※この作品はR-18です。

無自覚無防備なTS聖女は今日も誰かを狂わせる(R18版)   作:月見ハク

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第25話 新王の毒牙 ◆

 フィーネは新王の手が届かない距離で立ち止まると、段取りどおりの台詞を口にした。

 

「舞によって豊穣の願いは女神へ届けられました。……今一度、この地を統べるセダイト・オリミナスに祝福を授けます」

 

 すると新王は一歩フィーネに近づく。

 

「覇道を成さんとする我に、聖女の口づけによる祝福を」

 

 そう言って右手の甲をゆっくり差し出す。段取りにない動きだ。

 

(手に、口づけ……!?)

 

 フィーネは新王の求める行為を理解し、そのおぞましさに一歩後ずさる。

 

 すると舞台袖から大司教の低い声が響いた。

 

「聖女よ、祝福の儀はこれで終いだ」

 

(これで、終わり?)

 

 フィーネの本能はそんなはずはない、と最大限の警戒を発し続けている。

 しかし逃げ場のない状況で、有無を言わさぬ大司教の圧に……従う以外の選択肢はなかった。

 

「分かり……ました」

 

 全身に注がれる新王の視線と交差しないよう、うつむきながら近づく。

 すると、差し出されていた新王の手の位置が徐々に下がっていった。

 

「聖女よ、膝立ちで口づけを」

 

 頭上から注がれる、膨大な魔力を帯びた声。

 絶対に敵わない。その力量差が圧倒的な恐怖感となり、フィーネの腰を屈ませる。

 

(こわい……陛下の顔、見たくない)

 

 視線を新王の手の甲に固定しながら、フィーネは膝立ちになった。ゆっくり口を近づける。

 

 ふと、手の甲のすぐ横にある薄布がこんもりと膨れ上がっているのが見えた。その内側で硬く張りつめたものがそそり立っている。

 

「う……」

 

 思わずフィーネの体が硬直する。

 

 新王が勃起、をしている。

 その意味するところを頭が理解するより先に、体中が総毛立つような拒絶感に襲われる。

 

「早くするんだ」

 

(うくっ……!)

 

 もはや魔力を浴びせかけてくることに全く抵抗がないというように、新王から発せられた魔力がフィーネの全身を貫く。

 

 フィーネは新王の手の甲に唇を近づけると、浮き出た血管の一つにキスをした。

 

「っ……」

 

 唇の先を、ほんの少しだけ触れさせるだけの口づけ。

 

 その瞬間、新王の手がブルリと震えた。

 

「……聖女フィーネ、これであなたの役目は終わりだ。ここからは、私の番だ」

 

「え……?」

 

 新王の大きな体が、小柄なフィーネに覆いかぶさった。

 

「やっ、やだ……!」

 

 新王はフィーネの華奢な体を思いきり抱きしめる。

 勢いのままその小さな後頭部を掴んで固定すると、眼前に迫った絶世の美少女の唇に、自身の唇を押し付けた。

 

「んむっ……!? んんっ、ん、やめっ……」

 

 フィーネは一瞬、何が起きたのか分からなかった。しかし本能は唇の圧迫から逃れようと顔をよじらせる。しかし新王はフィーネの顎を捕まえると、さらに激しく吸い付いた。

 

「んぅっ……んっ、ちゅむ……じゅるっ」

 

 新王の舌が無垢な唇を舐める。

 その瞬間、フィーネの全身がゾワリと総毛立つ。唇を固く閉じ、厚ぼったい舌の侵入を必死に拒んだ。

 

(息ができない……苦しい)

 

 呼吸を求める本能のせいか、フィーネの唇の力(りき)みが緩む。

 その隙を狙ったかのように、フィーネの唇は新王の舌に難なく開かされた。わずかな隙間から厚ぼったい舌が滑り込んでくる。

 

「んんっ……!」

 

 フィーネの口内を軟体生物のような舌がヌロヌロと躍り狂う。彼女の小さい舌はすぐに新王の舌に見つかり、絡め取られ、吸われた。

 

「……んちゅっ、ん、いやっ……はっ、んむっ、むちゅ……んくっ……」

 

(口の中……ベロの感触、気持ちわるい)

 

 フィーネは口内の異物感に身震いしながらも、両手で――体全体で新王から逃れようとした。

 

 しかしそんな彼女の悪あがきを慈しむように、新王はその小さく柔らかい体を締め上げる。

 

 フィーネの初めての口づけは、執拗で濃厚なディープキスだった。

 

 チュル……チュム……チュパッ、ジュル……ジュルル……。

 

 舞台上には唾液と粘膜が絡みあう音と、荒い息遣い、そして時おりフィーネの発する「んっ」「うぅ」という苦しげな声だけが響いていた。

 

 「はぁっ」という新王の大きなため息で、フィーネの形のいい唇はやっと解放される。

 離れていく唇と唇に細い糸が引く。

 新王はそれを愛おしそうに、フィーネの唇もろともペロリと舐め取った。

 

「初めての接吻が君とだなんて、夢のようだ」

 

 新王は感じ入ったように小さくささやく。頬を紅潮させ、満足そうに口角を上げている。

 その見つめる先のフィーネは、キスが終わっても体を動かせずにいた。

 

(気持ち悪い。

 頭がボーっとする。

 陛下に魔力を……流し込まれた? 

 ……助けて、エラ。

 義兄(にい)、さま)

 

 そんなフィーネの様子を眺めながら、新王は大司教に声を掛ける。

 

「効いてきたようだ。これで万が一にも防護魔法の発動はないよ」

「ふふ、聖女の力は侮(あなど)れませんからな」

「では、贄(にえ)の儀を始める。台座を用意してくれ」

「台座の必要はありますかな?」

「忘れるな、これはあくまで儀式だ」

 

 フィーネは体が浮き上がる感覚がして、新王に抱きかかえられていることに気づいた。

 

 大司教が舞台袖から引いてきた台座に、仰向けのままそっと寝かされる。

 後ろで結んでいた髪がいつのまにか解(ほど)け、台座に広がった。

 

(背中、冷たい……。

 ここから、逃げなきゃ)

 

 新王と大司教の黒いシルエットがこちらを見下ろしていた。

 思うように体が動かず、力なく上半身をよじる。

 

「無駄だよフィーネ、しばらくは動けない」

 

 言うなり、新王はフィーネの唇に再び口づけをした。

 

「ん……ぃや、んっ……ッ」

 

 先ほどの捕食行動のようなキスと違い、ねっとりと、フィーネの唇の弾力や口内の感触を味わうように舌を這わせる。

 

「れろっ……ちゅる……んはぁ、ああ……なんて甘美な味なんだ」

 

 新王はフィーネの唇の裏側の粘膜を舐め、口端からこぼれる唾液をすくい取り、力の抜けた小さい舌をぐるぐると舐め回した。

 

 フィーネは恐怖と不快感に体を震わせることしかできない。

 

(また、舌が……。

 いやだ、きもちわるい、きもちわるいっ……!)

 

 そう思うものの体がいうことを聞いてくれず、フィーネには先ほどのような弱々しい抵抗すら難しかった。せめてもの防衛反応か、目に涙がにじむ。

 

 新王は最後にフィーネの下唇をついばむと、その弾力と感触を名残惜しむようにそっと唇を離した。ぷるんとフィーネの瑞々しい唇が震える。

 

「ふふ、そろそろ始めますかな?」

 

 大司教が小脇に抱えていた壺を、新王に手渡す。

 

「ああ、これより贄の儀式を執り行う。聖女の力と混ざり合った聖油が大地に還り、我が国を永遠の豊穣へと導くだろう」

 

 新王が大げさに口上を述べると、その壺からドロリとした粘度の高い液体がこぼれ、フィーネの体にちろちろと垂れてきた。

 

(これ、なに、油……?)

 

 聖油が肌に触れた瞬間、生温かさとこそばゆさにフィーネは震えた。ヌルヌルと体の上を滑り、まるでそれ自体が意志を持っているかのようだ。

 

 新王は壺の位置を調整し、まずはフィーネのたゆんだ胸元に侵入させるべく、薄布から露出していた双丘の谷間へ聖油を流し込んでいく。

 

 ドロドロと注がれた聖油は、フィーネの薄布の内側に難なく侵入し、マグマが下流に向けて進むように乳房の外周にそって流れた。

 

「んッ……」

 

 また別の流れはそのふくらみを這いのぼり、先端の実を撫でながら、腹、へそ、下腹部までを侵食して一部は外側へ流れ出ていく。

 

 もう一つの支流は下腹部の内側へと流れこみ、フィーネの無防備な秘部を容赦なく通過していった。

 

「あっ……やぁっ……」

 

 敏感なところを粘液で刺激されるたび、フィーネの体に電流のような痺れと、ジワリとこみ上がってくる熱があった。

 

(ヌルヌルがうごいて、んっ……ヘンなとこ、通って……やだっ)

 

 聖油に濡れ、薄布はすぐにその意味をなさなくなった。

 フィーネの体の魅力的な凹凸がくっきりと浮かび上がり、胸のふくらみの可愛らしい突起も色まで透けている。

 

「んっ、ぁッ……やっ、んぅっ……」

 

 フィーネは力なく仰向けになりながら、時おりビクッと体を震わせ、それでも恥辱に耐えるべく口を結んでいた。しかし突発的に襲いくる刺激に、つい口から切ない声が漏れ、目からは涙がこぼれた。

 

 その光景を、二人の男は息をのんでただ眺めていた。

 

 大司教の喉がゴクリとうなる。

 

「これは、世の男を狂わせますな」

「聖油には催淫効果もあるからね。快楽に抗えない体にしてから、ゆっくり味わうとしようか」

 

 儀式というていで取り繕うことすら止め、ただただフィーネに欲情する二匹の獣がそこにいた。

 

 新王の手が吸い寄せられるように、無防備なフィーネの頬に添えられる。

 

「ああ、フィーネ。一目見たときから君が欲しかった。初めては君と決めていた。なのに……手に入らないなら、無理やりにでも手に入れるよ。やっと君をめちゃくちゃにできる。……私のものになれ、フィーネ」

 

 熱に浮かされたように新王は独白した。

 

 フィーネの頬を撫でながら、やがて首すじをなぞり、聖油で濡れる胸元に滑らせていく。

 

「んっ、ぁ……やだっ」

 

 フィーネの背中をゾクゾクするような感覚が這い上る。誰にも触られたことのない場所を、無遠慮に這い回る手のひらが気持ち悪い。気持ち悪いはずなのに、フィーネの全身に広がる感覚は熱を帯びた別の何かだった。

 

(やだ、やだっ、手が……服のなかに)

 

 新王の手が薄布の中に侵入してくる。

 

 大きな手のひらは、そのままふくよかな丘陵と硬くなった先端の感触をじっくり味わいながら通過し、ふもとまでを一気に撫でていく。

 

 フィーネのへそのあたりに到達した手は、今度は引き返すように上半身に戻ってきて、ふくらみを丸ごと持ち上げるように鷲掴みにしてきた。

 

「んっ、くっ……さわ、ら……ないでっ……んんっ……!」

 

 フィーネの美しく形のいい乳房は、大きな手で揉まれ、指を押し込まれ、薄布の下で忙しなく形を変えていた。聖油にまみれた柔肉を弄(もてあそ)ぶネチャネチャという音が、舞台上に響く。

 

「フィーネ、柔らかい、柔らかいよ。この柔らかさも、この瑞々しい張りも、美しさも、屈辱に泣くその表情も……すべて私のものだ」

 

 新王の指が乳房を押し込むたび、手のひらがぐにゅぐにゅと揉んでくるたび、フィーネの体に電流が走った。

 

「んんっ……あっ、んっ……いやっ、もまない、でっ……」

 

 聖油で敏感になっているからか、それとも初めて触れられる場所だからか、新王の指の硬さや揉まれるときの力加減までもが詳細に伝わってくる。

 

 フィーネは耐えがたい嫌悪感に襲われながらも、触れられるたびにそこが熱くなっていく感覚に戸惑っていた。

 

 しばらくして、新王はフィーネの乳房を弄(いじ)っていた手を薄布の中から引き抜く。

 

「さあ、私に全部見せてくれ」

 

 新王は、フィーネの胸元をかろうじて覆っていた薄布を乱暴にめくり上げた。

 

「いやっ……!」

 

 こぼれ出るように二つの白い乳房があらわになる。

 均整の取れたその丸いふくらみの先端には、可愛らしい薄ピンク色の乳首が上を向いて立っていた。

 白磁のように透き通った肌は、今や大部分が聖油にまみれ淫靡に艶めいている。

 

 新王と大司教が、そろってため息をついた。

 

「……たまらない肢体ですな」

 

 大司教は鼻息荒く下卑た笑みを浮かべながら、フィーネの裸体をねぶりあげるように鑑賞する。

 

「この乳房……これまでの聖女の中と比べて色も形も最高ですぞ」

 

 大司教はわざとらしく舌舐めずりをした後、フィーネの露出した胸に顔を近づけていく。

 

 新王はそれをうっとうしそうに一瞥すると、自らの体で大司教の視界を遮った。

 

「やめろ、フィーネの無垢な体が穢(けが)れる」

 

 新王は、今度は自らの顔をフィーネの素肌に鼻先がくっつくほど近づけた。艶(なま)めかしいうなじや腋の下、鎖骨、へそ、そして乳房……上半身の隅々を視姦しながら、漂ってくるフィーネの甘い香りを堪能する。

 

 新王の鼻からこぼれる吐息が、フィーネのいたる所をくすぐる。

 

(いやだ、見ない……でっ)

 

 フィーネは左腕を力なく動かし、露出した乳房を隠そうとする。

 それが合図となったのか、新王はその細腕をつかむと台座に乱暴に押し付け、力を込めた。

 

(いたっ、い……)

 

 ぎゅうと握られ、フィーネの左腕から抵抗の意思が抜けていく。

 

 新王は、いよいよとばかりに両手でフィーネの乳房を掴むと、まずは軽く揺すってみた。

 たゆん、たゆんと揺れ動き、手のひらに確かな弾力を伝えてくる。まだ発達途上のふくらみは、しかし男の欲望を満足させるだけの重量はもう備えていた。

 

「フィーネ、なんて柔らかいんだ。聖油にまみれていなければ今すぐ頬張りたいよ」

 

 催淫効果のある聖油を口に含んでしまったら、それこそ一瞬で獣と化してしまう。新王はあくまでも神聖な儀式として、そういう品のある空気感の中でフィーネを抱きたかった。

 

 しばらく乳房の気持ちいい重さを手のひらで堪能した後、先ほどフィーネの左腕が守ろうとしたであろう場所を、真っ先に犯すことにする。

 

 彼女の左の柔乳をむにゅうと揉み込むと、その先端の蕾を人差し指でクニクニと押し込む。

 

「んんっ……くっ、う……あっ……」

 

 敏感な突起への刺激に、フィーネの体がビクンと震える。

 

 新王は、その小さいながら硬く尖り立った乳首を執拗に捏ね、指先で転がし、二本の指で摘(つま)んだりした。摘む指に少し力を加えるたび、フィーネは背中を浮かせて涙をにじませる。その反応が、新王の嗜虐心を大いに昂ぶらせた。

 

「ここがフィーネの敏感な場所なんだね」

 

 新王は嬉々として、フィーネの桃色の乳首を責めた。

 

 カサついた指でいじられるたび、電気が走ったように先端が痺れ、胸全体がジンジンと疼き、熱が下腹部へ広がる。体が自分のものではなくなっていくような感覚にフィーネは怯えた。

 

「いや、だ……やめっ……、んむぅッ、んっ……んんっ、んちゅうっ……」

 

 フィーネが嫌がる言葉を発しようものなら、新王はそのわずかに開いた唇にしゃぶりつき、強引に塞いだ。

 

 新王は右手でフィーネの乳首を弄(もてあそ)びながら、空いていた左手を、彼女の腰の付け根に這わせていく。下半身を覆う薄布の内側に手のひらを滑り込ませると、瑞々しい柔尻を鷲掴みにした。

 

(あうっ、い、いやだっ……おしり、もまれて……)

 

 新王が張りのある尻肉を揉むたび、フィーネはその手から逃れようと腰を浮かせる。しかし脱力した彼女にできるのは、ほんの一瞬だけ新王の手から離すことくらいだった。新王は構わずフィーネの尻を痴漢し、ニチャニチャと聖油を塗りたくりながら揉みしだく。

 

「んんっ、ん、んッ……」

 

 時おりフィーネの尻の割れ目にも指を這わせると、そのたびに蹂躙中のフィーネの口の奥から声にならない音が発せられた。

 

 やがてフィーネの生尻を執拗に愛撫していた新王の手が、一度離れる。

 

 フィーネがわずかにほっとしたのも束の間、今度はその左手が薄布の中をスルスルと徘徊しながら彼女の下腹部――太ももの付け根に到達した。最も敏感で大事な、三角地帯だ。

 

「んっ、やぁっ……!」

 

 思わず苦しげな声がこぼれる。

 

 フィーネの鼠径(そけい)部を、初めて人の手が触れる。彼女がその刺激が何かを理解する間もなく、新王の手は次の愛撫を開始する。

 

 スリットから露出した太ももに手を添えると、その肉感を味わうように何度も撫で上げた。次第に指を太ももの内側に滑り込ませていくと、そのままゆっくり股間に向けて走らせた。

 

 新王の手のひらが目指すゴールを、フィーネもすぐさま察知した。太ももを固く閉じて侵入を阻もうとするも、新王の手は聖油のぬめりによって難なく太ももの肉をかき分け、彼女の秘部に達した。

 

(だめ、そこは……やだっ)

 

 フィーネは力なく手を伸ばし、湿地帯を犯そうとする手を押しのけようとした。

 

 その無駄な抵抗に気を良くしたのか、新王は愉悦的な笑みを浮かべながら一気にフィーネの秘所の割れ目へと中指をあてがう。

 

「んんっ――ッ」

 

 その瞬間、フィーネの背中がのけ反った。

 

 新王はしばらく、フィーネの膣口に触れた指を動かそうとはしなかった。

 

「はぁっ……はぁっ……あっ、ん……くぅっ……」

 

 フィーネは自分の性器にあてがわれた指の感触に、悶えていた。

 

 新王の指は動いていないのに、心臓がドクンドクンと脈打つたびにアソコから刺激が発せられ、全身がビクビクと痙攣してしまう。

 

 新王の右手は今もいやらしくフィーネの乳房を弄(いじ)っている。しかしその刺激の比ではない痺れが、股ぐらに置かれた新王の指から伝わってくる。

 

 指をつたって聖油が膣の中まで染み込んできて、腹の奥がどんどん熱くなっていく。

 

(あっ、やだ、なに……これ。

 あたま、ヘンになりそう。

 いやだ、こんなの……いやなのに――)

 

 新王は、嫌悪や恥辱、戸惑い、そして未知の快感に震えるフィーネの表情をひとしきり堪能すると、再びその美味な唇をむさぼり始めた。

 

「ちゅるっ……あんむ、ぢゅるっ、ぢゅぢゅぅ……」

 

 新王の執拗なキスはフィーネに息つく間を与えず、その意識を朦朧とさせる。

 

 新王の右手は夢中でフィーネの乳房を揉みしだき、指先はピンと尖り立った乳首を弾く。左手も相変わらず彼女の秘部に居座ったままだ。

 

 前触れなく体中を駆け巡る痺れによって、フィーネの頭は何度も真っ白になりかけていた。

 

 やがてフィーネの唇の蹂躙を止めた新王の口から、無慈悲な言葉が告げられる。

 

「フィーネ、この儀式の最後(フィナーレ)だ。君の純潔を奪い、私のものにする」

 

 その言葉に、フィーネは戦慄した。

 

(……いやだ。

 この体は、大事な。

 大切な……。

 誰にも、穢させるもんか)

 

「あなたの、もの……にはならない……!」

 

 フィーネは強い意思を瞳に宿し、新王を見据えた。

 

 力を封じられ、好きでもない男に散々体を弄(もてあそ)ばれて、助けも望めない絶望感なこの状況にも関わらず。

 

「なっ――」

 

 なんて高貴な、と言いかけて新王は口をつぐんだ。

 

 フィーネの美しく高潔な瞳に目を奪われる。

 

 一方的に犯し、めちゃくちゃにしているはずの相手に圧倒され、新王は焦りに似た感覚を募らせた。

 

「へぇ、その強がりはいつまで持つのかな」

 

 新王はフィーネの秘所にあてがっていた中指に力を込めると、その潤みを帯びた割れ目に食い込ませていった。ヌプリと指先が膣ビラに埋まる。

 

「あっんんっ――」

 

 フィーネの視界がチカチカと明滅する。

 

 アソコから脳天まで一気に快感が貫いた。

 悲鳴を上げながら背中を浮かせ、涙が宙に散る。

 

 それでもフィーネは、渾身の思いを込めて新王を睨んだ。

 

「はぁ、あぁっ……んくっ、私は、絶対に……あなたのものにはならない」

「……っ このッ――!」

 

 新王がフィーネの濡れ窟のさらに奥へ指を挿れようとした瞬間。

 

 

「――そこまでだ!」

 

 

 威圧感のある高い声が響く。

 

 舞台袖では、ローブの女性が倒れ伏すところだった。

 その背後からフィーネの護衛騎士――エラが飛び出し、筒状の何かを舞台中央に投げつける。

 

 カッ――とまばゆい光が放たれ、放射状に防護魔法が展開された。

 

 その衝撃で新王と大司教が吹っ飛ぶ。

 

 エラは駆け寄りざまにフィーネの体をマントで覆うと、そのまま抱きかかえた。

 

「この状況については後日改めてご説明願おう。此度(こたび)は無礼を承知の上、失礼する!」

 

 そう言い残し、エラはもと来た舞台袖へ全力で走った。

 

 

---

 

 

 エラが馬車に乗り込んだ時、フィーネはその腕の中で力なく眠っていた。

 

 白い細腕には、乱暴につかまれた赤い痕が痛々しく残っている。

 

 エラはぎしりと奥歯を噛みしめた。

 

「急いで上屋敷へ」

 

 声を掛けると、馬車は急発進した。

 

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