特務捜査隊エージェントライダーズ!-絶賛排卵中の危険日女捜査官達は特製媚薬になんか絶対に負けない!- 作:オリーブドラブ
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ノバシェード対策室に所属する男性捜査官であり、勇猛な好青年。B.A.V.A.R.F.アルファチームの一員・咲の幼馴染兼恋人であり、拳銃射撃の名手。量産試作型外骨格「マス・ライダー」の装着者であり、咲と共にノバシェードと戦い続けていた。D.A.S.T.との戦闘で重傷を負い、現在は対策室管轄の総合病院に入院している。年齢は20歳。身長は185cm。
※泥濡れ龍先生の3次創作「歪んだ純愛に堕ちるマス・ライダー達(https://www.pixiv.net/novel/series/12221546)」にも登場。
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ノバシェード対策室に所属する男性捜査官であり、装太の後輩に当たる青年。B.A.V.A.R.F.アルファチームの一員・リンの幼馴染兼恋人であり、対策室内でも指折りの狙撃手。量産試作型外骨格「マス・ライダー」の装着者であり、リンと共にノバシェードと戦い続けていた。D.A.S.T.との戦闘で重傷を負い、現在は対策室管轄の総合病院に入院している。年齢は18歳。身長は180cm。
※泥濡れ龍先生の3次創作「歪んだ純愛に堕ちるマス・ライダー達(https://www.pixiv.net/novel/series/12221546)」にも登場。
【挿絵表示】
大型貨物船「ビッグ・ノア号」が航行していた、北欧某国の領海。その嵐の海を舞台とする最後の戦いはB.A.V.A.R.F.の勝利に終わり、長く苦しい夜はついに終わりを告げた。巨人との死闘を制した女傑達は誰一人として欠けることなく、全員で朝陽を迎えることが出来たのである。
この戦いの「終幕」を悟っていたのは、対策室本部から決着を見届けていた上層部の幹部達だけではない。ニューヨーク市内に位置する、対策室管轄の総合病院に入院していた2人の男性捜査官も、戦士としての直感で戦いの終わりを感じ取っていた。
「装太先輩……目覚めていますか、
「あぁ……聞こえてるぜ、
病室のベッドに横たわっている2人の美青年――装太と衝矢。D.A.S.T.との戦いに敗れ瀕死の重傷を負っていた彼らはこの日、ようやく昏睡状態から目覚めたのだ。
拳銃射撃の名手でありながら、ブラスタースパルタンことパースヴェイダーとの銃撃戦で完敗し、全身を撃ち抜かれていた装太。対策室屈指の狙撃手でありながら、トマホークスパルタンことタバルを仕留め切れず、右腕を斬り落とされ惨敗を喫した衝矢。
彼らの無念が恋人達の手で晴らされた時、止まっていた彼らの時間も再び動き出したのだ。衝矢は鋼鉄の筋電義手が装着されている右腕に視線を落とし、物思いに耽っている。そんな彼の胸中を汲むように、装太はその横顔を静かに見守っていた。
(あれから……どれくらい経ったのだろう。咲達は……無事だろうか。くそっ、こんな時に俺はっ……!)
(リン……済まない。俺があの時、もっと上手くやれていれば……!)
2人の脳裏を過ぎるのは、数日前に起きた
◆
――2020年10月某日。彼ら2人を含む対策室の男性捜査官達は、通常型の
当時、吊橋は深い霧に包まれていた。その視界の悪さが、彼らにとっての命取りとなったのだろう。
「なんだっ!? トレーラーがっ……うわぁあぁあっ!?」
「しゅ、襲撃だっ! ノバシェードの待ち伏せかっ……!? とにかく皆、トレーラーから脱出するんだっ!」
ノバシェードのアジトを捜索する任務の中で、対策室の仲間達と共に吊橋を渡っていた装太と衝矢は――そこで突如、D.A.S.T.の襲撃を受けたのである。突如ビームガンによる銃撃でタイヤを破壊されたマス・トレーラーが、激しく横転したのだ。
「ぐ、ぁっ……!?」
「てっ、敵襲だぁあっ! ノバシェードの奴ら、この霧に紛れて……がぁっ!?」
マス・ライダー通常型の外骨格を纏った男性捜査官達のチームは、車内から飛び出したところを狙われ、瞬く間に壊滅してしまった。横転したマス・トレーラーから脱出した捜査官達は、霧の向こうから飛んで来た「熱線」で次々と撃ち殺されてしまったのである。
「み、皆ッ……! くそッ、どうしてこんなことにッ……!」
「!? 衝矢、見ろ! 霧の向こうから……誰か来るぞ!」
霧で視界が悪くなっているところを狙われ、共に橋を渡っていた仲間達を一瞬で惨殺された装太と衝矢。彼らの前に現れたのは、仮面ライダーに似た姿の「刺客」であった。金属的な足音を鳴らして、奇襲の実行犯が霧の向こうからゆっくりと歩み出て来る。
「ふん。仮面ライダーに似せた姿を持っていながら、この程度の奇襲も乗り切れんとは惰弱の極みだな。やはりお前達は戦うに値しない」
凶悪な面相の仮面を被った、謎の刺客。その者が襲撃の実行犯であることは明らかだった。彼の手に握られた1挺のビームガン。その銃口は発砲直後の熱気を帯びており、先ほどまで火を噴いていたことを物語っている。
マゼンタの外骨格を纏い、仮面ライダーに近しい意匠の仮面を被った「刺客」。その異様な姿形に、装太と衝矢は顔を見合わせていた。
「お、お前は一体ッ……!?」
「知りたいか。なら……力づくで
「……ッ!」
仮面ライダーの勇姿を模した白銀の外骨格――「マス・ライダー通常型」。その鎧を纏う特務捜査官の一員として、装太と衝矢は即座に各々の愛銃を抜き、刺客の身柄を確保しようとしていた。相手が何者であろうと、仲間達を殺されている以上こちらも引き下がるわけには行かない。ノバシェードに与する組織の手先ならば、捜査官として逮捕するまで。
「良いだろう……その挑発、敢えて乗ってやる! 皆の仇だ……! 衝矢、行くぞッ!」
「はいッ!」
「……ふん」
装太が纏う外骨格の腰部から、対怪人用拳銃が引き抜かれる。衝矢も背面に手を伸ばし、そこに装備していた大型狙撃銃を取り出していた。何人もの仲間を殺されてもなお自身に刃向かおうとしている2人の仕草に、仮面の刺客は鼻を鳴らしている。
「……この状況でも恐怖に飲まれることなく、俺に挑むか。実力はともかく、度胸においては見込みがあるようだ。……どれ。ここは一つ、お前達の腕前を見てやるとしよう」
「なに……!?」
仮面の刺客は奇襲に使用したビームガンをゆっくりと構えて、2人に銃口を向ける。その行動に装太と衝矢は身構えるが、刺客はそこで発砲すると見せ掛け、愛銃をクルクルと回転させてホルスターに収めてしまう。
「その前に……その度胸がただのハッタリかどうか、
攻撃の意思を見せない刺客に対し、装太と衝矢は不審な気配を感じながらも各々の愛銃を構えている。そんな2人を交互に見遣っている刺客は、仮面の側頭部に位置するスイッチに触れ、仮面の内部に表示された何らかの「数値」を見つめていた。
「……ほう、なるほど。やはり見込み通り、他の雑魚共とは少し違うようだな。狙撃銃使いの方はNCレベル2.3。拳銃使いの方は2.5……。さっき片付けた連中が軒並み1.4程度だったことを思えば、破格の数値だな。対策室の捜査官にしては、なかなかの逸材……ということか」
「NC……レベル……!?」
「何を言ってるんだ、コイツは……!?」
刺客が口にした「NCレベル」という聞き慣れない単語に、装太と衝矢は仮面の下で眉を顰める。そんな彼らの反応は予想が付いていたのか、刺客は特に気にした様子もなく、ゆっくりと腕を組んでいた。
「
「戦力の数値化だって……!?」
「ふん……それで俺達の強さを測って、戦う前から勝った気でいるわけか? 舐められたもんだな……! 実戦の世界に絶対なんてものはない! どんな時でも何が起こるか分からないのが『戦い』ってヤツなんだ! そんな胡散臭い数字で俺達のことを分かった気になってると、痛い目を見るぜッ!」
「……そう、その通り。この数値は観測対象のエネルギー出力や、装着者の筋力から『概算』しているに過ぎん。こんなものはあくまで単なる目安の一つ。だからこそ、改めてこの俺自身の眼で
「な、なんだと……!?」
戦闘能力の数値化。そのような技術を確立していたノバシェードの科学力に衝矢が息を呑む一方、装太は命懸けの世界を「数字」で片付けられていることに怒りを露わにしていた。そんな装太の意見に同意している刺客は、今の自分が無防備であることをアピールするかのように、両腕を広げる。
「……腕前を見てやる、と言っただろう? 先にお前達の方から撃ってみろ。俺から先に仕掛けたのでは、腕を見る間も無く終わってしまうからな」
「このッ……舐めるなァッ!」
「衝矢、待て――!」
その挑発に怒りを露わにした衝矢は、装太の制止よりも速く引き金を引いてしまう。この近距離での狙撃ならば、外す方が難しい。必殺の信念を込めた銃弾が、刺客の眉間を捉えていた。
「な……!?」
はず、だった。刺客は僅かに首を傾けただけで、衝矢の狙撃をかわしてしまったのである。幾人ものノバシェード戦闘員達を葬って来た衝矢の銃弾は、この刺客には擦りもしなかったのだ。
「……雑魚にしては良い狙いだ。
「ば、馬鹿なッ……この距離で俺の狙撃をッ……!?」
「……くそッ!」
刺客の嘲笑に衝矢が愕然とする中、一歩前に進み出た装太は腰を落として愛用の拳銃を構える。1発で仕留めようとしてもかわされるのなら、回避が間に合わないほどの「手数」で攻めるしかない。そう判断した装太は、刺客の全身に向かって拳銃を連射した。
「当たれぇええッ!」
機関銃の如き速度で連射された装太の銃弾が、刺客の頭部、胴体、四肢に向かって飛ぶ。並の戦闘員ならどれか1発が当たるだけでも確実に死に至る、オーバーキル級の攻撃だ。
「
「……ッ!?」
にも拘らず。瞬く間にホルスターからビームガンを引き抜いていた刺客は、装太以上の早撃ちを繰り出して来た。彼の銃口から連続で飛び出した熱線が、装太の銃弾を全て一瞬で焼失させてしまう。その光景に戦慄する装太は、思わず銃口を下ろしていた。
「……全く、興醒めだ。少しは『誤差』が生じると期待していたのだがな。やはり2.5ではこんなものか」
「そ、そんなッ……!?」
「腕が良いことは確かなようだが、それはあくまで雑魚同士の小競り合いという狭い世界での話。そこから一歩外に出た瞬間、井の中の蛙は大海を知る。良い勉強になったな?」
この刺客――ブラスタースパルタンは、装太達の予想を遥かに上回る強さだった。
「つ、強い……! 何なんだコイツはッ……! 今まで戦って来たノバシェードの戦闘員達とは、まるで強さの桁が違うッ……!」
「俺の狙撃を簡単にかわす上に、装太先輩の連射を全て迎撃してしまうなんて……! 先輩、奴の外骨格は見掛け倒しではありません……! 奴の力はまるで、本物のッ……!」
2人はこれまで、B.A.V.A.R.F.と力を合わせて数々の難事件を解決して来た。その精鋭部隊に属する恋人達と肩を並べ、ノバシェードの戦闘員達を何人も逮捕して来た。そんな彼らが、傷一つ負わせられなかったのだ。
今まで、咲やリンと協力して打倒して来たノバシェードの戦闘員達とは、強さの「次元」が根本的に違っていた。雑魚の戦闘員達としか戦って来なかった装太と衝矢にとって、スパルタンライダーの力は文字通りの「桁違い」だったのである。
「名もなき雑魚にしてはやるようだが……『仮面ライダー』の姿を借りた者としては、度し難い弱さだ。その弱さ、あらゆる悪行よりも遥かに罪深い。貴様の命を以て……その罪を償えッ!」
「うぐわぁあぁあぁッ! さ、咲ッ……ご、ごめんッ、俺はッ……こんなところ、でッ……」
「死の間際に女の名とは、軟弱の極みだな。他の雑魚共よりかは多少腕は立つようだが……量産型の紛い物など、所詮はこんなモノか」
マゼンタを基調とする外骨格――ブラスタースパルタン。その鎧を纏ったパースヴェイダーとの戦いに敗れた装太は、全身を撃ち抜かれ吊橋から落下してしまったのである。
(……さ、きッ……)
ブラスタースパルタンのビームガンで身体中を撃たれ、満身創痍のまま川に落下して行く装太。死に瀕した彼の脳裏に過ったのは、幼馴染にして最愛の恋人である咲との逢瀬だった。
(ちく、しょう……!)
生涯愛し、守ると誓った最愛の女性。幼い頃は、周囲から苛められていた彼女を守ることが自身の役割だった。しかし対策室屈指のエリート部隊であるB.A.V.A.R.F.に選ばれた今の咲は、自分よりも遥かに強くなっている。今となってはむしろ、自分が守られる側なのかも知れない。
それでも、共に戦って平和を取り戻し、幸せな家庭を作ろうと約束したあの頃の気持ちは変わっていない。ノバシェードを倒し、安心して日々を過ごせる時が訪れた時こそ、自分達は晴れて結ばれる。装太はその想いを胸に、ここまで戦い抜いて来たのだ。
――んっ、ぢゅっ、ぢゅううっ……! 装太君、装太君っ……!
――んんっ……! さ、咲っ……!
今回の任務を受け、出発する前夜。装太と咲は暫しの別れを惜しみつつ、深く濃密なまぐわいに耽っていた。互いの指を絡め合い、乳房と胸板を隙間なく密着させ、熱く濃厚なキスで唾液を貪る。そして反り返った逸物で濡れそぼった蜜壺を何度も味わい、その最奥に熱い白濁を注ぎ込んだのだ。
互いに熱く見つめ合い、唇を重ね、汗ばむ裸身を絡め合わせて夜を過ごす。そのひと時は、双方の想いを確かめ合うには十分過ぎるほどに濃厚であった。部屋中に響き渡る咲の甘い喘ぎ声が、装太の情熱をさらに昂ぶらせていた。
――んはぁあぁあっ……! それっ、それイイっ……! はぁうっ! 装太君っ、もっと……もっと吸ってっ……! もぉっと……愛してぇえっ……!
――咲っ……! 好きだ、咲っ……!
愛する男に求められ悦ぶ彼女は、乳首にしゃぶり付く装太の頭を白い両手で抱き寄せ、自身の乳肉で彼の顔を包み込もうとする。そのいじらしい恋人の姿に、装太の愛欲もますます昂っていた。そして彼は愛する女の白い爆乳に包まれながら、何度も蜜壺の最奥に熱い精液を解き放ったのである。
それは、「安全日」でなければ叶わないひと時であった。3人の首領格が倒れてからも抵抗を続けているノバシェードは、今もなお世界各地でテロ行為を繰り返している。彼らを完全に壊滅させない限り、自分達も安心して子供を作ることは出来ない。
だからこそ、1日も早く平和を取り戻さねばならないのだ。熱い夜を過ごし、共に朝陽を迎えた2人は、その決意を新たにそれぞれの任務に旅立っていたのである。
自分よりも強くなった今の咲ならば、どんな怪人と遭遇しても負けることはないだろう。ならば自分も彼女に続き、この任務を無事にやり遂げねばならない。その信念を持って、あのマス・トレーラーに乗り込んだ……はずだったのに。
(ごめ、ん……さ、きッ……)
次世代の「仮面ライダー」として、人類の守り手となったマス・ライダーの装着者である自分が。よりによって、仮面ライダーの姿を借りた偽物に敗れてしまった。これほど屈辱的な結末はないだろう。
(
アメリカの裏社会を牛耳っているという、過激派組織。そのトップに君臨している装太の叔父――纏は、装太や咲の装備を密かに「調整」している技術者でもあった。彼が裏社会の力を駆使して「魔改造」した重火器ならば、ブラスタースパルタンを打ち破ることも出来ただろう。あとほんの数日で、その重火器が装太の元に届くはずだったのだ。
(俺はッ……こんな、ところでッ……!)
その悔しさに顔を歪め、己の不甲斐なさを呪いながら。愛する女との約束を守れなかった自身の無力さを恥じ、装太は川に墜落してしまった。大きな水飛沫が舞い上がった瞬間、川の水面が血の色を帯びて赤く染まって行く。
「……ッ! 装太先輩ッ……!」
そんな先輩の姿に、衝矢は仮面の下で唇を噛み締めていた。しかしこれは、狙撃を得意とする衝矢に望みを繋ぐための「陽動」だった。戦いの中で自身の力不足を実感していた装太は、パースヴェイダーの不意を突くための囮役を買って出ていたのだ。
(あとは……頼んだぜ、衝矢ッ……!)
(装太先輩ッ……! 先輩の無念は、必ず俺がッ……!)
圧倒的な強さを誇る刺客との死闘の中で、装太の意を汲んでいた衝矢。彼は装太とパースヴェイダーが戦っている間に霧に紛れて距離を取り、先輩の「仇討ち」を果たそうとしていた。装太が命懸けで稼いだ時間を活かし、衝矢はパースヴェイダーの頭を遠距離から撃ち抜こうとした。
(絶対に当ててやる……! 当たりさえすれば、お前なんか……!)
「そうだ、よく狙うが良い。……狙える暇があるならな」
「なにっ……!?」
だが、その行動すらも敵方に読まれていた。パースヴェイダーは衝矢の狙いを察した上で敢えて彼を泳がせ、霧の中に隠していた「伏兵」に襲わせようとしていたのである。
「ざぁんねんだったなマ・ヌ・ケがァ〜ッ! 霧を利用してるのがてめー独りだと思ってんのかァア〜ッ!?」
「なッ……!」
ブラウン基調の重鎧を纏った伏兵――トマホークスパルタンことタバルが現れたのは、その直後だった。仮面ライダーを想起させる意匠を持った、凶悪な面相の鉄仮面。その仮面を被った大男が霧を突き破るように、衝矢の眼前に飛び込んで来たのだ。
「き、貴様いつの間にッ……!? 刺客は『2人』居たのかッ!?」
「そういうこったァッ! これで勝っただなんて、その気になっていたてめーの姿はお笑いだったぜぇ〜ッ!」
「くッ……そぉおおーッ!」
霧に紛れて奇襲を仕掛けて来たタバル。その速さに反応し切れなかった衝矢は、咄嗟に引き金を引いたものの、急所に銃弾を当てることが出来なかった。
「バァァカがァッ! 俺のトマホークスパルタンはなァッ、11年前に死んだ親父が使っていたモノより……格段にパワーアップしてんだよぉおッ!」
「うッ、うぐわぁあぁあぁあーッ!?」
そして敢え無く、タバルの
(リン……済まないッ……! こんなところで、俺はぁッ……!)
あまりの激痛と体力の消耗により、意識が遠退いて行く。自身に「死」の瞬間が迫りつつあることを実感し、衝矢は仮面の下で悔しげに顔を歪めていた。そんな彼の脳裏に、愛する恋人――リンの笑顔が過ぎる。
共に旧シェードのテロで家族を失った孤児であり、同じ保護施設の中で
いつも寡黙で冷淡に振る舞っていた衝矢に対し、リンは孤児という過去を感じさせない明るい少女であった。そんな彼女は衝矢にとって、悲しみに暮れていた自分の心を救ってくれる太陽のような存在であった。彼女を守りたい、守れる力が欲しいと願って来たからこそ、衝矢は今の実力に至ったのである。
対するリンも、真っ直ぐに強さを追い求める衝矢のひたむきさには強く惹かれていた。そんな2人が共に過ごして行くうちに距離が縮まり、結ばれて行くのは必然だったのだろう。
互いの純潔を捧げ合い、想いを遂げる仲に発展した2人はやがて、将来を誓い合うようになっていた。ノバシェードが壊滅して世界に平和が訪れたら、本当の家族になろう……と。
――あっ、はぁっ、はぁあっ……! 衝矢君、好きっ、大好きぃっ……!
――リンッ……俺もだ、リンッ……!
健康的で瑞々しく、溌剌とした彼女に相応しい褐色の柔肌。汗ばんだその裸身を抱き寄せ、濃厚に交わった夜のことは、今でも昨日のことのように覚えている。いつの日か戦いが終わった時は、避妊も止めて「最後」までしようと決めていた。
(ち、ちくしょうッ……! 俺は、俺はこんなところで……死ぬわけにはぁあッ……!)
その時が来るまで、自分は生き残らねばならなかったのに。死ぬわけには行かなかったのに。たったそれだけのささやかな願いを叶えるには、自分はあまりにも無力だった。その悔しさに、衝矢は仮面の下で唇を噛み締める。
「ふっ……」
「ははははっ……!」
そして。満身創痍となった装太と衝矢は、共に川へと墜落してしまった。血みどろになりながらも川を漂う2人。そんな彼らを見下ろし、パースヴェイダーとタバルは冷たく嗤っていた――。
【挿絵表示】
今話からはビッグ・ノア事件の「その後」を描いたエピローグ的なお話になって行きます。今話は作中でも度々触れられて来た、アルファチームの咲とリンの恋人である装太と衝矢について掘り下げるお話となりました。
彼らがD.A.S.T.に襲われ重傷を負ったというエピソードの詳細を、2人の回想という形で語って行く内容となっております。この辺のお話は当初の予定ではもっと短めに纏めるつもりだったのですが、書いてるうちに愛着が湧いて文量が少しだけ増えちゃいまして。前後編に分ける感じとなりましたので、彼らのお話は次回にも続きますぞ〜……(´-ω-`)
装太も衝矢もマス・ライダー通常型の装着者の中ではかなりの実力者であり、並のノバシェード戦闘員ならB.A.V.A.R.F.のメンバー達と同様に、簡単に蹴散らせちゃう強さです。しかしそんな彼らでもD.A.S.T.のスパルタンライダーには遠く及ばす……ということですね。
マス・ライダー通常型は、言うなればRGM-79ジムみたいなもの。特に尖った部分も無い、オーソドックスなスペックの外骨格となっております。軽装型と比べて防御力では優っていますが、それ以外の総合力では一歩劣る感じですねー……。そういったスーツの性能という面でも、スパルタンライダー相手ではキツいものがあったのでしょう_(┐「ε:)_
また現在、咲を考案された泥濡れ龍先生の3次創作「歪んだ純愛に堕ちるマス・ライダー達(https://www.pixiv.net/novel/series/12221546)がpixivにて公開されております! 咲と装太のイチャラブが中心となっているSS作品となっており、他のメンバー達も登場している賑やかな作品となっておりますので、機会がありましたらこちらもご一読ください〜(*´ω`*)
今話で言及された装太の叔父さんも、こちらの作品に登場しております。気になる方はそちらのエピソードもどうぞよしなに!m(_ _)m
加えて、G-20先生も新たな3次創作「【RC&レジガール二次創作】ノバシェード残党北欧某国ちはや山荘事件(https://syosetu.org/novel/354513/)」を公開されております。本作のビッグ・ノア事件から4年後の北欧某国が舞台となっており、B.A.V.A.R.F.をはじめとするノバシェード対策室らの奔走が描かれて行くものと思われますので、もしよろしければこちらもご一読くださいませm(_ _)m
さらにもう一つお知らせです! X2愛好家先生が連載されている3次創作「仮面ライダーAP外伝 Imitated Devil(https://syosetu.org/novel/316771/)」のエピソード「特別編 第4話 原初のG/白獣(https://syosetu.org/novel/316771/16.html)」に、アルファチームのトリニティがゲスト参戦しております! 舞台は本作のビッグ・ノア事件から約1年後。アフリカ大陸のナイジェリアに休暇で訪れていた彼女が、異世界からの侵略者・ハンドレッドに遭遇! さらにこのエピソードでは、彼女の「体質」に纏わる知られざる秘密が明らかに……!?
気になる方は、こちらもぜひご一読くださいませ〜! こちらの作品では、今話に登場した「仮面ライダーオルバス」こと忠義・ウェルフリットが主人公を務めておりますぞ!(*≧∀≦*)
またトリニティの活躍は、同じくX2愛好家先生が執筆された「九十九 光の気ままな実験録(https://syosetu.org/novel/357309/)」でも描かれております。マス・ライダー軽装型を遥かに超える「力」を得た彼女の「真価」が強烈に描写されておりますので、機会がありましたらこちらの作品もぜひご一読くださいませ……m(_ _)m
同作内のエピソード「開幕:MS(https://syosetu.org/novel/357309/3.html)」では、本来
B.A.V.A.R.F.はおろか対策室からも去ってしまった彼女の現在については、こちらの作品で描かれております。幻のC-6こと麗牙の存在が気になる方は、是非こちらの作品もご覧くださいませー!(*^ω^*)
Ps
風都探偵の劇場版楽しみですな〜(*^ω^*)