一般人に賊を討伐すべく、式神のクラマは一人それに立ち向かっていた。
白いメッシュのあるショートの黒髪は僅かに癖がある。中性的で可愛らしい顔は王子様役にもうってつけのものだ。背中に生えた大きな翼は綺麗に手入れされている。序列から雨覆いまで褐色で、外側に行く程明るい色合いだ。その美しさは光を反射すれば金色とも錯覚する程である。
豊満な乳房を覆う黒いインナーの上に、着物に似たチューブトップと白い付け袖を着用している。腰に赤い帯を装着し、紐を通して締めている。脇に下げているのは法螺貝だ。群青色のミニスカートで肉付きのよい太腿を強調すると共に膝当てで防御を固めている。膝から下は黒い脛当で覆いながら、白い足袋と赤い一本歯下駄を着用している。
幾らマガツヒと戦える式神といえど、常時無敵とは限らない。水滴穿石、奥まった森林という視界の混雑する場所での孤軍奮闘は着実に彼女の体力と集中力を削っていく。
人間の強みは個々の力量ではない。統率力と武装、そして知恵を以て攻め落とすところにある。クラマと賊の間には圧倒的な力量があろうと、人数差は逆だ。それに、地の利は賊にある。
衣服はところどころに切れ込みが入っており、クラマの呼吸も荒い。苦しげに肩を揺らすその様子からは余裕など微塵も感じられなかった。
(ちょっと……これ、まずいかな……)
陰陽師たちに苦労をかけないよう単独での出撃を交渉していた彼女だったが、今になって重荷としてのしかかって来る。俗衆とはいえただの人間だと決めてかかったのは流石に甘い見立てだったようだ。
依頼を受理した際に聞いた話だと、人々を脅かす賊共が何やら非合法の薬品を売買しているとのことだ。不確定な情報だという理由で、薬がどういったものかは聞き及んではいない。
何にせよ、やましきシノギはへし折っておくに越したことは無い。賊と、そこに繋がりのある悪辣な徒党を一気に潰せれば、脅威はマガツヒに絞られる。
「はぁ……はぁー……っ!」
とはいえ、それはリーダー格を捕縛できればの話だ。クラマが呼吸を整えている最中も賊徒の攻勢は変わらない。むしろ体力の低下により隙が生まれやすくなった今こそが好機と判断したのか、一気呵成に攻め込んで来る。弓を手に、賊徒はクラマを取り囲むよう藪や木陰に忍び込む。
矢ではクラマの真皮にも届かないが、衣服にはもちろん、体にも確実にダメージとして蓄積される。それに加え、彼女の武器はレイピアだ。鴉天狗の機動力があるとはいえ、数とレンジに関しては賊徒が勝っている。
スタミナを削られ続けた彼女の足取りは覚束無いものだ。呼吸も姿勢も乱れ、今や飛来する矢を払うのが精一杯である。
──変化は突然だった。クラマは妙に静まった戦場に、訝しげな表情になる。弓を構えていた雑兵が、気付けば、揃ってクラマとは反対の方向を視認したのだ。矢羽を引いていた指がゆっくりと引っ込み、そちらに頭を下げるその姿は敵前で見せるものではない。
木々のように立ち尽くす兵たちに続く形で、クラマもその方角に視線を向ける。
藪や木の葉で狭められた視界の奥、一歩一歩進む度に木々を揺らすシルエット。二メートルはあろう巨躯に鉄製の棍棒が覗かせる。現れたのは、頬に刻まれた一本の傷に無精髭の大男。恐らく賊の頭目だ。
クラマの手がレイピアの柄をギリギリと握り締める。緊張故の無意識、焦燥感と疲労感に思考回路が凝り固まっていく。
「部下共が世話んなったようで」
「ようやく頭のお出ましかい? 随分と待たせてくれたね」
「こいつらが『俺たちだけで十分』って言うもんだからな」
頭領はクラマを見るやいなや、獣のような目を細める。観察にしては欲が丸見えでボロボロな女を舐め回すような湿度が感じられるものだ。
土埃で汚れた肌も、矢で切れた衣服の隙間も、一通り目に焼き付ける。豊かに大人びた肢体、おまけに中性的ながら整った顔立ちときた。幾ら式神相手とはいえ、ただ排除するには惜しい。
クラマの状態を把握した彼は仰々しく音を立てて舌舐めずりした。
「目的は俺だろ?」
「殊勝な心掛けだね。キミのみならず、これだけの手下もいれば……功績としては十分か」
「疲労困憊で何言ってやが──」
頭領が言い終わる直前、クラマは飛翔した。枝にも藪にも引っかからない低空飛行で大男へ突っ込む一陣の風はすぐにその眼前に到達した。その勢いを伴った刺突が大男の腹部に繰り出される。
しかしその刃が皮膚を捉えることは無かった。頭領は反射的に手を出し、自らに向けられた刀身を鷲掴みにしたのである。
自信を持った素早い一閃だった。しかしそれは目視で認識された挙げ句、人間の手で差し止められたのだ。鴉天狗の膂力とレイピアの貫通力とて、恐るべき反応速度と対応力の前に封殺されてしまった。決してクラマが弱かったというだけではない。主な勝因は、彼女に連戦を強いて、地道な負傷を浴び続けさせる物量作戦に他ならない。
「──!」
「じゃあ、こっちの番だな」
振り被られる棍棒。疲弊、負傷に加え、己の攻撃を平然と対処された影響でクラマは呆然としてしまい、反応が遅れてしまった。
次の瞬間、鈍く重々しい凶器が彼女の頭を捉えた。叩き付けられた頭部は勢いに屈し、顔面から地面に叩き付けられる。脳震盪と打撲による過度なダメージは容易く彼女の意識を刈り取った。
「帰るぞお前ら。そいつを連れてくぞ」
◆◆◆
賊のアジトに連れ去られたクラマは捕虜となった。天井から吊るされた縄で両腕と翼を縛られ、縄で足を左右で束ねられている。
凄惨なことに彼女は、衣服や装備を剥ぎ取られ、その身を余すところ無く晒されていた。無防備に吊るされ、大胆に股を開かされるという屈辱的な有り様である。晒された紫色のショーツと太腿が汗と土埃で汚れている。
未だに全身の痛みは引いていない。クラマは苦痛に顔を歪ませながらも、逃亡のチャンスを狙ってぎこちなく四肢に力を込めた。しかし縄は肌に食い込み、軋むばかりだ。
「う、うぅ……」
クラマが目を覚ましたのは頭部に一撃を受けてから数十分後だった。頭部の痛みに顔を歪ませ、ぼやけた視界で周囲を見回す。
薄暗い空間だ。天井から吊り下げられたランタンが唯一の光源である。やがてクラマは自らの状況に気付き、一気に頬を赤く染める。一介の式神が人間に負けた挙げ句、屈辱的な体勢で縛られ、下着越しとはいえ股を開かされた恥辱は計り知れない。
クラマとて式神である前に一人の女だ。己の無力さと無様な姿に、彼女はさぞ忌々しそうに歯噛みした。
「こっ、これは──!」
「目ぇ覚めたかよ」
開かれる鉄格子。クラマを殴り倒した頭領が笑みを浮かべながら彼女の前に立つ。彼はクラマの頭を掴むと無理矢理互いの目線を合わせた。下卑た笑みには嗜虐心が滲み出ている。
クラマの反抗的な目を見てなお、その輝きは歪だ。手負いの獣は警戒対象でも、縛り上げられていては杞憂でしかない。敗北し、囚われの身となった彼女を恐れる者など、その拠点には一人としていない。
頭領は無造作に懐に手を伸ばすと、掌に収まる程度の小瓶を取り出した。中には濁った緑色の液体が入っている。彼は器用にも人差し指と親指でそれを開封すると、クラマの口に押し付ける。
「お前が欲しかったのはこいつの情報だろ? 是非その体で体験してみるといい」
「な、何を──んぐっ……!」
頭領のゴツゴツとした手が無理矢理クラマを抑え込むと、その口に薬品を流し込んだ。注がれる液体は彼女の食道を下り、胃へと流れ込んでいく。
得体の知れない液体を飲まされたクラマは、当然の如く拒絶反応を示すように吐き出そうとする。しかし頭領はその口を顎ごと掴んで抑え、無理矢理閉口させた。
行き場を失った液体は何の抵抗も無く彼女の体内へ向かう。クラマの喉が僅かに振動して、頭領はようやくその手を離した。
「うっ……げほっ、ごほッ!」
「安心しろよ、毒じゃねえ」
咳き込む彼女を見下ろしながら彼はニタニタと笑う。咳き込んだ不快感に涙を宿すクラマは圧倒的不利な状況でも彼を鋭利に睨み付ける。
一瞬であろうと必ず隙を見つけて逃亡する。クラマは自らを奮い立たせ、屈さぬ精神力を以て頭領に歯向かおうとした。しかし反撃の狼煙など、火種すら発生しない。
「はッ、あ……!?」
異変はすぐに起きた。クラマの体が突如として熱を帯びる。その熱は彼女の全身から発され、やがて胸や股といったピンポイントな部位に灯り始めたのだ。それはまるで体の内側から火で炙られているかのようで、しかし何処かくすぐったい。ぼやけた視界は寝惚け眼とは違う。もどかしい何かが彼女の体を蝕み始めた。
居た堪れなさそうに溶けていくクラマを前に、頭領は下卑た笑みを深める。それは悶えるクラマに嗜虐心を燃やしているのか、薬品の効果に喜悦したのか。
恥辱とは異なる紅潮。何かを求めるように涙と涎を流すクラマ。彼女は投薬されたものの正体をまだ理解できなかった。
「はッ、あっ……な、何これぇ……」
「媚薬だよ。今のは原液なんだが、式神相手ならちょうどいいだろ」
頭領の一言にクラマの心臓がドクリと脈打つ。同時に、彼女の体を襲う甘い感覚がその強さを増していく。ショーツで閉ざされたはずの股から粘り気のある液体が染み出し、あっという間に滴っていく。
クラマは自分が発情していることを自覚すると同時に、自身では処理できない疼きを覚えた。それは、決して指では届かない領域。陰陽師以外に許さないものだ。しかし媚薬の効果が彼女の理性を蝕み、肉体がその欲望に従順になりつつある。
「あっ……あぅ……!」
「どうした? 随分と苦しそうだな」
「う、うるさい……っ!」
頭領はクラマに歩み寄ると彼女の顎を強引に掴んで視線を無理矢理合わせると、ニタリと笑う。その笑みに巣食う下卑た欲望を隠そうともしていない。
とはいえクラマが疼きを解消できないことも事実だ。肉欲に掻き乱された蜜壺が雄を求めて蜜を零す。
それを引き起こした張本人は滴る秘部に下賤な眼差しを向ける。その手はゆっくりと、自らの履き物の秘されるべき帳を開放した。ずりゅ、と隙間から出で立つイチモツは、クラマの痴態に対する興奮によって硬質化している。小さく脈打つ、凶悪な臭いと存在感だ。
「いッ……!」
「ビビったのか? 生娘じゃあるまいし」
その巨躯に相応しい、隆々とした一振りだ。情欲に脈動するそのグロテスクな代物を前に、クラマは情けない声を上げて戦慄する。しかし女としてのサガがそれを求めていることに違いは無い。
頭領が腰を突き出すと、彼女の秘部へ男根を押し当てる。それは既に先走り汁で濡れており、媚薬で発情した膣口に粘り気のある水音を立てた。今にも挿入されてしまいそうではあるが、一寸足りとも進まない。あくまでもただ亀頭を割れ目に擦り付けるのみだ。
もどかしい。色付いた熱ばかりがクラマの中で込み上げる。いっそ膣内に突き立てられればどれ程の快楽を齎すのだろうか。
(違う……! こんな奴のが欲しいなんて……そんなはずが無い!)
煮え立つ色欲、歯を噛み締めるクラマ。彼女はなけなしの理性を辛うじて立たせ、情欲に抗っていた。
無論、媚薬に冒された女を眺める頭領ではない。彼は声を殺して悶えるクラマに手を伸ばし、その豊満な乳房を鷲掴みにした。
ビリッとした感覚がクラマの胸に走る。少し肌に触れられただけなのに、男の手の感触と熱が蕩けた脳を揺さぶる。掌に当てられた乳頭も、その熱ですっかり硬く尖っていた。
「うッ、ん……!」
「でかくて手に吸い付く肌だ。娼館に売り飛ばす前に、じっくりと躾けてやろうか」
頭領はクラマの乳房を揉みしだきながら、艷やかに呻く紅顔を視姦する。手に吸い付くような柔肌を強く揉みしだきながら亀頭で水源を擦っていく。
媚薬で火照った体は敏感にその刺激を受け取り、彼女の心を蝕んでいく。穢らわしい欲望は紙の端に灯された火のように着実に侵攻するのだ。
弱々しい喘ぎ声に頭領も昂揚しつつあった。柔らかな乳房を捏ねるように揉み、硬くなった乳首を抓る。痛みを伴うその一瞬、仰け反る勢いは縄に制御され、哀れな天狗は閉ざされた天井を仰ぐ。ビクビクと体を震わせ、甘い声が掻き鳴らされる。
「ひぁッ! あ、あっ……んぅぅ!」
「そんな調子でこの先もつのか?」
悠然と与えられる刺激と共に頭領の男根が彼女の秘裂に擦り付けられる。その度に、彼女の愛液が男根を淫靡にコーティングした。挿入の準備など、疾うにできている。しかし今はまだその時ではない。
媚薬による熱と子宮の疼き。彼女の表情と声は刺激に蕩け切っており、吹けば倒れそうな程にか弱い。先程までの剣士じみた風格は影すら残っていないだろう。雄の情欲を駆り立てるには十分な資質だが。
「あッ、ん……やぁっ……!」
「さっきまでの威勢は無くなっちまったみてぇだな。少し触られて鳴くなんてよ」
頭領はクラマの胸を揉みながら耳元で囁く。彼の吐息が耳孔を擽る感覚すら今の彼女には毒だ。媚薬に冒された彼女は頭領の言葉にすら反応してしまう。
ほぐされた乳房も固くなった乳首も魅惑的なものだが、賊徒にとっては雑に触っても艷やかに鳴く玩具だ。直接触らずとも甘い声を漏らすその様子は、戦闘時とのギャップで笑みを誘うというもの。勇敢な女の末路としては、飽きるまでは男を唸らせるものだろう。
「くッ、ん……うぅぅ……!」
喘ぐばかりのクラマ。もはや彼女には言葉を発する程の余裕も無かった。媚薬に冒された彼女の体は純粋なまでに快楽を求めていた。男根で膣内を穿つことを、精で子壺を満たすことを、女の体が望んでいるのだ。
しかし頭領はクラマの本能を剥き出しにすべく、張り詰める亀頭でその秘部を擦り続けるのみ。軽い刺激でも震えてしまう程の効果だ、容易く歪む乳房を弄び、乳首を抓るだけで今のクラマは果てそうになる。
「うぅぅ……あっ、ん……!」
「式神にも通じる媚薬とわかりゃあ、需要も増えるってもんだ」
媚薬を飲まされた時点で彼女の敗北は決まっていたのだ。どれだけ抵抗しようとも、それはただ劣情を煽るだけの行為でしかない。頭領はそれを理解していたからこそ彼女を生殺しにしているのだ。
クラマは歯を食い縛るが、閉じ切れない口から無力に喘ぐ。彼女の体は快楽に蝕まれていき、隙を探るどころか思考回路すら停滞するばかりだ。
「あッ……ん! あぅ……!」
「お前一人で夜も商いも潤うなんて有り難いもんだぜ」
頭領が切っ先を秘部から離すと、今度はその刀身を上下させる形でクラマの秘裂を摩擦する。亀頭が陰唇をなぞり、裏筋を掠める。
その進退ごとにクラマは甘い嬌声を上げながら体を震わせた。愛液で濡れたショーツと男根の摩擦音が鳴り響き、それが彼女の鼓膜を犯すように刺激した。布越しの固い感触ですら蜜を零すには十分なものだった。
「ひぁッ! あ、あっ……やぁ……!」
「そろそろ、蜜の収穫時だな」
頭領はクラマのショーツに手を掛けると、それを太腿までずり下ろす。愛液で濡れた布地が秘部にぴたっと貼り付いていたものの、引き離されるのは一瞬だ。剥かれた拍子に糸を引くショーツ、露わになった秘裂からは透明な液体が滴る。
屈んでそこを覗き込む頭領。普通の呼吸でもクラマにとっては突き刺すような刺激だ。忌々しい敵とはいえ、滴る女陰を見られ、不覚にもクラマは恥辱と昂揚感を覚えた。恥ずかしい部位をまじまじと見られている現状がさらに彼女の子壺を昂らせ、ダラダラと涎を溢れさせる。
逞しい腕は彼女の太腿を抱えるようにして抑える。トロトロになった陰唇を覗き込んでいた頭領はそこに舌を差し向ける。男根とはまた違う、柔軟ながら芯のある感触。それがクラマの秘部をなぞり、陰唇を舐め上げた。
「ひぁぁッ!?」
その刺激に彼女は大きく仰け反る。電流が流れるような快感が彼女の体を駆け巡った。媚薬によって敏感になった体にとってそれは劇薬にも等しい。
頭領はクラマの陰唇を舐め上げ、そのまま膣内に舌を侵入させる。膣壁を舌で擦り付けながら愛液を啜るその愛撫に彼女の腰と足がガクガクと震えた。粘膜を擦る侵入者のそれは、柔らかくも酷く無遠慮なものだ。
一頻り舐め尽くした後、頭領の指が代わりに膣内を穿孔する。さらに先程まで抑えていた太腿に目を向けたかと思えば、今度はそちらに舌を這わせる。力の抜けた太腿の柔らかさたるや、男ならば誰もが病み付きになるものだ。滑らかな皮膚と弾力、表面に残った汗。それらを男の舌が舐め取っていく。
「あッ! あ、あっ……んぁっ……!」
クラマは喘ぎながら快楽のままに天井を仰ぐ。甘い声で自らの鼓膜をつつきながら頭領はその無様な姿を嘲笑う。固い指が膣内を開拓し、太腿を舐め回した。ざらついた舌が彼女の性感帯をなぞり、クラマの体を昂ぶらせる。
太腿を撫でる味蕾の感触すら痙攣を生じさせる程の感度。汗や皮膚をねぶられるそれすらクラマの腰を震わせ、浮かせた。
「んッ、あ、あっ……うぅ……!」
媚薬に冒された体は与えられた快楽に食い付いてい止まない。頭領が指を突き入れる度に愛液が溢れ出し、その皮膚に纏わり付いていく。
しかし彼は決して男根を挿入しようとはしない。ただひたすらに彼女の膣内と太腿を愛撫する。
上昇するばかりの欲望はまるで処理されず、切ない感覚が満たされない。そのもどかしさにクラマは悶えることしかできないでいた。その癖、逃げ場の無い快楽が絶え間無く続き、肉欲の熱が募るばかりだ。
(だめぇ……! 子宮が、疼いて……!)
クラマは物欲しげな表情で頭領を見つめる。しかし彼はそれを無視して彼女の体を愛撫し続けるのみだ。膣内を穿り、太腿を舐め上げ、陰核に吸い付く。
ネチネチとした刺激でクラマの理性は削られ、快楽に悶えるものの、決して絶頂には至らない。
「ひぁッ! いい、加減、にぃ……!」
「やめたらやめたでお前も辛ぇだろ?」
もどかしさのあまり、クラマは怒りの声を上げる。しかし頭領はそれを軽くあしらい、甘えたがりの膣内を穿り続ける。男根が挿入されていないとはいえ、その快楽にクラマは喘ぐばかりだ。
涙で崩れた顔。いつまで続くかもわからない拷問に、クラマは涙する。頭領が愛撫をやめたのはその時だった。彼は秘部から顔を離してゆっくりと立ち上がると、彼女の頭を掴む。無理矢理視線を向けさせた先は熱く滾らせられたままの彼のイチモツだ。
すっかり蕩け切ったクラマを、頭領が嘲笑する。思えば、長過ぎる前戯だったか。彼は両手でクラマの腰を抑え、亀頭を裂け目に押し当てる。
「ひっ……! やめ、嫌……!」
クラマは力無く頭を振る。しかし彼女の意思とは逆に、その体は全く抵抗を見せない。濡れに濡れた秘部は今にも男根を受け入れてしまいそうで、膣内の疼きが快楽を求めてやまない。媚薬によって発情した子宮口が亀頭に吸い付くさまは、早く子壺を満たさせようとせがんでいるかのようだ。
肉欲を望む体と、拒む心。彼女の拒否とは即ち、板挟みに苛まれた末の弱々しい。
しかし無論、敗者に発言権などあるはずも無い。頭領がクラマに体重をかけたその瞬間、太ましい男根が水門を容赦無く貫いた。
電撃がその身を駆け抜けたかのような錯覚。媚薬で昂らされた肉体を突き刺す雄の象徴に、クラマの視界が打たれる。
「ひぁッ、ぁ゙あぁぁぁ!!」
その一撃はクラマへの理性をトドメとして十分な衝撃だ。男根が膣内を突き進み、ギリギリまで引き抜かれる感触。開閉を繰り返す膣道の感覚だけでもその脳を揺らす程の快楽だ。
しかし頭領にとって現段階は始まったばかりのものであり、当然その程度で終わらせるつもりも無い。亀頭で頻りに子壺の縁を叩き、その刺激がクラマの理性を崩しにかかる。
「おいおい、締め付け過ぎて抜けるかと思ったぜ」
「ひぁッ! あっ……やぁっ……!」
頭領の腰が前後に動き始める。クラマは既に言葉を失いつつあるが、今さらのことか。今の彼女は獣のように快楽に喘ぎ、泣くのみである。亀頭で子宮口を小突かれる度に彼女の声は上擦り、助けを求めるように虚空へと舌を伸ばす。
突かれる度に揺れる豊満な乳房、それを頭領は鷲掴みにして揉みしだく。媚薬で敏感になった乳房への愛撫にクラマの体は跳ね上がり、その刺激が子宮へと響く。
本来ならばあまり感じられない部分であろうと、乱暴も、苦痛すら、病み付きなものに変える。削られた理性では口を閉ざすこともできやしない。クラマの体はすっかり色欲の奴隷と化していたのだ。
「あ、ぅ……ひっ、あ゙ぁぁ……!」
「俺だけでそんだけ喘いでたら、部下共の時にどうなるのかわかんねぇぞ」
膣内を穿り、子宮口を小突く。媚薬に侵された体と理性が快楽に淘汰され、クラマはただ快楽の波に流されるままだ。その行く先は水面よりも深い場所。今の彼女は渦潮に囚われたボートと同じ状態だ。
艷やかな声を上げ、蕩け切ったクラマの様子に頭領は昂揚感と征服欲を覚える。その悪意は自らの欲望を満たすべく突き動かされる。色を帯びた衝動のまま、一人の女を貪る頭領もまたケダモノといえよう。
「ひッ、あ、あ゙っ……んっ、あぁっ!」
頭領が腰を引く度にクラマの体は震え上がる。亀頭で子宮口を小突かれる度、その刺激は彼女の脳髄まで達し、淀みを運ぶ。押し付けられた快楽を享受し、涙も愛液も垂れ流す、淫靡な姿だ。
子種を欲した収縮に男根が刺激され、頭領の限界も近い。同様に、絶頂を繰り返していくクラマの意思は着実に堕落へと向かっている。
ここで、スパートをかける。頭領は改めてクラマの腰を強く掴むと、一際早いペースで腰を打ち付け始めた。穿孔と後退のスパンが急激に短縮されると共に子宮口への勢いも強まった。
「ひッ、ああっ……んっ、あ゙ぁ!」
「今晩はこれで終いにするか」
クラマの体が跳ねる。頭領の腰の動きに合わせて乳房が揺れ動き、汗を散らした。膣肉は進退を繰り返す男根に絡み付き、子宮口は亀頭に吸い付いて出迎える。女の体が欲望を為そうと喜悦している証拠だ。
逞しい肉槍に穿たれる快感。どうすることもできないクラマは頭領を拒むように天井を仰ぐ。艷やかな声は乱れ、女から獣へと変わっていく。そこには彼女本来の凛々しさも淑やかな所作も無い。
押し寄せるケダモノの衝動は果たされようとしていた。強い一撃を以てクラマの子壺を捉えたその瞬間、頭領の奥から醜い熱が迸った。クラマを捉えた両手と腰が、決して彼女を逃さんとばかりに男根を突き付ける。
「やべぇ、搾り取られる……っ!!」
「あっ、あ゙あああああぁぁ!」
視界が一瞬途切れる程の快楽に、クラマは嬌声を上げて絶頂を迎えた。
尿道を突き進んだ欲望の果て、頭領の白濁液がクラマの中に解き放たれる。それは熱を以て彼女の子宮を蹂躙し、膣道へと侵攻する。
膣内で痙攣する男根と、白濁液の逆流を彼女は朧気な意識の中で感じ取っていた。子宮のみならず、膣道までをも埋め尽くす熱にクラマは快楽に打ち震える。
「あ……あぁ……」
「媚薬の効果は上々……明日からの実験が楽しみだ」
絶頂の余韻に浸り、熱い息を漏らすクラマ。その焦点は定まっておらず、逃げ場の無い状況に、閉ざされた天を見つめるばかりだ。
その身から力が抜けた頃を見計らい、頭領が膣道からゆっくりと男根を抜き抜く。愛液と精液に塗れた象徴は今もなお太ましいものの、射精後の影響か、その切っ先を床に向けていた。
膣内を穿っていたイチモツが抜かれた拍子に、侵攻していた白濁液が秘部より漏れ出、汚い音と共に床に潰える。頭領はクラマを見下ろしながら、嘲笑うように告げた。
「後は俺の部下共に可愛がってもらいな」
その言葉を最後に彼は牢屋から立ち去る。残されたのは秘部から白濁液を垂らしたまま虚空を見つめる少女一人だった。
しかしすぐに孤独ではなくなるだろう。情欲を果たした頭領に、手下たちが続かない訳が無く、事後の牢獄に新たな足音が連なっていく。
今晩の相手は五人、十人──ここにいない者も含めれば断定はできない。彼らは下卑た笑みと疚しい視線を、グロッキーなクラマ一人に注いだ。
「あっ……うう、あ、は……」
射精を終えたとはいえまだ一回目だ。肉欲の宴はまだまだこれからである。クラマの瞳からは既に光が失せた。縄に支えられた体からは、抵抗の意思も力も感じられなかった。
閉ざされ、日の光も届かない場所。女のサガを乱雑に掘り起こされたクラマは抵抗も逃亡も許されず、下賤な男たちに痴態を晒される。
「お頭はもういいんですかい?」
「お前らだって、捕れたてを味わいたいだろ? その内ヤクは抜けるだろうが……」
頭領が言いかけた途中だが、呻くクラマに魅了されたか、手下は待ち切れない様子だ。全員がそれぞれの召し物に三角錐の幕を張っており、視線が彼女の肢体に釘付けになっていた。
動き出せば彼らはすぐにでも暴徒化するだろう。頭領もその潔さには溜め息が出そうになるが、それが手下の求めるものではないということも承知している。彼らが最も欲しいのは彼の許可のみだ。まるで「待て」を指示された犬のようだ。
頭領は背を向け、手をひらひらと振る。
「好きにしとけ」
こうして、醜悪な宴は始まる。長らく閉ざされていた扉を開ければ当然、待機していた者たちが走り出す。興奮に苛まれた賊徒は統率者の声を合図に弱った女へと迫った。
けたたましいまでの足音に、グロッキーだったクラマも反応せざるを得ない。目の前に連なる欲塗れの悪意に、彼女は弱々しい声を上げて怯えた。
「ひっ……」
「久し振りの女だ!」
「眠れると思うなよ」
「よくも俺に斬り付けてくれたな……!」
「傷薬代くらいは払ってもらおうぜ」
群がる男たち、迫り来る汚れた手と、力無く頭を振り乱すクラマ。拒絶の意を示そうにも口が思うように動かない。喋れたとしても、賊徒にとっては意味を成さない言葉だ。
彼らは彼女の体に群がり始め、その身を汚そうと手を伸ばす。その手に肌を触られる度にクラマは体を震わせ、必死に身を捩らせた。
しかし多勢に無勢。逃げられるはずも無く、その肢体は暴徒の手に落ちる。拒否の意思も虚しく、吊るされたクラマの体に男たちの手が這い回った。
今晩は、彼女を中心とした宴が開かれる。賊徒の性奴隷にされたクラマ、悍ましい肉林の中心に囚われた彼女はその身も心も崩落を避けられないことだろう。最初の夜はまだ終わっていない。