※この作品はR-18です。

無自覚無防備なTS聖女は今日も誰かを狂わせる(R18版)   作:月見ハク

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第52話 天才少年の毒牙 ◆

 空が白み始めたころ。

 森深くの小屋の前に、アノンは降り立った。

 

 自分の腕の中で眠っているフィーネを愛おしそうに眺めた後、小屋の扉を開ける。

 

(あの頃から何も変わってないな)

 

 二年前、姉を初めて犯した小屋。

 その後も、ここで毎日のように姉と逢瀬を繰り返した場所だ。

 しかし姉を魔獣に殺されてからは足が遠のいていた。

 

 一人用のベッドに、フィーネを優しく寝かせる。

 

「師匠に遠視の術を掛けておいてよかった」

 

 キスをした相手の居場所や動向を、遠くから把握することができる秘術だ。

 神職に連なる者に稀に発現する力で、教皇はその使い手とも言われている。

 

 アノンの場合は、掛けた相手が魔力を発動したときしか視ることができない。

 しかし、助け出すのにはそれで十分だった。

 

 おまけに帝国軍の策謀をくじくこともできた。

 

(まさか魔獣をけしかけていたのが帝国軍だったとはね)

 

 正確には、皇帝――好色王が率いる帝国過激派だ。

 

 帝国軍の拠点で見つけた資料によれば、魔獣をけしかけて聖公国や王国を疲弊させながら、聖女を攫って国力を削ぎ、いずれは両国とも支配下に置くつもりだったらしい。

 

 それに対して帝国穏健派は、過激派の聖女狩りを妨害して彼女たちを保護したり、密かに教皇と接触してクーデターの準備をしたりしているようだ。

 

 見つけた資料は聖女見習いたちに託した。きっと教皇のもとへと渡るだろう。

 教皇が大規模な連合軍を結成して、帝国過激派を駆逐するのも時間の問題だ。

 

 フィーネを存分に抱き潰したら、連合軍に加担しに行ってもいいかもしれない。

 

(一応、姉の仇(かたき)だしな)

 

 静かに寝息を立てている美少女を眺める。

 先日成人を迎えたと言っていたから、今はちょうど姉が死んだときと同じくらいか。

 

(姉なんて、到底及ばない美貌だけど)

 

 アノンはゆっくりフィーネの顔を覗き込むと、その可憐な唇を舌でなぞった。

 次いで、その弾力を味わうように吸い付く。

 

「ちゅ……むちゅう、じゅる、ちゅ……ちゅうっ、ぷぁ、はぁ……師匠の唇はやっぱり美味しい」

 

 美しく艶やかな蜂蜜色の髪、アーモンドのような魅惑的な目元、少し上気したなめらかな頬、自分の唾液で妖しく潤んだ唇。

 

(全て僕のものだ)

 

 そして、この体も。

 

 アノンは、フィーネの体の内側に目を凝らす。

 

 彼女の中にある温かい魂に、守護霊のようなものが寄り添っている。これが魅了の術を妨害しているのだろう。

 

 でも、もういい。

 魅了に堕ちた状態ではなく、意思のあるフィーネを抱きたい。なぜなら、その心根こそが彼女の最大の魅力なのだから。

 

 フィーネは人に憎しみを抱けない。根本では誰のことも愛おしく思ってしまう娘だ。

 

 きっとどんなに酷いことをされたとしても、その人を憎みきることができないだろう。

 聖女に最もふさわしい資質であり、人として……女としては決定的に欠落している部分だ。

 

 その危うさこそが人を惹き付け、欲情させる。

 

(僕のように、ね)

 

 アノンはフィーネの体に手を伸ばした。

 ボタンの外れてしまった厚手のコックコートをゆっくり脱がしていく。簡素なベージュのアンダーシャツは、彼女の豊かなふくらみを抑えきれず胸の形を強調していた。

 

 ゴクリと生唾を飲み込みながら、アンダーシャツを一気にめくり上げる。

 たゆんと音がするかのように、桃色のブラジャーに包まれた白い胸元が姿を現した。

 

「はぁ……ゆっくり鑑賞していこうと思ってたのに、そんな余裕ないかも」

 

 アンダーシャツを彼女の頭から引っこ抜くと、次にブラジャーの紐を真ん中からスルスルと解いていく。

 

 ブラジャーに収納されていた豊乳が、ふっと解放されたのが分かった。紐を放ると、ブラジャーのカップ部分を左右に開く。

 

 夢にまで見た、フィーネの乳房だ。

 温泉で覗き見てから、何度も何度も股間を膨らませて夢想した裸体。

 

 前世の基準でDカップくらいだろうか。

 アンダーが綺麗にくびれているので、もっとあるかもしれない。十三歳の自分の手のひらでは、少しこぼれてしまうくらいのボリュームだ。

 

 仰向けに寝ているというのに、整った双乳は垂れることなく上を向いている。その先端では、小さい薄桃色の乳首が可愛らしく主張していた。

 

(まだだ、味わうのは師匠が起きてから)

 

 アノンは己の獣欲に抗いながら、目線をフィーネの下半身に向ける。

 

 黒いコックズボンに手を掛けると、ぐいっと引っ張って脱がしていった。

 驚くほど白くなめらかで、肉感的な太ももに目を奪われる。そして太ももの付け根の大事な部分を、ピンク色のショーツが守っていた。

 

(平民が履くような下着なのに、師匠が付けるとこうもエロいんだな)

 

 ショーツの布地に指を引っかけ、ゆっくりゆっくりと脱がしていく。

 

 次第にフィーネの美しい秘所があらわになった。

 こんもりとした恥丘は柔らかそうで、そこから美しい割れ目が伸びている。何人もの女を抱いてきたアノンでも、見惚れてしまうほどの性器だった。

 

「師匠のマンコ、やばっ……」

 

 危うく股にしゃぶりつきそうになるところだった。まだ、堪えなければ。

 

 アノンは呼吸を落ち着かせてから、棚に置いてあった手ぬぐいを取る。

 淫らな部分をすべてさらした美少女を眺めると、その両腕をつかみ上げてバンザイのような格好にさせる。

 細い手首をそれぞれベッドの端にゆるく縛り付けると、そこでため息をついた。

 

 これで、体の隅々まで心置きなく堪能できる。

 

 アノンも手早く全裸になった。この年頃にしては大きめな肉棒が、ビクンビクンと脈打っている。思春期の体が、目の前の美少女を犯したいと悲鳴を上げている。

 

 アノンはかたわらの桶(おけ)に魔力を使ってお湯を注ぎ、余った手ぬぐいを浸した。

 

 帝国軍の兵士にやられたのだろう。フィーネの体には所々に泥や砂が付着していた。まずは綺麗に拭き取ってあげないと。

 

「体を清めてあげるね、師匠」

 

 言葉を掛けると、フィーネの長いまつ毛がピクリと動いた。

 

 

---

 

 

 体が重い……。

 

 ここ、どこだろう。

 

 背中がふかふかだ。ベッド、かな。

 優しい木の匂いもする。

 

 少し目を開けてみる。

 

(う、まぶし……)

 

 陽の光が降り注いでいるのが分かる。

 

 目の前に、丸太づくりの天井。

 ログハウスのような、小屋。

 

 知らない、部屋だ。

 

(んっ……)

 

 じわりと、温かいものに太ももを撫でられる。

 

 しっとり濡れてて気持ちいい……けど、くすぐったくて、こそばゆい。

 

 足下に、誰かいる。

 誰だろう、綺麗な……女の子?

 

「あ、師匠、起きました?」

 

 聞き慣れた声に安堵する。アノン君だ。

 

「アノン……? ここ、は?」

「僕の領地の小屋ですよ」

「捕まってた人、たちは?」

「ああ、聖女見習いたちなら逃したんで安心してください」

「そっか、ありがとね……アノン」

「いえいえ、師匠のためですから」

 

 よかった。

 エニーケさんたちはみんな無事なんだ。

 

(んッ……)

 

 なに?

 さっきから、下のほうがジンジンする……あれ、私……裸?

 

「アノン、これ……」

 

 どうしよう。私、裸だ……何も着てない。

 

「あ、僕が脱がしました。汚れを拭きにくいんで」

 

 アノン君が、私の太ももの付け根を手ぬぐいで拭いている。

 

(うそ……アノン君も、服を着てない)

 

 思わず目を逸らす。

 

 恥ずかしい。どうして。

 アノン君が脱がしたの?

 どうしてアノン君も、服を。

 

「えと……んっ、ぁ……やめて、くれない……かな?」

 

 濡れた布が敏感なところに当てられる感触で、うまく言葉が紡げない。

 

「なんでですか? あとここを拭いたら最後なんで、ちょっと待っててください」

 

 そう言うと、アノン君は私の股ぐらに手ぬぐいをあてがった。

 

「あッ……」

 

 大事なところをグイグイと押し当てられ、思わずヘンな声が出る。

 

「んんっ……ちょ、アノン……やめて」

「やめて? そんなこと言える立場ですか」

 

 全裸のアノン君が、ベッドに乗ってきた。ギシリと木のしなる音。シーツが沈み込む感覚。聖域の別邸で、チウロ司教に襲われたときと、同じ……。

 

(い、いやだ)

 

 アノン君が這い上るように近づいてくる。エコンドや新王陛下、司教貴族たちと同じ目つき。私の体を舐め回すような、背筋が震えるような視線だ。

 

 瞬間、頭の中で特大の警報が鳴る。

 

(逃げ、ないとっ……)

 

 体をよじって起き上がろうとして、両手がベッドに縛られているのに気付く。

 

(うそっ……これもアノン君が?)

 

 一気に身の危険を感じ、フルパワーの防護魔法を展開する。

 

(だめだ、出せない)

 

「ふふ……焦って逃げようとする師匠も可愛いなぁ。無駄だよ、師匠の魔力は枯渇状態なんだから。復活するまであと3(・)時(・)間(・)く(・)ら(・)い(・)かな。それまで僕と楽しもうよ」

 

 ニコリと笑ったアノン君が、私の胸元に手を伸ばしてきた。

 

 ぐにゅっとおっぱいを揉まれる感覚。アノン君の細い指の感触が伝わってくる。

 

(やだ、いやだっ……アノン君、どうして)

 

 強烈な拒否感が体を駆けめぐり、目にじわりと涙が浮かんでしまう。

 

「やっ……アノンお願い、やめてっ」

「そんな涙目で懇願してさ、男を悦ばせるだけだって分かってる?」

 

 アノン君が揉む力を強めてくる。胸をぎゅうっとつかまれる感じがして痛い。

 

 もう片方の手も伸びてきて、おっぱいをすくい上げられる。

 硬い指が食い込んで、敏感になっている先端をきゅっとつままれる。

 

 痛みと、どうしようもない痺れが背中を走り、また涙がこぼれる。

 

「いたいよ、アノンっ……」

「あぁっ、ごめん師匠。師匠のおっぱいの揉み心地がよすぎるから、つい興奮しちゃった。もっと優しくしてあげるね」

 

 そう言うと、アノン君は胸全体を撫で回すようにゆっくり手を這わせてきた。

 

 すごくいやらしい手つきなのが、肌を通して伝わってくる。触れられるところがくすぐったくて……気持ち悪い。

 体をよじっても、手が離れてくれない。

 

「やだ……んッ、もう……さわらない、で……」

「そんなこと言って師匠のここ、硬くなってるよ?」

 

 アノン君の顔が私の胸に近づき、先っぽを舐められた。

 

(いやっ)

 

 ぬめぬめしたベロの感触が乳首から伝わってきて、思わず背中が浮く。

 

「んぅっ、だめ……舐め、ないで……お願いっ……ひぅっ、んんッ……」

 

 アノン君が吸い付いてきた。

 それだけでもキツいのに、アノン君の口の中で舌がくねくねと動き回って、乳首を転がされているのを感じる。なこそばゆさと、甘い痛みが一緒に押し寄せてくる。

 

(やだ、これ……ゾウロ司教と同じ)

 

 聖域の別邸でゾウロ司教に何度もおっぱいを舐(ねぶ)られたときの感覚がよみがえってくる。

 

(いやだ、いやだよ……アノン君)

 

 逃れたくて腕を引っ張ると、縛られた手首に痛みが走る。悲しくて涙が止まらない。

 

 なのに。

 

 つらいのに、お腹の下がじんわり痺れて、熱い。

 

 新王陛下に油を塗られたとき、チウロ司教に媚薬を飲まされたときと同じ、あの感覚。

 悲しくて、切なくて、恥ずかしくて、ジンジンして、どうしようもなくて。

 

「ねぇ、どうして……んッ、こんな……こと? んっ、はぁんッ」

 

 問いかけただけなのに、アノン君はおっぱいの先を軽くつねってくる。

 口が勝手にヘンな声を上げてしまう。こんな声、出したくないのに。

 

 アノン君が私の胸をしゃぶりながら、ギロリと睨んできた。

 

「ちゅる……れろっ、……どうしてだって? 師匠ってさ、自分が男を狂わせてるって自覚あんの? 全部師匠のせいなんだよ、それなのにこんな無防備な姿をさらしちゃってさ……ぢゅるるる、ちゅぷっ、ちゅぱ」

「あうッ……ぃあ、んっ……もう吸わ、な……んっ、いやぁっ……」

 

 アノン君が怒ったみたいに強く吸い上げてきた。

 おっぱいが、アノン君の口に飲み込まれるように引っ張られる。

 

(いたいっ……これが、私のせい……?)

 

 顔を歪ませた私を見て、アノン君が口角を吊り上げる。

 何が気を良くしたのか、今度はおっぱいをカプっと噛まれた。

 

「いッ……やぁ、んんッ――」

 

 まるで獣みたいに食らいつくアノン君に、おっぱいを食べられてしまうのではないかと恐怖がこみ上げてくる。

 

「はぁっ、はぁっ……はは、師匠のホクロ一つない綺麗なおっぱいに、僕の歯型がついちゃったね。師匠がなんでも受け入れてくれそうだから……なんでも許してくれるから、男はこうやって調子に乗るんだ」

「そんな、の……知らないよ……」

 

 いじめっ子みたいなアノン君の視線に耐えられなくて、顔を背ける。

 

(私のせい、なの?)

 

 そういえば、いつかマリエッタに忠告されたことがあった。

 

 ――フィーネ様は思った以上に他人を受け入れてしまうところがあるのです。

 

 アノン君に告白されたときもそうだ。マイさんにはきっぱり断るように言われたのに、きちんと断りきれなかった。

 

 ずっと師匠と弟子という関係でいれたらと……友だちが、ほしいと願ってしまったのは……私だ。

 

(私の、せいなのかな)

 

 

 静かになった私を見て、アノン君が「はぁ」とため息をついた。

 

 手のひらを私の胸にかざして、治癒魔法をかける。おっぱいに付いた赤い歯形がゆっくり消えていく。

 

「ごめん師匠……今度こそちゃんと、気持ちよくさせてあげるからね」

 

 アノン君が、また私の胸を舐め始めた。

 ねっとりと、味わわれるように先端を舌で転がされる。

 

「んっ……」

 

 いやなのに、悲しくて、どうしたらいいのか分からない。

 

 せめて、私にひどいことをするアノン君を見たくなくて、ギュッと目をつむる。

 

「おっぱいの谷間、汗がにじんでる。はぁ……師匠のいい匂いがする。汗も、すごくおいしいよ……れろん、れろ、ちゅる、れろれろ……」

「うっ……んッ」

 

 アノン君はさっきから、わざと大げさな音を立てている。私にいやらしい音を聞かせるみたいに。

 

「師匠の腋も、きれいだなぁ。ここもすごくいい匂いだ……えろん、ちゅううううっ…」

「やっ、そんな……とこっ」

「二の腕も、めちゃくちゃ柔らかいよね。マ(・)シ(・)ュ(・)マ(・)ロ(・)みたいだ……はむっ、れろぉん、あんむ……」

「ひぅっ……んッ、ぁっ……んぅっ」

 

 目を閉じているせいか、アノン君の吐息や唇、舌先、体中を這い回る指の感触がはっきり伝わってくる。

 

 好きなように体中をさわられ、舐められて、体中がどんどん熱くなっていく。

 同時に、今まで感じたことのない嫌悪感もふくらんでいった。

 

 脇腹、ヘソの回りを舐めていたアノン君の舌が、さらに下のほうに移動していくのを感じた。

 

「だめっ、アノン……そこは、やだっ」

「ダメだよ師匠、足を閉じないで。もっとちゃんと見せて」

「やだっ……んッ」

 

 ものすごい力で膝をつかまれ、ぐっと押し広げられる。

 

 あっという間に、股を開かされた。

 まるで赤ちゃんがおしめを変えてもらうときみたいな格好だ。

 

 恥ずかしくて、耐えられなくて震えが止まらない。

 

「やだっ、見ないで……アノン」

「はぁ……師匠のおマンコ、すごい綺麗だよ。それに……ふふ、ここもいい匂いがする」

 

 アノン君が私のアソコに顔を近づけて、鼻をひくつかせているのを感じる。

 鼻息が敏感なところをくすぐり、思わず身をよじってしまう。

 

「こんなに濡らしちゃって、ほんとに美味しそう……いっぱい舐めて気持ちよくしてあげるね……れろぉんっ、えぇろんっ、じゅるるっ」

「ひぁんっ、やぁっ、だめッ……そこっ、んんッ……やだぁっ!」

 

 アノン君の口が、舌が内側に入ってくる。その瞬間、抗いきれない電流のような衝撃が走った。

 

「あ゛ぁぁっ――――ッ」

 

 勝手に腰が浮いて背中がのけぞる。刺激のたびに、ビクンと体が痙攣する。脳を撫でられるような感じがする。すごく恥ずかしくて嫌なのに、体が熱くて抗えない。

 気持ち悪い、のに……気持ちよくて、抵抗できない。

 

(やだ、これはやだっ、入ってこないで、逃げたい、逃げたい)

 

 何度も身をよじって、上へ上へと逃げる。

 でもアノン君に足をがっちりつかまれていて、逃げられない。

 どうしようもない状況で、アノン君の舌がさらに中でうごめいた。

 

「やぁぁんっ、これやだぁっ……アノン、やだっ……あぁんッ……んあっ、んんんッ――」

「じゅるっ、ちゅうう、じゅるるるっ……はぁっ、はぁっ、師匠、かわいいよ……クリトリス、感じやすいんだね」

 

(クリ……トリ、ス?)

 

「師匠のクリトリス、剥けて、かわいい……ちゅうううっ」

「ひぁっ、ん゛んんッ……やあぁぁっ――ッ」

 

(また、チウロ司教と、同じ……)

 

 媚薬で意識が遠くなっていたあのとき、チウロ司教に執拗にアソコを舐められて、吸われて、何度も頭が真っ白になった感覚を思い出す。

 

(いやだ、思い出したくない)

 

「あっ――ッ」

 

 爪先から強烈な快感が這い上がってくる

 自分じゃないような声が、口からこぼれる。

 こわい。

 自分がヘンになりそうでこわい。

 いやだ。

 きもちいい。

 助けて……エラ。

 

「じゅるるっ、じゅるぅ……、ふぅ、聖女は感度が高いのは知ってたけど、師匠は特別感じやすいみたいだね……いつもオナニーしてるの?」

「知ら、ない……よ」

「師匠って処女だよね? まだ開発されていないはずなのに、普通媚薬もなしで、好きでもない相手の愛撫なんかで、こんなに気持ちよくなんてならないんだよ?」

「きもちよくなんて、ない」

 

 アノン君の言葉が、全部いやだ。もう……聞きたくない。

 

「あっそ。じゃあ思いっきりイかせてあげるから……覚悟してね。じゅるるっ、ちゅうぅ、ちゅぷ、じゅる……ちゅるちゅるちゅるちゅる」

 

 アノン君がむしゃぶりついてきた。

 叫んでも悲鳴を上げても、アノン君は執拗に責めてくる。私の意思なんてどうでもいいみたいに。

 

「あ゛あっ、やぁっ、あぁんっ……んくぅっ、んんんッ……そこっ、あッ、あんっ……やめてぇっ、んぅッ……」

 

(なにか、来る……のぼってくる、ヘンになる。やだ、こわい、いやだ、いやだっ)

 

 何かがせり上がってくる感じがして体中が強張る。そして――。

 

「ああっ、やあぁぁんっ……あっ、あっ……ん゛んんんんっ――――――ッッ」

 

 まるでずっと我慢していたオシッコが漏れてしまったような感覚。

 その何万倍もの快感に襲われ、衝撃で頭がチカチカする。

 脳が蒸発するような。

 なにも、考えられない。

 体がビリビリと痺れて、痙攣するのを止められない。

 

「はぁ……師匠、深くイったね?」

 

(いったって、なに……?)

 

 うっすら目を開けると、アノン君が恍惚とした笑みを浮かべている。女の子にしか見えない表情で、濡れた口元をペロリと舐めた。

 

 私に馬乗りになったまま、アノン君がどんどんにじり寄ってくる。徐々に迫ってくる下腹部には、そそり立った性器があった。

 

(見たくない)

 

 あまりの生々しさに顔を背ける。

 

アノン君は、男の子なんだ。

 

「師匠も、口で気持ちよくしてよ」

 

 私の唇を、硬くて熱くて、先端がぬめっとしたものがなぞる。

 ぐいぐいと、それで私の唇を開こうとしている。

 

(気持ち、悪い。気持ち悪い……きもちわるい)

 

「ちぇ、ちっとも口開いてくれないや。じゃあもう挿れちゃうね。師匠の初めて、僕がもらうから」

 

 アノン君がまた私の下のほうへ移動したのが分かった。

 ぐっと太ももを閉じてみる。でも無駄な努力とばかりに、すぐ股を広げられた。

 

 アソコが、濡れてる。

 お腹の奥がジンジンして、熱いものがあふれてきているのを感じる。

 

 その真ん中に、硬くて得体の知れないモノが当たった。

 

 チュプリ……。

 

「ひぅっ……あっ、やだっ……」

 

 チュプ……チュプ……。

 

「はぅっ……ん゛んッ、くぅっ……あッ」

「はぁああっ、師匠の中、まだちょびっとしか入ってないのにあったかくて、うねうね動いて気持ちいいっ……」

 

 体の中に異物が入ってくるような感覚に鳥肌が立つ。

 お腹の内側がゾワリとする。

 

(や……だ、これ以上、入ってこないでっ……)

 

 何度も防護魔法を発動する。

 体中の魔力をかき集めて、何度も、何度も、何度も。

 

 何も、起きない。

 

 それでも、アノン君を警戒させるには十分だった。

 本能的に後ずさったみたいだ。

 

 アソコから太いモノが出ていくのを感じて、体がぶるりと震える。

 

「びっくりしたー。師匠、無駄だって言ってるのに。なんでそんなに……」

「もう、やめて……アノン。こんなことする、アノンは……好きじゃない」

 

 キッとアノン君を見すえて、声を押し出す。

 その間も繰り返し防護魔法の発動にトライする。

 

「はぁ? 僕のことが嫌いってこと?」

「もう……嫌いに、なる。私に、さわらないで……」

 

 その瞬間、アノン君の顔に動揺が走った。

 

「は……はぁっ!? なにそれ……嫌いって、師匠がそんな……」

 

 アノン君が覆い被さってきて、唇を近づけてくる。

 

「やめてっ……!」

 

 間近に迫った彼を、睨む。

 

「なに、その目……そんな目、師匠が、するなんて……だめだよっ、優しい師匠が人を、そんなふうに見ちゃ……だめだ。そんな……師匠が、人を嫌いになるはずないのに」

 

 アノン君の顔がぐにゃりと歪む。今にも泣きそうな表情になり、両手で頭を抱え始める。

 

「どうして、いつもいつも、姉さんも、師匠もっ……僕の本当に欲しいものは、手に入らないんだよ、くそぉっ……会(・)社(・)も守れない、俺なんか……」

 

 カイシャ? 

 ……会社?

 

 そういえばさっきもアノン君は、サンジカンって……三時間?

 

 どちらも前世で聞いた言葉だ。

 もしかしてアノン君も、転生者?  しかも……日本人の。

 

 呆然としていると、アノン君の腕が私の首に伸びてきた。

 

(え……?)

 

 ぐっと絞められて、空気が口から漏れる。

 

「かっ……は……アノ……ン、くる……し」

「どうせ手に入らないんだったら、師匠なんて……」

 

 アノン君の、目が虚ろだ。

 

 苦しい。

 頭がぼーっとする。

 

 

 私、また死んじゃうのかな。

 

 

 視界が白くなってきたとき、パッと手が離された。

 一気に呼吸ができるようになり、思わず咳き込む。

 

 アノン君が小屋の扉のほうを凝視している。顔に驚愕と怯えの色を浮かべながら。

 

 そして自分の手のひらを見て、私を見て……一気に青ざめた。

 

「え……僕、師匠を……え? ごめ……師匠、こんな、つもりじゃ」

 

 狼狽したアノン君が、ベッドからずり落ちる。

 

 そのままふらふらとした足取りで、外へ出ていった。

 

 

 

 

 両腕を縛られたまま、天井を見つめる。

 

 アノン君は、泣いていた。

 

「……私が、悪いのかな」

 

「そんなわけないでしょう」

 

 美しく澄んだ声が、扉のほうから聞こえた。

 

 見ると、まばゆい朝陽の中に二つの人影が立っている。

 そのうちの一人が小走りで私のもとまでやってくると、手ぬぐいを解いた。

 

 聖女見習いのローブに身を包んだ、とんでもなく綺麗な女の人だ。

 艶っぽい紫色の髪を後ろで結んでいる。おでこを出しているせいか、大人っぽい口調とは裏腹に十代後半くらいに見える。

 全てを受け入れてくれそうな微笑みは儚げで、可憐で。

 

 私は直感で理解した。この人は、聖女様だ。

 

「女の子を無理やり縛り付けて乱暴するようなヤツが、百パーセント悪いに決まってるの」

 

 聖女様が、ふんわりと優しく抱きしめてくれた。

 

 なんでだろう。

 とても安心する匂いだ。まるでお母さんのような。

 

「これを着てください」

 

 今度は優しげな男の人の声がして、私に布が掛けられた。聖女様と、同じ服だ。

 

 男の人は、輝く銀髪をオールバックにした……司教様だった。

 おそらく二十代後半くらいの、若くて清潔感のある人だ。その両目が大きくて白い布で覆われている。

 

「あなた、は?」

 

 素直に聞いてみる。

 目隠しをした司教様も、私を抱きしめてくれている聖女様も、信頼できる人だと感覚で分かった。

 

「私は、聖教会教皇グウィントスです。前世の名はアリタ・サトシ。あなたと同じ、転生者です」

 




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