※この作品はR-18です。

無自覚無防備なTS聖女は今日も誰かを狂わせる(R18版)   作:月見ハク

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第37話 司教貴族(兄)の毒牙 ◆

「しっかし上玉っすねぇ~。今までで一番じゃねーっすか? 成人前の小娘とは思えねぇ色気っすよ」

 

 盗賊風の男が「ヒヒヒ」と笑いながら、手を握ったり閉じたりするジェスチャーをする。背はそこまで高くない。けど腕や足がかなり太く、まさに大男という感じだ。

 

「チッ、お前は少し黙ってろ。……だがそうだな、聖都で見た大聖女以上の美貌だ」

 

 ゾウロ司教は本邸で会ったときとは別人みたいだ。不機嫌そうに何度も舌打ちをしている。

 

 まだ、男達は近づいてこない。

 

 おそらく私が起きているのは想定外だ。しかもバリケードを張り、短刀も持っていて臨戦体制。一応警戒しているのだろう。

 

 どうするか。

 

 さっきから防護魔法が発動しない。

 おそらく部屋全体に強力な結界が何重にも張られている。

 体が少しだるいから、さっきの夕食に薬を混ぜられたのかもしれない。

 

 ここまで用意周到ということは、他にも罠が仕掛けられているのだろう。

 だとすると窓も……。

 

 くるりと振り向いて窓に走り寄る。

 取っ手をつかんで持ち上げると、拳一つ分ほどしか開かなかった。

 

「無駄だ、その窓からは逃げられない。大声を出しても無駄だ。音が外に漏れない魔道具を張り巡らせている。まあ、聞こえたところで助けは来ないが」

 

 チウロ司教が表情を変えずに言う。

 

「かーわいいお尻フリフリさせちゃってぇ。ムダムダ! フィーネちゃんはこれからオジサンたちに食べられちゃうんだよぉ~」

 

 盗賊風の男の声が、私の背中に浴びせられる。

 その直接的な言葉に、ゾワリと鳥肌が立つ。

 

(エラ……)

 

 いや、だめだ。ここは聖域。エラの助けは望めない。

 この分だとマイさんは薬で眠ったままだろう。

 

 窓からは逃げられない。

 であれば出口は一つ。

 

 時間稼ぎをしつつ、隙を見つけて男達の背後の扉から出る。そして隣の部屋に行く、マイさんを起こして逃げる。

 

 幸いなことに治癒魔法は使えるようだ。であれば薬の成分を分解して目覚めさせられる。

 せめて、マイさんだけでも。

 

 成功率は低い。

 でもやるしかない。

 

 左手に握った短刀をギュッと握って男たちに振り向く。

 

「どうやってここまで来たのですか?」

 

 とりあえず、会話をして相手の気がゆるむ瞬間を待つ。

 

「あっれ~、フィーネちゃんなに、健気に時間稼ぎかぁ?」

 

 盗賊風の男がニタニタ笑う。

 

「チッ、黙ってろと言っているだろうが。せっかくだ、話してお互いの人となりを知ったほうが後々より楽しめる……これだ」

 

 ゾウロ司教がローブの腕をまくる。そこには無機質なシルバーの腕輪がはめられていた。

 

「これで俺たちは聖域に入れる。弟が作ったどこにも出回ってない魔道具だ。質問はそれだけか?」

 

 ゾウロ司教が一歩近づく。

 反射的に私も後ろに下がる。背中が窓に当たり、冷たい感触が広がる。

 

「教皇様はこのことを知っているのですか? 私たちは正式に招聘された聖女見習いです。そのような相手に……乱暴な行為が許されるのですか?」

 

 会話を終わらせてはいけない。

 それに聞き出した情報の中に、この状況を打開するヒントがあるかもしれない。

 

「教皇様は知らないさ。なんせお前たちがここに来ていることも知らないだろうからな」

 

 使者の聖女見習いさんもグルなのか。

いや、ゾウロ司教が彼女に嘘を吹き込んで命令したのかもしれない。

 

「ヒヒヒ……教皇様に言いつけられないくらい、恥ずかしいことしてやるから覚悟しろよぉ~」

 

 盗賊風の男も一歩近づく。

 

「なにをするつもり、なんですか?」

 

 聞きたくない。

 

 でも、この人たちの目的を……情報をできるだけ集めないと。

 

「帝国には聖女を欲する貴族や王族がたくさんいてな、高く売れるのさ」

 

 聖女、狩り。

 

 エコンドやマイさんが言っていた言葉を思い出す。

 そういえば、特徴のない二人の男はどことなく野宿で襲ってきた帝国の工作員に雰囲気が似ている、気がする。

 

「私を、売るのですか?」

 

(いやだ、これ以上聞きたくない)

 

「ああ、これほどの美貌だ。フフ……お前はさぞかし高値が付けられるだろう。だがその前に俺たちで楽しもうと思ってな」

 

 ゾウロ司教の下卑た笑いに、嫌悪感が広がる。

 

「……エラが黙っていません。今ごろ異変を察知してこちらに向かっています」

 

 そうだったらいいという願望を口にする。

 

 すると今度はチウロ司教が答えた。

 

「それはないな。彼女は私たちの不在すら知らん。それに腕輪はここにある五つだけだ」

 

 エラが異変に気づけたとしても、腕輪がなければ聖域には入れない。状況は絶望的だ。

 

 ただ、侵入者ここにいる五人で全員らしい。マイさんは無事だ。それだけは良かった。

 

「それで、そのナイフでどうする?」

 

 さっきからチウロ司教は短刀を警戒しているようだ。

 

 その警戒心を利用させてもらおう。

 

 私はさっきから練っていた治癒魔法を一気に放出した。

 その瞬間、私の体が光った。

 

「うおっ」

 

 盗賊風の男が腕で目元を覆う。

 

 フルパワーの祝福を凝縮した光線だ。まばゆい光が放射状に幾千にも走り、男たちを直撃する。鎮静効果のあるだけの光だが、目くらましにはなるはず。

 

 明滅する光の中、男たちが動きを止めている。

 

(今だ)

 

 短刀を彼らの足元へ投げつけた。重い。

 でも。

 

 期待どおり、特徴のない二人の男が短刀から司教たちを守ろうと身を乗り出した。

 このままゾウロ司教の横をすり抜けて外に出るんだ。

 

「小癪(こしゃく)な」

 

 走り出した瞬間、全身に激痛が走った。

 

「あっ、ぐ……」

 

 体中をナイフで切り付けたような痛み。

 電撃魔法だ。

 

 足に力が入らなくなり、体制を崩して横の壁に思いきりぶつかった。

 

(まだ、だ)

 

 再度走り出そうとするも。

 

「チッ、無駄だ」

 

 ゾウロ司教が面倒そうにつぶやく。

 

 また激痛が走り、そのまま背中が壁に張り付いたように動けなくなった。

 

「今のは祝福か? 聞いてはいたがこれほどとはな」

 

 チウロ司教が興味深そうに言う。その手には私の投げた短刀が握られていた。

 

「逃げようとしおって、生意気な女だ。少し痛めつけてやろう」

 

 忌々しそうにゾウロ司教が言うと。

 

「あぁっ、ぐっ……ッ」

 

 さっきよりも鋭い痛みが全身を駆け抜けた。

 壁を背にしたまま、何度も激痛を浴びせられ視界がチカチカする。

 

 

「おいおいゾウロさんよぉ、これもそ(・)そ(・)る(・)光景だが壊しちまったら楽しみも半減しちまうぜ」

 

 盗賊風の男の声がして、痛みの拷問が止んだ。

 

 うっすら目を開けて、自分の体を見下ろす。外傷はない。

 ずっと呼吸を止めていたせいか、息が苦しい。

 

 (体内のダメージは……だめだ、痛みの余韻で集中ができない。

  電撃魔法、こんなに痛いなんて)

 

「チッ、もう逃げようとするなよ。さもないと……」

 

 いつの間にか目の前まで迫っていたゾウロ司教が、私の肩をつかんだ。

 

「……っ」

 

 その瞬間、さっきの激痛を思い出してビクリと震える。

 

 でも、痛みは襲ってこなかった。

 

「分かればいい、分かれば。フフッ、フフフフ……もう抵抗できないだろう? フフフ……」

 

 猫背をさらに丸めながら、ゾウロ司教が私の顔を覗き込んでくる。楽しそうに口角を歪める表情に、背筋が凍る。

 

「フフ、この顔……この体……たまらんな。今から……フフッ、めちゃくちゃに犯してやろう」

 

(まだだ、まだ……!)

 

 私は力を振り絞り、ゾウロ司教の手を逃れるように体を捻った。

 壁沿いに部屋の出口へと走る。

 

 しかしドンと背中を押され、私は壁と正面衝突した。

 そのまま体の前面を壁に押し付けられる。

 

「逃げるなといったろうが」

 

 グイグイと強い力で背中を押される。

 壁との間で胸が圧迫されて苦しい。

 電撃魔法を浴びせられるのを覚悟したが、またも痛みは襲ってこなかった。

 

 その代わり、ゾウロ司教の体が背中に密着してきた。

 

「うっ……」

 

 腰とお尻のあたりに、硬くて気持ちの悪い感触がグリグリとこすり付けられる。

 

「フフッ……柔らかくて、いい体だ」

 

 左耳に生温かい吐息が吹きかけられる。

 

 ぞくんと鳥肌が立った。

 

 ゾウロ司教のその行為が何を意図しているのか。

 男たちが私に――フィーネの体に何をしようとしているのか。

 その醜悪な欲望を理解してしまう。

 

 思わず悲鳴を発しそうになり、唇を噛み締めた。

 

 

---

 

 

 ゾウロ司教は、自分の体と壁との間に挟まれるフィーネの感触を味わっていた。

 

 さっきまでの苛ついた態度が嘘のように、今は愉悦の笑みを浮かべている。それほどにフィーネの体は気持ちが良かった。

 

 蜂蜜色の髪に鼻をうずめ、ハフハフと嗅いでみる。まるで香しい花蜜のようで、男を誘う甘い匂いにしばし夢中になる。

 

 勃起した股間を温かな尻に押し付け、その柔らかさを堪能する。

 

「はぁ、もうイきそうだフィーネ、フフフ……街の宿で寝ている姿を見たときから、ずっとこうしたいと思っていたんだ」

 

 荒く息を吐いていたゾウロ司教は、「うっ」と唸り声を発して股間の動きを止めた。

 

「おいおいゾウロさん、相変わらずはえーな。精力剤なくなっちまうぜ。それとも……そんなに感触がいいんで?」

「チッ、おまえにも後で抱かせてやるから待ってろ」

「へへへ、やったぜ。フィーネちゃ~ん、それまで待っててねぇ~オジサンが太いのぶち込んであげるからぁ~」

「チッ、下品な奴め」

 

 ゾウロ司教は懐から小瓶を取り出すと、一気に飲み干した。

 

「フフフフ……続けようかフィーネ」

 

 言うなりゾウロ司教は、フィーネのスカートをめくり上げ、パンツ越しに尻を撫でた。

 

「やっ……」

 

 ビクッと震えたフィーネの反応に気を良くしたのか、執拗にその弾力のある丸みに手を這わせる。

 

「フフ……いい尻だ、フィーネ。そろそろ上も拝ませてもらおうか」

 

 わざわざフィーネの耳元でささやいたゾウロ司教は。両肩に掛かっている麻布に手を掛けると、ぐいっとずり下ろした。

 

 たすき掛けにしていた麻布が、一度フィーネの胸で引っかかる。しかしゾウロ司教が少し力を込めるとあっさり腰まで降ろされた。

 

「くぅッ……」

 

 フィーネは自分の上半身が露わになったことに声を上げたくなったが、それをするとゾウロ司教をますます悦ばせるだけだろうと、必死に堪(こら)えた。

 

「けっこう辛抱強いじゃないか、それともフフ……もう諦めたか?」

 

 絶対的優位な立場にあるという愉悦を隠すことなく、ゾウロ司教は笑みを浮かべる。

 フィーネのあらわになった背中に顔を近づけると、舌を伸ばし背骨に沿って下から上へれろぉと舐め上げた。

 

「んんっ……く、ぅッ……」

 

 背中を這うネロリとした気持ち悪い感触に、フィーネは身を震わせた。

 

「フフ、このままこの小生意気な尻を舐ってもいいが、やはり泣き顔も見たい」

 

 ゾウロ司教はフィーネの両肩を自分に引き寄せ、彼女を壁から離す。そしてグルリと自分のほうを向かせた。

 

(いやだ、見るな……!)

 

 上裸のまま男たちのほうを向かされたフィーネは、咄嗟に胸を両手で隠す。

 しかしゾウロ司教はすかさずフィーネの腕をつかむと、力まかせに開いて壁に押し付けた。

 

「い、っ」

 

 両腕を思いきり壁に打ち付けられたフィーネは、痛みに顔を歪める。

 

「やっべぇ、しゃぶりつきてぇ……」

 

 フィーネの両腕からこぼれ出た乳房を見て、盗賊風の男が声を漏らした。そして片手で自分の股間をいじりだす。

 

 ゾウロ司教も、目の前でまろび出たフィーネの上半身に目を奪われていた。

 

 お椀型の白いふくらみは形が良く、美しかった。

 大き過ぎず、しかし男の手に収まるか、少しはみ出るかという絶妙なボリューム。

 だが綺麗にくびれた腰つきとの対比で、豊満にも感じる。

 肌は白く透き通り、月明かりに照らされて淡く輝き、輪郭がぼやけて見えた。

 

 あまりに美しく、妖艶な裸。

 まるで体の全てが男を悦ばせるようにできているようだ。

 双乳の先端でピンと立った可愛らしい突起は薄桃色に色づいており、早く口に含んでくれと誘っているかのよう。

 

 それなのにフィーネの表情は怯えと恥辱をたたえ、指一本でも触れて欲しくないという思いが伝わってくる。 

 そのコントラストが、ゾウロ司教をさらに興奮させた。

 

「実にうまそうだ」

 

 それ以上の言葉を発する余裕はなく、ゾウロ司教はフィーネの両手を掴んだまま、白い胸元に顔を近づけた。

 

 生肌から漂う甘い香りが脳を蕩(とろ)かす。男を誘い、夢中にさせる匂い。

 

 ゾウロ司教は、フィーネの柔らかそうな乳房にしゃぶりついた。

 

 じゅるり、じゅる、ちゅぽ、ちゅぱッ。

 

 静かな室内に卑猥な水音が響き出す。

 

「ひっ……ッ、んんッ、やぁっ……」

 

 乳肉を思いきり吸われる痛みと、舌が這う気持ち悪さにフィーネは悶えた。

 

 ゾウロ司教はフィーネの背中に手を回すと、そのまま抱きしめるように顔を乳房に埋めた。

 

「いや、だ」

 

 フィーネの腕力は先ほどの電流の後遺症で弱まっていたが、それでも必死に腕を動かし、胸元に食らいつくゾウロ司教の顔を押しのけようとした。

 

「……じたばたするな!」

 

 柔乳を吸い上げていた口を離すと、フィーネに顔を近づけて睨みつける。そして盗賊風の男に言った。

 

「鬱陶しいな。おい、腕を掴んでろ」

「ひょっほ~! やったぜぇ」

 

 盗賊風の男が喜び勇んで近づくと、ゾウロ司教からフィーネの腕を引き渡される。

 そのまま彼女の背後に回り込むと、膨張した股間をその細腰にこすり付けた。

 

「よろしくなぁ~フィーネちゃん、やんわらかいねぇ~、ハァ……後でここを犯してあげるからねぇ~」

 

(お酒……臭いっ、気持ち悪い……!)

 

 耳元に男の息が掛かり、フィーネは不快感に顔をしかめる。

 

「おい、お前の順番はまだだ。勝手に触るなよ」

「へいへ~い、……だってよフィーネちゃん。すぐに俺が可愛がってやるから待ってろよぉ、ヒヒヒ」

 

 言いながら、盗賊風の男はフィーネの右耳を舐め上げた。

 フィーネはブルリと震え顔を背ける。

 

「チッ、汚らわしいやつめ。……おいフィーネ、口を開けるんだ」

 

(ぜったいに、いやだ)

 

 新王陛下に無理やり口づけをされたことを思い出す。

 あの厚ぼったい舌に口内をかき混ぜられる感覚は、たまらなく嫌だった。

 

「強情な娘だ」

 

 ゾウロ司教はフィーネの顎をつかむと、その形のいい唇に指を這わす。

 そして嫌らしくニヤつきながら、唇を重ねてきた。

 

「んっ……んんッ」

 

 ゾウロ司教はチュウチュウと音を立てて吸い付いた。

 しかしフィーネは唇を真一文字に結び、キスを拒んだ。ゾウロ司教がいくら唇や舌でこじ開けようとしても、口を固く閉じ唇を明け渡さない

 

 軽く舌打ちをこぼしたゾウロ司教は、フィーネの口の中に指をねじ込んだ。

 

「んぅッ……ん、くっ」

 

 指を咥えさせてから片手でフィーネの柔乳を揉み、その反応を確かめる。

 おっぱいの先端に実った突起をクリクリと捏ねると、フィーネが「んッ」と声を漏らす。その瞬間、侵入を拒んでいた口元の力が弱まったのを感じた。

 

「フフフ……ここが弱いのか。聖女は感じやすいものだが、お前は特に敏感のようだ」

 

 ゾウロ司教は、乳首のクニとした弾力をつねった。

 ビクンと体を震わせたフィーネの口から「んんッ」と艶っぽい声が漏れる。その直後、ついにゾウロ司教の指が彼女の口内へ侵入を果たした。

 

「んッ、んぁっ……」

 

 骨ぼったい指にかき混ぜられ、フィーネの口元からは涎れがこぼれる。

 ゾウロ司教はそれを美味しそうにベロリと舐め取ると、ついに無防備になったフィーネの唇にしゃぶりついた。

 

「んんッ……! んっ、んむっ……ん、やっ……んぅッ、んっ、んぅっ……」

 

(また、これ……ベロ、いやだ……気持ち悪い)

 

 ゾウロ司教はフィーネの小さい舌を絡み取ると、思いきり吸い上げた。

 無垢で清廉な聖女の口内を犯す征服感が、全身を駆け巡る。

 

「ちゅっ、ちゅる……ああ、最高だ……じゅる、んちゅう……れんろぉ、れろッ……んむっちゅうぅぅッ、じゅるるるっ」

 

 およそフィーネの口から鳴ってはいけないような下品なキス音を響かせながら、ゾウロ司教は夢中で彼女の唇や舌を蹂躙した。

 

 やがて、フィーネの口内で暴れまわっていたゾウロ司教の舌が、ぐっと強張った。

喉奥から「んぐっ」という野太い声を発したかと思うと、ビクビクと震えだす。

 

 しばらく痙攣していたかと思うと、ゾウロ司教の舌がゆっくりとフィーネの口内から引き抜かれていった。 

 

 唾液で濡れる唇同士に、銀色の糸が引く。

 

「またイっちまったんかぁ。そろそろ交代してもいいんですぜぇ」

「はぁ、はぁ……チッ、まだだ。この体を十分堪能していない。くそ、なんて女だお前は」

 

 わずかにもたらされた間。

 

(今の、うちに……)

 

 フィーネは察知されないように、体の内側をゆっくりと治癒魔法で満たしていく。

 電撃による神経と筋組織のダメージを癒やし、後は治しづらい全身の痺れと脱力感が回復するのを待つ。

 

 この陵辱のために五人ともがフィーネの近くに集まっているため、盗賊風の男の拘束さえ解ければ、部屋の出口まで一直線に動線が開いている。

 

 ゾウロ司教の電撃魔法は脅威だが、なぜか唐突に訪れる彼の脱力の隙を突けば、逃げられるかもしれない。

 

(これ以上、触られたくない。

 キス、気持ち悪い。

 大事な体を傷つけられたくない。

 嫌だ。

 気持ち悪いのはもう。

 いやだ。

 こわい。

 

 でも。

 今は、頑張って耐えるしかない……)

 

「おい、このまましゃぶる。押さえつけろ」

「へいへ~い。フィーネちゃん、ちょっと体曲げてねぇ」

 

 そう言うと盗賊風の男は、慣れた手付きでフィーネの両手首を片手でつかみ上げる。

 両手を頭の後ろに回すような格好にさせると、盗賊風の男はもう片方の手で白い背中をグッと押し込んだ。

 

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「あんま抵抗しないでねぇ~、痛いのはもう嫌だろぉ?」

 

 その言葉に本能的な恐怖が走る。

 フィーネは、盗賊風の男に背中を押されるまま前屈みにさせられた。

 

「そうそう、イイコちゃんだねぇ~」

 

 言いながら、盗賊風の男はフィーネに覆いかぶさるようにして、肩や背中に滲んだ汗をレロレロと舐めた。

 

 その度に、男の無精髭がフィーネの生肌をジョリジョリとこすり、不快な刺激をもたらした。

 

(いったい、なに……を?)

 

 この無理な姿勢の意味するところが分からず戸惑うフィーネの視界に、犬のようにだらしなく舌を出したゾウロ司教が現れる。

 膝立ちのまま近づくと、前かがみになっているフィーネの上半身の真下に潜り込んできた。

 

「フフフフ、いつ見てもいい眺め。実った果実が熟れて落ちてきそうだ」

 

 ゾウロ司教は、重力に従って下を向いたフィーネの乳房に長い顎を伸ばしていく。

 

「しかも恥辱に染まる泣き顔も独り占めできる……ぁんむ、れろ、ちゅる、ぇろれろ……」

 

 ゾウロ司教は、真下からフィーネの乳果実に食いついた。

 手を使わず顎と舌だけで乳房をベロンベロンと舐め上げ、その重みを舌で堪能する。

 さらにグミの実のような乳首を口に含むと、ちゅうちゅうと吸い付き舌で転がした。

 

「……ッ、やめっ、う……んッ、いやぁっ……」

 

 動けない状態で乳房をむさぼられ、フィーネの口から切ない悲鳴が漏れる。

 

 後ろで押さえている盗賊風の男は、その甘い声に獣欲が抑えられなくなった。

 

 前屈みで腰を突き出すような格好のため、その小ぶりながら張りと柔らかさが同居する尻が、自身の股間に密着している。その体勢に本能的な射精欲が湧き上がり、我慢ができなくなる。

 

 盗賊風の男は、硬く膨張した股間を、フィーネの柔尻にぎゅうぎゅうと埋めた。

 そのまま腰を上下に動かし、片手でフィーネの腰の位置を調整しながら、前後の動きも加えていく。

 

(いや……後ろから、も)

 

 フィーネの体が、盗賊風の男の動きによってゆっさゆっさと揺すられる。

その度に、硬く大きなモノがフィーネの尻肉の割れ目に押し付けられた。

 

 盗賊風の男から逃れようと思っても、両手を頭の上で押さえつけられ、真下にはゾウロ司教が密着しているため身動きがとれない。

 

「う……うっ……んッ、ぁ……」

 

 前後からの容赦ない責めは、フィーネの華奢な体からすぐに体力を奪っていった。

次第に足に力が入らなくなりガクガクと震えだす。

 

 森遊びや軍隊長との訓練で多少は鍛えられたはずの腹筋も、この前屈みの体勢を支えきれなくなっていた。力が抜け、前のめりに倒れそうになる。

 

 しかしフィーネが前のめりになればなるほど、真下にいるゾウロ司教の顔に乳房を押し付ける形になってしまう。胸元で暴れ回る舌や口の感触がダイレクトに伝わってくる。

 

(いやだ、気持ち悪いっ…のに、逃げられない……これ、いやだッ……)

 

 盗賊風の男がフィーネを揺らすたび、その乳房もたゆんたゆんと前後に揺れる。そのためゾウロ司教は、もはや口を開いているだけで柔肉や乳首を頬張ることができた。

 

「うぅっ、くっ……んんッ」

 

 盗賊風の男から後ろから突かれる度に、フィーネの口からは空気とともに苦しげな声がこぼれ、涙が宙を舞った。

 

 そんな恥辱の拷問は長い間続き、フィーネの体力も限界を迎える。

 

(苦しい……。エラ、ごめん……もう、がんばれない、かも……)

 

 ゆさ、ゆさと小さい体が揺すられる。

 柔らかい乳房が弄(もてあそ)ばれ、淫靡な音が鳴り続ける。

 

「うまい、うまいぞっ……こんなに美味な乳房は初めてだ。これまでしゃぶったどの聖女見習いよりも甘い。じゅる……はむ、ちゅむっ……えろれろぉ、ちゅぱ……じゅるる」

 

(もう、つらい……おっぱいの先、じんじんして、あつくて)

 

 今やフィーネの膝は折れ、ゾウロ司教が両手と顔でその上半身を受け止めながら、愛おしげに舐め回していた。

 

 フィーネは両腕を上げている格好のため、その二の腕や脇の下もあらわになっている。ゾウロ司教はなめらかな二の腕もゆっくり舐め上げ、腋に舌を這わし、上裸の隅々までを味わった。

 

 さらに、「ん」「ぁ」と小さい吐息を漏らすことしかできないフィーネの口を気まぐれに塞ぎ、ふやけて柔らかくなってきた唇を堪能する。

 

 目の前でフィーネの乳房がたわわに揺れる光景、何度口に含んでも飽きないその味と触感、舐めるたびに反応する可愛らしい体、恥辱と苦しさに涙を浮かべる美しい顔、そのどれもがゾウロ司教の脳梁に快感を与え続けた。

 

 やがて、「うっ」という声とともに、ゾウロ司教がまたも動きを止める。

 

 しばし恍惚とした表情で痙攣した後、一度フィーネの下から這い出た。

 

 あらためてフィーネの裸を離れた所から眺めたいというのもあったのだろう。しかし目にしたのは、想像を超えて煽情的な彼女の姿だった。

 

 もはやフィーネは自分で立っていられず、腰に巻きついた盗賊風の男の腕に抱えられていた。

 

 小さく華奢な体を、盗賊風の男が断続的に突き続けている。その度に、下を向いた二つのおっぱいが前後に揺れた。

 

 部屋には、「ハァハァ」という盗賊風の男の荒い息遣いと、フィーネがたまに発する「う」という苦しげな声だけが響いている。

 

 ゾウロ司教がゴクリと喉を鳴らす。そして焦ったように盗賊風の男に命令した。

 

「おい、精力剤を飲むから少し待て」

 

 ゾウロ司教が懐から、さっきと同じ小瓶を取り出す。

 

 盗賊風の男は軽く舌打ちをしてからフィーネを揺らすのを中断し、自らの片腕に抱えられた彼女のだらんと脱力した体を見やる。

 

「はぁ、はぁ……ゾウロさんよ、俺もう我慢の限界だぁ。挿れねぇからさ、少しだけ揉ませてくれよ」

「チッ、少しだけだ。舐めるなよ。貴様の唾液の味など知りたくもないからな」

「ヒヒヒ……そうこなくっちゃあ、なっと!」

 

 盗賊風の男は、「く」の字になっていたフィーネの上体を起こすと、初めて両手の拘束を解いた。

フィーネの腋に両手を通し、その両乳房を思いきり鷲掴む。

 

「ひぅッ……くっ……」

 

 胸に太くて硬い指が食い込む痛みに、フィーネは悲鳴を上げる。

 

「すげえ、手に吸い付く、こんないい乳初めて揉んだぜぇ! ……ヒヒヒ、なあ、フィーネちゃんのおっぱいすげえ気持ちいいよぉ、俺の手の中にすっぽり収まってんのにさぁ、ほらっ、柔らかすぎてこぼれ出ちゃいそうだよぉ」

 

 盗賊風の男は感嘆の声を漏らすと、フィーネにさらなる性感を与えるために右耳をれろれろと舐め始めた。そのまま耳の中にも舌を差し込む。

 

 じゅる、じゅるじゅるじゅる――。

 

 フィーネの脳内に直接いやらしい音が響き渡る。全身がブルブルと震え、痺れるような感覚に襲われる。

 

(く……いやだっ、いやだッ!)

 

 盗賊風の男は、その大きな手のひらでフィーネの柔乳を好き勝手に揉みしだき、むにゅむにゅと形を変える柔肉の感触を楽しんだ。

 小さい体を包み込むように抱きしめ、その横顔を覗き込む。

 

「ヒヒ……このほうがフィーネちゃんの泣き顔がよく見えるなぁ~。ほんとエロい顔するよな〜。ハァ、ハァ……なぁ、フィーネちゃんて綺麗で華奢で初々しくて、こんなに可愛いらしいのにさ、なんで……ハァ、こんなに、男を悦ばせる体してんだ? ハァ、ハァ……もう、最高だぜこの子」

 

 盗賊風の男はフィーネの腰の具合のいい位置に股間をあてがうと、再びゆさ、ゆさと揺らし始めた。

 

(また……これ、いや、だ……)

 

 フィーネは自由になった両手で、自分の胸を揉みしだく男の手を、自分を何度も突く男の腰を必死に押しのけようとした。しかし大きな男の体はビクともしない。

 

「う……うぁッ……んっ…や、ぁ……」

 

 盗賊風の男の強張りが、先ほどよりもさらにフィーネの尻に食い込む。

もはや男の穿くズボンやフィーネのショーツは、ほとんどその境界としての役目を成さず、男の肉棒の硬さや熱、形までをもフィーネに伝えていた。

 

(かたくて、あついのが……当たって。

 いやだ、こわい。

 こんなに、大きい……なんて)

 

 フィーネはその生々しい男根の感触に本能的な恐怖を感じていた。

 

 揺らされ、突かれるたびにフィーネの思考は強制的に中断され、逃走の算段を付けるのを困難にさせる。

 

(今、が……チャンス、なのに。

 はやく、逃げないと)

 

 次第に、フィーネの上半身を弄んでいた男の右手が、へそを撫で、下腹部へと降ろされていく。

 

「おい、そこはだめだ。俺がこれからじっくり味わうんだからな」

 

 ゾウロ司教が苛立った声を上げた。

 

 舌打ちをして立ち上がろうとしたその体を――――剣が貫いた。

 

「あがっ……」

 

 目を驚愕に見開いたまま、ゾウロ司教の体が剣をなぞるように崩れ落ちる。

 

 フィーネは、目の前でその光景を見ていた。

 

「そん、な」

 

(あれは……即死だ)

 

 目の前で突然命が失われる衝撃に動揺しつつも、治癒師としての冷静な選別眼がゾウロ司教は手遅れであると判断する。

 

「おいっ、チウロさ――」

 

 背後の戸惑う声が途切れたかと思うと、フィーネの前方に盗賊風の男の首がコロコロと転がった。

 

 自分に密着していた大男の体が、ドザリと後ろに倒れ込む。

 

(この人まで、そんな……)

 

 また一つ、無慈悲に命が刈り取られた。

 命が失われることに対する本能的な悲しみが湧き上がる。

 条件反射的に治癒魔法を発動してしまいそうになるが、どう考えても手遅れだ。

 

(どうして、チウロ司教が)

 

 フィーネの視界に映るのは、兄を刺し殺した剣を持って立っているチウロ司教と、盗賊風の男の首を刈った特徴のない男。

 もう一人の特徴のない男も、さっきフィーネが投げつけたマイの短刀を持ち、部屋の出口塞いでいた。

 

「まったく、兄上ではすぐに孕ませてしまいそうだからな」

 

 チウロ司教が意味不明な言葉をつぶやく。

 

 フィーネの体は久々に解放された。

 だがもう逃げるだけの体力は残っておらず、その場にへたり込む。

 

 チウロ司教の視線が胸元に注がれた気がして、咄嗟に両腕で隠す。

 

 まず、何をすべきか。

 

 全身がジンジンと痺れている。弄(もてあそ)ばれた胸がヒリヒリと痛い。

 瞬時に、治癒魔法で癒やした。

 

「ああ、治癒魔法を使ってもらって構わない。帝国からは綺麗な体で引き渡すように言われている。処女がどうかは問われていないがな」

 

 チウロ司教の瞳に、初めて光が宿った。

 

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