春画。
要するに江戸自体のエロ絵なのだが、これが結構奥が深い。
エロい話ではあるのだが、創作側として面白い所を語ってみようと思う。
『小柴垣草紙』平安時代末期のエロ話 日本一の大天狗の影
まずは、原本が平安時代末期に成立したという『小柴垣草紙』から。
この話、斎宮密通事件というかなりシャレにならない事件をネタにしている。
斎宮とは天皇に代わって伊勢神宮に仕えるため、天皇の代替りごとに皇族女性の中から選ばれて、都から伊勢に派遣された女性の事で、斎王とも呼ばれたりする。
もちろん神様にお仕えするのだから清い体な訳で。
そんな皇族の斎宮が警護役に一目ぼれして密通してしまうという大スキャンダルである。
……よくこんなのをエロ話に仕立て上げたな我が国よと突っ込みたい所だが、これを制作したパトロン的人物の名前が後白河法皇。
源平合戦時に平家と源氏を手玉に取り『日本一の大天狗』の異名をとったお方である。
いやまぁ、皇室とかのえらい家は子供ができるかできないかで繁栄没落が決まるから、セックスノウハウ本はある意味必須な訳で。
それがこうして令和の世まで残っているのだから、物持ちがいいというか、人の営みは変わらないというべきか。
この『小柴垣草紙』の有名な絵はなんと斎宮側が警護の男を誘惑している所だろう。
この頃の貴族女性と言えば十二単みたいな重ね着だが、わざと足を広げておまんこ丸見えで警護役の男を誘っているのである。
恥も外聞もそんなもの高貴な姫様のくぱぁに勝てる訳もなく、そこから盛る事盛る事。斎宮側も一目ぼれからの推しなだげあってやっている時はだいしゅきホールドかましているし。朝まで派手にやりまくったそうな。
で、こんな事やれば当然ばれるのだけど、何しろ相手が相手な訳で、ばれたら大スキャンダルの上に責任問題が周囲に降りかかるのは必定。
世の宮勤めの必殺技がさく裂する。
「……みなかった事にしよう」
他の人間が見なかったことにしているのをいいことに、やるわやるわのセックス三昧。
座位から騎乗位から69までやりまくった結果……見事にバレたという。
『袋法師絵詞』 レイプから始まる男女逆転劇
次はレイプから始まる胸糞悪い話かと思いきや、最後は見事なざまぁ話になっている『袋法師絵詞』を紹介しよう。
このお話は、三人の女房(奥さんではなく貴族に使える女房の方)が川を渡りたいのだがと困っていた所に法師が船を出して渡らせてあげる所から始まる。
ところが、法師は船を中州につけて逃げ場がないようにし、渡りたかったらと三人の女房たちを次々とレイプしてゆく。
話はそれで終わる訳もなく、三人を送り届けた法師は住所が分かったのでと家に押し掛けたのだが、三人の女房の女主人は法師を袋にかくして納屋に入れて『法悦』を楽しむ始末。
これ、要するに女主人も法師のちんぽの虜になった訳で、女房たちとご乱交の日々を法師は過ごす事になりました。めでたしめでたし……と終わるならまだイイハナシカナーでごまかせるようなごまかせないような。
で、四人の女相手にご乱交をしていると当然出るものも出なくなり、立つものも立たなくなるわけで。そこに女主人のいとこの尼御前がその話を聞きつけてこう言ったのである。
「その袋貸して?」
男とやれば尼ゆえに大問題。あくまで袋を相手にオナニーをしていたというのがこのロジックである。そのオナニー相手の袋のちんぽから精液も出れば妊娠もするのだが、それはそれなんだかの言い逃れで片付けるのだろう。神の子とか仏の子とか物の怪とかはこうしてできあがるのである。
かくして禁欲生活の尼さんは袋相手に大ハッスルをして袋の法師はとうとう立たない出ない有様になって女主人の所に返されたあげく、女主人も立たない出ないならいらないと法師を追い出すというのがこの話である。
なんつーか女の性欲の深さと容赦のなさを見事に描いたうえに綺麗に話のオチまでつくお話で、エロを書くなら良い見本になるだろう。
ただ、惜しいなと思ったのは法師一人相手に女は常に一人で描かれているから、現代エロ事情を知る我々からすればこう思うのも仕方ないだろう。
(……ここ、女三人並べて尻並べしてぇ……)
『一男十女図』 江戸のハーレムこれに極まれり
ハーレムものを書く場合、浮く女性が出ないように作家側は意識する事が多い。
当たり前だが、男のちんぽは一つしかないのだから。
当然、女が増えるとまんこが増える訳で、増えたまんこを遊ばせないようにする為に世の作家はいろいろな手を考えるのである。
大体三人なのはちんぽを突っ込んで残り二人は手で弄る事ができるからで、そこから先は基本男側ではせめられない……そう考えていた事がありました。
そんなのを吹き飛ばすのがこの『一男十女図』であり、なんと男一人に女十人の大乱交である。
何で女を喜ばせているんだと絵をよく見る。
まずちんぽと口と両手は確定。これで四人。
よく見ると足の指におまんこを突っ込んでいる女が二人。これで六人。
更に見ると肘と膝に縛りがあり、それが張り方、つまりディルドに繋がっておりそのディルドでよがっている女が四人。これで十人である。
いや、素直によくやるなぁと思うのだが、場所が吉原でという事は女は花魁な訳で、男の意地と女の仕事の両方が滑稽に描かれている傑作である。
なお、春画は『笑い絵』とも呼ばれたりする。
その性の本能と滑稽さが笑いを誘うからだろう。
作家としては、私もこうありたいとは思ったり。
とはいえ、できるとしたら十二単を着てのくぱぁぐらいな訳で……