※この作品はR-18です。

二次創作短編集   作:檀崎 不浄

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 シエルの話を読み返してたらゼロの生死が
ごっちゃになってて駄目だった。


触手:ヤコがマガツヒの子を宿す話

 それは、マガツヒとの戦闘中に起きた事件だ。ヤコは陰陽師、アスカと共に人を襲うマガツヒの討伐に赴いていた時のこと。獣道で相対した三人はすぐさま構え、殲滅を試みたのだった。

 ヤコはミディアムのブロンドに、可愛らしい狐の耳を生やした少女だ。短く太い雅な眉毛がまた可愛らしい。頭には烏帽子に似た小さめのものを被っている。愛嬌のある幼い表情に、背も低く、肢体も今後に期待てきるものである。

 衣服は、道士服を基に少女らしさを強調したデザインであった。ショルダーカットを施した前掛けに朱色のワンピースを着用している。細い両腕には大きな付け袖を着用し、より小柄な体付きを強調していた。

 華奢な腰を紅白の注連縄で締めると共に、背後に大きな蝶結びを形成している。足を包むのは白のニーソックスに、赤い紐のポンダルだ。

 チャームポイントの尻尾は全体の体積の半分程だろうか。毛艶とボリュームも然ることながら、明るい色合いが好印象なものだった。

 会敵したヤコがマガツヒに向けて光弾を撃つ。被弾したそれは容易く霧散し、残滓すら残らなかった。

 

「お兄様!」

 

 深い森林での戦闘中、彼女は陰陽師を呼んだ。彼は「お兄様」とこそ呼ばれているものの、立場上、実兄ではなく兄貴分といったところだ。ヤコとしては、男女の仲として問題無いと思っている相手でもある。

 彼の力を借りることで式神は力を発揮する。手強い相手となれば、なおさら彼との協力体制を敷き、全力を以て対処しなければならない。加えて、彼女は前に出て薙ぎ払うタイプの式神ではない。後方に回り、味方を支援するものだ、故に火力不足という問題は味方以外の解決方法が無く、どうしても避けられない。

 確かに、非力故に撃ち漏らす可能性はあるだろう。しかし彼女は目の前の敵に焦るあまり、背後に忍び寄るそれに気付かなかった。

 木陰に紛れて忍び寄るそれは三人が認識したマガツヒとは違う個体だった。蛇のように長く、靭やかに動くそれはヤコの隙を虎視眈々と見定める。楽なことに、盲目的に術式を組む少女は隙が多いものだった。

 ヤコがソレに背を向けた瞬間、動き出した。口無き蛇は、今振り下ろそうとしたヤコの腕を俊敏に絡め取ったのだ。外野からの不意打ちに、彼女は一瞬気を取られてしまう。

 

「きゃっ!」

 

 術を発動する寸前の彼女だったが、腕が後ろに引かれてしまったことで不発に終わってしまう。そのまま立て続けに彼女の片腕、両足、その腰と首にも巻き付いた。

 相手は筋肉の塊なのか、強い圧迫と拘束力だ。ヤコは体の自由を奪われ、少し手足をバタつかせるのが精一杯だ。それでも彼女は逃げなければと抵抗を諦めていない。突然現れた正体不明の敵だ、その行き先も目的もわからない。果たして、連れ去られた先で何をされるか。

 間接的に術を封じられている上にヤコの膂力は高が知れている。しかしアスカの刃ならば、これを断ち切れるかもしれない。せめて片腕だけでも使えれば──

 

「お兄様、助け──むぐっ!」

 

 しかしその瞬間、その小さな口は無理矢理塞がれることとなる。それはヤコの思惑を把握したか、すぐに彼女の首に巻き付くと、猿轡のようにして絡み付いたのだ。これでは、助けを呼ぶこともできない。

 必死に藻掻くヤコ。一瞬だけそれを振り払った彼女は虚空へと手を伸ばそうとするが、新たな一本がそれを容易く絡め取ってしまった。

 一本、また一本と、それらは幼気な少女の体に絡み付き、暗闇へ引き摺り込もうとした。ヤコは必死に抵抗した。しかし増えていくばかりの拘束を振り切れるはずも無く、彼女の身はゆっくりと現世から沈んで行く。文字通りの一寸先は闇。

 

(お兄様……お兄様ぁ!)

 

 遠くから聞こえてくるのは精々、刃の衝突音と、肉を切断する生々しい音ばかり。ヤコを呼ぶ声などありはしない。ソレはヤコの顔を覆うように絡み付き、光すらも通さないとばかりに締め付ける。

 やがて、彼女の体と意識は闇に飲まれてしまう。その髪の毛一本すら残さず、閉ざされた暗闇はそっと何事も無かったかのように藪からも消失した。

 

◆◆◆

 

 そこは悍ましい空間だった。雨後の蔦のような光沢を持つ何かが蠢き、不快な鈍い音を頻りに鳴らしながら絡み合っている。蛇の大群が地面や同類を足場に這い回っているかのような光景だった。

 気持ちの悪い場所の中心でヤコは目覚めた。両腕を広げ、跪かされている状態である。その四肢は何やら、生温かい穴の中に収められていた。それは何やら口のような感触だ。二の腕や膝より先はブヨブヨとした肉厚な唇で閉ざされている。その内側では細長い何かが彼女の指をしゃぶるように絡み付いている。

 ここはマガツヒの体内なのだろうか。ヤコは目の前の光景に恐怖心を覚えながらも毅然とした態度でケダモノに訴える。

 

「離して下さい! 私を解放しないと、ただでは済みませんよ!」

 

 答えは無かった。その代わりに、一本の触手が彼女の前に伸ばされる。それは一際粘っこい体液を纏い、ぬらぬらと鈍く光を反射している。

 見るだけでも悪寒が止まらない代物だ。さらにグロテスクなだけでなく、悪臭まで放つ始末だ。近付かれるだけで顔を顰めさせてしまう。恐ろしいことに、それはまるでヤコに舐めさせようとするかのように、彼女の頬をぐにゅりと突いた。

 

「気持ち悪い……!」

 

 無論、得体の知れない液体を、おいそれと接種する訳にはいかない。ヤコは顔を反らしたが、触手が接触したことで、頬に付着してしまった。

 粘着性のあるそれは世辞にも褒められたものではない。塗り付けられたそれは垂れることすら無く、べっとりと少女の頬に貼り付いていた。

 頬を突いた触手は摂取されないことを理解したのか、悠然とした動きでそこから退いた。

 諦めたのだろうか──ヤコが訝しげに触手を見たその瞬間、背後から伸びたものがヤコの首に絡み付く。そして強烈な圧迫。彼女を捕縛する膂力を以てその首を絞めることで、無理矢理ヤコの気管を塞いだ。

 

「かはっ……!」

 

 触手の力は強く、ヤコの首を容赦なく圧迫する。まるで万力にかけられているかのように少女の細首は鈍い悲鳴を上げた。あまりの圧力にヤコの意識は徐々に遠退いていく。空気を求めたその体は思わず、無防備に口を開けてしまった。

 それを待ち構えていた触手は彼女の口に突っ込む。悪臭と、粘液の独特な苦味と生温かさが口いっぱいに広がる。

 

「んぶっ……! んっ、おぶっ……」

 

 ヤコは慌てて口を閉じようとするも、もう遅い。噛み千切るには固過ぎる触手はそのまま彼女の喉奥まで潜り込んだ。その先端は食道まで達し、胃にまで到達したのではないかと思わせる程に深く突き刺さっている。

 異物を吐き出そうとヤコは首を振って抵抗するが、触手は彼女の喉に刺さったままだ。舌だけでそれを追い返すのは困難だろう。

 ヤコの反応を置き去りにして、それはゆっくりと前後運動を始めた。胃を圧迫する動きに、ヤコはただ嗚咽を漏らすばかり。

 

「おえっ、ごぼっ……んぶっ!」

 

 触手はヤコの口内を味わうようにして前後し、彼女の喉奥と舌をねっとりと摩擦する。汚らしい往復運動に彼女は涙で顔を濡らした。

 それは決して慈悲を与えない。喉に触手を突き立てたまま、さらに新しいものをヤコに差し向ける。背後から伸びた二本の触手がヤコの袖口から衣服の内部に侵入し、未発達の乳房に絡み付いた。

 

「んぐっ……! ぉ、う……!」

 

 触手はヤコの胸を揉みしだきながら、彼女の口内を蹂躙する。それはまるで少女の体を味見しているかのようだ。ヤコが雄を知っているか否かは定かではないが、ケダモノ相手では不慣れも当然だろう。慎ましい肢体も、細い首も、雌の部分すら残さず味わい尽くす。今はまだオードブルでしかないのだ。

 触手が慎ましい双丘に巻き付く先、薄紅色の頂上に触れた瞬間、ヤコの肩がビクリと震える。可愛らしい突起物は敏感に触手の刺激を受け、小さいながら固くなった。

 触手はそれを摘み上げると、コリコリとした感触を楽しむように弄ぶ。さらにそのまま先端を小さな膨らみに押し込まれ、彼女は反射的に、体を弓なりに反らしてしまう。

 

「んぐっ……んんっ!」

 

 敏感な部位を刺激され、ヤコは苦悶の声を上げる。しかし皮肉にも、それは決して苦痛だけではなかった。頬を赤らめながら身を捩らせている彼女の声は徐々に色付き始め、触手に揉まれる乳房も、ぷっくりと勃起してしまっている。

 ヤコの体は触手による陵辱に、快楽を覚え始めていたのだ。彼女はまだ、雄との交わりにそこまで明るくはない。陰陽師との淫靡な夜はあれど、互いの立場や仕事を考慮した結果、頻度は決して高くはなかった。それを化け物が陵辱を以て塗り替えようとしているのだ。

 

「んぐっ! んっ……んん……!」

 

 幼き双丘を弄んでいた触手が一度動きを止めたかと思うと、先端がぺりぺりと音を立てながら割れ始める。花のように展開したその中心は空洞になっており、中から細長い器官がちろちろと覗かせる。仮にそれが口だとすれば、さしずめ細長いそれは舌か。

 肉の花弁はヤコの乳房を呑み込むかのように包み込むと、その柔肉を貪欲に吸い上げた。さらに触手が薄紅色の突起物に舌を巻き付かせる。舌による圧迫と吸引を同時にかけられ、ヤコは体を大きく跳ねさせた。

 

(そこ、吸っちゃ、だめぇ……! そこは、お兄様だけの……!)

 

 触手は彼女の反応を楽しむかのように、その責めをより激しくさせる。食道を摩擦し、乳首を吸い上げるという刺激はヤコに自らとの生殖行為を植え付けるためのものであり、味見の段階なのだ。

 新たな一本が幼気なヤコを次の段階に進ませる。背後から彼女の股下へ伸ばされる一本は表面に夥しい数の突起物を生やしている。まるで棒状の物体を気泡緩衝材で覆ったかのような外見だ。ぬらりと伸びたそれはヤコのスカートに忍び込むと、目の前には滴る薄衣が触手の神経を擽った。

 次の瞬間、突起物を帯びた肉塊がヤコの臀裂から秘部までを一気に駆け抜けた。敏感な部位を襲う強烈な駆動に、ヤコの意識が飛びかけた。

 

「ーーーーー!!」

 

 急上昇。荒々しい昂揚感がヤコを襲う。その股を擦り上げる刺激に彼女は悲痛に目を見開き、声ならざる悲鳴と共に悶えた。

 太い棒状の物体は彼女の花弁を抉るように擦り上げ、数多の突起物で皮膚を削ぐ。乱暴な動きに加え、円型のイボは固い。ショーツ越しとはいえ、幼い少女には到底耐え難いものだ。喉を突き進むそれとはまた違う、不快感の塊である。

 

 「んぐっ! んっ……んんっ!」

 

 ヤコは触手に口を塞がれながら、くぐもった声で喘ぐ。彼女の体は徐々にその刺激を受け入れ始めていた。秘裂からは愛液が垂れ始め、さらにショーツのシミを上塗りする。

 感覚と精神のギャップ。侵略される少女の身は触れ難き快楽に飲まれつつあった。触手が前後に動く度に、濡れる陰唇を突起物が荒く撫でる。突かれる喉奥も、吸われる乳房も、秘裂を滴らせる要因だ。

 しかしあくまでもそれらの行為は触手側が自らの欲求を満たすためのものだ。口内で前後していたそれは一度動きを止めたかと思えば、一際強い脈動を以てヤコの喉を揺るがす。その動きはまさしく、陰陽師が彼女の膣に与えたものと酷似していた。

 その瞬間、醜い欲望が解き放たれた。触手の奥底から湧いた白濁液はヤコの粘膜に注ぎ込まれ、彼女の食道から胃へと注がれる。

 

(こんなの、気持ち、悪い……! お兄様……!)

 

 絡み付く粘液。汚らわしい熱がヤコの体を侵攻するに飽き足らず、勢いのままにその口端から溢れ出す。味も臭いも、食感すら下劣なものだ。吐き気を催すそれを吐き出し切ってようやくヤコの口から触手が引き抜かれた。

 食道に直接注がれたものの、その悍ましい感覚は人間の比ではない。唾液混じりに込み上げて来るそれを、ヤコは止められない。

 

「うえっ、げほっ……ごぼっ!」

 

 触手が引き抜かれたその直後、彼女は胃の中身を吐き出した。しかしヤコへの陵辱は終わらない。別の一本が口内から喉奥までを蹂躙し始めた。

 遺伝子を刻み付ける過程、今ようやくその段階に踏み込むこととなる。先程までヤコの股を摩擦していた触手が彼女のショーツに侵入し、蜜に塗れた秘部を直接擦り上げた。

 

「んぶっ、んんっ……!!」

 

 敏感な部位への責めに反応し、彼女の体が跳ねる。ヤコの腰を触手がガッチリと固定すると、秘部を狙う一本がその先端を膣口に押し付けた。

 ぬるりとした固い感触。粘膜の裂け目は押し当てられるままに食い込まれ、今にも受け入れてしまいそうだ。当然、その行為にヤコの意思は介在していない。粘液の上に愛液を纏い、その一本は独特の光沢を帯びる。

 次の瞬間、ヤコの性域は触手によって侵された。捩じ込まれる亀頭と夥しいイボで膣道の粘膜を摩擦され、ヤコは果てた。

 

「んんんんんん!!」

 

 ビクンと腰が浮き、その蜜壺から潮が噴き出す。触手のピストンにヤコは腰を震わせた。

 未だ幼い少女の体は、性感帯への刺激に敏感だ。一度果てたところで、敏感な粘膜を擦られ続ければ絶頂は止まらないだろう。いつ終わるかもわからない蹂躙となればなおさら彼女は無力に喘ぐのみだ。

 喉を穿たれ、膣を後退される気色の悪い快楽に、ヤコは悶える。触手は彼女の体を固定すると、さらにピストンの速度を上げた。

 

「んぶっ! んんっ……!!」

 

 喉奥を突かれたかと思えば秘裂が突起物で擦り上げられ、膣内から子宮口までを抉られる。それは少女にとってあまりにも酷なものだっただろう。

 しかし怪物が満たされるにはまだまだ、刺激も時間も足りない。それを体現するかのように、触手はヤコの慎ましい乳首を強く吸い上げた。

 

「んぐっ! んっ、んんっ……!」

 

 性感帯を襲う怒涛の快楽。処理し切れない荒波に飲まれ、ヤコは目を見開く。

 激しい抽送を受け入れる膣道は触手をきつく締め付ける。陰陽師以外を拒む彼女の意思とは裏腹に、子種を欲しがるように異物を刺激した。

 膣圧に震える触手はそのまま欲望の限りをヤコに求めた。可愛らしい肢体から己の欲望を搾り取ると共に、自らの子孫を孕ませんとばかりに血肉を打ち付ける。

 

「んんっ! んぶっ、んっ……!」

 

 子宮口を小突かれる度にヤコの体は震え上がる。触手は彼女の膣を味わうようにゆっくりとピストンを繰り返した。

 その度に生まれる快楽に、彼女はただ打ち震えるのみ。膣内で脈打つ触手の感触と共に、その突起物で抉られるような錯覚を彼女は覚えた。

 

(お兄様、お助け……下さい……!)

 

 涙を流しながら、ここにはいない男を求めるヤコ。しかしその声は誰にも届かない。無力な願いをも食い潰さん限りに触手はヤコを蹂躙する。徹底的に彼女の雌の部分を責め立て、何度でも自らの遺伝子を植え付けるだろう。

 その口も、肢体も、触手は決して離さない。可愛らしい女体を汚し尽くし、彼女の精神が快楽の沼に沈むまで。

 射精を経た喉に自らの粘液を塗り込み、膣圧を貪る。触手の欲望は無尽蔵だ。彼女の体を孕ませたところで恐らく満たされることは無い。

 ヤコは取り込まれた時点で、一人では脱せない状況に陥ったのだ。愛の無い、望まれない快楽を注ぎ込まれるだけの生き地獄は彼女が一生命体として潰えるまで続く。

 触手の脈動。触手はペースを上げ、最高潮へと伸し上がって行った。

 体内を穿たれる陵辱の最中、ヤコの視界が点滅し、意識も朦朧とする。

 

「んぐっ! んっ、んんっ……!」

 

 触手はヤコを孕ませるため、子宮口を何度もノックした。その度に彼女の体は跳ね上がり、膣壁が収縮を繰り返す。激しい責めに蜜壺からは愛液が溢れ出し、その粘り気で触手のピストンも加速する。

 触手の限界が近いことを、彼女は体で理解した。精を注がれる恐怖、何もできない無力感に苛まれながら、ヤコはただただ押し付けられた快楽を享受する。

 二度目の射精が彼女を襲った。喉と膣の奥に叩き付けられた先端から、熱く粘り気のある欲望が吐き出される。彼女の膣道もそれに呼応するように圧を強めた。

 

「んぶっ……んんっ……!」

 

 注ぎ込まれる白濁液を、ヤコはただ飲み込むのみ。喉も子宮も、触手の遺伝子に侵されながら彼女は絶頂した。締め上げる膣道で触手の白濁液を搾り取り、子壺で受け止める。精液を精液で掻き出す、醜く絶え間無い陵辱だ。

 触手の脈動が収まり、ようやく彼女は触手から解放される。口と秘部からそれを引き抜かれれば、今し方追いやられた分がどろっと漏れ出る。

 しかし彼女の体は未だに冷めやらぬ熱に蝕まれていた。荒い呼吸に、高調する頬。肩の起伏は当然、平常時のそれではない。

 今の今まで口を塞がれていたのだから当然だろう。触手による生殖行為はただただ無遠慮なもので、受け手となるヤコの安否など最初から考慮することは無い。相手は理性無きケダモノなのだから。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 肩で息をしながら、ヤコはゆっくりと瞼を開く。未だに口腔内は精液や粘液の味が残っており、気分はすこぶる悪い。しかし幾ら注がれたものを吐き出したところで、また新しいものを飲まされるだけだ。

 こうなってしまっては、助けを待つほかないだろう。自力での脱出が困難ならば、外部からの救援の方がまだ確実だ。アスカやイズナ、他の式神たちならば、この化け物を討ち取れるかもしれない。孤立無援の支援者よりも確実なはずだ。

 しかし──ヤコの脳裏に過る最悪の可能性。

 

(もし、見つからなかったら……?)

 

 その疑問は当然のものであり、何よりも彼女を追い詰める言葉だ。どうやってここに連れ去られたのか、如何なるルートか、それとも妖術の類か。気付けば闇に引き摺り込まれた彼女にはそれすらわからない。

 今でも十分逃げ出したい程に凄惨だというのに、この陵辱は未だに終わる予兆を見せない。片鱗すらもだ。今はまだ彼女の体から母乳は出ないが、それもまたいつの話になるのか。触手がヤコ由来の餌にありつける日は遠くないのかもしれない。

 ゴールの見えない迷路、そこに迷い込むヤコの心。水底に沈むような不安の中で震える彼女をよそに、怪物は淫靡な蹂躙を再開するのだ。

 

「も、もう……やだぁ……んんんっ!」

 

 これで三度目だ、弱々しいヤコの口に触手が容赦無く突き立てられる。何度塗りたくられようと慣れたくもない、悍ましいもの。今度も精液を注ごうと、それは激しく後退を繰り返す。

 先程と同じ流れだろう。快楽と絶望に苛まれたヤコを襲うのは、さらなる苦痛だった。彼女の股へと伸ばされる触手は二本だった。それらは目的地に到達するや否や、前後の穴に自らを押し付ける。それらが侵そうとしているのは、不浄の穴を含んだ二つの穴だ。

 

(ちがっ、そこは……駄目ぇ!)

 

 菊座に当てられた感触に、ヤコは戦慄する。口もそうだが、このケダモノは生殖行為に関係無いはずのそこにまで挿入しようというのか。怯える彼女の後門にメリッと肉槍が食い込んだ。

 そして非情にも、ヤコの二つの穴は同時に貫かれてしまう。秘部は元より、菊座までもが触手に穿たれ、捌け口の一つとしてカウントされてしまった訳だ。

 

「〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

 体を駆け抜ける痛み。ここに来て初めて体験する苦痛に、ヤコは触手越しに悲鳴を上げる。彼女の膣を抉った触手は、子宮口まで一息に貫いた。菊座でも同様に、もう一本が腸壁を削るように突き進む。前門と後門の同時挿入という、もはや拷問というべき陵辱だ。

 ヤコの体は二つ同時に貫かれる感覚に悶えた。苦痛混じりの快楽が彼女の心身を乱雑に蝕む。

 何処まで愚弄すれば、この化け物は満足するのだろうか。口と前後の穴を同時に責められる感覚に、ヤコはただ翻弄されるばかりだ。膣と菊座に挿入された二本の肉槍は互いに圧迫し合い、共に子宮を叩く。彼女を快楽の沼へと沈ませるには、もはや過剰だろう。

 

「んぐっ、んぶっ……んぅ、んんっ!」

 

 前後から子宮を押し潰されるその感覚は果たして快楽なのか。幾度となく抽送されたヤコが今になって正気を保てるはずが無い。呼吸を制限され、穴という穴を情欲の捌け口にされた彼女の理性は既に風前の灯だ。

 触手は彼女の体を固定したまま、前後からその身を穿つ。ヤコの体は触手の欲望のままに弄ばれ、声すらまともに発せない。交尾の範疇を逸脱した暴力に屈した彼女はさめざめと涙した。

 

(もう……いやっ……!)

 

 果てしない陵辱。終わりの見えない抽送。何度も打ち込まれた場所から痛みを刻まれ、白濁液を塗りたくるこの空虚なひとときを生き地獄以外に何と呼べるものか。身に余る肉欲を叩き込まれ、ヤコは懇願すらできなかった。

 その口は精液を飲むためか、その膣は子種で満たすためか。今のヤコにはそれを答える手段すら無かった。

 粘膜を震わせる脈動、何度目かになる触手の限界も近い。最後の最後にペースを上げる触手。その質量と膂力を以てヤコの体内を突き進んでは戻り、子種を奥底に溜め込んでいく。

 

(もう、ゆるして……ください……)

 

 懇願を言う権利など彼女には無い。激しい抽送の最中、ヤコに突き立てられた触手が痙攣する。絶望を前に、彼女の目は欲望の深淵に沈んだ。

 彼女の最奥へ遺伝子の刺客を導かんと、触手は強く先端を彼女の体内に叩き付けた。痙攣、そして決壊。

 絶頂はほぼ同時だった。快楽を蓄積させられたヤコの体が弓なりに反り、膣道で触手を締め付けて射精を促す。触手もまたそれに応えんとばかりに、その先端から白き欲望を彼女に注ぎ込んだ。

 

「んんっ、〜〜〜〜〜〜!!」

 

 口と子宮、菊門の両方で子種を受け入れるヤコ。子壺と腸内が熱と粘着性を伴った液体で満たされていく。満たせば溢れ、古いものからぼたぼたと汚らしい音と共に秘部より雪崩れる。

 その勢いに彼女は再び弓なりに身を反り、望まぬ絶頂を迎えてしまう。気を失いそうになる程の快感に白目を剝き、その表情は蠢く天井を無力に仰いだ。

 その射精は、ヤコの腹が膨らんでしまうのではないかと錯覚してしまいそうな程の勢いだ。力強い放出は、子壺に一切の空間すら設けないよう子種で満たす。

 

「んぶっ……んんっ……」

 

 触手が引き抜かれたのは最後の一滴すら無理矢理押し込んだ後のことだ。栓が外されれば、その中身が零れることは当然の理だ。ヤコの口、股の穴から、式神と怪物による混合液が溢れ出す。

 びちゃびちゃという下品な音、足元の触手に降りかかる白濁の洗礼。陵辱を終えてなお、ヤコはまた醜く汚されてしまった。

 ヤコを苛むのは、絶頂の余韻、腹部の圧迫、精液の悪臭と味──そして絶望だ。斯様なケダモノに捕縛された罪悪感。知性すら感じさせない肉欲を押し付けられ、玩具のように弄ばれた恥辱。その心境は鎖で縛られた状態で水面に落とされたかのように暗く、底が見えないものだ。

 淀んだ意識の中、妊娠の危険性がヤコの脳裏に過る。膣内から精液を掻き出さなければ、と焦燥感が彼女の中に灯る。

 

(早く、早く掻き出さないと……)

 

 無論、怪物とてそれを黙認する訳も無し。触手はヤコの四肢を捉えたまま身じろぎ一つ許さない。腕を引くことはおろか、指先足りとも離さない。

 これで何度目だろうか。逃げられないと悟ったヤコは俯くと共に、ぽろぽろと大粒の涙を零した。嗚咽を漏らし、肉の間にて一人泣き叫ぶ。

 幼き声は化け物の皮膚に遮られて響かず、涙は脆くも肉の床に潰える。泣き叫ぼうと呼びかけようと誰も来ない。絶望感と孤独感が彼女を包み、心にヒビを入れる。

 彼とまぐわった夜は然程多くはないが、ケダモノの陵辱とは比べるまでも無い心地だった。何度も手を繋ぎ、名を呼び合い、唇を重ねたことか。しかし一途なその感情も、体も、今や決して綺麗なものとはいえないだろう。

 

(お兄様、ごめん、な、さい……)

 

 汚らわしいものたちが蠢く牢獄の中、ヤコは一人、想い人を追想する。彼は助けに来てくれるのだろうか、肉欲に汚された彼女を抱き締めてくれるのだろうか。切実な願いだ。叶うかもわからない。

 時が経てば陵辱は再開されるだろう。陰陽師たちが救出に来るとして、それはいつか、ヤコは何度精を注がれるか。彼との再会を果たす時、彼女の心はどうなっているのだろうか。

 ならばせめてと、ヤコは脆き言葉を紡ぐ。

 

(ヤコは、汚されてしまいました……!)

 

◆◆◆

 

 その後もヤコは幾度と無く犯され続けた。

 手足はそのままに、長く続いた快楽にその目は虚ろになっていた。精液をしこたま注がれ、受胎してしまった彼女はそのまま悍ましき子を宿し、その腹は残酷にも膨らんでいた。

 以前と比べれば乳房も僅かに大きくなった。今ならば、搾れば母乳も出る。子供が生まれるまでの間、搾乳は化け物の娯楽となった。

 

「あ、ああ……っ」

 

 その意識もまた朦朧としていた。激しい刺激を与えられようと僅かに声を漏らすのみで、もはやまともに言葉を発することもままならない。

 触手がヤコの口に差し込まれる。今日もまた、何処からか調達して来た栄養をヤコの口に無理矢理注ぐのだ。色も材料も作り方もわからないが、ドロドロとしていて心地も味もミキサー食に劣るものである。

 

「んぐっ、ごぼっ……」

 

 ヤコを生かすための、醜悪な施し。ヤコは吐き出そうとするが、触手が口を塞いでそれを阻止する。栓をすると共に、そのまま彼女の喉に汚物を流し込み続けた。やがてそれは食道から胃へ到達し、吐き出し切ってようやく触手が引き抜かれるのだ。

 食事にならない接種を終えてようやく、望ましからぬ静寂が彼女を迎えた。認識できるのは蠢く水音のみ。

 

(お、にい、さま……)

 

 想い人を追憶しながら、ヤコは祈るように目を閉じる。腹に感じる鼓動の絶望もその身を包む不気味な空間も夢ならばどれ程よかったか。

 ──もう二度と、彼には会えないのだろうか。

 闇に産声が響く日もそう遠くはなかった。

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