(こいつは……)

 

◆◆◆

 

 彼女は出資者を応接室に案内した。他の職員を先に帰し、今は慧音と来訪者の二人きりである。

 それぞれ座布団に腰掛けて座り、対面する二人。出資者の薄ら笑いでは誤魔化せない空気感、慧音は眉を潜め、口を噤んでいた。

 今目の前にいる男は出資者だ。以前、一度だけ寺子屋の経営が傾いたことがあり、何処から嗅ぎ付けたのか、彼は慧音に出資を持ちかけてきたのである。火の車を御せなかった彼女は渋々その契約を結び、今日日彼女は教鞭を振るえている。

 本来ならば、彼が寺子屋に来ることはそうそう無い。今こそ男は丁寧に粗茶を口にしているが、何を企んでいるのか、慧音にはわからなかった。

 思い当たることといえばただ一つだけ、時折彼から邪な眼差しを向けられることがある、というのみである。今の今まで何も無かったため、気の所為だと認識していた慧音だったが、今日はそれが嫌に脳裏を過った。

 淀んだ空気に無言を添えるのは彼女とて御免被るものだ。

 

「本日はどういったご要件でしょうか?」

 

「大したことではありませんよ。先生のご鞭撻には好評なようで、ご様子を拝見しに参りました」

 

 世辞だろうか、皮肉だろうか。慧音は訝しげに口を尖らせる。彼には出資者として小さからぬ恩がある以上、無下に扱うことはできない。

 しかし妙だ。慧音にはその男が、人も戸に去る夕刻にわざわざ雑談をしに来たとは思えない。

 怪訝に見つめられ、その眼は怪しく細められた。

 

「しかし成果は振るわれていないようで」

 

「つまり何を仰りたいのですか?」

 

 このままでは埒が明かない。慧音は嫌々ながら話を切り出した。

 男はその慧音の問いに、口角を吊り上げる。それは獲物に牙を剥いた獣にも似た表情だった。

 

「私共の方にも少々木枯らしが吹いておりましてね……手助けする先を絞ろうと思案しているところでして、寺子屋もまたその対象という前提で検討しております」

 

「そんな……!」

 

 今まで斯様な素振りは無かった。相変わらず羽振りのよい装いを見せ、寺子屋との契約も淡々と済ませてきたはずだ。しかし逆に、ここまで不自由なく寺子屋を続けられていたこともまた事実だ。

 慧音は立ち上がろうとする衝動を抑えるが、表情と声色は困惑そのものだ。驚愕するその頬を汗が通過する。

 そこで表した彼女の反応が予想通りだったのか、出資者は貼り付けた笑顔で接する。

 

「まぁ、お待ちを。話は最後までお聞きになって下さい」

 

 焦燥感に駆られる慧音を宥めようと手を掲げ、出資者は続ける。

 動揺や焦燥感は如何なる者でも隙を生じさせるものだ。本人が冷静になろうとしても危機的要素に思考を絡め取られ、視点を固定される。蜘蛛の巣が崩れぬまま獲物を受け止めるように、後はトドメを刺すだけだ。

 

「そこで先生のご協力があれば、と」

 

「……私に何をしろと?」

 

「なに、簡単なことです。私が寺子屋の損失は惜しいと申し上げたところ、出資したいという方が多くいらっしゃるのです。その方々のご協力も取り入れられれば、というお話です」

 

 慧音は訝しげな表情を崩さない。

 ただ彼の話に耳を傾ける他なかった。

 

「先生にはその方々の相手をしていただきたいのです」

 

「相手……?」

 

「ええ。彼らのご要望をこなせば、きっと快くご支援下さることでしょう」

 

 そうして出資者は懐に手を伸ばす。そこから取り出した封筒を彼女へ差し出した。

 封筒へと恐る恐る伸びる小さな手。それをぎこちなく受け取った慧音は緊張ながらに封を開いた。

 未だ名を刻まれぬ契約書。細心の注意を払いつつ視線を一枚の紙切れに注ぐ慧音の姿を、出資者はまじまじと見つめていた。

 後は契約書にサインし、新しい契約が結ばれることでこの男の目的が果たされる。手を伸ばせば十分に届く状況に、彼は心が踊る思いだった。彼女が名前を紙に書くだけで、金のなる木が男の懐に来るのだから。

 

「彼らの言う通りにすれば、これまで通りの出資ができます」

 

 彼は一度たりとも、新たな出資者たちが寺子屋や慧音を支援するとは言っていない。

 

◆◆◆

 

「お疲れ様でした。契約についての通達は私の方で送らせて頂きました」

 

 数日後の夕刻、応接室にて、前日と同じようにして二人が相対していた。出資者が再びの言葉は決して安堵をもたらすものではなかった。

 主な契約内容としては、慧音が教師としての役目に支障を来さない時間を、出資者たちに尽くすというものだ。これにより、契約が寺子屋や彼女の日常を蝕むことは無い。

 寺子屋は続けられるだろう。しかし彼女の中には言い表しようの無い不安感と恐怖心が渦巻いていた。

 出された茶に手もつけず、出資者はゆっくりと立ち上がる。

 

「大丈夫です。これから私が手取り足取りお教えしますので……」

 

「一体何を──」

 

 問いには、答えなかった。

 男は正座する慧音の前に膝を着く。数秒と経たぬ内に彼女の後頭部を抑え、その唇を奪った。

 

「んんッ!?」

 

 驚愕に目を見開く慧音。咄嗟に彼女は男を突き放そうと双肩を押すが、彼は微動だにしない。後頭部を抑えたまま、その腕が彼女の腰に回される。腕力にものを言わせた固定である。

 男は無力な抵抗を嘲笑うかのように舌を口内へ侵入させ、慧音のものに絡ませる。絡ませざまに唾液を啜るさまの何と異様なことか。

 突然の行動に慧音は涙を流すが、まともに声を上げることはできなかった。口内を蹂躙される感覚に、彼女は背筋を震わせた。

 

「んッ……んん! ……むぅっ、ん、はっ!」

 

 慧音の舌が逃げ、それを執拗に追う男。しかし彼女の舌の根まで辿り着くことは叶わず、やがて諦めたか、彼はゆっくりと口を離した。

 一対の唇を繋ぐ唾液の橋。見るだけで背筋が凍り付く思いだが、男が舌舐めずりした拍子にそれは容易く途切れる。目の前にある双眸が恐れ慄く彼女を写した。そして次に見えたのは、情欲に駆られた男の表情である。血走った目に荒い呼吸、嫌らしい笑みは慧音にとって、もはや不気味にすら思えた。

 

「明日から新しい出資者たちが貴女で遊ぶんだ、今の内に汚せるのは発案者の特権というものでしょうね」

 

 その男の口調は淡々と喋っているように聞こえるが、興奮に爛れたものだ。汚らわしい熱を前に、慧音は自らの唇に付着した唾液を拭うことを忘れた。恐怖に震える眼差し、呆然と開いたままの口。積み上がる情報量に、彼女のキャパシティが埋められていく。

 隙だらけといってよい慧音を貪るようにして男が再びその唇を奪う。今の慧音には抵抗を示す余裕が無い。

 

「んッ! んんっ、……は、ぅっ!」

 

 男の舌が唇をなぞるように這いずる。そして彼女の舌に絡み付くと、それを扱くように摩擦し、唾液ごと吸い出した。それを唇で食んでから噛み付く。

 

「ん、ふッ! ……んんーっ!」

 

 慧音にとってここまで痛め付ける接吻は初めてだ。それは決して甘美なものではなく、ただ男の欲望を満たすだけの行為に過ぎない。

 気持ちが悪くて仕方が無い。しかし資金源が相手では、彼女はそれを拒むこともできない立場上なのである。

 男は彼女の口を犯しながら、彼女の胸に手を伸ばす。子どものように小柄ながら立派に実ったそれはブラで包まれていても確かな重量感があった。

 先日まではこっそりと眺めるのみだったそれを、今は直に触れるのだ。その背徳的な状況に、男のサガはより昂る。

 

「ん、ふっ! ……んんッ!」

 

 慧音は男の手を引き離そうと腕を掴むが、抵抗にすらなっていない。その非力な姿もまた男の征服欲を掻き立てる、興奮作用の一因だ。

 彼女の一挙一動も男の指すら離せない。彼女の舌の根元を擽りつつ、男は服の上から胸を揉みしだく。しかし手に伝わるのはブラの硬さばかりで乳房の柔らかさはまるで感じられない。

 そうなればそう頼むのが最短の案だ。男はここでようやく貪欲な口を離す。

 

「先生、選んで下さい。このまま服を破られるか、自分で脱ぐか。私はどちらでも構いませんが」

 

「……!!」

 

 戦慄。慧音は目を見開き、身体を硬直させた。そして男は彼女の返答を待つ間も胸を揉み続けるが、その反応は芳しくない。

 自ら服を脱ぐ。つまりそれは屈服を意味する。今ならばまだ強姦魔として目の前の男を然るべきところに突き出すことはできよう。もしかしたら、明日以降の同じようなコトも反故にできるかもしれない。

 しかしそうなれば次はどうするのだ。契約書に記名した以上、慧音は出資者を裏切者となる。そうなれば次の出資者が現れない可能性は非常に高いだろう。仮にできたとしても──

 嫌なイメージが慧音の心をゆっくりと崩していく。それは砂の城を喰らうさざ波のようにじっくりと、形を奪っていく。

 

「先生?」

 

「……っ!」

 

 彼女は唇を噛みながら、男の手を引き剥がす。震える指先は帽子、それから、自らの袖へ。最初は帽子を床に置いてから、彼女は青褪めながらも素肌から服を引き剥がした。

 衣服から脱した拍子に揺れる乳房。男に肢体を観察される状況に緊張しながら、彼女は脱いだそれを二回折り畳み、帽子の下に敷いた。

 可愛らしい背丈や容姿とは裏腹に発育のよい、魅惑の肢体。待ちに待った女のそれに男は居ても立ってもいられず喰らいついた。

 

「嫌っ……!」

 

 今さら、それを聞き届ける者などおるまい。男が乱暴にブラを捲れば、重く柔い果実が二つ、ぷるんと弾けて露わとなる。

 捲った召し物はそのまま胸に引っ掛け、夢にまで見た肢体に男は歓喜する。

 

「ひっ!」

 

 男がその先端の突起に吸い付くと、慧音はか細い悲鳴を上げた。赤子にしては、欲に塗れた恐ろしいものだ。

 恐怖に震える慧音を他所に、男は乳首を執拗に舐る。口に含み、舌で弾くように弄びながら甘噛みする。

 

「んっ……あッ、んんっ……!」

 

 嫌悪感と忌避感に満たされた彼女にとって粗雑な刺激を快感として捉える暇など無い。それでも、彼女の意に反して体は反応してしまう。強く揉みしだかれる痛みも、歯の鈍さも。

 精神的にも肉体的にも彼女は追い詰められる。力任せな動きに気圧され、弱々しく後退る慧音。その拍子に彼女はバランスを崩し、背中から床に倒れてしまう。

 

「痛っ……!」

 

 彼女に引っ付いていた男もまた女体に伏す。今し方弄んでいた乳房に顔を包まれ、慧音の匂いを間近に堪能する。治まり切らない昂揚感が彼のサガに集束する。

 一転して男は仰向けの慧音に跨った。無遠慮な動きで彼女の腹部が圧迫され、肺から空気が押し出される。

 

「っ、かはっ!」

 

 慧音の口から苦悶が漏れるも、男は意に返さない。

 彼はまさに彼女の目の前でトラウザーのファスナーを開き、その昂りを露わにした。

 

「ひッ……」

 

 慧音の喉が鳴る。男のソレは、彼女の想像していたよりも遥かに大きかったのだ。先端から溢れる我慢汁が男の下着に糸を引き、生々しい臭いを漂わせる。思わず彼女は顔を背けた。しかしそれは目と鼻の先、多少離れたところでその悪臭が彼女の鼻腔を追う。

 それに加え、その弱々しい様子も男にとっては欲望を滾らせる薪となる。下卑た笑みを浮かべ、彼は自らの肉棒を慧音の乳房で挟んだ。

 

「っ!? ま、待て……!」

 

 突然の行為に思わず、素で制止を試みる慧音だったが、その言葉は決して男の耳には届かない。

 男はそのまま腰を振り始める。慧音の双丘が男の肉棒を柔らかく包むものの、膂力に従って蹂躙される。肉に食い込む指が痛い。

 柔肉の感触を存分に味わいながら、彼は恍惚とした表情を浮かべた。

 乳房で竿を擦り上げつつ、先端の突起を指で弄る。彼女の乳首を強く締めて刺激を与えながら、男は夢中に腰を進ませた。

 

(臭い……汚いのが、私の胸に……!)

 

 蹂躙される乳房。彼女の目から涙が零れるが、男はそんなことも気にせずに腰を振り続ける。

 恥部にかけられる痛みも圧迫される苦しみも、慧音はどうすることもできない。本能を剥き出しにされた男が相手では分が悪い上に、マウントポジションまでとられてしまっては、彼女が脱することは万に一つもない。

 

「やわら、けぇ……ッ!」

 

 男が喉から絞り出すように呻く。その動きはより激しくなり、跨がられている慧音により負荷がかかる。

 そして一瞬、谷間に感じられた抽送とは異なる振動。その発生源は問うまでもなく、乳房に突き立てられた男根だ。

 それに気付いた慧音は慌ててイチモツに手を伸ばす。せめて顔を守らねばという、彼女の判断だ。

 

「なっ……!?」

 

 しかしその時だった。精を防ごうとした両手は男に掴まれ、自らの乳房に押し当てられてしまった。たわわに揺れる乳房、その振動を慧音は両手に感じた。自らの手に男のものを重ねられ、これでは慧音は子種を求めているかのようだ。

 恥辱を押し当てられ、慧音は無力に呼びかける。

 

「や、止めろっ!」

 

 慧音がどれだけ叫んでも男は聞く耳を持たない。より強く彼女の手を押し付けて刺激を与え、欲望の解放へと突き進む。

 乳房が潰される痛みと圧迫感、そして避けられぬ恐怖。彼女は悲痛に顔を歪めた。

 そしてその時は訪れる。男根を摩擦する男の表情から、一瞬だけ笑みが消えた。次の瞬間、乳房から覗かせた鈴口より白濁液が放出される。

 

「っ……!」

 

 慧音の顔面に降りかかる白濁のシャワー。恐れていた現実に彼女は思わず目を瞑るが、瞼越しにも感じられる粘っこい液体の感触と臭いに顔を顰めた。

 瞼や鼻頭、顔のみならず髪すらも醜い白に汚された。銀髪に白濁が混じり、その銀が嫌らしい光沢を帯びていた。精液が口に入りそうで開口も憚られる。屈辱的なことに、それがさらに悪臭の接種を促した。

 

「うぅ……」

 

 慧音は弱々しく嗚咽を漏らす。彼女の心は、もう限界だった。土足で不可侵領域に踏み込まれた上に、自ら衣服を脱ぐという屈辱を与えられ、欲望のままに汚された。悪夢で済ませたくなる、吐き気を催す程に醜悪な時間だ。

 そこでようやく男が腰を上げた。

 精液で閉ざされた薄目では、その表情までは視認できない。

 

(終わった、のか……?)

 

 凄惨な状況に、慧音は藁に縋る思いだ。しかし彼女の手は藁すら掴むことすらできないだろう。先程射精したはずの男根は未だ隆々としており、慧音の目の前で自らの存在を訴えていたのだ。

 それとは対称的に、男の顔は慧音の股へ向けられている。その表情は依然欲望を溢れさせんばかりに歪み、疲労感など露程も無い。

 彼は慧音の太腿を抑え、舌でショーツを捲る。しっとりとした薄衣に、その笑みはより強欲に歪んだ。

 

「待て……そこは、それ以上は……んっ、んんっ!」

 

 慧音の懇願も空しく、男は彼女の秘部にしゃぶりついた。そして舌の腹で陰核を転がしてから、その秘裂に舌を捩じ込む。溢れる蜜を味わうと共に、閉め切られた秘所を抉じ開けようとしていた。

 それに加え、イチモツが鼻に触れそうなところまで来ている。それ独特の臭いに絶頂の余韻が僅かに漏れ出、慧音の不快感を駆り立てる。

 

「んむっ……やめ……ッ! んんぅ……!」

 

 慧音が制止を試みたその時、男根が彼女の口を貫いた。それは彼女の口内はおろか、腰の圧力に従って一気に喉奥にまで達した。背丈の差がそれを助長し、さらに強く押し込まれてしまう。臭いも味も酷い異物の侵入に、吐き気も涙も込み上げる。

 それでも蜜壺は男の舌に蹂躙され、彼女の意思とは無関係に湿り気を帯びていく。

 

「んっ……んぐっ!」

 

 慧音は歯を立てまいと必死に口を開くが、喉奥を突かれる度に吐き気が込み上げてくる。

 しかし男はそんなことは気にも留めない様子で舌と腰を動かし続けた。男の唾液と慧音の愛液が混ざり合い、彼女の口からは泡立った液体が溢れ出る。

 

「んっ……んぐっ! んぶっ……!」

 

 慧音の口から嗚咽が漏れる。喉奥を突かれ、呼吸もままならない。早く男を満足させねば、呼吸困難で命を脅かされる。

 彼女は受け付け難いものを必死に奉仕した。不器用ながら舌を陰茎に絡ませ、喉の収縮で何とか刺激を与える。

 

「んぶっ、んっ、ぅう……んんッ!」

 

 しかし男も動かない訳ではない。彼が自ら動くことで口腔内のイチモツが慧音のコントロール外へ出る。さらに、秘部への刺激で集中力が削がれ、亀頭が喉を叩く度に彼女の意識が飛びそうになる。

 それでも、さっさとこの生き地獄を終わらせようと慧音は必死に舌を動かした。

 

「その調子ですよ、先生……何だ、意外と乗り気じゃないですか……」

 

(冗談じゃない……!)

 

 慧音の意識が朦朧としてきた頃、男の動きが激しくなった。何とか欲を吐き出させようと鈴口を吸引したり、茎に舌を擦り付けたりする。

 何にせよ、動きの激化は限界の近さを証左するものだろう。我慢に我慢を重ねた慧音はそのまま、不本意ながらも陰茎を扱いた。

 何度も喉への衝撃を叩き込まれた末に強い一発が叩き込まれる。喉の限界に到達したイチモツが内部を無理矢理突き進んだことで圧迫され、苦痛が込み上げる。これには慧音も涙を流さずにはいられなかった。

 

「射精るッ……!」

 

「んッ! おごっ……ん、んぅう!」

 

 そして白濁液が解き放たれる。今回は顔ではなく直接彼女の中に注ぎ込まれた。脈動する陰茎、鈴口から溢れる精液が慧音の喉を下って行った。

 どくっ、どくっという、脈とも射精ともつかない振動。粘り付く液体に喉を焦がされるも、慧音は苦痛に歪んだ表情で嚥下する。

 

「一滴も零しちゃ駄目ですよ……内部に残った分も吸い出して下さい」

 

「んぐ、んっ……うっ……」

 

 男の指示に従わされる慧音。まるで野良犬に餌を与えるかのような忌々しい言葉にも逆らえず、彼女は喉を鳴らした。

 

「ふぅ……素晴らしいですよ、先生」

 

 男は満足そうに微笑むと慧音の口からイチモツを引き抜いた。ようやく異物が取り除かれ、彼女は大きく息を吸う。ようやくまともに呼吸できるところだった。

 しかしその拍子に、喉に残留したもので噎せてしまう。何とか飲み込んだ精液を吐き出しそうになるのも堪えて、慧音はようやく一息ついた。

 

「けほっ……はぁ……」

 

 しかし嚥下してしまったならば待つ必要も無い。男は再び慧音に向き合うようにして覆い被さる。

 拒みたい顔が目の前に来た。接吻する直前といった距離に、彼女は顔を反らす。

 それでも男は構わなかった。まだ彼は満足しておらず、気力も体力も有り余っている。男は静かに涙する女を前に退こうとはしない。二度の射精を終えたはずの男根は未だに固く、強く脈打っている。それを、唾液の滴る秘部にあてがう。

 終わっていないことを理解した彼女はそこで表情を引き攣らせる。男の欲望と執着心に彼女は心の底から戦慄した。

 

(まだ、固いのか……!?)

 

 慧音を逃がすつもりが無いことは表情から見て取れた。彼は歪な情欲を滾らせながら、その象徴を慧音に擦り付ける。

 彼女は既に限界だ。小さな手で男の肩を押すが、まるで力が入っていない。いつも小柄ながら大人びた紅顔を讃えていたはずの慧音が泣きながら男を拒もうとした。

 しかしその手も再び男に捉えられる。まるで恋人のように互いの掌を重ねながら、抵抗させまいとしっかりと床に押し付けられる。

 

「待て、待ってくれ、お願いだから……」

 

「挿入れますよ……!」

 

「嫌だ! こんな──」

 

 無意味な懇願だった。男は慧音の秘部に自らのイチモツを挿入する。亀頭が陰唇を割り開き、肉壁を押し退けて侵入した。

 声にならない叫びを上げながら、彼女は仰け反った。濡れていない陰門を鈍い槍に貫かれ、慧音の内側を苦痛が駆ける。

 慧音の事情など男にとっては些末なものだ。彼女が彼を受け入れようが受け入れなかろうが、一時の情事を貪るのみ。

 

「あっ、あぁ……っ!」

 

 慧音の表情が歪み、涙が零れる。根元まで挿入されたイチモツが子宮への道程を押し通る。彼女の下腹部は僅かに膨らみを帯びており、男の欲望の強大さを象徴しているようだった。

 痛みに喘ぐ様子も気に留めず、男は欲望のままに腰を動かす。

 

「んっ、あっ……あぁっ!」

 

 慧音は必死に声を押し殺そうとするが、男は健気な抵抗を微笑むように彼女を突く。子宮口を叩くように亀頭を押し付けたり、入口付近まで引いては一気に奥まで挿入したりする、横暴な情事だ。そこに慧音の意思が介入する余地などありはしない。

 ケダモノの如き陵辱に、慧音はただ悶える他なかった。

 

「あっ……うっ、ああっ!」

 

 男の抽送が激しさを増すにつれ、彼女の声も大きくなっていく。痛みのみの淫らな行為、そしてそれを為さんとする男の姿に、彼女は純然たる恐怖を覚えた。

 彼女は目を固く瞑り、唇を噤む。

 

「明日から先生は、色んな奴に汚されるんだよ……!」

 

 絞り出された声にもはや体裁など無い。男根が膣を抉り、慧音の腹部に鈍痛が走る。男の前で踊る乳房は掴まれ、乱暴に絞られた。カウパーや汗、精液で汚れていようが、男は強く握り締める。

 僅かに固くなりつつあった乳頭に指で圧力をかけながら、慧音を慮ること無く捏ね繰り回す。

 

「や、め……っ! あぐっ……!」

 

「綺麗な慧音を抱けるのは、俺だけの特権だ……!」

 

 慧音は身を捩らせるが、それは抵抗の意味を為していない。無力な姿は男の嗜虐心をより醜く煽る。

 彼は乳房を揉みしだきながら腰を動かし続ける。幾らでも精を注ごう、欲望で蜜壺を満たそう。独善的で傲慢な意思が、彼の動きから伝わる。

 

「あっ……んうっ!」

 

 慧音がくぐもった悲鳴を漏らす。子宮口を叩かれる痛み、膣内を貫く異物への忌避感。それらを淘汰せんといわんばかりに男が抽送する。

 もはや暴力というべきか。男は息を荒げながら、彼女の身体を強く抱いた。そして自らの欲望を一滴残らず注ぐべく腰を振る。その激しい動きに慧音はただされるがまま。愚直な剛を制するには、彼女は不器用だ。柔らかな肢体は貪られるのみ。

 

(もう……駄目だ……!)

 

 男の手は乳房から腰へ。子宮ごと腹部を殴るかのようにして腰を打ち込み、彼の興奮も最高潮を迎えようとしていた。

 彼女の涙も声も男しか認識しない。無理矢理抱かれる女は金という無類の弱みと、潔い程に直情的な肉欲を前に膝を着いた。

 汚れ無き選択肢は彼女の周囲には無く、男から逃れることも叶わない。彼女の意思など男にとっては何の意味も持たないのだ。男は慧音を抱き寄せながら、なおも力強く彼女を穿つ。

 

「ちゃあんと膣内を締めろよ慧音……! これが契約して最初の膣内射精だ……!!」

 

「や、やめろ……っ! 膣内は……」

 

「明日からお前は慰み者だ! 心配するなよ、避妊の手配はしてやるからさぁ!」

 

「嫌だっ、あっ、んぅ……!」

 

 契約した時点で逃げ場も無い。男は慧音を心無き言葉で責めながら、その子宮を叩く。精液をその身に受け、何度も抽送された末に、彼女の体は女にされていた。

 そして最初の夜が今この時だ。男は声を殺して泣く慧音を強く抱き締め、最奥に精を放った。

 

「あっ……あぁ……!」

 

 慧音の絶望。子宮内へ注がれる白濁液がそれと共に彼女を蝕む。見開かれた目は力無く夕闇に染まり、涙も朱に支配される。脈打つ欲棒が彼女の膣内を振動しながら、その精を余すことなく注いだ。

 慧音の膣内が、男の欲望に満たされる。男はそのまま彼女の身体にのしかかり、慧音に腰を強く押し付けた。己が内に一滴も残さぬよう、念入りに鈴口を押し込む。

 二人の息遣いが酷く近い。荒くも熱いそれらは応接室を淫らに暖めた。誰一人として観測されないその場所で、ようやく情事が終結を迎えたのだ。

 炎のような、熱く歪な欲望。自らの精を出し切ってようやく興奮が治まり始めたのか、出資者がそっと慧音の頬に触れる。付着した精液を厭わないのは、今もなお情欲の残り火が灯っているからか、嗜好か。

 

「明日から勤勉に、私のために働いて下さいね……先生、今日はみっちりとご師事して頂きます」

 

 悪魔の囁きは慧音の意識外を揺蕩う。

 朱に交わった慧音の身は内側も外側も白濁に汚されてしまった。醜く歪まされた心は行く先を失い、虚ろに濁った眼差しが何を捉えているのかは悪魔も知らない。

 

◆◆◆

 

 慧音が契約した、次の夜──

 日常は黄昏に連れ去られ、暗闇が差し込む。生徒が帰った教室には慧音一人だけが残る。彼女の元に歩み寄るのは身の内に肉欲を煮え滾らせた男たちだった。

 慧音が下着のみの姿になっているのは最初の出資者の計らいである。一度煩雑に抱かれた汚れも今は見る影も無く、幸か不幸か、慧音は今綺麗に身嗜みを整えられた状態である。髪を染めた白濁液も蜜壺を満たしたものも無い。

 彼らは砂糖に群がる蟻が如く慧音に群がった。慧音一人を貪るケダモノに彼女の瞳は揺るがない。氷結した水面が凪すら無いように、生気の無い眼差しが異様な光景を認識する。

 男の上で跨りながら膣と肛門を以て反り立つイチモツを受け止める。その口も欲望を扱くために使われた。

 

「んっ……んぶっ……!」

 

 背後の男に両腕を掴まれ、乱暴に肛門を穿たれる。先日の出資者にほぐされた乳房も下の者に弄ばれた。不快な肉を頬張りながら彼女は無心に舌を絡ませる。彼女とて今や逃げるつもりは無いが、目の前の者が彼女の頭をがっしりと固定していて息苦しい。

 昨日の今日で陵辱を厭わなくなったのは出資者によるものか。醜い肉林の中心で慧音は淡々と男根を処理していった。

 

「あっ、先生……! いいですよっ!」

 

「まさか先生を抱けるとはなぁ」

 

「騙されたと思って来るのも悪くねぇな」

 

 男たちの言葉の意味は慧音にはわからない。無心に男根を咥え込む彼女が意識したのは最初の宴をやり過ごすのみ。考えるのはとうにやめていた。

 一方、出資者は寺子屋の入り口で座り込んでいた。彼の今の目的は、この短くも淫らなひとときを最後まで続けさせること。そして、参列者を見送ること。

 少し離れた教室で男たちに饗されているであろう慧音に欲望を巡らせていた彼はすぐそばの戸がノックされたことに気付く。

 

「はいこれ、参加費ね」

 

「まいど」

 

 出資者は新しい客人をそっと見送る。

 彼の勧誘に乗った者はそう多くはない。大半が冗談と捉えて断るか、信じても拒んだか。しかし中には、認識は如何なるものでも、こうして来る者もいる。

 上白沢慧音という餌に釣られた男から金を巻き上げるのが出資者の目的だった。懐の紙幣を捲りながら、彼は薄暗い喜びに笑む。薬の在庫も問題無い。

 月が昇る頃には、この種宴も終わるだろうか。

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