条件、緑谷出久。候補、OFAをオールマイトから譲渡された原典世界の緑谷出久。否定、人間を逸脱していません。並を飛び越えている個性『朱雀』の器としては成り立ちません。
緑谷出久が存在している並行世界、355438725734585通り確認。その中で器を選定します。
結果、一の世界のみ器を確認。世界時間、緑谷出久が中学校一年生の頃だと把握。現在、個性『朱雀』を発現させれば、体は破裂し、塵になります。対応策、対応策。…発見しました。時間を巻き戻し、完全未熟な幼体へと意識を移します。
朱雀、貴方の望み通りに致しました。後は好きなようにしなさい。
『サンキュー。我儘聞いてくれてありがとな。この恩、覚えとく』
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パチパチ、と周囲から音がする。熱は感じるのだけど、心地良い。疑問としては、最後に寝た記憶があるのは家という事。
「そうだよ!!此処どこ!?」
『お、やっと起きたか。俺はお前の個性の朱雀。よろしくな』
起き上がった先に映ったのは燃えている翼を持った男の人。てっきり、誘拐したヴィランの個性かと思ったのだけど、それは発言でかき消されてしまった。
医者に「ヒーローになるのは諦めた方がいい」と言われた一番の要因だった個性が僕にあると言われたのだ、動揺しない方が無理だと思う。昔から憧れてたオールマイトのようなヒーローになる夢を叶えられるかもしれない。希望を胸に抱きそうになったが、思考を一度戻して説明を求める。
この人?個性?の朱雀さんの話をまとめると、僕は通常の個性とは異なる個性因子が眠っていて、『管理スル者』からは器と呼ばれているらしい。そんな僕だけど、ただでは個性が目覚めないらしく、器の対象である神が了承する条件で発現する。
でも、この朱雀さんの世界に行く前の中学一年生の僕では遅過ぎるみたいで、あの体では不可能だった。だから、僕の肉体を幼年の頃へと巻き戻して個性を発見させた。個性があって、ヒーローになれるかも。それはとても嬉しい。けど、けど…。
「何か、悔いがあるのか?」
「今、巻き戻された世界は元々僕が居た世界では無いんですよね。もうあの世界のお母さんに会えないんだ、と思って来たら悲しくなってきちゃって」
自然と涙が瞳に浮かび上がる僕に、朱雀さんは頭を撫でる。慰めのように撫で続ける。「ごめん、ごめん」と言いながら抱きしめて。
朱雀さんだって事情があった。愉悦の為に子を親から離した訳では無い。分かっている。分かっている、筈なのに。涙は止まらない。
泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、泣いて。数時間も泣き喚いて、ようやく涙は止まった。けれど、完全に感情を呑み込めた訳では無い。まだ苦しい、悲しい。そう負の感情が心を渦巻き状に回っていた。しかし、本気でヒーローになりたいのなら、止まる訳にはいかない。
「もう、大丈夫です。苦しく無いとは言いませんけど、乗り越えたとは言えませんけど、歩かなければ。夢に向かって。その為には前の世界を悔いてはいられません。それに、朱雀さんの目的を達成する為にも。言っていませんけど、あるのでしょう?」
「本当にすまないな。出久」
握手、それと同時に誓いが結ばれた。互いの目的を達成するための誓いが。
ーーー
朱雀さん……いや、朱雀の世界から現実世界に戻ってきて数日後、幼年らしからぬ身長と肉体を持って夜の空を飛んでいた。どうしてそんな体を持っているのか、それは朱雀が作った世界の一つ、時間が現実世界よりも流れる時間が早い世界で鍛錬をしていたからだ。強くなるには仕方ないのかもしれないけど、流石に厳しいと思う。
そう思考を巡らせながら、夜の森に連れて来た張本人の朱雀に話し掛ける。
「あのさ、何で僕をこんな所に連れて来たの?普段通り鍛錬かと思ったんだけど」
『そうか、説明をしていなかったな。あの世界に入って累計千年は経ってる訳なんだが、結構速度は異常でな。次の段階に進んで欲しいんだ。この方法ではなくとも、時間を掛ければ問題なしなんだが、かかる時間が、な』
「千年で一も開放できてないからね。時間を掛けたら何年かかるのやら。しょうがないよね。それで?その方法は?」
『性行為だ』
「は?」
信頼も信用もしている相棒に対して口が悪くなったのは自覚をしているが、流石にこれは仕方ない。何故段階に進む為、性行為をする必要が出てくるのだ。
説明をしろ、と朱雀に圧を飛ばしていれば、急ぎめで説明を開始した。
『皇帝と呼ばれる神には力を急上昇させるあるんだ。当時、そんなのに興味が無かった俺は適当なのにしたら……そうなりました』
自業自得である。そうなりました、では無いのだ。物事は未来の事を考えて決めるべきなのだ。それなのに、これをしでかした相棒にはため息しか出ない。そして話を聞くに、眷属か数年以上の付き合いの者、高位を感じた者でしか不可能だと。
そんな限られた条件の中、どうやって上の段階に昇れば良いのだ。ため息混じりにそう告げれば、「本当にすみません」と反省がこもった声が脳内に響く。
どうすれば良いのか、暗闇に迷っている時、光が灯された。自分でも最低で最終手段的な考えをしていると理解しており、後で反省すると分かっているが、頭のネジが飛んでいるらしい。ストップが効かない。
「今はこの策しか無いしね。朱雀、世界に降臨してくれる?女体化してから」
『え?あぁ、分かった』
その言葉と共に朱雀はこの世界に降臨する為、僕の体から炎を発して体を形成する。数秒経ち、完成された姿は何回か見てきたが、美少女そのものだった。ロングストレートの赤い髪に紅色の瞳。Dカップはある巨乳。顔立ちも整っており、流石神と言ったところ。
何故かは知らないが、コールド・ショルダーの服を着ていた。まあ、興奮を高まるので好都合だろう。
「えへへ」と笑っている朱雀に僕は緩やかに近づいていき、巨乳を思いっきり手で掴む。
「ひゃうっ♡♡!?はあっ、はあっ。いずく?」
崩れ落ちそうになる朱雀であるが、その前に僕が片手で抱き抱えると、涙で潤った瞳をこちらに向ける。やばい、本当に可愛い。男体化の時のカッコよさが可愛いに全部変換されたみたい。
暴走しそうになる性欲を今は抑えながら、口を動かす。
「眷属ってさ、イコールで魂が繋がった相手でしょ。だったら、朱雀でも段階上昇は可能なんじゃ無い」
「確かにそう、だな」
「なら、良いかな。するの」
「……!それしか方法は今ないんだよな。俺、童貞も処女も散らした事ないんだが。優しくしてくれるか?」
「善処する」