※この作品はR-18です。

エロ河童蕩遊録   作:北部九州在住

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タクシー小粋なトーク今昔

 和服というものはいいものである。

 何しろ下着をつけなくていいのだから。

 最も、これには理由がある。

 現代のブラ・ショーツは洋服を着た時に胸・くびれ・お尻の曲線が美しく見えるように設計されているのだが、着物は体のラインが真っ直ぐな寸胴体型が理想となっている。

 つまり、曲線を強調させるブラ・ショーツは、寸胴体型の着物だと見た目も好ましくない上に、着崩れの原因となる。

 じゃあ、下着を着ないのかというとそうではない。

 もちろん着物にも下着というのがあるのだ。それが長襦袢と呼ばれるものである。

 これを着た上で着物を重ねるのである。

 さて、勘の鋭い人は気づくだろう。

 

「これ下から見たら丸見えじゃね?」

 

と。

 その通りで、それによる悲劇が歴史に刻まれていたりする。

 昭和7年(1932年)の白木屋火災である。

 日本初の高層ビル火災であり、火災による死者が1人、墜落による死者が13人、傷者が67人という、日本初の高層建築物火災となったこの火災が一つの伝説を生んだ。

 それが『女性客が下から見られるのを気にしてロープを掴み損ねて墜落死した』という伝説で、これ以後女性の下着着用率が急激に上がるようになったという伝説である。

 いろいろこのあたりは調べると面白いのだが、今回はエロエッセイなのでこのぐらいで。

 

 たとえば、エロいネタを考えていると体というのは正直なもので、エロい体に自然となってゆくものである。

 具体的に言うと、乳首が立ったりお汁が垂れたり。

 それを長襦袢で隠した上に着物でごまかして一人タクシーに乗るったりすると、妄想がはかどる事この上ない。

 

「〇〇までお願いします」

「あいよー」

 

 まずこのご時世、夜に着物を着ている人間が珍しい。

 さらに女の客が運転手に話しかけるというのもまた珍しい。

 日常とはかけ離れた状況であればあるほど、ネタというものは降ってくる。

 

「しかし着物たぁめずらしいねー」

「ですよねー。この時期暑くてー」

 

 そんな感じで軽く胸元をはだけさせるふりをするとミラーで見ている運転手の脳内では、着物の下は何もつけていないという妄想で埋め尽くされる。

 実はタクシー運転手もこの小粋なトークスキルを持っていると稼げるのだ。何しろ会話は相互理解の源。話しかけるのは私だけとは限らない。

 

「しかし夜にそんな着物着るとは何かあるのかい?」

「まぁ、宴会に駆り出されることになりまして。偉い人が来るからって着物着てこいって」

 

 もちろん嘘だが運転手が気づくわけもなく。

 多分運転手の脳内あたりでは、偉い人の宴会に呼ばれた夜系の女あたりのイメージができあがるのだろう。

 そんな妄想をさらに加速させるために、すました顔で私は嘘を上塗りする。

 

「つーか着付け大変なのに、偉い人が脱がすから大変なんですよ。

 おまけに、もう汗だく汁だくで。まぁ高いから文句も言えないんですが」

「ははぁ、そういうお仕事の人も良く使いますよ。大変だ」

 

 これでこの運転手の中では『偉い人の所に行ってエロいことをされる女』の出来上がりである。

 あとはそれをどう発展させるかは妄想力の賜物である。

 この場合だと、高い着物を来ているんだから綺麗なもんだろうなぁという願望と、脱がされるんだからそれは汗だく汁だくになるよねぇという下世話な妄想が合わさって、 その偉い人のお相手は高齢の男だろうなぁという結論にたどり着く。

 そして、運転手の脳内ではその偉い人というのが女好きであると勝手に設定されてゆく訳だ。

 もちろん、こっちはその過程を丸ごとエロ話にするなんて言うつもりもないのだが。

 

「はい。着いたよ。

 ここでいいのかい?」

「いいんですよ。ここからまた乗り換えるんですから。

 偉い人って面倒くさいんですよ」

「あー。なるほど」

 

 車が止まると、私はそそくさと降りてタクシー代を払う。

 運転手は訝しそうな顔をしていたが、それもまたネタの種になるので帳消しだ。

 そのまま歩いて地下鉄の駅の方に。

 察しのいいひとは気づくだろう。

『お熱いのはお好き』のマリリン・モンローのあれである。

 強風でめくれたら仕方ないよねー。和服だから下着はつけないから仕方ないよねー。

 仕方ないよねーの二連発で見られても仕方ない形にするのが露出がバレたときの作法である。

 

 地下鉄の駅に入り、ホームに降りる前にトイレへ。

 もちろん、脱いで準備をする為だ。

 

「あはっ♡しっかり濡れちゃってる……」

 

 おまんこを触るともうぐちょぐちょ。

 だから私はスリルを求めて、ついついこんな痴態をやらかしてしまう。

 ここでオナニーしても仕方がないのだが、小説内の私は卑猥なタトゥーシールをつけるだけでなく、バイブやローターをおまんこに入れて、 さらに乳首にローターを貼り付けている。

 これで着物を着て地下鉄に……とならないのが今の日本の地下鉄の凄さ。

 完全密閉ホームドアの整備などで風がそもそも当たらない所も増えてきたので……というか私お気に入りのハプニング露出ポイントだったのに……ぐすん。

 という訳で、やってきたのは駅は駅でも普通しか止まらない駅。

 これだと、快速が通過する訳でスマホで写真でも撮っているふりをすると、やってきました快速列車。

 

「ちょっ!ふぁっ!!」

 

 いや、快速舐めていた。

 盛大に捲れたが、エロいとかでなくもう危ないの方。

 着物はその仕様から、風を浴びると体ごと持っていきかねないのだ。

 ずっこけかかる私はすでにエロい考えもぶっ飛んで、電車あぶねーの気持ちで帰宅する事になりましたとさ。

 

 

 で、だ。

 最初の話題であるタクシーでも小粋なトークだが、根絶しつつある方向に進みつつある。

 理由はタクシー系アプリの普及。

 これの結果、客と運転手がしゃべらないという事も。

 コンビニも無人レジが普及しつつある今、人との小粋なおしゃべりそのものがいらなくなりつつあるのではと思うと同時に、もったいないなぁと思う私であった。

 というか、これエロい話でなくね?(汗)




白木屋火災

日本初の高層ビル火災 一流デパート・白木屋の大火は「女性の下着史」を変えたのか
世界も注目した高層ビル火災にみる「女性の下着史」 #1 https://bunshun.jp/articles/-/19515?utm_source=twitter.com&utm_medium=social&utm_campaign=socialLink #昭和 #文春オンライン


マリリン・モンローの『お熱いのはお好き』。
なんとフィギュアになっていた。
https://theriver.jp/monroe-tsyi-statue/
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