ONE PIECE THE MOVIE オタカラだらけのダンジョン島 作:ちゃうんちゃうちゃうか?
ここがワンピースの世界だと気付いてから早十年。
そこからさらにここがFILMシリーズじゃない劇場版世界線だと気付いてからプラス十年。
オレは一国の主となり──あるものを作り上げた。
それはダンジョン。迷宮。
ラビラビの実を食べた、ダンジョン生成人間。
──宝を用意し、原作キャラを招致し、エロトラップダンジョンに嵌める。
もうそれしか考えられなかった。ドン。
ここは
かつては緑豊かで長閑なだけだったこの島は、今。
「いらっしゃいませー。安いよ、安いよー! ダンジョン攻略に必須な『心許ないランプ』! 一個10ベリー!」
「ダンジョン攻略の携帯食料ならこれ! 『味は良いけど腹持ちは悪い干し肉』50ベリー! さぁ買った買ったぁ!」
──ダンジョン産業。
数年前より出土した遺跡から続く、あり得ないほどに広大で、あり得ない程の財宝が手に入る『迷宮』の出現に、国民たちはこぞってそれを観光地化。彼らは財宝の噂に引き寄せられてやってきた海賊や船乗りたちを相手に商売をするという逞しさを見せていた。
「お、ナミー! この肉買っていいかー!?」
「いや腹持ち悪いって商品説明に書かれてるんだから、良い方選びなさいよ……」
「オイオイ良い方は味悪いんだってよ。良い商売してんなぁ……」
此度この島に上陸した『麦わらの一味』もまた、このオリエムのダンジョンの噂を聞きつけてやって来た海賊の一つ。港に停泊する海賊船の数々は壮観の一言だが、争いが起きる様子はない。
その理由もまたただ一つ。
「ルフィ! 食いモンに目ぇつられてっと、他の奴らに財宝奪われるぞ」
「それに、弁当ならしこたま用意してある! ここで買う必要はねぇよ」
「調合道具一式も持って来たぞ! 何があるかわかんねーからな!」
「ふふ、流石ね、みんな。私は……遺跡そのものの方に興味があるわ」
「おれもだ。曰く、『日々進化し続ける迷宮』。一説によれば迷宮そのものが生きてるってェ話まである。ロマンの塊じゃねェか」
「んじゃ早く行こう! ……ってあれ、ジンベエは?」
「船番してるんだとよ。それと、図体の関係上狭い所は入りたくないとかなんとか……」
「おれもちっとは小型化しておくべきか?」
「できんのか!?」
他の海賊を潰すより、財宝を見つける方が優先。
どんなに因縁ある海賊でも──というか因縁ある海賊だからこそ、先に取られたくない。
そういう思いが働いて、オリエムに停泊する海賊たちが争いを起こすことはない。
「ヨホホホ……暗闇……迷宮……心許ないランプ……ヨホホホ!! ワタシ怖くなってきちゃいました!!」
「いやオメーは怖がられる側だろ!!」
──そんな、「麦わらの一味の日常風景」を見つつ。
放送を、入れる。
『諸君。我が国オリエムに来ていただきありがたく思う。だが、今日の迷宮はどうやら機嫌が悪いようでね。いつもより何が起こるかわからない。──十分、留意してくれたまえ』
「あ!? なんだ、誰だ、このおっさん!」
「電伝虫越しの声だな……どっからだ?」
『以上、オリエム国王、エルトオラフ様からのお言葉でした。──では皆様、オリエムをごゆるりとお楽しみください』
放送が切れる。
再度ざわめき始める港の様子を映像電伝虫でモニタリングしながら……口角を吊り上げる。
「エルトオラフ様。失礼を承知で言いますが──キモイですね」
「知っている。それよりもニューペ、今日の朝食は?」
「双頭獅子のステーキ、うら若き女性のラブジュースをかけて、です」
「……。いやな、オレは何度も、本当に何度も言ってる。確かにオレはエロトラップダンジョンを作り、国民や海賊たちをエロトラップに嵌めてニヤニヤする変態ヤローだが……別に食事に体液をかけて食べる趣味は」
「ささやかながらの私からの反抗です。──お仕置きをご所望であれば、どうぞ」
「はぁ。これがなきゃ最高の秘書なんだけどなぁ。じゃあ夕方まで触手部屋で」
「ありがとうございます!」
ニューペの足元がカシュッと開き、彼女が落ちていく。
……色狂いめ。そうしたのはオレだけど、なんで食事にラブジュースかけるんだよ狂ってるだろ……。
そんなことより。
「さぁ、熱狂のエロトラップダンジョンの始まりだ……。……。語彙がブエナ・フェスタに寄るの、なんとかしたいよなぁ」
前置きはこれくらいである。
それは一味が支度を整え──そのダンジョンに足を踏み入れた、その瞬間のことだった。
ぐちゅ、という足元から鳴る音。そして天井に生えたキノコから降り落ちる胞子。咄嗟に回避しようとしたゾロとサンジは、けれど今入ったばかりの入り口が閉まっていることに気付き、歯噛みする。
どうしようもなく、二人は……そして共に入って来たナミとチョッパーも、その胞子を吸ってしまった。
「ちょ、おーい大丈夫か!? いきなり入り口がしまったぞ!」
「けほっ……けほっ……大丈夫、ちょっと胞子を吸っただけ」
「んナミすわぁああん! 良かった、無事そうで……このクソキノコ、燃やし尽くしてやる!」
「分断されたな。ウソップ、そっちは入れそうか?」
「ああ、別の入り口が開いた! 人数制限か何かがあるのかもしれねぇ。慎重に……どわっ!?」
「ウソップ!?」
「あいや大丈夫、足元がヌルついてて滑っただけだ!」
ウソップ、ロビン、ブルック、ルフィは分断され、別の道へ。
「……あれ、フランキーは?」
「──すまねェ、おめぇら。今案内を受けたんだが、どうもアームパーツのサイズが規定値オーバーらしい。一回ドックに戻って軽量化アンド小型がをしてくるんで、先言っててくれ」
「まぁジンベエが無理ならそうだわな」
「小型化できんのか、逆に」
「ルフィ、ブルック! 言うまでも無いと思うけど、ロビンをちゃんと守りなさいよー」
「おれは!?」
「ふふ、私だって、守られてばかりではないわ、ナミ」
壁一枚越しにされる会話は──そこまで。
なんでって。
「ゾロ、サンジ、チョッパー、ナミ! 後で合流しよう! おれもうワクワクが収まらねえ!」
「ちょっとルフィさん、ダンジョンというくらいですから、不用意にペタペタ触ると……」
カチ。
という、音がした。
「おいブルック……おまえが今踏んだのって」
「ヨホホホ……スイッチのようですね」
次の瞬間、地面が口を開ける。
開いたのではなく、穴ができた、という表現が正しいだろう。
「ヨホホホ!! ごめんなさい! とりあえず謝っておきます色々ゴメンナサイ!!」
「アンタね、どっちかっていうとストッパー役なんだから、ちゃんとルフィの手綱握りなさいよ!? ウソップも!!」
「わーってるよ! じゃあまたな!!」
声が遠のいていく。
落ちていく先、落ちる先。スロープのようになっているそこは左右で大きく道が分かれているらしく、ぬるぬるとした壁面を滑りながら仲間の声が細くなり──消えた。
そうして、吐き出される。ぼと、と。
「もー……ベッタベタ。汚れても構わない服で、ってアナウンスはあったけど、初手汚しに来るなんて……」
「ネトネトのナミさんも素敵だ……」
「うっさい、変態コック。……ゾロ、チョッパー。どうかした?」
「いや……」
「なんだか……身体がムズムズする。さっきの胞子のせいかもしれないから、オレちょっと胞子の成分見てみる……」
吐き出された場所は、水深の浅い、水の張った部屋。たくさんの蓮が浮いていて、どうやら次のフロアへ向かうにはこの蓮の上を飛び移らなければいけないらしい。
幸いにしてこちら側の能力者はチョッパーだけ。ゾロかサンジがチョッパーを担いでいけば、万一蓮から落ちたとしても問題ない。
はずだった。
「ん……?」
「……」
「あれ……」
「なに、どうしたのよ。何か異変があるなら早く言って」
一人だけ何も感じていないナミ。
反対に男三人は……自らの身体をペタペタと触り始める。
「……ナミさん」
「ちょっと怖いんだけど。どうしたの、そんな真剣な声で」
「いまから振り返るから……おれが今どうなっているのか教えて欲しい」
その意味の分からない願いに、一応、曖昧に頷くナミ。
ゆっくりと。
ゆっくり、ゆっくりと……サンジはナミの方へと振り返った。
「……え」
「ナミさん。……これは」
「ちょっと……触ってみてもいい?」
「……ああ」
触る。おそるおそる。
ふに、という感触が返って来た。
「嘘……偽物じゃない」
「みたいだ。ナミさん。──これで同じ風呂に入れる」
「入れるか! ……まさかと思うけど、ゾロとチョッパーも?」
「みたいだ……まだ解析中だけど、さっきの胞子でおれ達」
「……邪魔な脂肪がついた」
男三人は──全員、女になっていた。
無関心に自らの胸を揉むゾロ。興奮し、上着を脱ごうとするサンジ。
何がどう変わったのかよくわからないチョッパー。
そして一同は、あることが脳裏に浮かぶ。
「──ブルックって、どうなるんだ?」
「ヨホホホ! ヨホホホホホ! 見て、見てくださいワタシの骨格! 女性骨格になってますヨホホホ!!」
「うへぇ、自分が自分じゃないみたいだ……」
「おんもしれーなー! ここ! インペルダウンを思い出す!」
「残念ね。私は男にはなれないみたい。男の身体、というものも味わってみたかったのだけど……」
四人は与り知らぬことであるが、こちらのフロアは趣がまた違っていた。
床に張った水がなく、蓮だけは同じで、ただ壁や床の全面からフシュウフシュウとガスのようなものが吐き出されている。
「女性骨格……女性骨格になってますよー皆さん。ワタシ、女性骨格に……」
「いやわかんねーよ」
「ほ、ほら、骨盤周りとか、鎖骨周辺とか! ヨホホホ! わかりません?」
「男とか女とか良いから、早く──」
「おいルフィ、だから先走んな……って、どうした?」
「……。抜けねぇ」
「は? ……おいおい足! 床に埋まって……うわなんだこの床、柔らかいっつーか気持ち悪い感触してやがる!」
指を突っ込めば、ずぶずぶと潜っていってしまうような床。壁もだ。
それに気付かず意気揚々と足を踏み出したものだから、ルフィの足は床に埋まってしまったらしい。
「自分で抜けねえのか?」
「ぎぎぎぎぎ……。ぬけねぇ。手伝ってくれウソップー」
「仕方ねぇなぁ。ほら、引き抜くから──
ルフィの足へとまたがり、その膝を持って引き抜こうとするウソップ。
けれど、ゴム人間の足だ。伸びていくばかりで抜ける気配が無い。
「ルフィ、力入れてくれ! 伸びっぱなしじゃ抜けるものも抜けねえ!」
「それが……なんか力は要らねーんだ……」
「……この反応、海水や海楼石に触れた時と似ている。もしかしたらこの床や壁は、能力者の天敵なのかも」
「ああ、だから蓮が。これに飛び移っていけ、ということですね」
「冷静に分析してないでお前らも手伝ってくれ! おれ一人じゃ抜けねえ!」
仕方なく……脱力に脱力したルフィの身体を、全員が掴む。
ロビンは能力で大きな腕を生やし、彼の身体を握りしめて。
「せーのっ!」
ぎゅいん、と。
──伸びるのは、足。抜ける気配は全くなく──だから、その反動でウソップ、ブルックが床の方へ引き戻される。
能力で支援してたロビンだけが無事であり……そしてだから、彼女は見るだろう。
「ヨホホホ……あ、アレこれ、マズイですねぇ。ヨホホホ……どんどん身体が沈んでいく」
「ちょ、おいロビン助けてくれ! これ能力者とか関係ねぇ! おれも沈んでく!」
「ろびーん。たのんだー」
「……それが、無理そうなの。その床も壁も……腕を咲かせることができない。海楼石の成分を孕んでいるのは変わりがないみたいで」
「あれ、でもウソップさん、これ……下に空間がありますよ。突き抜けた足が風を感じています」
「ああそういや受付の奴らが言ってたっけ。攻略に失敗しても救済措置のある部屋がある、って。一部屋目だから、排出されるだけなのか?」
「なら、私はここで待っているわ」
ずるずると……ウソップ、ブルック、そしてルフィが。
ガスを吐き出す床に、飲み込まれて行った。
残されたロビンはそれを見届けて……ずるり、と崩れ落ちる。
「ぅ……」
呼気荒く。
多量の汗と、紅潮した頬。
胞子は彼女を男性へと変えることはなかったけれど──しっかり効果を発揮していたのである。
「悪趣味……。っは、ぁ……」
気道を通り抜ける酸素。喉が震える事そのもの。脈打つ心臓。
たったそれだけが、激しく激しい刺激となる。
そして──悲しいお知らせが、階下から響く。
「ロビン、聞こえるかー? おれ達は階下についたけど、入り口側への道は無いみたいだ! どうする、おまえも床を通ってこっちへ来るか、一人で行ってどっかで合流するか」
平時であれば、合流を選んだだろう。
というかウソップも選択肢自体を用意しなかっただろう。
ただ──互いにある羞恥心が、選ぶことを用意しただけ。
「平気……一人で行くわ……」
「お、おう! じゃあそっちはそっちで頑張れよ! 気を付けろよ!」
「ええ……そっちも」
理解していた。彼女は聡明だから、わかっていた。
この部屋の至る所から噴き出るガスの効果と、それが噴き出ている場所に飲み込まれた時、自身がどうなってしまうのかを。
だから、彼女は一人で行く道を選ぶ。
ユラユラ揺れる、バランスの悪い蓮の葉。誘うように……落ちることを期待するように揺れるソレに飛び乗って、飛び移って。
彼女は無事、この部屋を抜けることに成功したのだった。
対比するのもおかしな話であるが、ゾロ、サンジ、チョッパー、ナミの四人組はしっかりと四人でこの部屋を突破していた。分断される要素が無い。ただ同時に──全員の呼気が、いつもより荒い。
「はぁ……はぁ……。また、ベトベトのスロープ……。本当に合流できるのかしら、これ……」
「最悪できなくとも、財宝まで辿り着けば脱出経路があるって話だ。宝を手に入れて外で合流すればいい」
「ナミさん、安心してくれ。おれが先に……いや、ナミさん、おれに抱きしめられて」
「はいはい。馬鹿言ってないで行くわよ。チョッパーも……チョッパー?」
「お、おれ……なんかダメだ、この部屋……力が抜ける……」
「どうしたチョッパー。……このぐでんぐでんな感じ、能力者のアレだな。噴き出てるガスに海の成分でも詰まってんのか?」
「サンジ~……負ぶってくれ~……」
「しょうがねぇなぁ。んじゃクソマリモ、先導はお前が……ってもう行ってる……やばい、ナミさん!」
「ええ、ゾロが先に行くとか、絶対迷子になる! 私も行くから、サンジ君、チョッパーちゃんと抱えてついてきて!」
スロープへと入る。
ベトベトのそこを通り抜けていく内に、彼女は気付くだろう。
あ、今横道があった、と。
そして──あの方向音痴は、絶対にあっちに行っているだろうな、と。
方向音痴は関係ないのに、なぜか絶対の信頼のもと彼の行く末を案じ……彼女はスロープを抜けるのだった。
そこは。
「……なにこれ。悪趣味……」
「あら、ナミ」
「ロビン? 良かった……けど、一人だけ?」
「ええ。一部屋目のトラップに、私以外の全員が引っかかってしまって。そちらは?」
「……順当に滑ってくるなら、全員来るはずなんだけど……」
ナミの通って来たスロープ。
そこから、誰かが出てくる気配はない。
頭を抱えるナミ。
「フフ、彼ららしいわ」
「っとに、肝心な時に使えない男ども……というか……」
「あら、その感じ。そちらでもそうだったみたいね」
「……ブルックもそうなったの?」
「ええ、女性骨格になった、とはしゃいでいた」
「理解しかねるわ……」
さて、現状把握と現実逃避はここまでである。
改めて──二人はこの部屋を見る。
「……この、海藻……というかタコの足みたいなのは」
「触手と言った方が的確でしょうね。……掻き分けて進む必要があるみたい」
「はぁ……。あ、そうだ。さっきの部屋じゃチョッパーが脱力してたけど、あんたは大丈夫なの、ロビン?」
「こっちの部屋だと、壁や床に触れると能力者が脱力する、という仕様になっていたわ。だから私は大丈夫」
「意気揚々とルフィが床を踏んだんでしょ」
「ええ、それはもう」
ありありとその光景が浮かぶ。そしてそんな彼を助けようとして、巻き添えをくらうウソップ、ブルックの姿も。
「進みましょう、ナミ。どの道退路はないようだし」
「ええ。……色んな海賊がこぞって狙う財宝なんだもの、多少悪趣味なつくりをしていても、財宝の豪華さは折り紙付きなはず!」
一歩を踏み出す。
──瞬間、ナミは恐ろしいまでの不快感を覚えた。
ぐじゅる、と……触手に足を掴まれたのだ。
「いや」
悲鳴を全て上げる間もなく、触手の森へと引きずり込まれるナミ。
彼女へと手を伸ばしたロビンもまた、触手に腕を絡めとられ……飲み込まれて行く。
じゅるり、ぐじゅるり、と。
服の中へと侵入してくる、ザラザラとした触手。
「ちょっと、この変態触手!! どこ触って……ひゃあ!?」
「……やっぱり、このダンジョンに満ちる成分は……媚薬の類のようね」
「何冷静に分析してんのよロビン、そんなことわかりきって……ちょ、ちょっと! 本気!?」
服の中をまさぐる触手は、何の遠慮もなく彼女らの恥部に触れる。
乳房に絡みつき、乳首をサラリ。
両足に絡みつき、それを開いて陰核をサラリ。
情緒も余韻も無い、あまりにも「ソレ」を目的とした愛撫。
「フランキーの言ってた、この迷宮は生きている、って話……!」
「まぁ、良いんじゃない、ナミ。船は男所帯で、発散する暇なんて無かったのだし……」
「なんで受け入れてんのよ!」
「残念ながら、この触手も能力者を脱力させるみたいで、私はもうされるがまま。……んっ。……だから、頼れるのはあなたしかいない。でもその様子だと」
「ぅ……ぶ……!?」
愛撫……だけでは、当然飽き足らず。
一部の触手が、まず入りやすい穴に入る。
布で覆われていない穴。
わかりやすい穴。
口だ。
「ぉ……げ、ぁ……!」
「……う」
ナミのその様子を見てロビンは固く口を閉じるけれど、では、とばかりに触手たちは次の穴をねらう。
穴。厳密にはくぼみでしかないソコ。
「ぅ……う、うっ!」
ヘソ、である。
露出したロビンのヘソに、太くてベタベタした触手が何度も何度も入り込もうとする。それによって内臓は圧迫され、何度か口を割りそうになる。
けれど、今か今かと顔の前で待ち構える触手を見れば、口を開こうとは思えなくなるだろう。
「ぁ、ぁが、ぉ──げあ!?」
近くで、ナミの身体が持ち上げられる。
無数の触手に絡めとられた彼女の身体。胸元に群がるものと──下腹部の群がるもの。
中でも彼女愛用のホットパンツの中に入り込んだ幾本かの触手が、不自然な途切れ方をしているのをロビンは見た。
予測は──簡単につく。
彼女の反応を見れば、さらに簡単に。
「あ、ああっ、あ、ぁ、ぁっ!」
「気持ちよさそう」
「んん!? ンィン、ンン、ンンン!!」
「ふふ、何を言っているのかさっぱり」
いつもの怒り顔でロビンを見るナミ。けれど、今回ばかりは迫力が足りない。
乳房を揉みしだかれ、陰核に絡みつかれ、ホットパンツの中では恐らく尿道、膣、肛門の中へと触手が入り込んでいる。証拠と言ってはなんだけど、彼女の下腹部は不自然なまでに盛り上がり、時折ぐにゃぐにゃと何かが動いているのが見て取れた。
そして、ビクビクと痙攣する身体。
苦しい、より。
気持ちいい、に塗り替えられて行く……彼女の表情。
「ぁ……」
そして、ついにロビンの方にもソレが来る。
チロチロと蛇の舌のようにその「入り口」を撫でていた触手が……ずるり、と。
彼女のナカへと入って来たのだ。
「ええ……構わない。船で発散することは難しいから……存分にやって」
「ンンンンン!!」
では、と。いただきます、とばかりに。
触手が殺到した。
目を覚ますとゾロは、シモツキ村にいた。
「は!?」
シモツキ村である。長閑というより閑散としていて、時折聞こえてくるは竹刀と竹刀が打ち合う音。
そこに、一人でいた。
一人で、全裸でいた。──女の身体で。
「……ゾロ?」
「っ!」
彼としたことが、背後を取られた。そのことに気付いて刀を抜こうとするも……腰に佩いていた三本がどこにもない。当然だ、今彼は全裸なのだから。
それでも彼には無手での剣術が存在している。
だから慎重に振り返って──その顔を視界に収めた。
「メガネ女……?」
「なにそれ……私、メガネなんてかけたことないよ」
似ている、じゃない。
似ている彼女、じゃないのだ。
声も。仕草も。顔は勿論──あり得ることの無かった、「成長した後の身体」も。
あまりにも。
「くい……」
「それよりゾロ、なんで裸なの? ……そういうシュミ?」
「……」
「なに、怖い顔して。──折角女になったんだから、もう弱くたっていいのに」
あまりにも──彼の想定通り過ぎて、すぐにわかった。
これが幻影だ、と。
「ねぇ、ゾロ。気持ちいいことしようよ。女の子になったんだから……世界一気持ちいいこと」
「うるせェ」
大切な思い出を穢していく幻の発言。
勝る苛立ちは、彼の腕に鬼気を宿らせる。
「ゾロ……。ねぇ、少しの間だけでいいから
「無刀流──」
「……なら、仕方がないか」
「龍ま──ア!?」
彼の腰に、するりと手を回すものがあった。
彼の足に、しなりと倒れ掛かるものがあった。
「ね、ゾロ」
「ゾロ……ちょっとだけでいいから」
「どうせ消えちゃう幻なんだし……聞かせてよ、強くなったゾロの話」
「見せてよ……どれくらい強くなったのかを」
抱き着いてくる彼女が。
抱きしめてくる彼女が。
一斉に、同じ言葉を発する。
「私達に」
──見渡す限り。
シモツキ村の、ありとあらゆるところにいる、「大人になったくいな」の幻影。
ゾロに駆け寄ってきて、彼の身体に纏わりつく「くいな」達。
「相変わらず弱いね……でも、女の子になったんだから、しょうがないよね」
耳朶を打つ言葉と共に、彼の身体から力が抜ける。
して──その唇に、唇が重ねられた。
ヤメロォ! と。
その声を上げることさえ許されぬまま──ゾロは無数の「くいな」に貪られて行く──。