※この作品はR-18です。

【完結】ヒロイン全員子持ち人妻の小説が完成した!   作:hige2902

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第五話 犬衣 2

 何をするでもなく、犬衣は自室の窓辺から遠い水平線を眺めていた。

 進んでいるんだかいないんだかわからない港の工事の向こうに、太陽にきらめく海が広がっている。乱反射する宝石のように美しかった。のだが、こころは乾いていた。

 

 シレリアのアドバイス通り、意識的に仕事として捉える料理から気持ちを遠ざけてみたものの現実がもたらしたのは何もない時間だけ。

 つまるところ彼女は暇だった。

 それがまた、育児と仕事がなければ、がらんどうな人間だと突き付けられているようで物悲しい。

 

 何がしたいんだろう? 

 

 自問する。

 いままでの旅はそれなりに充実していた気がするが、結局はどこか店の事を考えてしまっていたからに過ぎない。だとしたら、いったいこれから何を求めればいいのだろう。

 何を人生の糧とすればいいのだろう。

 

 そこまで考えて、バカらし、と自嘲して頭をかいた。

 自分探しの傷心旅行なんてガラじゃない。人生を豊かにするような、そんな何かを探すための前向きな旅路にしたほうがいいに決まっている。

 思い返せば趣味のような物は無かった。

 

 だったら、楽しくて、夢中になれて、ストレスを発散できるような何かを見つけよう。

 

 そう決めると、行動は早かった。

 大家の部屋のチャイムを押して、シレリアに山に入っていいか尋ねて、とりあえず意味も無く登ってみる。それほど高くは無いのであっという間に山頂にたどり着くと、素晴らしい見晴らし、というほどの感動は無かった。自室で見るのとあまり変わりは無い。

 それでもほどほどに体力を使い、汗ばむ身体には心地よい充足感が確かに残っていた。

 

 いつだったかテレビで見た、山ガール、という言葉がなんとなく脳裏に浮かんだので登ってみたが、なるほど案外良いものだ。

 お弁当を持ってピクニック、とかいいかもしれない。

 額の汗を拭って、そう内心で独り言ち、今度は海とは逆の方向を眺めると起伏のある丘陵が広がっていた。

 

(たしかシレリアさんの話ではこの辺りの見えるとこ全部、大家さんの土地って話だけど)

 

 ほとんど価値は無いらしい。入居者が自分ひとりだけの現状からするに、税金を考えると赤字かもしれない。

 んー。と、腕を組み頭を悩ませ、妙案と共に下山した。

 

 

 

「キャンプ場ですか?」

 

 彼が仕事から帰ってくると、さっそく犬衣がやって来て提案した。

 いまいち要領を得ない彼に勢いよく続ける。

 

「そーそー。いますっごい流行ってるんだって。なんとかってアニメとかマンガが切っ掛けで」

「そう、なんですか?」

 

 彼からすれば、こんな辺鄙な所に誰が好き好んで野宿するのだろう? という気がする。

 

「外で寝泊まりするのにお金を払う人なんているのかなあ」

「いるいる、いるんだって。ここってたしかにアクセス悪いけど車ならギリギリ不便じゃないし、駐車場のスペースも困らないだろうから打ってつけだと思うわよ」

 

 うーん、と腕を組む彼に、シレリアが冒険者時代を懐かしみながら口を開く。

 

「確かに野営は不便だし危険もあるけど、案外いいものよ。夜になって焚火を眺めたり、ただ焼いただけの食事もすっごく美味しいし」

「あ、シレリアさんって経験者? 意外ね~。どうかしら、山の向こう草原ってキャンプ向き?」

 

「え、ええ~と。そう、ね」

 

 開けた場所過ぎるので外敵に見つかりやすく、野営には向かない。という元冒険者として染みついた思考が走ったが無視する。

 

「た、たしかにのどかで見晴らしいもいいからピクニックに向いているかもしれないわね」

「でもトイレとかいるんじゃないですか? そんなの建てるお金は無いですよ」

「それは、そうかー。んー……頼れそうな親族の方とかは?」

「県外に叔母が一人いますけど、血縁としても遠いし、お金の事であんまりわがままは言いたくないです」

 

 けっこう資金に余裕が無い感じか。いいアイデアだと思ったのに、と顎に手を当てて考えているうちに、犬衣の経営者としての一面が顔をのぞかせた。

 

「てか今の経営状況ってどうなの?」

「いやー悪いですね」

「もっと具体的に聞いていい?」

 

「正直よくわかってないです」

 あはは、と能天気そうに彼が笑った。

「ばーっと働いた金でパッと税金とか払ってる感じなんで」

 

 あちゃーといった感じで犬衣は顔を片手で覆った。出納の把握は経営の基本だ。帳簿を付ける行為が直接的に金を生むわけではないが、金を生むなら帳簿は必要なのだ。

 子供のころ鍛冶を手伝っていたシレリアも、これにはさすがに少し引いた表情。

 ややあって犬衣は重い口を開いた。まだ若い彼を責めるような事は言いたくないが、誰かが言わなければならない。

 

「……出納関係、ちゃんとやってる? レシート全部取ってる?」

「えーと、やってはいるんですけど実はそのへんもよくわかってなくてぇ結構っていうかだいぶ」

 

 あ、なんか怒ってる? 怒られそう……そんな雰囲気を感じ取った彼は気まずそうに視線を泳がせる。

 

「よし! わかった! まずきみは家計簿を付けるところか始めなさい!」

「えっ!? ア、ハイ」

「それで、税金とかの書類はある?」

「ええ、とって置いてはありますけど」

 

「じゃ見せて。難しそうなのはとりあえず私がやってあげるから。これからはレシート全部捨てちゃダメよ、アパートに全然関係無い事でも一応」

「いや悪いですって、俺がその、気持ちを入れ替えて自分で調べてなんとかしますから」

「あー無理無理、こーいうのは慣れてないと続かないもんだから。まずは家計簿を付ける習慣が出来たらね、そしたら教えてあげる。節税とかも」

 

 その提案は正直なところ助かりはするのだが、タダ働きの範疇を超えており気が引ける。

 といった内心が見てわかるほど表に出ていたので、犬衣はわが子を諭すように、相互にとって利がある風な事で言いくるめようとした。

 

「ホントは税理士とかに相談した方がいいんだけど、お金ないんでしょ? 私としてもさ、ある日突然このアパートの経営が立ち行かなくなって出ていかなきゃならなくなっても困る訳よ」

 

「いいじゃない、犬衣さんにお願いしてみれば」

 う~ん、と煮え切らない態度の彼の手を取って、にこにことシレリアが助力を勧める。

「いま助けてもらった分、後でお返しすればいいんだから。ね?」

 

 ね? と握られた掌は柔らかく、暖かかった。

 半ば女の魅力で押し切られる形で、彼は犬衣に助けてもらう事にした。

 

 

 

 xxxxxx

 

 

 

 犬衣はその夜、彼が部屋からかき集めてきたレシートを精査していた。

 とりあえず全て持って来てと言っていたので、消えかけた古いものも混ざっている。

 その内の一枚で手が止まった。

 

(あらあら)

 

 ドラッグストアで買ったコンドームが記載されている。おそらくシレリアと使うのだろうという事は想像に容易い。

 見てはいけない他人の性事情を探り当ててしまった気がして、ほんの少しの罪悪感と興奮を覚える。

 茶ばんでだいぶ印刷が落ちたレシートにもコンドームを買った形跡があった。この様子だとだいぶ前から定期的に調達しているようだ。

 

 うん? と首をかしげる。

 

 シレリアが言うに、彼の世話になりだしたのはごく最近の事らしい。

 つまり彼には、それ以前からゴムを使う相手がいたという事になる。

 

(んー。まあ元カノがいたって不思議じゃないし、これくらい普通か……しかしま、あんだけ女をひいひい言わせるのに、別れる事なんてあるもんなのねー)

 

 きっと今夜もヤりまくっている事だろう。

 既婚者であるシレリアが彼と関係を持っている事について、犬衣は別段不潔だとかそういう印象を持っていない。

 聞けば恋愛感情の無い身体だけの付き合い。結構な事だと思う。夫がいきなり蒸発して数年も経てば、寂しさを埋めたくもなる。

 

 なんとなく、気晴らしにオナニーでもする事にした。棚から新品のディルドを取り出す。二人の情事に当てられたせいか、指ではなくオモチャでシてみたくなったので通販で買ってみたのだ。

 

 一段落してみると、ふーん、まあ、という感じだった。

 ねちょりと膣から引きずり出す。

 シレリアの痴態を知っているだけに、どうにも不完全燃焼を覚えた。

 羨ましさは、ある。

 

 いろいろと複雑な事情があったのだろうが、夫が失踪中とはいえ他の若い男と寝る割り切り方。

 どのような感覚なのか、想像してみると少しワクワクする自分がいる。

 

(楽しいのかな)

 

 少なくともシレリアが満たされているという事は、見てわかっている。

 

 

 

 xxxxxx

 

 

 

 その日の犬衣の服装はいつものシャツにジーンズという飾り気のない普段着だったが、一つだけ違う所があった。

 姿鏡の前に立ち、少し屈んでみたり乳房をたぷたぷと持ち上げてみる。

 

(露骨、よね)

 

 さすがに恥ずかしくなってきて、やっぱりブラを付けようとしたところでチャイムが鳴った。

 げ、と時計を確認すると気づかないうちにだいぶ時間が経っていたようだ。迷ったが、まあいいかとそのまま彼を部屋に迎え入れる。

 小さなテーブルに対面して座るまでの短い時間で胸に受けたガッツリとした視線が、犬衣の女としてのサガを満たした。

 

(なんだ、わたしだってまだまだ捨てたもんじゃないわね)

 

 少し得意げになって、帳簿に付けたデータを彼に見せる。

 これがこーで、あれがあーで、どーのこーのといった説明もなんとか飲み込もうと必死になっている様子は、犬衣からすればなんだか少し、可愛らしさもあった。

 

「すげーわかりやすいです。へえ、やっぱ税金とアパートの保険で結構持ってかれてるんですね」

 しみじみと紙面を眺めて言った。

「どうりでなかなか貯金できない訳だ……そのへんはショックだけどなんか、今までは漠然と払ってて、いつか預金が無くなってお金を下ろせなくなったり携帯が止まったりすんじゃないかって怖かったのがあったんですけど、こうして数字で見ると逆に安心できました。ありがとうございます」

 

「そ、そう。なら良かった」

 面と向かって感謝を述べられ、ぺこりと頭を下げられるとなんだか気恥ずかしくなって、犬衣は視線を逸らして頬を掻く。

「でもそれはパパっと書いただけでホントはもうちょっとちゃんとしたヤツなんだけどね」

 

「そうなんですか。なんか難しそうですけど、俺も出来るようになりますかね?」

「ま、ちゃんとわたしの言った事を守ってればそのうちね。もちろん、専門家ほどのじゃないけど」

「マジかー。なんかこう、訳もなく上手くいきそうな気がしてきたな。犬衣さんが来てくれて本当に良かったです。もう家賃いらないんでずっと住んでてくださいよ」

 

 彼のまっすぐな尊敬の眼差しに、犬衣はもう目を合わせられなかった。誤魔化すように彼の額を軽く小突く。

 

「なあーに言ってんの、火の車のくせに。家賃はきみのちゃんとした収入なんだから、遠慮なんかしちゃダメでしょ」

 

 苦笑しつつ、ふと、犬衣は人生を思い返してみる。

 大人になってから、こうして誰かに尊敬されたり認められたのはいつぶりだっただろうか。

 なかなか見つからなくて、まあそんなもんかと諦めかけてようやく、夫が帰ってきた時に『よく店を守ってくれたな』と言われた気がする。

 そんな比較的近い記憶があやふやになっている理由は、かすかに掴みかけている。

 

 自分がいなくても問題なく続いていく家庭はここになく、自分を確かに必要としてくれる人はここにいる。

 

 そこにどうしようもなく居心地の良さを覚えてしまっていた。

 真剣な表情で帳簿と睨めっこする彼の顔を、頬杖をついてぼうっと眺める。そして不意に立ち上がって、ん~と腕を伸ばして体のコリをほぐす。

 

「っはあー。なんか飲もっか。コーヒーでいい?」

 

 言って台所で用意する間に、シャツのボタンを一つ二つ外した。

 

「最近あっついわねー。春ももう終わりって感じ」

 

 コーヒーとお菓子を持って戻る。歩くたびに揺れる豊満な胸を見るなというほうが無理だった。

 その後の談笑中も覗く谷間にチラチラと視線が向けられているのがわかったが、犬衣にはもう得意げになるような余裕は無かった。

 これから切り出す話の行く末に、固唾を飲む。

 

「そだ。こないださシレリアさんに言われてたでしょ、今助けてもらった分、後で返せばいいって」

「ええ、大した事は出来ないかもですけどなんでもしますよ。引っ越しのバイトとかやってるんで模様替えみたいな力仕事とか、米とかのお使いでも。あ、家具の組み立てなんかも」

 

「んじゃさっそく頼もうかな~」

「なんですか?」

「肩、揉んでくれる?」

「え、それは、いいんですか、わかりましたけど」

 

 衣類越しとはいえ女性に触れていいほどの人間関係ではない気がして戸惑うが、まあ向こうから言ってくるならと背後に立つ。

 

「じゃあ失礼して」

 

 肩に触れると、犬衣の高い体温が伝わる。グッと親指を押し込むと何とも言えない肉感を覚える。

 

「あ、あ~そこそこ、気持ちいいわー」

「コってますね」

 他人の肩を揉んだのはこれが初めての彼は、凝ってるかどうかよくわからなかったがなんとなく口にしてみた。

 

「んぅ、そーなのよ、これがあるから」

 言って犬衣は自らの乳房を下からぼよんぼよんと弾ませる。

「重いのよこれが、シレリアさんほどじゃないけどねー」

 

「それは、なるほど……」

「あ、大したことないくせにって思ったでしょ、おっぱいで肩が凝る訳ないって」

「いやそんなことは」

「確かめてみる?」

 

「え」

「どれくらい重いか」

 

 一瞬の停滞の間に、犬衣は両肩で固まった彼の両手を取って自分の胸に当てがった。

 

「ほら、持ち上げてごらん」

 

 しっとりとしたノーブラのシャツ越しに、乳房の柔らかさが伝わってくる。ずっしりとした重量感、軟らかな肉の塊に指が食い込んでいく感覚。

 

「あー肩こりが治っていくわ」

「そ、そんなわけ」

「重たいおっぱいが原因で肩こりになるんだから、持ち上げられたら楽になるの。やっぱり信じてなかったんだ」

「そういう意味じゃなくて」

 

 足を組み、からかい交じりで笑って続ける。

 

「あとさ、聞いてみたいことがあるんだけど~シレリアさんとはどういう関係なの?」

「どうって、そりゃ」

 

 言いさして戸惑う。

 同棲している事はすぐにバレるだろうから隠すつもりはさらさらなかった。しかしどういう関係かと問われると適した言葉がなかなか見つからない。

 相手は人妻で、子供もいる。旦那を探しているのだから縁が切れているわけでもないので、彼とは恋仲でない。

 そして、いったいいつまでこうして胸を持ち上げていればいいのだろう。揉みたい。ちょっとくらいならバレないだろうか。

 

「付き合ってるわけじゃないんですけど、なんて説明すればいいんだろ」

「でもヤる事はヤってるんでしょ?」

「ヤバ、聞こえてました?」

 

「外出たらね。まあー元気でいいじゃない」

 余裕ぶって爪先をぷらぷらせているが、脳裏には彼の裸体が否応なく想像されていた。どんな男性器をしているのだろう。

「身体だけの関係って感じ?」

 

「んまあ、そう、なるのかな。なんか適した言葉があったような、エロ友達」

「セフレ?」

「あーそれそれ」

「若いわねー、他に何人もいるんでしょ?」

「何人もって、だったらいいんですけどねー」

「ふーん。じゃさ、一人増やしてみない?」

 

 返事は無く、犬衣は内心焦った。滑ったら恥ずかしすぎる。が、彼がこの胸を性的な目で見ていたのは事実だ。

 すると、ゆっくりと両胸に指が食い込んできた。男の性欲と、女を感じさせる前戯の入り混じる、明確な意思を持った手つきで。

 思わず口角が上がった。

 

「あはっ♡ 肩揉むのよりこっちのほうが上手いわよ」

 

 

 

 ベッドに場所を変え、彼が隣に座る。ギッ、とスプリングが小さな音を立てた。

 犬衣の心臓は、生娘の時のようにバクバクと鳴っていた。初めて男に抱かれた時よりも緊張する。顔が熱い事も。それを自覚すると、隠れるようにゆっくりと彼の胸板に横顔をうずめる。そのままゆっくりと男の匂いを吸いながら首筋へと向かい、少しばかり視線を合わせてから口づけた。大人としての意地から、どうしてもリードしたかったので。

 

 何度か軽いキスを交わした後、息を荒くして激しく吸い付きながら互いの服を雑に脱がし合った。

 犬衣が彼に跨る。下から見上げる彼女の豊満な肉体は素晴らしかった。引き締まる所は引き締まり、ふくよかな所はふくよか。

 彼女目当ての客が何度も脳裏に夢想して、見ること叶わず想像上で犯した身体。

 

 春の暖かさと期待にしっとりと濡れた肌が妖しく潤いを見せている。また、たっぷりとした肉感の大きな乳房には、うまそうな桜色の蕾が興奮でジンジンと痺れるほど突起していた。

 

 彼の視線が一瞬、左手の薬指に注がれているのに気が付いた犬衣は、太陽のように明るい表情で言う。

 

「ま、気にしないで。不倫セックスってどんなだか気になるだけだから。楽しくヤりましょ」

 

 柔らかい指が怒張した竿を軽く握る。ベッド横のちょっとした棚から取り出したゴムを被せてやり、腰を合わせると、しとしとと滴たった愛液が亀頭に落ちた。

 にゅるりと犬衣の体内に挿っていく。

 

 体温の高い彼女の膣内も高温で、肉棒がとろけそうなほどだった。

 

「すげ、熱っつ」

 

「んっ♡ あっ、これ、圧迫感ヤバ♡」

 久しぶりの挿入に身震いする。

 

(太くて、硬くて……こんなに良かったっけ、ご無沙汰だから? オモチャとは全然♡)

 

 とはいえ、一人ゆったりと恍惚を味わうのと同時に不安もあった。

 試すように腰を浅く上下させて尋ねる。小さくベッドが軋んだ。

 

「ど、どう? あんっ、ちゃんと気持ちいい?」

「良すぎて、すぐイキそうです」

 

 うねるヒダは奥へ奥へと男根を引きずり込む。最奥に達すると数多の小さな肉真珠がよくできましたと褒めるように亀頭をなぜくり回して、子宮口が頬に口付けるように優しく吸い付く。シレリアのそれとは違う締め付けがあった。

 

「んふ、そう? もう、上手いんだから♡ こんなオバさん褒めたってしょうがないわよ」

 

 しかしやはり褒められると、こころが上気した。

(認めてくれる、欲してくれる)

 

「んッ、きみのコレも、凄い、イイわっ」

 

 ぬっちゃぬっちゃと淫液を鳴らして抽挿を激しくした、たわわな乳房が誘うようにたっぽたっぽと揺れる。

 犬衣が悪戯心で彼の腹筋に手を付き、二の腕で乳房を挟み込んで強調した。

 彼が固唾を飲む。灯に抗えない蛾のように、両手で柔和な果実を持ち上げる。それは陽だまりを掴んでいるかのように暖かく、おおらかだった。

 沈み込んだ指で鷲掴みにし、引っ張り、押し込むような強引な若い性欲を抱擁するような揉み心地がある。

 

「んもうっ、がっつき過ぎよっ♡ あんっ、ふふ、そんなにおっぱい好き?」

 

 妖艶な笑みに、彼は我慢できずに腰を突き上げた。不意の快楽に犬衣が痺れる。

 

「あひゅっ!? んっく、ちょっ、んおっそれ、ダメ、待って、ふああぁあ♡」

(やば、イっちゃった……けど、バレてないわよね?)

 

 軽く食いしばり、息を整えようとするが、彼はそんな事にお構いなしに腰を浮かせて男根の抽挿を繰り返す。

 

「んんんっ!! んおっ!? どちゅどちゅって♡ あっ気持ちいいとこ、もうっ♡ あっ、そんな悪い子には……こうよ♡」

 

 ぐりゅぐりゅっ、ぐちょっぐぼぉっ。

 

 ぐりぐりと腰をグラインドさせ、チンポで膣を掻きまわす。

 彼より先にイクのはなんとなく負けた気がしたと言うか、年上としての意地があった。

 

(あっこれ、これホントにイキそう、メチャクチャ気持ちいいヤツ来る♡)

 

 思考がぼんやりしかけたところで、彼の指が桃色の蕾を摘まむ。胸に刺しこまれるような快楽が走る。

 

「ひぅっ! 急にそんなっ、おほぉっ♡ 乳首イジめられたらぁ、おっ、んっっく、くにくにしちゃだめぇええ」

 

 乳房を揉みながら人差し指と親指で擦り合わせると、面白いほど膣壁がきゅんきゅんと反応した。

 

「んあああぁっっ! イクイク♡ イッ……ク。はひっ、はひっ……おっほぉ♡ これ、こうやってぇ毎晩、あああぁぁぁ~~♡ シレリアさんを、よがらせてるのね。っんふぅ、悪いオトコ♡ あひっぃいい」

 

 何度もイかされ、膣内は粘度の高い本気汁でべとべとだった。

 

「ん゙ん゙お゙お゙お゙~~、凄いっ、不倫セックスすごいぃぃ~。年下の男のにイかされてるのに♡ 情けなく潮吹きさせられちゃうかもしれないのに、腰振り止められないッ♡ あ゙っあ゙っ、イクッ!! 大きいのっ来るぅ、んっ、出して、一緒に、一緒にイって♡ 奥で出してぇぇえええ!!」

 

 ばちゅん!! 

 

 犬衣が深く腰を落とすと同時に彼も突き上げ、稲妻のような快楽を共有する。

 

「イクイクイクっ! イ゙グぅ~~~──!」

 

 びゅぐっ!! どびゅっ! びゅる~~! 

 

 陰嚢がぎゅっと締まる。特濃の精液がゴムにブチ込まれて子宮を圧迫した。同時に膣壁は搾り取るように締め上げ、盛大に潮を噴く。

 

「はっ♡ はっ♡ はっ♡ ふ、ふふ、あは」

 

 底抜けの快楽に溺れ、荒い息切れの合間になぜだか笑えてきた。

 なぜだか? 

 と犬衣は自答する。本当はその訳を理解している。

 しかしいまは快楽の余韻に浸りながら腰を上げると、ずろぉんと男根が抜き出される。彼の胸板に突っ伏した。

 

 心地よく甘い事後の時間に身を任せる。彼の手が犬衣の尻を撫で、優しく揉まれると、あれだけ果てたというのに次第にもう一度行為を重ねたいという欲求が灯りだす。

 堪らなくなって半勃ちの男根をむちむちの太ももで挟み込むと、すぐに力強く答えてくれる。

 

(あ~いいわぁ、コレ、ほんと……)

 

 若く力強い雄の性に犬衣は燃える。顔をあげると視線が合った。

 激しく舌を絡ませようとした間際、水を差すように電子音が鳴る。相手が誰かはすぐにわかった。連絡相手はほぼ一人しかいない。

 

「ちょっとごめんね」

 

 犬衣は汗だくの身体でテーブルの上のスマホを取ってベッドに腰掛け、上がった息を少しだけ整えて受信した。

 

『もしもし日毬ちゃん?』

「ん? どしたの? 珍しいじゃない、そっちからかけてくるなんて」

『いやあ、そういえば最近連絡が来ないからどうしてるかなーって思って』

「そうだっけ? まあ楽しくやってるわよ、最近は特に」

 

 言って、何を思いついたのか手持ち無沙汰の彼に向かって、悪戯に笑ってシーっと人差し指を唇に当てる。通話をハンズフリーにして、タプタプに中身の詰まった使用済みコンドームを外すと淫液で滑ってベッドに落ちた。口を縛っていなかったのでベッドに中身がこぼれる。

 

「あらら」

『どうした? 今忙しい?』

 

「ん、ちょっとね。ミルクをこぼしちゃって」

 言いながら手早く新しいゴムを開けて、ギンギンのチンポにするりと付けた。

「もう大丈夫」

 

『そうか。日毬ちゃんはそそっかしい所があるからなあ、気を付けないと』

「そう言う一徹くんは、ちょっと鈍い所があるんじゃない?」

 

 ごろんとうつ伏せになり、枕を抱いて尻を浮かせる。たっぷりとした人妻の尻肉が汗と愛液に濡れて艶やかだった。快楽に飢えた割れ目からは涎が垂れている。誘うように腰を左右に振った。

 

『そうかー? それより、まだ書木県にいるのか? こないだ言ってた海外の件だが、どうする? 行く気があるならこっちでチケットとか準備するけど。あ、パスポートもいるな』

 

 さすがにこの状況でヤるのはマズいんじゃ、と彼は戸惑う。戸惑うが、ムスコは穴に入りたがっていた。

 

「んーちょっとね、いつでもオッケーなんだけど」

 

 我慢できず、彼はゆで卵のようなつるりとした尻を鷲掴みにした。大きく、張りがあって柔らかく、みっちりしている。食べてしまいたいほど魅力的な臀部。その間にある肉壺にゆっくりと自身をねじ込んだ。

 

 にゅちゅ、みちち……ずるるぅっ。

 

「んっ♡ ふふっ,ちょっと……いいモノ見つけちゃって、ハマっちゃって」

(あっ来た来たぁ、ビクビクしてる。今度は先にイカせてやるんだから♡)

 

『書木ってなんか名産品とか名所があったっけ?』

 

 バレれば一巻の終わり。動くべきではない事は彼にもわかっている。しかしこの危うさに震える肉穴は先ほどとはまた違った魔性のような締めつけで、とてもではないがお預けを我慢できない。綱渡りのような慎重さの抽挿が繰り返された。

 旦那と通話中にする不貞行為。身を滅ぼしかねない危険な遊びに、犬衣の胸は高鳴った。そして共犯してくれる彼に対しての気持ちも膨れ上がる。

 

「そーいうのは無いんだけど、ね、けど自然に囲まれた場所で、っくぅ、運動するのが気持ちよくて」

『ふーん、ハイキングとか? たしか海から離れるとただっ広い丘陵というか平原だっけ? があったような』

 

 くちっ、くちっ。

 子宮口と鈴口で、啄むようなキスが繰り返された。

 

「そうそう、そこっ♡ そこがすっっごい凄く良くて。いまその辺りに住んでるんだけど、んふー♡」

『? もしかして、今なにかしてる?』

「ちょっとまた山に行くから、ベッドでストレッチというか、柔軟? イク前の準備っ、体操してる」

『へえー登山までしだしたのか』

 

 激しい腰使いでは無かったが、得も言われぬ背徳感で全身に鳥肌が立つ。甘い裏切りと報復の味に、マン肉がねちっこく肉棒をねぶる。

 

「そうそう、その山もすっごく良くてねー。一度登ってみたら、もう気持ちよくてきもちよくて」

 歯を食いしばり、嬌声を堪える。先ほどから甘イキが止まらず、ぞわりと全身が鳥肌立つような感覚に身を包まれていた。

「くふぅ~ー。何度でも登りたくなるっていうか、んっく♡ ほんと、こんな山、初めて♡」

 

『でも気を付けてくれよ、滑落とかいろいろ』

「そ、うね。落ちないように、しないと」

 

 ベッドに顔を半分沈めたまま、犬衣は笑みを浮かべた。

 いつ暴かれるとも知れない、不貞のカーテンの裏で肉欲に戯れる火遊び。共犯者という新たな人間関係。

 

(ごめんね、もう落ちちゃったかも♡)

 

「じゃあ、わたしもう、ぅん、い、イかないといけないから、きっ切るわね」

『えっ……そうか。まあ、怪我には注意してな』

 

 少し残念そうな夫の声に、心地よさすら覚えた。

(あっ、これ以上我慢できない。無理無理、ずっと軽イキしてる♡ 深いのキちゃう♡)

 シーツを強く握りしめる。脚の指はずっと強張っていた。頭がガンガンして、だらしなく淫液が漏れ出る。

 ゆっくりだった腰使いも、我慢できず次第に激しさを増している。

 

「うん、ありがと。んっ、ごめんも時間無くてもうイクから切るわね!」

 

 口早に言って通話を終えるのと二人の絶頂は同時だった。

 

 堰を切ったように潮が吹き出してシーツを汚す。溶岩のようなドロドロの精子がゴム越しに注がれているのを子宮で感じた。

 どぱぁっ、どぷっ、どぷっ、とく……とく……

 

「ん゙お゙お゙あ゙あ゙ぁぁぁ、深いのっ♡ 来たぁぁあ♡ まんこが、すごい、あはっ♡ 悦んでるぅ。はふっ、はっ、はあ、はぁ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 繋がったまま彼が倒れ込んでくる。その重さも、ぐりぐりと奥へ押し付けられる亀頭も心地よく、断続的な快楽が続く。

 

「お、お願い、そのまま抜かないで……もうちょっとだけ、このまま……」

 

 射精してもまだ硬い男根を膣で咀嚼するようにゆっくりと味わう。果てた後の朦朧とした意識と事後の脈動が心地よかった。

 

(あっ、これ好きかも♡)

 

 どれほどの時間そうしていたのかわからなかったが、ぼーっとする頭でぼんやりと思考した。

 

 ふっ、と笑う。

 

 見つけたかも。

 楽しくて、夢中になれて、ストレスを発散できるような何かを見つけたかも。

 趣味、見つけたかも。

 

 しばらくして肉棒が引き抜かれると、熱情に狂わされた女の身体に寂しさのような物を覚える。それで、比較実験をするような冷徹さが不意に顔をのぞかせた。

 犬衣がごろんと仰向けになって尋ねる。

 

「ねえ、あのさ、家計簿とか、帳簿の付け方全部教え終わったらわたし、また旅に出ようと思うんだけど」

 

 そうして一人旅を切り出してみた。試験紙に彼の情感の一滴を落とすように。

 

「え!? えー、それは寂しいと言うか、なんというか、んー、もっと居てくれません?」

 

 困ったように笑う彼の顔を、潤んだ瞳で見上げる。

 

「なんで?」

「なんでって、犬衣さん明るいし話しやすいし頼りになるし、おれの知らない事いっぱい知ってて、帳簿とか以外にもいろいろ相談に乗ってほしいし」

 

 脚を彼の腰に回して、ぐいと引き寄せる。頭の後ろで手を組み、うっとりするような汗の滴る腋を見せつけて挑発的な笑みを浮かべる。

 

「ほしいし?」

「たまにご飯とかお菓子とか作っておすそ分けしてくれるじゃないですか、あれ楽しみなんですよね。いつも適当にパッと作った単純な物ばっか食べてるんで」

 食い意地が張っていると思われそうで、少し照れながら言った。

「だから出来るだけ居てほしいなーって」

 

 犬衣はいきなり彼の首に手を回して頭を抱き、唇を貪ったままベッドに引き倒す。そのまま何度も何度も下品な音を立てて舌を吸い、長いディープキスに没頭した。

 

 

 

 xxxxxxxxxxxx

 

 

 

「あー、やば。これ明日筋肉痛かも」

 シャワーを浴び、下着姿で髪をタオルで拭きながら犬衣が言った。

「……今日はありがとね、付き合ってくれて」

 

「礼を言うのはおれの方というか、なんというか」

 Tシャツを着て身なりを整える。

「で、どうでした? 不倫の感想は」

 

「んー? んふふ、野暮な事聞かないの」

 背中から抱きつき、耳元で囁いた。

「ね、わたしの愛人になってよ、それで人妻ともっとスケベなことヤりまくろ? ね?」

 

 そのまま彼の首元に頬擦りし、返事も聞かずにトンと背中を押した。

 

「さ! そろそろ帰んないとシレリアさんが心配しちゃうわよ!」

 

 

 

 xxxxxx

 

 

 

 なんとなく、自宅のドアの前で彼は固まって自問する。

 勢いと性欲にまかせて犬衣さんとヤッてしまったが、それはシレリアさんとしてはどのように捉えられるのだろうか。

 別に恋仲というわけではないので浮気ではないだろう。しかし後ろめたさを感じないわけでもない。黙っておくことも一つの手ではあるが、彼は折を見て話す事にした。

 あわよくば3Pしたかったからだ。

 

 仮に不興を買ったとしても、まあ謝るなりなんなりで誤魔化せるだろうと持ち前の能天気さで打ち明ける事にした。

 

「ちょっと聞きにくい事なんですけど、もしおれが他の女の人と仲良くなったりしたらマズいですかね」

 

 とはいえ、いざ本人を前にするとワンクッション入れてしまう。

 そろりとシレリアを窺うが、彼女は少し顔を赤らめながらも何の気なしに答えた。

 

「え? ああ、犬衣さんの事? それは前もって聞いてる話だから、気にしなくて大丈夫」

「そーだったんですか」

 すごいラッキーだ。と彼は胸を撫でおろした。本当に3P出来るかもしれない。いやそれはいくらなんでも高望みしすぎか。

「じゃあ今日も国語の勉強しますか」

 

 小さなローテーブルの対面に座り、シレリアが彼の作ったテスト問題を解く。いつものドリルをこなしてきた成果の見せどころ。

 静かな木々のざわめきに、ペンの走る音がする。スーパーから貰ってきたチラシや印刷物の裏にちまちまと記入するシレリアの胸は、窮屈そうにしている。

 

 彼の知らない所で、仲の良い二人の間で話は通っていたようだ。なんならコンウェニも渡されていたが、犬衣としてはちょっと信じがたかったので大人しくゴムを使った。今回は。(その後一応検査キットは使うよう取り決められた)

 

 そもそもシレリアの立場上、彼との性行為は情愛によって行われているものではなく、衣食住のお礼にお世話をするという儀礼的な奉仕の延長線上にある。

 

 それは夫に対して、せめてものこころの不貞を禁じる自縛であり、からだの不貞に対する免罪符なのだ。

 彼を独占する権利を主張する事は上記の建前上できない。

 

 また、そうする気も無かった。

 

 シレリアはちらと視線をあげて彼を見やる。平仮名、うまくなりましたね。と褒められて、胸の奥があたたかくなる。

 

 彼は優しくて気が利いて寄り添ってくれる素敵な男性で、そしてなにより若い。

 そんな彼と年の離れた人妻のじぶんが釣り合うとは思えない。

 

 ただ、それとは別に対抗心のような、雌としての本能がゆっくりと首をもたげてくる。

 

(わたしと犬衣さん、どっちのエッチがよかったのかしら……)

 

 負けたくないという気持ちは無くもないが、いかんせん性技には自信が無い。そのように考えだしたのはこっちに転移してからだった。

 元の世界で冒険者として活動していた頃は男とそれほど縁が無く、また野営中の性交は無防備な状態になるので避けるべきなのは常識だった。

 

 結婚して落ち着いてから子供を授かるまでにまぐわった経験はあるものの、ほどなくして夫は行方不明となったので回数は多いとは言えないが、だいたい普通の夫婦がするようなセックスで、どこの家庭もそれくらいだと思っていた。

 

 思っていたが……いや、そもそもこの世界の性事情が発達しすぎているのだ。

 

 魔物という人間に対して明確な外敵も無く、社会的な安定を保っている国で娯楽は発達し続け、それはもちろん性風俗も内包している。

 彼が言うには、この国では古くから四十八もの体位がある事にシレリアはたいそう驚いた。

 

 だから、自分と犬衣の間に大きな差があるであろう事は想像に容易かった。そのうち、性処理の役割を失ってしまうのではないかという不安が影を落とす。それが、儀礼的な奉仕の裏に隠した、自らの性欲を満たされなくなるかもという本音である事を意識的に無視して。

 

「あ、終わりました?」

 彼が採点に入る。

「おしいですね、やっぱり『ぬ』とか『わ』みたいな似たような文字がある場合って覚えづらいですよね。けどほぼ正解。凄いですよ、こんな短期間で!」

 

「ありがとう……でも」

 目を伏せ、静かに言った。

「……犬衣さんだったら、きっと満点よね……」

「そりゃそうでしょうけど、シレリアさんは異世界人なんですから。むしろめちゃくちゃ覚えは早い方ですよ、子供のころの俺よりずっと頭良いです」

 

 シレリアは小さく笑って言った。

 

「……でも、もっと知りたいし、勉強しなくちゃいけないわ」

 

 しずしずと濡れた真意で。

 

 

 

 xxxxxxxxxxxx

 

 

 

 翌日、シレリアは彼が仕事に出ている間に犬衣を訪ねた。

 

「なに? あらたまっちゃって」

 お茶を用意した犬衣が尋ねる。

 

「実はその、お願いがあって……彼には内緒にしてほしいんだけど。もし嫌なら断ってくれても」

 

 口をまごつかせるシレリアに、好奇心が湧いてくる。

 

「なになに、なんでも言って。私に出来る事なら何でも手伝うし、ぜーんぜん大丈夫だから。同じアパートに住む者どうしじゃない」

 

「そ、そう……じゃあ」

 と覚悟を決めて、恥ずかしさにきゅっと目を固く結ぶ。

「え、エッチな事を教えて! ……ほしいん、だけど」

 

 返事が無いのでおそるおそる目を開けて、犬衣を見やる。

 

 にまあ~~と笑っていた。

 

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