【完結】ヒロイン全員子持ち人妻の小説が完成した! 作:hige2902
なんだか外が騒がしい。
部屋を片付け終わった彼が、換気の為に開けていた玄関横の小さな窓から外を覗き見る。
和狸と犬衣が言い合っていた。シレリアがなんとか場を取り持とうと四苦八苦している。
ついついセックスが長引いてしまい、二人が帰る時間とバッティングしてしまったようだ。
「あ、ヤバっ。けどなんで?」
ただ、どうして口論になっているのかが謎だ。温厚な和狸と快活な犬衣が対立する理由も、人間関係上の接点も、思い当たる節はまったくない。
しかし揉めているならこれはマズそうだ。急いで服を着て玄関を開けた。なぜか談笑している。
彼に気付いた和狸が軽く会釈して車で帰っていった。
「いったいなんだったんですか?」
わけがわからず、犬衣に尋ねる。
「いやそれがもう、いきなり詰められたからびっくりしちゃったけど、まあ勘違いで済んだ話だから」
「はあ」
割と剣呑な雰囲気だったが、ああもすぐに仲良くなる物なのだろうか。
なるのだ。
全員が全員というわけではもちろんないが、主婦の間でのみ通用する迅速なコミュニケーションというものは存在するのだ。
「にしても、あんな美人と今まで何してたのかな~? 予定じゃもうとっくに帰ってるはずなんじゃないの」
彼は笑って誤魔化したが、二人の顔を見るに誤魔化せてないので笑っただけになった。
「でも良い人ね、わたしたちがあなたに酷い事してるんじゃないかって本気で心配して怒ってたわよ」
「え、酷い事ってなんだろ」
「なんでって、まあいいか。それより、これ? 貰った自転車って。けっこういいヤツなんじゃないの?」
「こんなちゃんとしたのとは思わなくて、ちょっと気が引けましたよ」
「自転車って町で停めてあるのをよく見るけど、それよりもいい造りね」
シレリアがさまざまな角度からまじまじと見て言った。親が鍛冶屋だった事もあり、この類いは気になるのだろう。
「乗ってみます?」
「え!? いやわたしは別にそんな、なんだか難しそうだし」
わたわたと手を振って断るが、視線はちらちらと自転車に向けられている。
「けっこう楽しいですよ。俺としてもシレリアさんが乗れるようになってくれた方がいろいろと助かりますし」
「そ、そう? それならちょっと試してみようかしら」
「ま、続きは明日ね。今日はもう暗いし」
犬衣が彼の肩を抱き寄せる。悪戯に笑って言った。
「で、どうだったの、さっきの奥さんとは」
「いや別に何も」
「ほんと~? じゃあ今からきみの部屋に行っていい? まだエッロい匂いが残ってるんじゃないの~? どんなセックスしたのか言ってごらん」
むにゅむにゅと胸を押し付けながら質問すると、彼は誤魔化せなくなる。犬衣は最近この手口を濫用しがちだった。
「わ、わたしも興味ある、かも。勉強になるし」
反対からはシレリアが彼の腕を胸で挟む。
「……はい」
観念した彼は、二人に部屋へ連れ込まれた。
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夕陽が落ち、辺りが暗くなったころ。閑静な住宅街に明かりが灯る。
そのうちの一軒家のテーブルの上には、四人分の食欲を誘う香りのビーフシチューとフランスパンのガーリックトースト、彩り豊かなサラダが並んでいる。
どこにでもあるが、ここにしかない家族の団らんがあった。いつまでも可愛い娘と、最近少し生意気になった息子、それに優しい夫。
「なんかさ、水泳の授業があった日って風呂入んなくてもいい気がしない?」
息子がサラダをパクつきながら誰に言うでもなく話題を振った。
「ええー、きったないよそれは」
娘が信じられないといった表情を向ける。
「いやおれは入るけど。なんかサッカー部で最近そういう話になって」
「まあ少しわかるな」
優詩が神妙な顔で同意する。
「ジムに行ったらシャワー浴びるから、また家で風呂に入るの少しめんどくさい」
「なに言ってるの二人とも、お風呂はきちんと毎日入ってください」
「いやいや。感覚的にって話で、ちゃんと入浴してるよ」
和狸に咎められ、急いで取り繕う。
「だからおれも入ってるって」
「ホント~ちゃんと身体洗ってる? お父さんと一緒に入って確認してもらったほうがいいんじゃないの~」
「うっせーな。じゃあ姉ちゃんは母さんと風呂入れよ」
「わたしは別にいいけど」
「え、じゃあおれも想実さんと……」
その言葉で、和狸の心臓がどっと汗をかく。
「なっ! に言ってるんですか優詩さん、子供たちの前で」
緊張を無理やり押さえて固唾を飲む。
(もしいま身体を見られたら……)
彼に抱かれた跡がまだ残っているかもしれない。
「お父さん。いくら家族って言ってもお母さんだってレディーなんだから、そーゆー事を明け透けに口にするのはよくないなー」
「そ、そうか。そうだな。いやごめんごめん」
「いや姉ちゃんが振った話だし」
別に誰も本気で怒ってなどいない。ただのじゃれ合い。
そんな食卓を囲む家族を眺め、和狸は密やかにじぶんの腕を抱いた。
(大丈夫、彼との関係はあれで終わりだから)
だから大丈夫、言い聞かせるように何度も心中で念じた。
それになにより、あの行為には夫婦愛も家族愛も無かった。
なら、二回目のセックスの時に感じたアレは何だったのだろう。今更になってその情感があったかもと気付くほどあやふやで、おぼろげな気持ち。だった気がする。
それよりも、当面の問題は別にあった。
(こんど職場で会うの、ちょっと気まずいわ~、どうしましょ~~)
しかも明日は友田が泊まりに来る日だ。心休まる暇もない。
(けど、しっかりしなくちゃ!)
気持ちを新たにし、翌日を迎える。
(絶対に、隙を見せちゃダメよ!)
和狸はじぶんに言い聞かせた。
夕方になって、息子と手土産をも持った友田が家に上がる。
「あの、これ、よかったら」
「あら、ありがとう」
差し出された包みをひょいと受け取った。和狸の手に触れ損ねた友田の指がピクリと動く。
先に風呂を勧めた時のまごついた反応を見るに、どうも機先を制したらしい。娘はバイトで遅くなるし、脱いだ下着に関して気付けたのは我ながら冴えている気がした。
(けど、なんでかしら?)
見え隠れする好意の言動や行動の端々を目にしても冷静でいられる。
その日は不思議なほど平常心で友田と接することが出来た。いつもならちょっとした一言、一挙手一投足にたじろいてしまっていたのに。
まるで決意が功を奏したように、向けられた欲望に対して驚くほど動じない自分に気付く。
その原因を掴めないまま出勤日を迎え、職場で彼と再会した時は少し緊張したが、お互い不貞に関しては元々そういう約束だったため触れられる事は無かった。
気まずい雰囲気を避けようと、前日から考えていたセリフを和狸が仕事の合間に口にする。
「そういえばどう? 自転車は、ちゃんと乗れた?」
「さっそく今日乗って出勤してきましたよ」
彼がマスクと帽子越しにもわかる屈託のない笑顔で言った。
手に入れたばかりの自転車にまたがって、少しふらつきながら漕ぎ出し、ブレーキを掛けながら急な坂道を下った。
初めて体に感じた滑るような加速と風。胸の高揚。素晴らしかった。
力を込めて踏み込むと、その分だけ加速する。通勤がこれほど楽しいものになるとは思わなかった。
「ずっと乗ってみたかったんで、和狸さんのおかげで夢が叶いましたよ。ありがとうございます」
頭を下げられるとなんだか大袈裟な気もするが、児童養護施設が自転車を買う事はほぼ(たぶん)無い。寄付でまかなわれている。
場所によっては一台を使い回したりする事もあり、その時はなんとなく乗るのが怖かった彼はずるずると機会を失ったままだった。
「ならよかった。けど気を付けてね、あんまりスピード出しちゃダメよ?」
胸に暖かいふわふわした気持ちが込み上げてくる。
こんなに喜んでくれるのなら、もっと早くにあげたかったがこればかりはタイミングの問題で仕方がない。
その後、和狸が揉めた二人に対して改めて謝罪したかったのでその旨を彼に伝える。
それは問題無かったのだが、あの昼間の熱情だけを避けて会話しているのが逆に不自然で、かえって意識してしまった。
二度と見る事の無い甘美に蕩けた白昼夢。
和狸は仕事中の彼に密やかな視線を向ける。
あの時はセックスするだけの理由があった。勘違いだったとはいえ、そうする大義名分があった。
誤解がとけた今、もうあの快楽を得る為の理屈は無いのだ。
誰にも言えない喪失感を抱えたまま、数日後、和狸は菓子折りを持ってアパートにやってきた。あらかじめ彼が話を通してくれており、犬衣の部屋にシレリアも呼んであるそうだ。(彼はバイト)
前回は恥ずかしい誤解という事で笑い話で済んだが、正式な謝罪である事と、日が開いて心持も変わり緊張する。
本当は怖い人たちで、怒られるのではないか。という和狸の思い込みは、結果的に杞憂で終わった。
まるで新たなメンバーがママ会に入ってきたかのような雰囲気で歓迎され、あっという間にお喋りに花を咲かせた。
そもそもシレリアも犬衣も、彼がひどい目に遭っていると思って怒ってくれるような人物に対して悪感情を抱くわけもなく、むしろ好感を持って当たり前だった。
女三人寄ればなんとやらな笑い声で盛り上がる。
頬に手を当て、少し恥ずかしさを滲ませた和狸が言った。
「でも安心したわ~、悪い人たちに利用されてるんじゃないかって思ってたから」
あっけらかんと犬衣が言い放つ。
「合意も合意よ。だから安心してオナって大丈夫」
「わ、わたしは別にそんな……」
「あら、買ってくれたんじゃないの?」
「えと、その……」
えへへ、と誤魔化すように笑う。
「まあ、これからは生で見れるっていうか、ヤれるからそんな見返す事もないだろうけど」
「もっ! もうシない……わよ」
「あらそう」
「……気持ちよくなかった?」
なぜだか少し悲しそうにシレリアが尋ねる。
「そんな事はないけど、ほら、わたし結婚して夫も子供もいるし……」
「あーそっか、普通はそうか」
今更ながら、そんな当たりまえの事実に犬衣はポンと手を打つ。
その左手の指輪を見て和狸が尋ねた。
「そのぅ、二人はどうして……?」
「わたしはまあ、趣味っていうか。それなりに家族に対して不満があったり、彼との不倫セックスにハマった感じ? そういうのがごちゃ混ぜになった末の爛れた関係かな」
犬衣はさらりと言ってのけるが、生半可な覚悟で行ったではない事くらいは和狸にも感じ取れた。
「それに素直でいい子じゃない……居場所を作ってくれたし」
言い終わると、二人の視線がシレリアに向けられた。少し目を泳がせながら口を開く。
「わ、わたしはお世話になってる恩返しに、彼が喜ぶ事なら何でもしてあげたいなって思って」
和狸は、急にもじもじして赤くなったシレリアから犬衣に視線を移す。小さく口元で笑っていた。あっ、そうなの? そういう……あ~そう?
「けどシレリアさんは彼が犬衣さんとエッチしてもいいの? けどって言い方は変だけど」
「彼が嬉しいのならわたしは全然気にしないわ」
シレリアは平然と、むしろ彼が複数人の女性と関係を持つことにどこか誇らしさを覚えているように言い切った。
和狸は再び犬衣に目で確認を取る。口元の笑みは変わらないまま、僅かに小首を傾げてみせた。あっ、そうじゃないの? どういう……
「シレリアさんは尽くすタイプの女なのよねー」
そういう問題だろうか? 和狸は疑問に思わないでもないが、パーソナルな事なので踏み込むのをやめた。
「じゃあ和狸さんはもうシないの?」
純粋な瞳でシレリアが尋ねる。一瞬の躊躇いの後に和狸は口をまごつかせた。
「だって、それは……あの時だけって約束だったし」
「わたしも一回試しで不倫してみようって感じだったけど、吹っ切れたっていうか、大げさに言うと人生観が変わったけどな」
犬衣はクッキーを齧って続けた。
「和狸さんはどう? 何か変化あった?」
「え? う~ん、そうねえ」
思い当たる節があるにはある。
友田に対して動じる事が無くなった。思い切ってその辺りの事情を話してみる事にする。
「それってつまり、心に余裕が出来たって事なんじゃない? 彼と気持ちいいエッチをしたから」
事情を聞いたシレリアがストレートに言った。
「そう、なのかしら」
なんとなく言葉を濁し、曖昧に返す。
それを認める事は、つまるところ優詩との性生活に満たされていないという事になってしまう。
「でも、夫とのエッチに満足してないわけじゃないんだけど」
ふむ、と犬衣は逡巡する。おそらく夫婦仲はかなり良い方なのだろう。きっと愛があるに違いない。
ただ、その愛ゆえに和狸の奥底にある性欲を掴めていないのように思えた。彼から聞いた和狸の乱れ具合から察するに、そう間違った推察ではないだろう。
「けど、こないだ彼とヤった時はもっと良かったんでしょ? シてほしい事があるなら、思い切って旦那さんに言ってみたら?」
「そ、そんなの無理よ!」
「どうして?」
シレリアが尋ねる。
「だって、だって……」
言い淀み、意を決した和狸が口を開く。
「だってエッチな女だって思われちゃうじゃない!」
シレリアと犬衣は互いに顔を見やった。再び和狸に向ける。
(付き合いたての子供かな?)
ただシレリアはそれとなく理解を示した。
「ちょっとわかる気もする。もしもいま夫と再会したとして、彼にしてもらったみたいにエッチしてって遠回しに言うのも気が引けるかも……」
「そうよねそうよね!」
和狸がパァッと顔を輝かせる。
「エッチなのって引かれたりしないか心配だし」
「いやいや、男は嬉しいでしょ、言われたら」
「でもいきなり、これからは覆いかぶさって激しく犯すように突いてほしいなんて言えないし、急に腰使いに細かくダメ出ししだしたら今までのエッチに不満があったのかな? って思われそうだし……」
「まあ、それは、んーそうかも」
「それに、私がダメって言うのを無視して無理やりヤってほしいのを伝えたら、なんていうか、その前提のエッチになっちゃうじゃない?」
頷ける話ではある。
制止を無視した快楽を求めるだけの、一種の獣の交尾のような野蛮さに興奮するのだから、あらかじめその旨を伝えてしまうと茶番になってしまい興ざめという事だろう。
それに、そういった性癖を告白するのにも勇気がいる。拒絶の場合を考えれば尚の事。
「和狸さんって、けっこうマゾ?」
「そう、なのかしら。あまり意識した事は無いけど」
シレリアが真剣な面持ちで言った。
「けどそれなら尚の事、彼とエッチした方がいいんじゃないかしら?」
「え!? えー、え~~、どうしてそうなるの? どうしてそうなるの?」
和狸は否定したいようで、まんざらでもない感じ。背中を押されるのを待っているようでもある。
なるほど、とシレリアの意図を察した犬衣が後を続けた。
「確かに……たぶんこのままだと和狸さんは友田って子に流されてヤられちゃうわよ」
想像して一転、眉を顰める。
「それは嫌ね」
なぜ友田は嫌で彼はいいのか。その辺りの明確な基準がある訳ではないが、友田からなんとなく感じる陰湿さのようなものが生理的に受け付けない。
「だから彼とヤリまくって発散しといた方がいいって」
言われて固唾を飲んだ。
あのイかされまくった昼下がり。二回りも若い彼の汗ばんだ身体。想起して期待が顔に滲み出る。
「そ、そうかしら?」
完全に同意が欲しいだけの意見の聞き方でシレリアに振る。
「息子さんとお友達の仲はいいんでしょ?」
「ええ、かなり。よく遊んでるみたいだし、部活でも一緒に試合に出てるし」
「もしもだけど、お友達と和狸さんがエッチしたのを息子さんが知ったら、二人の仲ってきっと気まずいものになると思うの」
ハッ! と和狸は目を見開き、雷に打たれたかのような衝撃を受けて固まった。
友田はどうでもいいとして息子の気持ちは守らねばならない。
「その友田って子、かなり強引っぽいし、いろいろ企んでるんでしょ? だったら彼にシてもらって、心を鎮めておいた方がいいんじゃないかしら。二人の関係の為にも」
ぷるぷると震えていた和狸が、ややあって決心を口にする。
「……そうね、二人の言う通りかもしれないわ。いえ、言う通りね」
そう、これは息子の友情を守る為の致し方ない情事。和狸の意思とはほぼほぼ反する必要な犠牲、しゃーなし、コラテラルダメージ。
カップの紅茶を一息で飲み干して決心を固める。
「やっぱり定期的に彼とはエッチします! ……けどどうやって誘えばいいかしら~~。一日だけの秘密って言っちゃったし、今さらやっぱりなんて」
ひらひらと手を振って犬衣が軽い口調で言う。
「あー簡単簡単。自転車の様子を見るとか、どれくらい乗れるようになったか確認するとかで来て、後はそのおっきなおっぱいがあればイチコロだって……ていうか、わたしも結構大きい方って思ってたんだけど、和狸さんの見るとちょっと自信無くすわー」
「えーでもそれを言ったらシレリアさんの方が、ねえ?」
「わたしはほら、二人に比べて太ってるだけだから」
「そんな事ないじゃない、それくらい肉付きがいい方が男受けするんだから。こないだ二人で買い物に行った時なんて、まー男どもが振り返ってまで見るわ見るわで」
言いながらするりとシレリアの背後に回って、そのデカすぎる乳房を両脇から揉み上げる。
「あっ、ちょっと犬衣さん。もうっ、そんなにしたら、んっ」
「はぁ~、相変わらず同じ女でもうっとりするような揉み心地ねぇ。大きいのに形が整ってて、すっごく柔らかい。ずっとこうしていられるわ~」
片手では零れ落ちる乳肉を前腕も使って持ち上げては、ずりゅんと手放して落とす。
「……実はわたしも気になってたの、触ってもいいかしら?」
「それはっ、いいけど、あんっ」
和狸としても彼女の信じられない爆乳には興味があった。
まじまじと見つめながら、真正面からシレリアの右乳に両手で触れる。そのまま押し込むと沈むように形を変えた。
「羨ましいわ、おっぱいが大きいって事はそのぶん性感帯も広いって事でしょ? それにしても本当に凄い……そう言えばブラとかってどうしてるの? 普段からニップレス?」
「んあっ、彼と肌着を買いに行った時に、これを見つけて……はぅぅ、ちょっと触り方が、や、そこぉ」
「えっ? 二人で下着屋に行ったの? すごっ、なにそれ聞きたいんだけど! 今度わたしも下着選んでもらおうかな!」
「く、詳しくその時の状況を説明しほしいわ! 興奮した? いやらしい下着とか選ばされたり!?」
「ひゃん! あっ、それは、ひ……恥ずかしいからぁ」
「んー? 言ってくれないと、このピンクの美味しそうな実を食べちゃうわよー?」
犬衣がカリカリとニップレスの上から乳首を掻く。もどかしい快楽がじんじんと走った。
「彼と初めてエッチした時、何が一番印象的だった?」
どさくさに紛れてあんまり関係無い事も和狸が真顔で聞く。しっかりと乳を揉みしごきながら。
「それはっ、お、おまんこを舐められたのがっ、あっ、初めてで♡」
「あー、あのクンニも絶品よね。誰に仕込まれたんだか」
「そ、そうなの?」
和狸の期待に満ちた視線に、犬衣がにやりとイタズラっぽく答える。
「三分持たないから」
「えっ! えーッ! あれってAVの演出じゃなくって!? 楽しみ! 今度絶対シてもらお!!」
その間ずっとシレリアは太ももをよじり合わせ、目を潤ませながら二人の責めに耐える(噴いては無い。イかされはした)も、やがて観念した。
その後はお茶を淹れなおし、あーだこーだと駄弁りを続け、そのうち、どの体位が好きだとか、ヤってみたいプレイだとかで大いに盛り上がった。
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もっと自転車を漕ぎたくて、彼は仕事終わりに海の方に向かう。磯の香りと水平線に沈む夕焼けを眺めて、シレリアと一緒に来た日の事を思い出す。
初めて出会った時はどうなるかと思ったが、彼女はこの世界に馴染んできている。あとは無事に帰る手段を元の世界の仲間が見つけてくれればいいが……
なんとなく感傷的になってしばらく佇んだ。
そういえばと港の方を見やる。
工事はまだ続いていた。大がかりかつ海なのでそう簡単に終わるはずがない。
なんとなく近くまで行ってみる。
書木県にこんな大がかりな港の拡張工事をしてどうしようというのだろう? 名産品も観光資源も大したものは何もない。そう思いはしたが、彼としてはどうでもよかった。じぶんには関係ない話だから。
フェンスを見ると港湾運営の出資企業の名が書かれている。国や書木県の他に鶴技術株式会社とある。
先進技術分野におけるリーディングカンパニーだが、彼にはまったく馴染みの無い名前だった。
そろそろ帰ろうとすると、ちょうど関係者以外立ち入り禁止の看板の向こうからパンツスーツ姿の二人の女性が出てきた。
距離があるのでなんとなくでしかわからないが、一人は黒髪の妙齢の女性でもう一人は付き添って歩いている。マネージャーか秘書か部下か、そのような雰囲気。
黒髪の方が彼に気付いて軽く会釈した。
彼は振り返るが、他に誰もいない。おそらく自分に向けられたものなのだろうが、その黒髪の女性とは面識が無いように思える。
いや、どこかで見たような気もするが、おぼろげな記憶ならきっとどうでもいい場所で会ったのだろう。ならどうでもいい。ともあれなんとなく会釈し返して帰路につく。