※この作品はR-18です。

【完結】ヒロイン全員子持ち人妻の小説が完成した!   作:hige2902

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第十五話 鷹峯

「ごめんなさい! わたしが床のお掃除を適当に済ましちゃったせいで」

 

 本当にごめんなさいと、気の毒なほどシレリアは謝り倒した。

 が、バタバタしていたし、彼の制止を振り切って搾精したのは全員の意思だ。誰が悪いかと言えば全員が悪い……鷹峯は、可哀想。

 交渉に入る前になんだかどっと疲れたが、とにかく強引な仕切り直しで鷹峯がテーブルの上に資料を並べる。

 

 主な用途や建設後の土地の青写真、騒音対策や排水に関する河川の安全基準などを説明した。

 彼からすれば、へぇー半導体? なんかパソコンとかに使うやつ? くらいの理解度だが、専門用語を使わずに要点を簡潔に説明してくれる鷹峯のプレゼンはわかりやすかった。

 もちろん今住んでいる山に工場の影響は無い。

 

 最終的に彼が手にするであろう額に一同は目を丸くした。とりわけ以前から商談を受けていた彼からすれば、アイツらどれだけ買い叩いてたんだと呆れるほど。

 鶴技が出せる限度額、それに今回の慰謝料として上乗せされていた。財務関係がすでに出血している現状では、苦しいを通り越している。

 だがそれでも鷹峯は金を会社から引き出した。それが正道であり、誠実であれという鷹峯家の理念の貫徹、責任の取り方だと信じて疑わなかったからだ。

 

 交渉においていきなり手の内を明かす事はそうない。叩き台としての価格の提示から交渉に移り、売り手と買い手が相互に合意していくのが一般的だ。

 また鶴技が抱える事情が事情なので引き渡し時期も異様に早く、少し前に半グレに騙されそうだった事もあり、ともすれば怪しさもあった。

 

 彼は犬衣を見やるが、まだなんとも判断に困る様子。

 じっと契約書と脳に焼き付いた金額を反芻し、ぼんやりと思った。

 

 これだけの大金を動かせる人が、どうして隙を見せたのだろう。

 

 鷹峯という名くらいは聞いた事がある、エリートだ。目の前の妙齢の女性は、見るからに仕事ができる雰囲気がある。しかし、だとしたらと疑問が湧く。

 

「そもそもどうして相続した時に鶴技さんは話を持ってこなかったんですか」

 

 その確たる空白期が外部に漏れたからこそ、チンピラたちに付け込まれる事になった。

 のんびりしてたから、という理由では無いはず。

 

「忌中でしたので」

「じゃあ契約します。ここに名前を書けばいいんですか?」

 

「え?」

 と鷹峯。ぽかんとしている。

 

「えっ!」

 とシレリアたち。唖然としている。

 

「それは……即決していただけるならこちらとしても、とても助かりますが」

 まさか今日中に纏まるとは思っていなかったので肩透かしを食らった気分。

 

「ちょ、ちょっと待って。いいの!? そんな簡単に!」

 犬衣が慌ててボールペンを探す彼の肩を掴む。

 

「だって良い人ですし、大丈夫だと思ったんで。マズそうですか? この金額じゃあ」

「そりゃ、まあ妥当というか、十分すぎるほどだけど……普通はこういった契約はじっくり考えてから行うものなの!」

 

「そうですか。じゃあ……」

 と言って家計簿を取り出してしばらく睨めっこする。固定資産税などのあらゆる問題が解決していき、生活費も潤沢になる。シレリアにもっといい物をたくさん食べさせてあげる事が出来るだろう。

 一見して万事うまくいくように思えたが、収入の欄を眺めていると看過できない点が浮かび上がってきた。

 確かに犬衣の言う通り、再考が必要だったようだ。

 

「やっぱこの金額じゃ無理です。すみません、土壇場で急に」

 

 鷹峯は唇を噛んだ。

 やはり一筋縄ではいかないか。誰だって金は欲しい。非がこちらに以上、価格を釣り上げるのが当然。いったいどれだけ予算は膨らむ、いつになったら契約は締結される。考えただけでこころが油汗をかくようだ。

 

「金額についてなんですけど」

「確かにこちらの不手際で皆様方にご迷惑を」

「この三分の一くらいにしてもらえません? 四分の一とかでもいいんですけど」

「ですがこれ以上の増額というのは」

 

 なん……なにか……聞き間違いか。彼以外の全員がうまく事態を飲み込めない。

 鷹峯の脳裏に浮かんでいた、彼を納得させるための数々の文言が意味をなさなくなり、出てきたのは子供がするような戸惑いだった。

 

「ふぇ」

 

 まるで理外の条件が飛びだした訳は、家計簿を改めている時、ふと収入の欄に記載されているAVの項目に目が止まったからだ。

 土地を売った際のお金があったら、もうAVで稼ぐ必要は無い。

 

 それは彼にとってちょっと寂しいものがあった。いやたとえ大金を得たとしても犬衣たちは応じてくれるだろうが、それはもうそういうプレイなのであって、資金のやり繰りの延長線上にある性の戯れでは無い。

 

 その差異を理解できる者は多くないかもしれないが、とにかく彼は後者に潜む危うい特異な快楽を手放したくなかった。

 義務として定期的にするとなると嫌かもだが、たまーに思い出したようにヤりたい。

 

 その望みを叶えるなら、提示された金額を減算させればいい。

 それでも大金に違いないが、仕事を辞めて暮らせるほどではない。長期的な収支を考えれば、頻度を落として個撮を続行するには十分な建前。実際に売らなくてもストックとして保存すればいい。

 

 彼は愚かなのか。いや素直なのだ、じぶんの下半身に。これを愚直という。

 

「り、理由を、訳をお聞きしても……?」

 

 なんとか意識を取り戻した鷹峯が尋ねる。が、まさかAVを出す必要性が無くなるからとは言えない。ので、他に感じたままを口にする。

 

「え、そうですね……んー、なんか色々と大変なんですよね? 例の件で工期の遅れがでてるとかなんとか。会社もあんまりお金に余裕が無くて困ってるんじゃないですか?」

 

「いやいやいや、お金に困ってるのはきみもでしょ! なに言ってるの!?」

 犬衣が彼の両肩をゆすりながら正気を疑う。当然だ。

 

「それに忌中だからって気を使ってくれたし、どっかで見た事あるなって思ってたけどもしかして、葬式に来てました?」

「え、ええ」

 

「やっぱり! どーりで忘れてるわけだ。どうでもいい場所での事だから覚えてなかったんだ、鷹峯さんの事」

 

 彼はようやく合点をいかせた。

 顔も知らない親が亡くなったところで何の感慨も無く、ただただ早く終わらないかなとボーっとしていたから失念してしまっていた。

 

「それでまあ、責めてないって前提で聞いてほしいんですけど、鷹峯さんが忌中に遠慮して大変な事になっちゃったのは確かかもです。でもそれは善意から出た事で、そういうふうに思いやってもらえた事の方がおれは嬉しいですし。悪いのは悪い事したやつらっていうか」

 

 そう言われると犬衣は小さく嘆息して手を離す。葬式にまで顔を出しているのなら、よほど筋の通った人間だという事くらいわかる。

 呆れ混じりの微笑みを浮かべた。

(ほんっと、いい男だわ。まったく)

 

 他の三人も、同じ気持ちだった。

 そして女としての情欲が燃え上がる。

 鷹峯が来る前に彼を射精させはしたが、和狸を除いてじぶんたちはイってないので事実上のお預け状態だった。

 実のところ先ほどから肉壺が疼いて仕方ない所にそんなカッコいいところを見せられると辛抱堪らない。もぞもぞと太ももをすり合わせる。

 早くこの男に抱かれたいという肉欲が増大していくのを感じた。

 

 そんな四人とは別に、鷹峯は目頭が熱くなった。

 じぶんの選択は間違っていなかったのだ。高潔を胸に優雅さと力強さを兼ね備え、誠実であれという一族の理念。それに殉じる生き方は。決して間違っていなかった。

 正しかった。

 

 こうして、とんでもないスピードで契約は結ばれ、鶴技最大の困難は乗り越えられる事となる。

 

 

 

 xxxxxx

 

 

 

 その場で部下への連絡を終えると、鷹峯は本当に肩の荷が下りた気がして放心した。首をこてんと傾け、心ここにあらずといった感じ。

 

「ずいぶんとお疲れのようですし、甘い物でもいかがです?」

 

 シレリアが気を利かせて用意する。

 鷹峯はその好意に甘える事にした。張り詰めていた糸が緩み、今までの疲れがどっと押し寄せてきた気がする。気付けば口の中もカラカラだし、糖分を摂取しておきたい。

 

 歳も近いせいか話は堅苦しいものにならず、とりとめのない話題が続く。というか少し前に一生分笑った仲なので打ち解けるも何もない。垣根のような物は何も無く、案外これが功を奏して契約が結ばれたのかもしれない。

 

 唯一彼は歳が離れた異性であるものの、すでに四人の人妻と濃密に接しているので話運びは上手く接することが出来た。

 こういった気の置かない歓談は家族の団らんを別にすればなかなか無かった。

 案外それが、鷹峯にとっては心地よかった。

 

 大仕事が片付いたのもあって、心身ともに力が抜けていたのもあるかもしれない。とっくに紅茶は飲み干したが、楽しくてなんとなく抜けるタイミングを失った。

 構わないか、と内心でぼんやり考える。この日は長期戦も覚悟でスケジュールは空けてあるし、地域住人とは仲良くしておくべきだ。

 

 日が落ちかけた頃に、犬衣が台所に立って軽く肴を作る。小料理屋を一人で切り盛りした腕は伊達ではなく、あっという間に気の利いた小皿が並んだ。

 そこに彼女が部屋から持ってきた日本酒の合う事合う事。

 

 全員が浮かれていた。

 鷹峯は人生レベルの試練を乗り越えた達成感と途方もない安堵。シレリアたちは純粋に彼の抱えていた問題が解決して嬉しかったし、彼はやっかいな土地を売り払えて言う事無しだ。

 

 和狸は犬衣たちと写真を撮って夫に送り、ママ会という事で泊まるつもりだし、鯨宮は親戚として契約に立ち合うため、この日はホテルを取ったと伝えてある。

 

「やっぱ大変だったんじゃないですか? いろいろ妨害されたり嫌がらせされたりで」

「そうですね、少し……もう諦めかけた時もありました」

 

 彼の言葉で鷹峯は少し前の過去を瞼の裏に描き、酒の入ったコップを両手で抱え、そう零す。零して、じぶんでも驚いていた。

 端的に言えば油断していた。本来であればこんな気持ちを吐露するはずがなかった。

 弱みを見せる事など今までの一度だってなかったというのに。

 

「でもやり切ったんでしょー、ほんっとに大したもんだと思うわよー」

 

 若干絡み酒の犬衣が鷹峯の肩を抱いて、まだ酒の残るコップに注ぐ。

 

「そーよそーよ、わたしなんて当事者じゃないのに今日のお話にすっごい緊張しちゃって。ああいうふうにキビキビ説明するのなんて無理よー」

 真っ赤な顔の和狸が出し抜けに鷹峯の頭を撫でる。

「偉いわー」

 

「んぇっ!?」

 

 急に腑抜けた声が漏れ出る。

 出来て当然に扱われ、またその生き方をしてきた彼女にとって、それはまったく耐性の無い事だった。

 へぇーすげー、といった羨望を遠くから投げかけられる事はあっても、こうもストレートにぶつけられるのは経験に乏しい。

 

「……い、いえそんな事は、別に全然」

 

「凄いですよ、あんな莫大なお金のやり取りなんて、おれには絶対無理。胃が痛くなりそ」

「ね? だからちゃんと誉めてあげないと」

 

 と和狸は彼を手招きする。つまりそれは同じように撫でろと言っていた。

 ふらふらと歩きながら、酔っ払った彼の最後の常識がブレーキを掛ける。きょう出会ったばかりの年上の女性の頭に手を置くってちょっとマズいんじゃ……

 ピタリと腕を止めて窺う。

 

 鷹峯は拒絶するでもなく求めるでもなく、恥ずかしそうに頬を染めながら上目遣いで待っていた。

 まあいいかとサラサラの黒髪を撫でる。

 

「え、えへ」

 

 無意識に口元がほころんだ。

 まるで親に褒められた子供。

 それを見て、うずりと全員の母性が首をもたげる。

 

 のそりとシレリアと鯨宮も近寄ってよしよしする。

 

「さっきはごめんなさいね。わたしたち、最初の方にちょっとイジワルな言い方しちゃって」

「鷹峯さんは悪くないってわかってたんだけど、この子に入るお金が少しでも多くなればって思っちゃって。ごめんなさい」

「わたしが発案しちゃったんだけど、後悔してるわ。嫌な思いさせたわよね?」

 

 

「あれは、でも、あの時わたしは……」

 

 本来であれば決して口にしない、してはいけないはずの吐露が喉元まで上がってくる。

 だが言いようのない多幸感が脳に満ちた状況で、この人達なら打ち明けてしまっていいと、戒めに対して譲歩したくなった。

 

「ほんっとは、わたし」

 

 呼吸が短く、荒くなる。ぎゅっと目を閉じた。

 深く息を吸う。

 

「とっっっても不安でみなさんが被害に遭ったと聞いて罪悪感で溺れそうになって逃げたかったんですうぅ!!」

 

 鷹峯は産まれて初めて弱音を吐き出した。

 後悔とも解放ともつかない心情が渦巻く。娘にはもとより夫にさえ決して見せなかった姿。

 

「そうよね! 心細かったわよね! わたしたちが悪かったわ」

 

 シレリアががばりと抱きしめると、不思議な安堵を覚える。

 そして初めて口にする不平不満。誰でも持っているそれを、一族とは関係ない人達に、会ったばかりだが気心の知れた人たちに白状した。

 全員がその負の感情や逃げ出したい気持ちを否定するでもなく受け入れてくれる。

 

「……そう、大変だったのね、お家の立場を守るのも」

 和狸が頬に手を当てて、じぶんの事のように憂う。

 

 彼が気軽に言った。

「じゃあ今日だけは会社の事とか一族の事とか全部忘れてみるってのはどうですか」

「そうよそうよ、たまには息抜きしないと。わたしたちもそうだもの」

 と鯨宮が少し意味深な笑みを浮かべる。

 

「まあー確かにハメを外す事はあるわよねー」

 犬衣の含みある言い方でなんとなく小さな笑いが起こる。

 

 彼がしたのは些細な提案だったが、それでも鷹峯の胸は満たされた気持ちだった。

 彼女にとって立場から一時的にでも降りるそれは、秘密の花園で果実を手づから採り、そのまま齧るような背徳と自由があった。

 その後も鷹峯の愚痴を肴に宴会は深く進む。

 

 

 

 xxxxxx

 

 

 

 鷹峯は横になった視界でゆっくりと我に返る。どうやらソファに寝かされていたらしい。

 疲労でうたた寝してしまったようだ。

 話を聞いてもらっておいて、なんだか悪い気もする。だが目の前の光景に動けなかった。

 

(え!? この方たち、何を……)

 

 鷹峯がうつらうつらと船を漕いでからも酒は進んで、とうとう犬衣が悪乗りしだす。上を脱ぎ、シレリアに頼んで胸の谷間に酒を注いでもらって彼に飲ませようとした。

 

「ねえーほら、早く飲んでよー。こぼれるからあ」

 

 アルコールで火照って少し赤くなった乳房を目の前にしては抗えない。谷間に口を押し付け、啜るように飲み干した。

 異世界のいやらしい様式にまた一つ感銘を受けたシレリアもやってみたいと申し出る。

 にまぁ~と笑って犬衣は彼女を脱がせて横に寝かせると、ほっこりとした脇に酒を満たした。

 

「ちょ、ちょっとそんなところ!?」

「あー動かない動かない、溢れちゃうでしょ」

「で、でもぉ」

 

 灯りに誘われるように、彼は唇を付けた。

 果実のようにかぐわしいその器で飲む酒は別格だった。飲み干した後も入念にねぶる。甘美な汗が尽きない酒のようだった。

 

「あっ、あん♡ くすぐったい、から、もうっ♡」

 

「腋も気持ちいいのよねー」

 

 おっとりした様子の和狸が一升瓶を口に当てて傾け、頬を膨らませて彼の顔を両手で掴んで口付ける。

 

「ん──ーー♡」

 

 そのまま流し込みながら舌を絡ませた。

 

「んちゅ♡ っぷは、っはぁ、んふふ、おいしー?」

「あ、は、はい」

 

 シレリアが彼の手を取る。

「いいなー、ねえわたしもお口で飲ませてほしい」

 

 そうして誰かが誰かの酒を飲み、誰かが誰かに酒を飲まされ、全員がもうまともな判断が出来なくなっていた。鷹峯がいることすらおぼろげになり、もう寝てるしいっか、と半裸の乱痴気騒ぎになる。

 後はもうなし崩しだった。

 悪酔いしたと言った鯨宮が胡坐をかく彼の太ももに頭を預けて休んでいたのだが、いつの間にかこっそりフェラしだす。

 見つけた犬衣が口を尖らせる。

 

「ちょっとおぉー抜け駆けは良くないわよ」

「じゅぼっ、んぼぉ、あん♡ バレちゃった♡ れろっ、んじゅ~~♡」

「そんな下品なフェラ音立てたら誰だって気付くわよ」

「だってぇ、ずちゅ、すぐ近くでこんなおいしそうな臭いがしたら、ぢゅるっ、我慢できるわけないじゃない♡ んあむっ」

 

「もーそんなエッチな人にはお仕置きです」

 

 和狸がしゃっくりしがら鯨宮のスカートを捲り、ショーツをずらして濡れそぼった秘部に指を入れる。

 

「あはは、すっごい、ぐっしょぐしょ~」

「じゅずっ!? いやん♡ おしゃぶりに集中させてぇ、もうちょっとで射精しそうなのにぃ♡」

 

 そう言いつつも、手マンしやすいようにがばりと脚を広げる。

 

「れぉっ、んろぉお♡ ちゅぷ、ちゅるっ、ぢゅるるるっ」

 

「二人ばっかりズルいわよ。ね、犬衣さん」

「んふっ、じゃあわたしたちはこっちを舐め舐めしてあげようかしら。シレリアさんは右ねー」

 

 二人はそれぞれ彼の乳首をしゃぶった。唇をべったりとつけて、力強く舌を這わせる。

 

「んれろぉ、ちゅ、ぢゅるんっ♡ ろう? 犬衣さんに教わったんだけど、男の人も気持ちいいって。んむちゅ」

「ずちゅゅうう、べろべろべろ。んっくちゅうぅうう。っぷあ。おいし♡ いつも乳首を舐められてイかされてるお返しよ♡ っずちゅ、ちゅっ♡、んあ」

 

 舌裏のつるりとしたところと表の少し粒だったところで交互に舐め回される。女のそれに比べて小さい乳頭を甘噛みされると男根が跳ねた。

 仕返しとばかりに左右に侍らせた美女に肩をまわし、柔乳を鷲掴みにする。決して口を離さず、シレリアと犬衣は甘美な刺激に呻いた。

 下では鯨宮が仕上げに入っている。

 

「んもっ! ふじゅ、んっ、ぶちゅっ! ちゅぐっ、んお゙っ! ぢゅぢゅぢゅぢゅぅぅっっ、じゅるるるるぅぅう!」

(らひてぇ、お昼時のおすそ分けザーメンじゃなくて、直飲みしたいのぉ♡ きみの濃いいのっ独り占めさせてえ♡)

 

「叔母さん、もう無理」

 

 耐えていた快楽が決壊する。煮えたぎった精が陰茎をせり上がる。

 

 ドッビュウウウウ! 

 

 鯨宮は射精と同時に一気に根元まで咥え込む。

 鼻の下を伸ばし、頬をへこませて下品なスケベ顔を平気で晒しながら、激しく吸引しつつチンポを引き抜く。

 

「ぢゅるるるるるるるううううぅぅぅ~~~~」

 

 じゅぽんっ、と亀頭を離すと男根がぶるんぶるんと揺れる。

 

「すっごおぉい。なんかカツオの一本釣りって感じ。あはは」

 感心したように犬衣が言った。

 

「鯨宮さん、すぐお潮を噴いちゃうって聞いてたけどホントなのねー。おしゃぶりの間に何回も噴かせちゃった♡ ほら、わたしの手もびちゃびちゃ」

 

「ごきゅ♡ んぐっ! っぷ。ふぅ──」

 恍惚の表情で男の精を飲み下して答える。

「そうなのよ、セックスしてる時はもっと凄いけど……見たい?」

 

「気にはなるけどダメよ。もう交代、わたしだけ今日はまだ出してもらってないんだから」

 

 昼間に溜め込まれたムラムラを抑えきれずに、せっかく作ったヤリ部屋に行くのもおっくうになって盛り始める。

 

(ど、どういうことなの!?)

 

 鷹峯は薄目で、眼前に繰り広げられる痴態に固唾を飲んだ。昼間の交渉時とは違う動悸の速まりを感じる。

 全員が彼の肉棒を奪い合うように求め、時に快楽を共有するのと同じように奉仕して絶頂させる。いつの間にか女性どうしで性器を舐め合い、乳首を甘噛みし合い、口を重ね合いもする。

 仲のいい主婦たちという言葉だけでは到底済まされない煮詰まった肉欲、熟した痴情、発酵した不道徳の限り。

 

(みなさん、酔ってしまって)

 

 という理由では片付けられないが、他に思いつかない。

 

「ああイクッまたイク♡ あぅっ、お゙っ来る、大きいの来るっうう! イ゙グイ゙グッッ! イ゙ッッグぅぅぅううう!!」

 

 盛大に噴いた潮がばたばたと床に落ちる。逆駅弁で秘部を晒しながら激しくイったシレリアから、ずろんと肉棒が引き抜かれた。穴からは白濁液がむにゅりとひり出され、落ちるよりも早く鯨宮が啜る。

 

「んぢゅっ、ずずずずっ! んっぅく、んぐ、ずるるっ♡」

「やあん、飲まないでぇ、わたしに出してもらったのにぃ、それにまだイったばかりで、んあぁっ! あひぃ」

「っぷはぁ、ごちそうさま♡ だって床に落とすのなんてもったいないじゃない」

「それはそうだけどぉ」

 

「えっ!」

 

 不意に鷹峯が声を漏らす。漏らして、しまったと迂闊さを後悔した。

 だがそれも仕方のない事だった。ただでさえ複数人の子持ち人妻であるというのに不貞を働いている異常、それに加えて容赦無いナマ中出しとあっては驚くなと言う方が無理だ。

 一拍の沈黙が降りる。

 

 映画で例えるなら、殺人現場を見てしまった一般人といったところ。

 

「あら~起きてたなら言ってよー」

 と和狸がいつも通りの口調で言った。

「どう? 鷹峯さんも一緒に」

 

「えっ、いえわたしは、け結構です」

 

 しどろもどろになりながら、じぶん以外全裸なので目のやり場が無く視線を床に彷徨わせる。逃げ場は無く淫液まみれだった。

 

「え~でも気持ちいわよぉ」

 犬衣が腰に手を当てて、グビリとスポドリを一口やる。

「頑張ったじぶんへのご褒美だと思えばいいじゃない」

 

 ずっ、と身体が熱を持った。

 

「でもわたし、は、夫も、娘も……」

(ご褒美、と言えるほどなの?)

 

 ちらと彼の身体を見やる。何人もの人妻を抱いた行為後の、若い男の色香がむわりとたゆたっている。首から上は恥ずかしくて見れない。

 そもそも不貞は鷹峯の掲げる誠実さから遠くに位置するものだ。

 

「まあまあ、今日は鷹峯グループとしての立場を忘れるって言ってたじゃない」

 いつの間にか鯨宮がブラウスのボタンを外しにかかっている。

「大丈夫よ~効き目抜群の避妊薬があるからナマでヤり放題♡ 好きなだけ子宮にどぴゅどぴゅ射精されて気持ちよーくなれるんだから」

 

「鷹峯さんだって、シたいんでしょ?」

 シレリアが脚を無理やり開く。

「ほら、わたしたちのエッチを見ながら、ズボンの上からおまんこ触ってる」

 

「ちがっ!」

 

 反射的に否定するが、じぶんでも知らぬうちに指は秘部へと伸びていた。

(う、嘘……いつの間に?)

 

「……こ、これは」

 

 弁解の口に犬衣がコンウェニを放り込む。

 

「ちゃんとごっくんして。じゃないと孕む(デキる)からね。それは本妻のシレリアさんが最初だから」

「そういえばその辺りの話をあんまり聞いてないわよね」

「プロポーズの言葉が気になるわ~。後で教えてね」

 

 犬衣と鯨宮がのほほんと井戸端会議しながら手早く鷹峯を剥く。

 

 本来であればシレリアたちはこんな事をしない。少なくともコンウェニの薬効について(シレリアを除き)不確かさが残るものの今のところは大丈夫。ナマ中出しで気持ちよくなりたいなら自己責任で。というスタンス。

 

 そもそもこのような強引なセックスへの持って行き方も素面なら絶対しなかった。勧めはしただろうが。

 

 つまり飲酒が原因だった。舞い上がって、調子に乗って飲み過ぎた始末がこれだ。

 性行為による運動でアルコールを分解する速度が遅くなったのもある。

 

 酔った末の一夜の過ち。

 それがまかり通るから、この人妻たちはハメを外しているのだろうか。

 

(なら、許される? わたしも飲みはしたけど)

 

 しかし真実なところ鷹峯はまったく酔っていなかった。

 強靭な精神と類稀なる才覚を持つ彼女は、仕事だろうがスポーツだろうが苦手な物は無い。酒にもめっぽう強く、飲んだくれて舞い上がってる他の五人とは違い、素面に近い状態。

 

 羞恥と好奇で心臓が強く打ち鳴らされ続けていた。

 視線は、ソファに座った彼の屹立した男根に注がれている。複数人の淫液で淫猥に怪しくぬらめいていた。

 誰かに腰をやんわりと押され、彼に跨る。

 

 周囲からは、「一度だけなら大丈夫」とか「ダイエットにもいいわよ」とか「みんなやってるから」といった甘い誘惑の言葉。

 それに加えて、身体でもってして今回の不手際を精算させるという大義名分じみた答えが湧き上がってくる。

 

(娘よりほんの二、三歳上の男の子と寝るなんて)

 

 流されるまま、怒張する男根におそるおそる腰を落とす。ぬちゅと性器が触れ合った。

 そのまま体重をかけると、僅かな抵抗感の後でずりゅりと膣口が亀頭を咥え込む。カリ首がきゅっきゅっと、柔らかな嘴で何度も甘噛みされるようだった。

 

「あんっ……これ、久しぶりっだから、ああっ」

 

 歯を食いしばり、目を細めて耐えながら男根をみずからに迎え入れる。

 膣壁をぬらぬらとうねらせ、再びの抵抗感を覚えた。それも無理やり押し通すとやはり入り口の時と同じように甘噛みされる。俗に言う俵締めだった。

 

「っはあっ! っはあ、あっ、っく。ぅぅう」

 

 すでにどろどろの本気汁が溢れ、これ以上の侵入を許すのは少し怖かった。だがそれよりも子宮の疼きが勝る。意を決して全体重をかけた。

 

 ずぢゅん! 

 

「おごっ!? おっ!  んはあぁっっ♡」

 

 腰をぴったり付けて、身体を彼に預ける。すでに全身から汗がじっとりと滲み出て、肌は美しく艶やかだった。

 

「はぁっ! はぁっ! んふっ、ふうぅっ、全部、はいった。はっ……はっ……」

 

「あら、凄いじゃない、彼のちんぽをぐっぽり全部食べちゃうなんて」

 

 まるでわが子がテストで良い点を取ってきた事のように鯨宮が褒める。

 

「え? えへへ、そう? ですか」

 

 ふにゃりと口元を緩ませる。

 

「じゃあ次はゆっくり動いてみましょうか。おっぱいを密着させて擦り付けるように、前後にね。無理して上下にぬぽぬぽしなくていいから」

 

 ぬちゅ、ぬちっ。

 

「はぁ、あう。これっ、きもち、あんっ。んひっ」

 言われるがままに従う。

 

 シレリアたちは視線を交わし合う。なんとなく鷹峯の扱いを理解しだした。

 犬衣が口を開く。

 

「えらいえらい。じゃあ次はじぶんがどうされたいか言ってごらん。どんな鷹峯さんでも、みんな気にしないから」

「ああんっ、んぁっ、あっんっ♡ わた、しは……わたし」

 

 快楽で碌な思考もままならいなまま、ただただ本能に従う。

 

「ほっ、ほんとは周りの方やみなさんが思ってるより、ひゃあぅ! ずっと、弱くてぇ」

 肉壺のヒダは彼女の不安を表すように、縋るかのごとくみっちりと男根に吸い付く。

「あぅっ、あっ、お仕事っでっ、妨害されてっうまくいかなくてわたしっホントはもっと」

 

 彼はぎゅっと鷹峯を抱きしめた。首に手を回し、頭を撫でる。彼女の動きに合わせて、ゆっくりと腰を突き上げる。

 

「でも諦めなかった鷹峯さんは本当に凄いです。逃げずにやり遂げようとしたんですから、それにちゃんと契約を結べたし」

 

「あひゅっ! はぁああん、しょんなことっ♡ んおおっ!」

 膣を突かれながら耳元で囁くように慰め、褒められると、頭がチカチカするほどの多幸感がほとばしる。

(なにっこれぇっ! すごいっ、あたまきもぢい゙♡)

 

「鷹峯さんはお仕事たくさん頑張ったんだから、おちんちんでいーっぱい褒めてもらわないと」

 シレリアがにこやかに言った。

 

「ん……っく! はっ、はぁ……んん、おおっんお゙っ♡」

 

 みずからの弱さを吐き出しながらするセックスは、鷹峯にとってまったく未知のものだった。ただの性交以上の、まばゆいばかりの価値を含んでいるとさえ。

 

 そもそも男女の経験も少なかった。

 一族のしきたりにより、婚約は複数人のお見合いによって決める。相手は全員が相応の家柄で、彼女と同じく清い人間関係だけを続けてきた。

 

 知った異性の身体はお互いの一人だけ。夫である静人のそれ以外は何も知らない名家令嬢の膣に、何人ものドスケベ人妻穴を知り尽くしたオスの肉棒は劇物だった。

 

 弱い所を一瞬で見抜かれ、あとは問答無用で得難い快楽を享受させられる。

 次第に抽挿は激しくなり、滴る淫液の量も増した。粘質な水音と、二人の腰元を何本ものネバネバの糸が繋いでいる。

 

「んおっ♡ お、お母さまからは結果を急かされるし、んぅ、睡眠時間も、んほっ♡ おおおおんっ!!」

「鷹峯さんは立派にやってます。今回は悪い人達がいたから無駄に時間がかかっただけです」

 

 子供をあやすように言うと、鷹峯は身震いしてイった。全身に享楽の鳥肌が立つ。

 

「おっ♡ これっ! おっおっおっほおぉ、それイイっ♡ イク! んもっと、もっとぉ! よしよししてぇ♡」

 

 ひたすらに彼の言葉を受け入れる。実際に彼からすれば彼女は仕事が出来て、高潔で思いやりのある人物なので全て純粋なる真実だった。

 だからか脳とこころと子宮にガンガン響く。

 

 人妻である事すら忘れ、幼児退行的な素振りを恥じる事もせず快楽に夢中になる。

 そのうち慰めてくれる彼の口に堪らなくなり舌を貪った。

 

「んちゅ~~、じゅるっ、んじゅるるっ。っぷあ♡ ちゅばっちゅっぱっ♡」

 

 もう何度イったかわからない。尻をくねらせ、どうすればもっと気持ちよくなれるかだけを考え、霞がかった記憶を想起した。

 鯨宮の言葉が鐘のように響く。

 

『好きなだけ子宮にどぴゅどぴゅ射精されて気持ちよーくなれるんだから』

(射精……されたい。このおちんちんでされてみたい、膣内射精♡ もっと気持ちよくなりたい♡)

 

「ちゅ、んぢゅうう、らひてぇぇ、っぱ♡ んっ♡ お願いぃ、わらひのおまんこに、びゅって、孕ませる、んぢゅっつもりで♡」

 

 今までは受動的に快楽を得ていただけだったが、意図的に下腹部に力を込める。名器が淫猥に蠢く。

 

「うわそれっ、すごい。やらしいです」

 

「っくぅ、んああっ! ホントぉ? あっ! うれしい♡ そこイイっ!」

 

 豊満な胸を押し付けて汗ばんだ肌を重ねる。耳をしゃぶられながらの褒慰は気がトびそうだった。

 

「そこイイっ! っくぅ、んああっ! あっ! ごりごり擦れてっ、感じるところっ! くぅぅっんっ! ぢゅるっ、んじゅるるっ♡」

 

 媚肉がしきりにザーメンを求めて肉棒を締め付ける。

 どろどろの膣内では、もう一秒だって耐えきれない。互いに口を貪りながら、込み上げる射精感の赴くまま人妻の熱い子宮に精をぶちまけた。

 

 ドビュウウウウウッッ! どびゅっ、ぶびゅるっ!! 

 

「ん゙ん゙ん゙ん゙んん!! あむぅぅうう! んぢゆぅるる♡ んぶぅぅ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 子宮に注がれた濃厚な精と女の絶頂に、膣はむっちりと男根に吸い付く。

 鷹峯は嬌声を彼の口で押えながら、その余韻に頭のてっぺんまでどっぷりと浸かった。

 力なく身体をヒクつかせながら、しかしまだ長い夜に肉欲は期待と熱情を薪にしている。

 

 

 

「なんだか懐かしいわ~初めて彼とエッチしたのを思い出しちゃう」

 二人の交尾を肴にしていた和狸が頬を染めて懐かしむ。

「一回で終わりかと思ったら次のゴムの封を切っちゃうんだもの」

 

「アレほんと動機を聞いて笑っちゃったわ、わたしたちが彼を無理やりAVに出してると勘違いして、慰める為にヤっちゃったやつ」

「え。なにそれ? どういう事?」

「鯨宮さんは知らなかったかしら? えっと、わたしと犬衣さんがね」

「い、いいの! もうあの話は!」

 

「えー、鯨宮さんも聞きたがってるしぃ―」

 

 ぷんすこする和狸がかわいくて、つい犬衣は悪戯に笑う。

 

「もぅっ! そんなイジワルするなら~」

 

 えいっと押し倒して股間に顔をうずめる。

 

「あんっ! ちょっと和狸さん、ごめんってばぁ」

 

 喘ぐ彼女の顔に影が落ちる。

 

「え?」

 

 シレリアの巨尻がのっしりと圧迫した。

 

「ご、ごめんなさい。目の前で彼がセックスしてるのを見てたら、なんだか我慢できなくなって」

「ん゙ん゙~~~ッ!」

 

 遠慮がちに言いながら顔騎するって慎ましいんだか大胆なんだかわからない。

 けどまあいいかと勝手知ったる割れ目から垂れる密を舐め回した。

 

「じゃあわたしはさっきの和狸さんにお返しに」

「ん゙あっ、鯨宮さん!?」

 

 ぬるりと舌が肉壺に侵入する。

 それを見たシレリアが、太ももで犬衣の頭を軽く挟んで横になり鯨宮の腰を引き寄せてむしゃぶりつく。

 

 四人は輪になって何度も舐め合い、吸い、クリトリスをなぶる。愛液と本気汁と潮で顔をべとべとにし、相手を変え、性器を擦り合わせる。

 今宵は鷹峯が独占するであろうチンポを恋しがる、互いのメス穴を慰め合った。

 

 

 

 xxxxxx

 

 

 

「っずぁー」

 

 二日酔いの朝に、犬衣は低く乾いた声を出した。

 部屋を見回す。掃除の事を考えると燦燦たる光景だった。

 

(ベッドとソファは……今日中には乾かないか。まあ二人はヤリ部屋が空いてるからそこで寝泊まりできるけど。ていうかいいかげんちゃんとヤリ部屋を有効活用しないとなー)

 

「ほら起きて―、シャワー浴びてご飯食べよー」

 

 言って丸出しの豊かな尻や胸をぺちぺち叩いて回る。そうして違和感に気付く。

 

(ん? いま何人のお尻とおっぱい叩いた?)

 

 なんか一人多いような。と指折り人妻を数える。

 

「えっ! ヤバ、なんで!?」

 

 鷹峯が対面座位で彼に身体を預けたまま寝ていた。しかも繋がったまま。結合部から溢れた精液が、キンタマに付着してカピカピになっている。

 

 急いで他の三人を起こして状況を確認するが、どうして二人がセックスしているのか誰も思い出せない。

 いやなんとなくこう、全員で勧めたような覚えがあるにはある。

 

「コンウェニは……」

 と鯨宮がおそるおそる口にする。

 

「わたしが飲ませた、と思う。そんな気がする」

「とりあえず二人を起こしましょうか」

 

 シレリアが鷹峯の肩をゆする。少し反応があったが、「や!」と子供が言うような拒絶の言葉で二度寝に入った。こうなっては彼を起こすのも難しそう。

 四人は顔を見合わせる。とりあえずシャワーを済ませて、足の踏み場程度の掃除と朝食を用意する事にした。

 

 しばらくするといい匂いにつられて鷹峯は眠りから覚める。一晩中盛っていたので空腹だった。

 う~ん、と寝ぼけ眼をこすり、下腹部に残響するような気持ちよさを覚えながら視線を巡らす。知らない部屋だった。どこだっけ、ここ、そういえば昨日は交渉に来て、それから、それから──

 

 すぐにハッとする。朝食を用意したシレリアたちが全員こっちを見ている。じぶんの身体を確認するとしっかり全裸で、しかも若い男に抱きついたまま寝ていた。

 走馬灯のように昨夜の情事が巡る。三周くらい巡る。

 

「えっ! あっ、うそっ!」

 

 立ち上がろうとして半立ちのチンポがずるんと抜ける。

 

(これ、え? 現実? どうしてわたしたちだけ裸!? 昨日みなさんが乱れていたあれって夢!?)

 

「あっあっあの違いますこれ」

 狼狽する鷹峯を制して犬衣が尋ねる。

「ねえ、昨日わたし、鷹峯さんに避妊薬って言って小さな種のようなものを食べさせた?」

 

「えっ、ああ、ええと頂きましたが」

 

 よかったー、と全員が揃いも揃ってデカい胸を撫でおろす。

 

「なら大丈夫ね。浴室はあっちだから、タオルとか好きに使ってね」

「ええ、助かります……あの、昨夜は……」

 

 言いにくそうにする鷹峯を察したのか犬衣が大した事無いという風に軽く言った。

 

「大丈夫大丈夫、みんなでエロい事したわよ。鷹峯さんだけじゃないから」

「そ、そう」

 

 それでいくらかは安心できた。シレリアたちが彼とまぐわっていたのは夢で、じぶんだけが不倫セックスをしたのだとしたら気まずい。

 しかしながらどういった関係なのだろう? 

 鷹峯は朝食をご馳走になりながら不可思議に思いもしたが、いったん頭にエネルギーが巡ると仕事モードに切り替わる。契約書を持ち帰り、そしてやる事は山ほどある。停滞していたスケジュールが堰を切ったように流れだすのだ。

 あれこれと試算をくりかえし、一つの案が浮かぶ。

 

 最後にシャワーを浴びた彼が食卓に着いた。

 

「そういえばこちらに空き部屋はありますか? 一部屋借りたいのですが」

「え! ありますあります! やった!」

「ではすぐにでも……」

 と言いさして止まった。

 

 人妻たちが、にやぁ~といやらしい笑みを浮かべている。

 鯨宮が頬に手をやり、困ったように言う。

 

「鷹峯さんも気に入っちゃったの? 基本的には会う機会の少ないわたしや和狸さんが優先だからね? けど混ざるのは歓迎よ」

「ちっ違います! 仕事でっ! 工場の事を考えると書木市に仮住まいを本格的に構えないといけないのでっ、このアパートが最適だっただけです!」

 

 顔を赤くしてわたわたしながら反論する。

 事実としてそうだった。これから羽目丘陵には出ずっぱりになる事を考えれば、最優良物件と言える。

 

「……気持ちよくなかった?」

 

 なぜだか少し悲しそうにシレリアが尋ねる。

 

「だっ、だってわたしには夫も娘も……」

 

「あらこの流れわたしと一緒」

 と和狸。おっとりとした笑顔で言った。

「たぶん鷹峯さんもヤりたくなるんだから、あんまり考えこまない方がいいわよ」

 

「えぇ」

 

 ここまでくると、もうこの人妻たちがどういう経緯で彼と身体を重ねる事になったのか気になってしょうがない。

 

「でもセックスするかどうかは別として、愚痴とかならいくらでも聞きくんで気軽に訪ねてくださいよ。同じアパートに住むお隣さんな訳だし、シレリアさんも犬衣さんもいますから」

「そ、そうですね。そういう時もあるかもしれません」

 

 視線を泳がせ、なんとなく垂らした髪を弄ぶ。

 これはあるな、と人妻たちは確信した。

 

「じゃあおれはバイトがあるんで、準備しないと」

「あっ、わたしもそろそろ帰らなきゃ。スーパーまで送りましょうか? 鯨宮さんってどの辺に住んでるの? 一緒にどう? 鷹峯さんは?」

「いや誰かに見られたマズいし、おれにはめくちゃくちゃ良い自転車がありますから」

「あ、そっか。ふふ」

「わたしの家は車だとちょっと遠いから、そうね、駅まで運んでくれると助かるわ」

「ではわたしもお願いします」

 

「じゃあわたしと犬衣さんはお掃除ね」

「ごめんなさいね、いつも後始末ばっかり」

「いつもじゃないわよ。それにその分、わたしたちはヤってるんだから」

 

 一日が始まる。

 

 顔も知らない親から相続した羽目丘陵をめぐる一連の騒動は、忙しい朝にそれぞれが急かされて終わりを迎えた。

 

 

 

 

 xxxxxx

 

 

 

 xxxxxx

 

 

 

「お疲れさまでーす」

 

 一人の青年が、そう言ってバイト先のスーパーを後にした。

 疲れた体で春も終わりの路地を自転車で進む。仕事の後に徒歩での帰路は辛い距離も、自転車を手に入れてからは軽い道のりだ。

 

 祝福するように、気持ちの良い柔らかな薫風がそよぐ。

 ふと、今となっては懐かしい小道に漕ぐ足を止めた。ほぼ毎日見ていた景色だが、急に感慨深くなる。

 あの時、この場所で、あの人に声をかけられ、下心はあれど助けになろうとしてから彼の人生の風向きは台風のように目まぐるしく変わった。主に女性関係で。

 

 しばらく佇んでから、急いで帰る。たぶん気配を察知しているからいつも丁度いいタイミングで迎えてくれる彼女を、自転車の後ろに乗せて坂を下る。

 彼女はなにぶん初めてなので、少し怖がって彼に必死にしがみ付いた。背中にデッかい嬉しい感触を覚えながら、がんばってペダルを漕ぐ。自転車はちょっと悲鳴を上げたかもしれない。

 日の長くなった空はまだ夕暮れだった。

 

 どこに連れて行ってくれるのだろう? 

 彼女の疑問はしばらくして波の音で紐解かれた。なぜだか少し、わけもわからず泣きそうになる。

 駐輪場に立ち寄ってから、今度は潤った財布で二人分のソフトクリームを買う。

 

 空と海は朱に染まり、その境界を曖昧にしていた。本来であれば決して手の届かない所にあった陽によって、それ自身も溶け込むように揺らめいている。

 二人の黒い影は、どちらからともなく指を絡ませて手を繋ぎ、また同じ場所に腰掛けた。

 

 ソフトクリームを食べているうちに、一人がもう一人の肩に頭を預ける。

 次に来るときは小さな人影が一人、増えている事だろう。

 




ヒロイン全員子持ち人妻の小説が完成した! 完

無し

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子持ち人妻でないので飛ばされた人たちのラフ
パフィオ 本文と違って垂れ目じゃないけど

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ファレノ なんか衣装が被ってるしわけわかんないですもうちょっとなんとかしたい

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前々回で書いたように、今週くらいにはいつか編集するかもです。
具体的には異世界に行って戻るのが最終回になって今話のラストがくっつく感じかも

元気あればいつかもうちょっと書きたい話あるんでまたいつかよろしくです。
アンケートが付いてると思うんでやってもらえると助かります

気軽に感想評価してもらえると嬉しいす
不安であんまり感想に目を通せてなかったけど、終わったんでちゃんと見れたいと思います。

最後の投稿ちょっと遅れてすんません。

対戦ありがとうございました。

誰がいいなーって感じました

  • シレリア
  • 犬衣
  • 和狸
  • 鯨宮
  • 鷹峯
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