無自覚無防備なTS聖女は今日も誰かを狂わせる(R18版) 作:月見ハク
――教皇の動向を帝国に内通する。
それが私に与えられた密命だった。
兄のゾウロはこの事を知らない。あの男も教皇への崇敬などとうに捨て去っているが、無能がゆえにこの任務は務まらない。
そんなある日、私に特別な指令が下された。
――聖女フィーネを拉致し、帝国に引き渡せ。
魔道具開発の資金の足しになるなら何でもいい。私は了承した。
ただ、それを伝えに来た工作員の様子はどこかおかしかった。
「――エルドアの負傷兵に混じって潜入したとき、俺も聖女フィーネに治してもらったんだが……彼女は生け捕りにしないとだめだ」
普段は互いに余計な会話をしない間柄なのだが、このときの彼の興奮は尋常ではなかった。
聖女フィーネは規格外の魔力の持ち主という話だが、工作員はそのことに興奮しているのではなさそうだった。
「もう一度フィーネに会いたい」という理由で、彼も拉致任務に協力すると言ってきたときには心底驚いた。
この工作員は明らかに欲情している。それが私の興味を引いた。
「チッ、お前はこっち方面は
兄はそう言いながら、見習い服に着替える女たちの裸体を観賞していた。
光の屈折を利用して遠くの光景を見ることができる魔道具。
兄の希望で更衣室に設置したものだ。
電撃魔法に秀でた兄と違い、弟の私には魔力がほとんどなかった。自然と兄が優先され、私も兄に従った。
「なんでもいいから俺の役に立て」と兄に言われ、魔道具の開発に没頭した。
聖域の加護を無効化する腕輪は、私の集大成だ。
この大陸で同じものを開発できた者は他にいないだろう。兄は私の功績を喜び、それを使って非道の限りを尽くした。
「……いやッ、司教様っ、やめ……ああっ、抜いてぇ、嫌ぁっ……ッ」
壁に手を付かされた聖女見習いの悲鳴が響く。
兄は後ろから純潔を犯し、パンパンと抽送を開始してすぐに果てた。
巡礼にやってくる聖女見習いを別邸で犯す。それが兄の唯一の娯楽だった。
この大陸で聖女や聖女見習いは敬われる存在だが、古来より、裏では王族や上位貴族の性奴隷としても扱われてきた。
帝国領に近い我が領は、昔から彼女たちを帝国へ送る流通拠点だった。
無論、帝国が求めるのは純潔の聖女見習いだ。
ただ兄は気に入った聖女見習いを帝国には送らず、自らの劣情を満たすために犯した。
聖女は純潔が尊ばれるため、聖女見習いは犯されても誰にも相談できない。
たとえ相談できたとして、聖域で犯されたなど誰も信じない。
そうした弱みにつけ込み、兄は何日も犯し尽くし、恐怖と貴族の権力で口止めした。
屋敷に住まう聖女見習いの中にも、そうして兄に脅され、蛮行に協力させられている者もいる。
兄は一晩で何度も吐精するため、多くの精力剤や精力剤を消費した。
昔から、異常に達するのが早いせいだ。
一方、弟の私は生まれつき不能で、精力剤や媚薬を大量に飲んでも力無く勃つのがやっと。
間近で女たちが犯される光景を見ても、股間はピクリともしなかった。
私は人生を掛け、絶頂に導いてくれる方法を探求した。
そしてついに、最高の媚薬が完成した。
さっそく手近な聖女見習いを押し倒してみる。男根に媚薬を塗り込み挿入すると、女は途端に痙攣して死んでしまった。
効き目が強すぎたのだ。
この媚薬で私の精力を高めても、相手を壊してしまう。
十年以上掛けた研究が終わりを告げた。女神は理不尽で、不平等だ。
そんなとき、舞い込んできたのが聖女フィーネの拉致任務だ。
屋敷から近い鉱山町にいるとの報告を受け、さっそくお忍びで向かう。兄も、女を物色したいとついてきた。
そこで、鉱山の爆発事故が起こった。
兄は驚いていたが、私は帝国の工作員から彼らの仕業であると聞いていた。
帝国は領土拡大を狙っている。いずれは攻め滅ぼす予定の聖公国を今のうちから疲弊させておくのが目的だという。魔石生産に深刻なダメージを与え、国力を低下させる。ついでに教皇の目をあちこちに向けさせる攪乱工作でもあるらしい。
さらに工作員に聞いた話では、あわよくば聖女フィーネの魔力を枯渇させておきたいというのもあるらしい。
慈愛にあふれる聖女なら間違いなくけが人の治療に向かうだろう。そこで魔力を消費させ、拉致する際の抵抗をできるだけ削いでおくというものだ。聖女の性質を利用した卑劣な策だと思った。
彼女たちが泊っている宿は、いつも私と兄で聖女見習いを物色する際に使っている場所だ。
いつものようにフードを目深に被り、ロビーに隣接した酒場でフィーネの帰りを待つ。
明け方。
ロビーにやってきた灰色の外套を羽織った少女が、おぼつかない足取りでソファーに寄りかかる。
その美貌に、一目で聖女フィーネだと分かった。
無造作に後ろで結んでいる蜂蜜色の髪の毛は、朝陽に反射して不思議と銀色の輝きを放っている。
目鼻立ちは奇跡的なバランスで配置され、女神と言われても疑いないほどの造形だ。まだ成人前の美少女とも美人ともいえる顔立ちは、あどけなさ色気が同居していて見る者の心を奪う。
アーモンド型の大きな目元が眠そうにトロンと下がっていて、妖艶さを醸し出している。薄く、それでいて瑞々しい唇は形がよく、口づけをしたら最高の触感を味わえそうだ。
頭をソファーに傾けると無防備なうなじが露わになり、その透き通った白い肌に釘付けになった。
その表情は穏やかで慈愛に満ち溢れており、なるほど工作員が生け捕りにと訴えたのも頷ける美しさだった。
同じように目を奪われていた兄が、「あの娘を絶対連れて来い」とつぶやく。
しばらくその寝姿を目に焼き付けていると、三人の酔っぱらいが彼女を取り囲んだ。先ほどまで宿屋で騒いでいた冒険者たちだ。
彼らはしばらくヒソヒソと話し込んだ後、二人が彼女の両隣に腰を下ろし、もう一人が彼女の肩を軽く揺すった。
男たちの目には一様に劣情を宿らせている。部屋に連れ込むつもりなのだろう。
「うぉっ、近くで見るとめちゃめちゃ可愛いな。こんなキレーな子がこの町にいるとは」
「聖女見習いか?」
「それにしちゃ身なりは地味だぜ」
「うわ……すっげーいい匂いする」
「やば、寝顔見てたら興奮してきた」
「とりあえず起こすか?」
「……俺らの部屋連れてこーぜ」
「おーい、そんな所で寝てたら風邪引いちまうぜ」
「ん……マリエッタ、ごめん。あともう少しだけ……」
鼓膜がけるかと思った。
まるで天使の歌声のような透き通った美声。清らかで温かく、男の脳梁を痺れさせるような甘い声だった。
男たちも思わず顔を紅潮させて固まっていた。見れば彼らの股間がこんもりと膨らんでいる。
「なぁなぁ、君一人なの?」
「同行者いるの?」
「お酒飲める?」
「よければ俺たちの部屋でさぁ、一緒に楽しもうよ」
意を決したように、男の一人がフィーネの腕を引っ張った。
すると彼女の外套がはだけ、白磁のような腕があらわになる。
中に着こんだチュニックが二の腕までめくられていて、またも目を奪われてしまう。
フィーネは無理やり立たされたせいで前のめりになる。その瞬間、チュニックの中の乳毬がゆさりと揺れたのが分かった。もしかしたら下着をつけていないのかもしれない。
無類の乳房好きの兄が、はぁと薄気味悪いため息をつく。その目がギラリと光り、彼女の胸元に注がれていた。
「おっと、危ねぇ」
フィーネの腕を引っ張った男が、倒れそうになる彼女を受け止めようとする。
だが突然、女が割り込んできて男の企みは阻止された。
「フィーネ様、こんな所で寝ていては風邪を引いてしまいますよ」
護衛騎士だろうか。黒いショートヘアが特徴的な褐色肌の女が、フィーネを抱き締めている。
見ればもう一人、聖教会のローブを羽織った黒髪の女も、そんなフィーネたちを見つめていた。同行者に聖女見習いがいると聞いていたが、彼女がそうなのだろう。
「今すぐ去れ」
褐色肌の女が低い声でつぶやく。気圧されたのだろうか、ビクリと震えあがった男たちは我先にと宿を出て行った。
褐色肌の女は美しく、聖女見習いの女もフードを被っていたもののチラと見えた横顔は信じられないほどの美貌だった。先にフィーネを見ていなかったら一瞬で魅了されていただろう。
それほどに、フィーネは圧倒的だった。
いつの間にか、私の男根が隆起していた。
(欲情した、のか……この私が)
女神が、私に遣わした運命の女なのだと確信した。
壊れてもいい。絶対に彼女を手に入れると決めた。
そのために、屋敷に戻り準備をしなければ。
私は同行させた聖女見習いに後を任せると、興奮する兄と共に帰路についた。
さっそくフィーネを迎える準備をする。
聖域にある別邸。
その客室棟の部屋で、仕掛けた魔道具の調整を行う。
聖女フィーネは防護魔法の使い手だとも聞く。
封じる魔道具の出力を最大限に設定し、さらに何重にも張り巡らせる。もし教皇や大聖女が相手でも封じることができるはずだ。
「フィーネ……」
明日の晩、彼女を抱くことになるだろうベッドのシーツを撫でる。
これが恋心というものなのか。
フィーネの姿を思い浮かべると、心臓が早鐘を打ち股間が疼く。
彼女ならもしかしたら、その強大な魔力で私の媚薬も効かないのではないか。
そんな期待に胸を躍らせる。
明日、逢うのが楽しみだ。
私はそのまま、少年のように丸まって眠った。
翌日の午後。フィーネが本邸にやってきた。
聖女見習いから報告を受け、さっそく反射鏡に更衣室の様子を映し出す。
(ああ、フィーネが私の屋敷に……!)
フィーネが手渡された見習い服を胸に抱き、褐色肌の女と何やら話している。その声を聞くことはできない。
音を拾う機能を追加しておけばよかったと後悔する。
兄のほうは、一緒に来た聖女見習いの裸体に見入っていた。鼻息が荒い。
確かにこれまでのどの聖女見習いよりも美しく乳房も豊かだ。スタイルもいい。しかしそれだけだ。
フィーネの裸体を早く見たい。
すると彼女は部屋の隅で、壁のほうを向きながら着替えを始めた。
外套を脱ぎ、茶色いチュニックを……脱いだ。
(美しい)
なめらかな白い背中に目が釘付けになる。
どうやら胸元には下着の代わりに布を巻いているようだ。
さっきまでマイの体に夢中になっていた兄も、今やゴクリと喉を鳴らしてフィーネの素肌を凝視している。
彼女の胸元を見たい。
反射鏡を拡大し、フィーネだけを映す。やや解像度が悪くなるが問題ない。
(こちらを向け、こちらを向くんだ)
反射鏡に向かって祈る。
しかし彼女はあろうことか、壁を向いたまま素早く見習い服に袖を通そうとしていた。
(クソ、クソが)
反射鏡の位置を調整して、フィーネの胸元が映る角度がないか探す。
(クソ、クソ、クソ……!)
私の願いもむなしく、フィーネは見習い服に身を包んだ。ズボンの上からスカートを穿き、最後にズボンを脱いでいた。
「チッ……俺が先だからな」
私の取り乱した様子を見ていた兄が、小さくとつぶやいた。
その言葉にスッと心が冷える。
……今日、この男を殺そう。フィーネは渡さない。
俺たちは品行方正な顔を作り、部屋で彼女たちを出迎えた。
いつものように敬虔な司教貴族として振る舞う。
なるべくフィーネを視界に入れないようにした。
ここで下心を察知されれば、全てが水の泡だ。
(無心になれ、無心に)
「お招きいただきありがとうございます。教皇様に招聘いただきました、聖女見習いのフィーネと申します」
(可憐だ……)
宿で寝ぼけているときの声は大層そそったが、今は凛とした気高さがにじみ出ている。そしてあの男を痺れさせる甘い響きも。
つい、フィーネの姿を見てしまった。
純白の見習い服姿の彼女は、女神のように美しく、魅惑的だ。
ぐぐ……っと、私の股間がローブを押し上げる。
まずい、今勃ってはマズい。
すると、兄が彼女たちの視線を窓の外に誘導し、別邸の説明を始めた。
私は生まれて初めて、兄に感謝した。
その後、フィーネと聖女見習いが聖域に入っていくのを窓から見送る。
(フィーネ……ああフィーネ。早くあのベッドで抱き合いたい)
特製の媚薬を小瓶に移し替える。
二本、いや三本は持っていこう。
私は夜が更けるのを今か今かと待った。
客室棟の窓は明かりが灯っていなかった。
あの部屋の中で、フィーネは静かに寝息を立てているのだろう。
兄と、兄がいつも襲撃に同行させる用心棒、私と二人の工作員の五人で、聖域の森を抜けて客室棟に侵入する。
兄が先陣を切ってフィーネのいる部屋の鍵を開ける。
しかし少しだけ開いたところでガタンと音がして、そのまま開かなくなった。バリケードだ。
(起きているだと! 睡眠薬が効かなかった? いや、治癒魔法で分解したのか!?)
だとしたら私の媚薬も……。
私は昨夜の願いが現実味を帯びてきて、期待に胸が膨らんだ。
用心棒が扉を蹴破り、部屋に押し入る。
部屋の真ん中に、フィーネが立っていた。
その扇情的な姿に、しばし言葉を失う。
麻布を合わせただけの露出の多い修練服。
そこから伸びる白い首筋や二の腕は艶やかで、左肩に掛かった麻布がずれて肩から落ちかけていた。きっと急いでバリケードを作った拍子に麻布が緩んでしまったのだろう。
丈の短いスカートからは脚線美が伸び、深いスリットのせいで白くて肉感的な太ももが露出していた。
美しい瞳には強い意思がこもっていて、手には果敢にも短刀が握られている。
その挑戦的で、妖艶な姿が月明かりに照らされていた。
きっと生涯、こんなに幻想的な光景はお目に掛かれないだろう。
(ああ、女神よ。この天使を私のもとへ遣わしてくださったこと、感謝します)
私は女神に――目の前の彼女に祈っていた。
そこからのフィーネの動きは目を見張った。
すかさず窓を確認し、そこから脱出できないと分かると今度は質問を投げかけてくる。
時間稼ぎをしつつ情報を得る。さり気なく部屋を観察し、治癒魔法が使えるかも確認している。賢い少女だなと思った。
「ヒヒヒ……教皇様に言いつけられないくらい、恥ずかしいことしてやるから覚悟しろよぉ~」
「なにをするつもり、なんですか?」
薄汚い用心棒から何度卑猥な言葉を投げかけられようと、フィーネは動揺を隠し、努めて冷静に言葉を発していた。
なんて勇敢な娘なのだろう。この状況下でもまだ望みを捨てていない。
私はフィーネの内面に、すっかり魅せられていた。
どうかその短刀で自分を傷つけるという手段だけは、取らないで欲しい。
自害を警戒していると、突然彼女から凄まじい治癒魔法が放出された。
「なにっ……!」
これほどまばゆい治癒魔法は見たことがない。
腕で目元を覆っていると、フッと何かが飛んできた。
工作員がそれを弾き落とす。カランと床に転がっていたのはフィーネの握っていた短刀だ。
彼女は逃げ道を確保するために短刀を投げ、扉を塞いでいた工作員を動かしたのだ。
その機転に感嘆していると、彼女は兄の電撃魔法を食らっていた。
「あっ、ぐ……」
痛々しいフィーネの声が響く。何度も浴びせかけられ、その度に小さな体を痙攣させている。
可哀想だと思った。しかし体の奥底が興奮し、もっと見たいと感じてしまう。もっと彼女の苦しげな声、身をよじる姿を見たいと。
フィーネはとうとう、兄によって壁際で拘束されてしまった。
兄の魔法は脅威だ。
瞬時に放たれる上、自動的に兄を外敵から守る。
迂闊に殺そうとすれば返り討ちに遭ってしまう。だからこそ魔力が途切れたときを狙う。
兄が達した後の、ほんのわずかの間だ。
すると、兄は早速うなり声を上げて達していた。
服の上からフィーネの背中に密着しただけで。
どれほど気持ちのいい感触なのだと、嫉妬と羨望の混じった感情が沸き立つ。
しかし、まだ兄子飼いの用心棒が私の近くにいる。こう見えて手練の男だ。できれば兄と用心棒が油断をしているとき……考えたくもないが、二人でフィーネを責めているときが絶好の機会だろう。
おそらくその場面は来る。来なければ兄だけでも殺し、工作員と三人がかりで用心棒を殺す。ただでは済まないだろうが不可能ではない。
「そろそろ上も拝ませてもらおうか」
兄のそんな声が聞こえ、私もひと目見ようと近寄る。
フィーネの両肩に掛かっている麻布に手が掛けられ、一気に降ろされた。
あらわになった白い背中を兄が舐め上げる。フィーネが身震いしたのが分かった。
(クソ、兄の舌なんぞで)
私が感じさせてやりたいのに。
奥歯を噛みしめていると、だがいよいよ待望の瞬間がやってきた。
兄が、力任せにフィーネの体をこちらに向かせたのだ。
白い細腕からこぼれ落ちた二つの乳果実に、目を奪われた。
そのふくらみは綺麗なお椀の形をしており、若々しい張りと弾力を感じた。しかしこちらを向かされたり、腕で隠したりしたときは自在に形を変えている。
きっと恐ろしく柔らかくもあるのだろう。
同年代の少女の中では比較的大きいだろうそれは、しかし男の手に余るギリギリの大きさだった。男の征服欲を掻き立て、手に収めてみたいと思わせるサイズ感だ。
淡い乳輪に縁取られた桃色の突起はピンと尖り立ち、そこがフィーネの敏感な所なのだと物語っていた。
(ああ、なんて美しいんだフィーネは)
感嘆に暮れていると、兄が彼女の乳房にむしゃぶりついた。
じゅるり、じゅる、ちゅぽ、ちゅぱッ。
兄の唾液まじりの不快な音が響く。
しかしそれがフィーネに恥辱と快感を与えている音だと思うと、股間がドクドクと熱くなった。
「ひっ……ッ、んんッ、やぁっ……」
悩ましげなフィーネの声。
嫌がる声も最高の響きだ。もっと、もっと聞きたい。
彼女の乳房が、兄の舌の動きだけで容易に形を変えている。柔らかそうだという私の仮説は正しかったようだ。早く私も口に含んでみたい。
早々に、兄は用心棒を責めに参加させた。
「フィーネちゃん、すぐに俺が可愛がってやるから待ってろよぉ、ヒヒヒ」
「チッ、汚らわしいやつめ。……おいフィーネ、口を開けるんだ」
そう言った兄が、フィーネの唇を奪った。
その光景にしばし目を疑う。
いや、兄がフィーネに口づけするなど予想できたことだ。
しかしなぜか、初めてのキスは私をするものだと思っていたのだ。
(クソ……最初から殺すべきだった)
彼女の無垢な唇を、兄が穢していく。
やがてフィーネの口内をむさぼっていた兄は、「んぐっ」という不快な音を発した。
早くも二度目の限界を迎えたようだ。
さて、殺そう。
しかし兄の用心棒がフィーネにぴったりくっついていて邪魔だ。
万が一にも彼女を傷つけたくない。怪我くらいフィーネはすぐ治してしまうだろうが、それでも透き通るような肌が傷つくところを見たくない。
「おい、このまましゃぶる。押さえつけろ」
「へいへ~い。フィーネちゃん、ちょっと体曲げてねぇ」
精力剤を一気飲みして早くも復活した兄は、いつものプレイに興じるようだ。
腰を曲げて前傾姿勢になったことで、フィーネの乳房が重力で下を向く。柔らかそうな乳果実が、兄の眼前で実っていた。
兄の趣味は分からなかったが、今理解した。
あそこから見上げるフィーネの上裸は絶景だろう。
「ぁんむ、れろ、ちゅる、ぇろれろ……」
フィーネのこぼれ落ちる乳房を、兄が下からしゃぶり始める。
すると彼女の腕を押さえつけていた用心棒が、布越しに突き始めた。前から後ろから責められるフィーネのあまりに淫靡な姿に、股間が勝手に昂ってしまう。
「……ッ、やめっ、う……んッ、いやぁっ……」
フィーネの口から切ない悲鳴が漏れる。
そうか、フィーネを突くとこういう声を出すのか。なんて妖美な声なのだろう。
兄の乳責めは執拗だった。
こんなに夢中に舐め、しゃぶっている姿は初めて見る。それほど柔らかく美味いのだろう。つい口が半開きになり、涎れが垂れそうになる。
やがて兄が「うっ」という声を発して動かなくなった。
三度目の射精だ。さすがに回復にはしばらく時間を要するだろう。
すると兄は用心棒に、フィーネの体を揉むことを許した。
「ヒヒ……このほうがフィーネちゃんの泣き顔がよく見えるなぁ~」
私の目の前で、フィーネの柔乳が汚らわしい男の手によって弄ばれている。
用心棒は先ほどと同じようにフィーネの尻を突き、揺らし始めた。
彼女の華奢な体は倒れ込むように背中を丸め、かろうじて男によって支えられている。
体を乱暴に揺すられながらも、乳房を揉みしだく男の手と、男の太ももに手を伸ばして力なく抵抗していた。
用心棒も兄も、フィーネの体に夢中になっている。
そろそろ頃合いだろう。
「おい、そこはだめだ。俺がこれからじっくり味わうんだからな」
お前にそこを触らせるわけがないだろう。
私は兄の体を剣で貫いた。
工作員に合図を送ると、彼らは用心棒の背後に忍び寄り首を刎ねた。
手筈どおりだ。
もともと、いつかは兄を殺すつもりだった。
スパイ行為が発覚しそうになったら、すべての責任を兄になすりつけるつもりだったのだ。
根回しもすでに済んでいる。その決行が今日になっただけだ。
私は、兄を超えた。フィーネのおかげで超えられた。
「まったく、兄上ではすぐに孕ませてしまいそうだからな」
フィーネの体は、私をまだ見ぬ絶頂に導くためにある。
生まれて二十九年。いまだに達したことがない私の渇きを、フィーネならば埋めてくれる。この先何年も何十年も、ひらすらに抱き続けたい。
「ああ、治癒魔法を使ってもらって構わない。帝国からは綺麗な体で引き渡すように言われている。処女がどうかは問われていないがな」
早く体力を回復してもらわないと困る。やっと私の番なのだ。
帝国に渡すつもりなどさらさらないが、ここにはフィーネに懸想している工作員もいる。
任務に従っている振りはしておくべきだろう。
フィーネを抱いてから、隙を見て工作員も殺すか。
さあ、媚薬を塗って絡み合おう。
正直、媚薬を塗る前から私の股間は生まれて初めての勃起状態だ。
だが初めては、最高の絶頂の中で迎えたい。私も、彼女も。
本来は危険だが、フィーネに直接媚薬を飲ませてみてもいいかもしれない。
ここまで観察した限り、彼女は媚薬を分解できる可能性が非常に高い。
私と繋がり、永遠に分かり合おうフィーネ。
壊れず私を悦ばせてくれ。