特務捜査隊エージェントライダーズ!-絶賛排卵中の危険日女捜査官達は特製媚薬になんか絶対に負けない!- 作:オリーブドラブ
◆
ノバシェードに所属する怪人研究者であり、組織随一の
――2021年2月中旬。日本関東地方某県某市郊外の山道奥地。
そこには「ノバシェード日本支部第55怪人研究所」と呼ばれる研究施設が隠されていた。市街地から遠く離れ、鬱蒼とした緑に彩られた山地。その地下に設けられているこの施設では、ノバシェードの研究員達による「実験」が行われている。
無骨な鉄壁に囲まれている最下層の実験場。その広大なフロアで「実施」されていたのは、血の通った人間の行為とは呼べない「悪魔の所業」であった。
壮絶な形相で事切れている若い女性達の遺体が、その一帯に死屍累々と横たわっている。そんな彼女達の骸を粘つくような凶眼で見下ろしているのは、醜悪な肉体を持つ怪人――否、「怪物」であった。
怪物の
上半身しか無い身体であることに加え、前腕部が異様に肥大化している奇妙なシルエットを持っているのだ。しかもその上半身だけの身体は、通常の怪人の数倍はある。
さらに肉体の下部の断面からは、下半身の代わりとして無数の触手を伸ばしているのだ。全ての触手が不規則に蠢くその様は、見る者の生理的嫌悪感をかつてないほどにまで刺激する悍ましさであった。
しかし上階の制御室からこのフロアをモニタリングしている白衣の研究員達は、見慣れた光景なのか眉一つ動かしていない。薄暗い制御室内で光を放つモニターの輝きが、怪物の冷酷な貌を照らし出している。
(……やはり今回も
この研究員達を率いている壮年の男性――第55怪人研究所所長・
実験場に佇む怪物の前で横たわっている女性達は皆、事切れたまま一糸纏わぬ裸身を晒していた。そんな彼女達の乳房に、怪物の幼体と思しき小さな化物が近寄っている。
(醜悪な怪物の子を孕み、産み落とす。その恐怖と絶望に耐えられる強靭な母体など、やはりそう簡単に手に入るものではないな。このままでは奴らを……「
そこで「見切り」を付けたのか、毛利はモニタリングを中断して席を立とうとする。
「も、毛利所長ッ! 大変です!」
「……何事だ」
「申し上げます! ノバシェード対策室にこのアジトを嗅ぎ付けられましたァッ!」
「なにィ……?」
するとこの制御室に、1人の研究員が慌てた様子で駆け込んで来る。彼の口から飛び出した「ノバシェード対策室」の名に、制御室内の研究員達は一斉にざわめいた。
昨年10月のビッグ・ノア事件以降、ノバシェード対策室の
「実験体の確保に向かっていた実働部隊の動向が対策室に捕捉されていたようです……! 現在も交戦中ですが、状況は最悪かと……!」
「なんだと!? 実働部隊の野蛮人共め、あれほど目立つような真似はするなと言っておいたのに……!」
「ええい、実験体の収集を急ぎ過ぎたか……!」
「しかも現場からの報告によれば、相手は女捜査官ばかりの部隊だとか……!」
この研究所で行われている「実験」のためには、妊娠・出産に適した若い女性の肉体が必要となる。そのため、この研究所に配属された戦闘員達で構成されている実働部隊は「実験体」に使える健康的な女体を確保するべく、この山を訪れる登山客を狙って誘拐を繰り返していた。
その犯行現場を対策室の捜査官達に押さえられ、戦闘に発展したというのだ。対策室に発見された実働部隊の迂闊さをなじる研究員達は、悔しげに顔を歪めている。そんな中、所長の毛利だけは冷静さを欠くことなく鋭く目を細めていた。
「女の集まり……もしや、ビッグ・ノア号の件でアレジアント・オーガを破壊した連中か? あの対策室の精鋭部隊も、確か女ばかりだったと……」
「まさか……我が組織でも噂になっている、あの『ファイブハンズ』の女達ですか……!? だとすると厄介ですぞ……! 我々にも『アレ』があるとはいえ、あのアレジアント・オーガを撃破出来るほどの連中と真正面からやり合うとなると……!」
「……ふ、ふふふ。はははははっ!」
「しょ、所長……!?」
ノバシェードの切り札となるはずだった、機甲怪人型移動要塞「アレジアント・オーガ」。その巨人すらも破壊した対策室の精鋭に嗅ぎ付けられたという絶体絶命の窮地だというのに、毛利は高らかに笑い声を上げている。そんな所長の姿に研究員達がどよめく中、当人は口角を吊り上げ怪しげに嗤っていた。
「これは良い……! 私の理想に相応しい実験体が向こうから来てくれたということではないか! これが笑わずにいられようか!?」
「所長、それはまさか……!?」
「実働部隊に連絡だ! 対策室の連中を引き付け、この研究所まで誘き寄せるように伝達しろ! お前達は私が指示する
「りょ、了解しましたッ!」
毛利の言葉からその真意を察した研究員達に、戦慄が走る。しかし所長の命令とあらば、迷う余地はない。研究員達は戸惑いながらも即座に動き出し、制御室がより慌ただしくなって行く。
「……足らぬ足らぬは工夫が足らぬ。よく見ておけよ
そんな部下達を一瞥しつつ、毛利は独り怪しげな笑みを溢す。自身と双璧を成す
その怪物の脳裏にはもはや、かつて人間だった頃の自我は残されていない。それでも、魂の芯に刻まれた一つの執念が、怪物の巨躯を突き動かしていた。
――ノバシェード対策室の女捜査官共……! てめぇらを孕ませるために、俺は生まれ変わった! 1人たりとも逃さねぇ……! 必ず俺の子を……てめぇらのデカケツから産ませてやるぜぇ……!
◆
日本関東地方某県某市郊外の某山。毎年多くの登山客で賑わう観光地として知られているこの地では最近、若い女性ばかりが姿を消すという奇妙な連続失踪事件が多発している。警察や消防が数千人体制で捜索に当たっても、全く手掛かりが掴めていない。それどころか、捜索に参加していた警察官までもが一部行方不明となる始末だ。
その山道の奥には、今では廃墟になっている古い洋館が残されており、近辺には悍ましい「怪物」が彷徨っているという噂も広まっているのだという。件の奥地で「怪物」を目撃した登山客達は皆、恐怖の余り口を閉ざしているらしい。
当初の行方不明者が全て「若い女性」である上、捜索に参加した警察官まで消息不明になっている。これら一連の事件が遭難の類であるとは考えにくい。
この事件に怪人犯罪の影を見たノバシェード対策室本部は地元警察からの要請を受け、
――
しかし、先のビッグ・ノア事件を解決したアルファチーム、ブラヴォーチーム、チャーリーチームの女傑達は今、世界各地を転戦していて手が離せない。そこで本部は、肝入りの新進気鋭――第4班「デルタチーム」と第5班「エコーチーム」を今回の任務に抜擢。対策室きってのエリート部隊に望みを託した本部は、彼女達を現地に派遣した。
すでに多くの実戦で華々しい戦果を挙げていた、デルタチームとエコーチーム。彼女達は昨年の12月に行われた特別合同訓練を欠席してでも、ノバシェードを追い続けていたほどの武闘派揃いだ。彼女達はこの事件を解決するべく、アメリカの本部からはるばる来日していた。
度重なる任務での消耗も厭わず早速現地の山に向かった彼女達は、地元警察と協力して事件の捜査を開始。それから間も無く、ノバシェード戦闘員達の怪しい動きを察知した彼女達は、事件解決に向けて動き出していた。
――山道の奥に潜む怪しい洋館。「妖魔峠の怪物館」と噂されている、その場所に隠された悍ましい恥辱と快楽の罠を知らぬまま。
◆
某山の山道付近に位置する採石場。そこは晴天の太陽に照らされ、鈍色の大地を露わにしている。そしてこの地では今まさに、ノバシェード対策室の女捜査官達と、野戦服に袖を通した戦闘員達による、熾烈な大乱闘が繰り広げられていた。
登山に訪れていた若い女性――女子高生達を誘拐しようとしていた戦闘員達が、その現場を対策室の女捜査官達に発見されたためだ。
怯え切った様子で肩を寄せ合っている、登山客達の前で。何人もの女捜査官達と戦闘員達が、青空の下で激しく拳を交えている。足場の悪い斜面でも双方は姿勢を崩すことなく走り回っては跳び回り、パンチやキックの応酬を続けていた。
「ぐぉおッ!? つ、強いッ……! 何なんだ、この女共はッ……!」
「この近辺で頻発していた連続失踪事件。やはりあなた達の仕業だったようね……ノバシェード」
「行方不明になっているのは若い女性の登山客ばかり。彼女達をどこに連れて行ったのか……洗いざらい話して貰うよ!」
しかし肉弾戦と称するには、この戦いはあまりに一方的であった。しかも、身体能力において生身の人間を上回っている「改造人間」であるはずの戦闘員の男達が、明らかに押されているのである。
すでに彼女達に打ちのめされた戦闘員達が、何人も地面に這いつくばっていた。野戦服を纏う屈強な男達が、苦悶の表情で横たわっている。
「ぐはっ……! 馬鹿な、俺達は腐っても改造人間なんだぞ……!? なんでたかが人間、それも女風情にいいようにッ……!?」
「こ、このアマッ! その変態スーツひん剥いてたっぷり可愛がってや――」
「たぁあッ!」
「――ぎゃあぁッ!?」
軽やかに地を蹴って宙を舞い、流麗なキックを繰り出して戦闘員達を蹴散らしている女捜査官達。彼女達はいずれも見目麗しい絶世の美女、あるいは美少女ばかりであり、とても改造人間を徒手空拳で打ち倒せるような捜査官には見えない。
しかし目の前で起きている事実として、彼女達は艶やかな髪を振り乱して鋭い蹴り技を繰り出し、戦闘員達を文字通り蹴散らしている。透き通るような柔肌に滲む輝かしい汗が飛び散り、絹のような髪がふわりと靡く。そしてたわわに実った乳房や桃尻が、絶え間なくぶるんぶるんと揺れ動いていた。
「あり得ないッ……! 新世代ライダーでもない……あんな生身の女共如きに、改造人間の俺達がッ……!」
彼女達に一蹴されて倒れ伏したまま、その光景を目の当たりにしている戦闘員達。彼らは鼻腔を擽る濃厚な雌のフェロモンに股間の逸物を滾らせながらも、悔しげに歯噛みしていた。この採石場に現れた彼女達の美貌に油断し、彼女達を逆に捕えようと目論んだ彼らは、いの一番に呆気なく蹴り倒されてしまったのである。
(それにしても……一体何なんだ、アイツらがコートの下に着てる服……服? あれ服って言っていいのか? インナースーツだとしても薄過ぎやしないか?)
(実はボディペイントなんじゃないか? ほとんど裸と変わらない……むしろ裸より恥ずかしい変態の格好じゃねぇか。あんな痴女に負けたとか人間に負けるより恥ずかしいんだが)
無様にも真っ先に敗北を喫した戦闘員達は、強く美しい女捜査官の肉体にぴっちりと密着した青いボディスーツを凝視している。
その極薄の繊維によって際立つ彼女達の扇情的なプロポーションに、彼らは揃って喉を鳴らしていた。黒や白のロングコートを羽織っている彼女達は、その下に肉体の曲線を浮き立たせるような極薄の強化服を纏っていたのである。
女捜査官達のプロポーション抜群な肢体に隙間なく密着している、青を基調とするボディスーツ型の特殊強化服。その極薄の繊維は女捜査官達の「生まれたままの姿」の曲線をありのままに浮き立たせており、さながらボディペイントのようですらあった。
豊かに実った柔らかな乳房の谷間も、鍛え抜かれ引き締まった腰回りも、安産型のラインを描いた臀部の割れ目までも。彼女達の肉体美を表現する全ての曲線が露わにされており、ロングコートを翻すたびに露わにされるその曲線美が、戦闘員達の視線を惑わせている。
「はぁああッ!」
「ぐはぁッ……!? な、なんだッ……!? なんで人間如きの蹴りにこんな威力が……ごぁッ!?」
黒や白のロングコートをふわりと靡かせ、艶やかな髪を揺らし、香しい汗を散らして。強く気高い女捜査官達は流麗な回し蹴りを繰り出し、戦闘員達を薙ぎ倒して行く。
極薄の強化服によって強調された彼女達の乳房や桃尻は、華麗なキックの反動でぶるんっと蠱惑的に揺れ動いていた。風に靡く絹のような髪から、フレグランスな芳香が漂う。凛然とした佇まいで戦闘員達と対峙する彼女達は、まさに現代の女騎士のようであった。
「このアマッ……ぐぉおっ!?」
「たぁあッ!」
「もう許さねぇッ、その綺麗な顔をブッ潰して……ぐはぁっ!?」
「ホワチャァアッ!」
女捜査官達の蠱惑的な身体に飛び掛かる他の戦闘員達も、その手首を掴まれ鮮やかに投げ飛ばされている。大振りなパンチを仕掛けた戦闘員の一撃も女捜査官の手刀で容易く防がれてしまい、カウンターのパンチやチョップで次々と沈められていた。
「くそッ……! こっちは腐っても改造人間なんだぞ!? 生身の人間、それも女如きにいつまでもナメられてたまるかッ!」
侮っていた女捜査官達に思わぬ苦戦を強いられ、焦燥に駆られる戦闘員達。そのうちの1人は改造人間の身体能力にモノを言わせようと、空高く跳び上がって頭上から攻撃しようとする。
「とぉぉおおッ!」
「……何ィッ!?」
しかしその男と対峙していた女捜査官は、戦闘員にも劣らぬ跳躍力で垂直にジャンプしていた。両手を伸ばして大きく跳び上がった彼女は、飛蝗の如く鮮やかに宙を舞う。
「馬鹿なッ……!? 人間如きがこの高さまで跳べるわけッ……!」
「たぁあぁあッ!」
「うぐぉあッ!?」
改造人間の自分に、ジャンプの高さで追い付いて来た女捜査官。その尋常ならざる脚力に意表を突かれた戦闘員は、顔面に華麗な飛び蹴りを喰らい、脳天から地面に叩き落とされてしまう。軽やかに着地した女捜査官は乳房と桃尻を上下に揺らし、艶やかな髪をふわりと靡かせていた。
「ちょこまかと動き回りやがって……! てめぇみたいな華奢な女、組み技に持ち込んじまえばこっちのもんだぜ!」
「……あらそう、なら試してみる?」
さらに別の場所では――真正面から戦闘員に飛び掛かった女捜査官が、がぱっと股間を大きく開き、相手の頭部を肉感的な太腿で挟み込んでしまう。そのまま股間をむにゅりと敵の顔面に押し付けた彼女は、戦闘員の首を太腿で完全に固定していた。
「んごあぁっ!?」
「お望み通りの……組み技勝負よっ!」
扇情的なラインを描く鼠蹊部と股間。顔面に伝わる柔らかなその感触と、芳醇な雌の匂い。それを愉しむ暇など、戦闘員には無かった。彼の頭を太腿で挟み込んだ女捜査官は、そのままくびれた腰を勢いよく捻り――フランケンシュタイナーの要領で、戦闘員の脳天を地面に突き刺してしまう。
「ぐ、が……!?」
「……
傍目に見れば「役得」だが、喰らっている本人は何が起きているのかも分からぬまま、意識を刈り取られてしまったのである。強烈な「幸せ投げ」にダウンした戦闘員は、そのままピクリとも動かなくなっていた。
――まるで、優雅にして勇壮な演劇のようであった。見目麗しい美女揃いの
すでに彼女達に倒されて地に這いつくばっている戦闘員達は、同胞達の劣勢に愕然とした様子で肩を震わせていた。改造人間の自分達が、生身の人間――それも女に、肉弾戦で負けているのだから。
「ば、馬鹿な……! 対策室の捜査官だからって、こんな、こんな女共に俺達がッ……!」
「……こんな女共、ですか?」
「ひっ……!?」
扇情的なボディラインをくっきりと強調している、極薄の青い強化服。その上に黒いロングコートを羽織っている女傑達の1人が、倒れ伏した男達の前にツカツカと歩み寄って来る。
鋭く冷酷な双眸で男達を睨む彼女は、引き締まった腰をくねらせて乳房や腿尻を揺らし、ハイヒール型の脚部装甲で地を踏み鳴らしていた。長くしなやかな美脚が、彼女の美貌にさらなる彩りを添えている。
「……一つ良いことを教えてあげましょう。その侮りこそが、あなた達の最大の『敗因』であり……『死因』です」
「ぐげぇっ!?」
「ひぃっ!?」
汚物を見るような眼で戦闘員達を見下ろし、艶やかな髪を掻き上げる女傑達の筆頭格――
ハイヒール型の脚部装甲でぐりぐりと頭を踏み躙られた男は、瞬く間に気を失っている。大陰唇どころか
「ちぃっ……いつまでも調子に乗ってんじゃねぇぞ、このクソアマ共がァァアッ!」
「……!」
そんな無慈悲な「追撃」を目の当たりにした他の戦闘員が、黒のロングコートを纏う女捜査官に背後から襲い掛かろうとしていた。しかし、その殺気を悟った女捜査官が鋭い表情で振り向いた瞬間。そこへもう1人の女捜査官が飛び込んで来る。
「残念だけど、そこまでよ」
白のロングコートを翻して現れた彼女は、怜悧な眼差しで戦闘員を射抜き、流麗な後ろ回し蹴りを繰り出した。優美で長く、肉感的な脚が大きな弧を描き、戦闘員の首に炸裂する。その衝撃で彼女の乳房と桃尻がぶるるんっと淫らに弾んでいた。
「がはッ……!?」
彼女達の肢体にぴっちりと密着しているボディスーツ。その極薄の繊維は、鼠蹊部の線までくっきりと見えるほどに女傑の柔肌に隙間なく張り付いている。
急所に後ろ回り蹴りを受けた戦闘員が気絶する直前に観たのは、その「絶景」であった。強化服を押し上げる豊満な桃尻の膨らみ。くっきりと浮き上がっている、
「……あら、ごめんなさい。足が滑ったわ」
華麗に着地しながら、倒れた戦闘員を冷淡に見下ろしている彼女は――
「相変わらず容赦ありませんね。改造人間でなければ死んでいますよ?」
「お褒めに預かり光栄。でも、あなたほどじゃないわ」
共に数々の難事件を解決した女傑達には、チームの垣根を超えた友情があるのだろう。肩越しに視線を交わした両チームの隊長達は、ふっと口元を緩めて微笑を浮かべている。その笑みには、互いに背中を預け合う「仲間」への信頼が表れていた。
「ち、ちくしょうッ……! 一体なんなんだ、このぴっちりスーツの変態女共は……!」
「あり得ねえッ……! 改造人間の俺達が生身の女に、徒手格闘でここまで遅れを取るなんてッ……!」
そんな彼女達の不敵な笑みを目にした戦闘員達は皆、恐れ慄くように後ずさっている。先ほどまで彼女達の肉体を組み伏せ、犯し尽くそうとしていた男達は、もはやそれどころではないという事実を生存本能で理解していた。それでも彼女達の暴力的な色香は雄の本能を強烈に刺激しているらしく、彼らの逸物は未だに熱く昂っている。
――そう。この場に現れたデルタチームとエコーチームの女捜査官達は皆、「排卵日」を目前に控えている身なのだ。子宮の最奥にある卵巣から排卵される、新鮮な卵子。その存在は、彼女達の肉体が今、最も「孕む」ことに適した状態であることを示している。極薄の強化服1枚の下には、そんな彼女達の淫らな裸身が隠されているのだ。
唯一露出している、彼女達の美しい顔。その瑞々しい頬を伝う汗に濡れた柔肌からは、雄の生殖本能を誘惑する濃厚な雌のフェロモンが分泌されていたのである。過酷な任務の中でしとどに汗ばむ彼女達の淫靡な体臭は強化服の内側で芳醇に熟成されており、その雌の匂いは露出している顔の柔肌からも滲み出ていたのだ。
凛々しい佇まいで勇敢に地を蹴り、華麗なキックを繰り出して戦闘員達を翻弄している美しい女捜査官達。彼女達はその澄ました顔とは裏腹に、雄を惑わす濃厚な雌臭を全身から分泌し続けているのである。
雄に「種付け」され、孕まされるために生まれて来たかのような、「男好き」の域を逸脱した暴力的なプロポーション。その扇情的な曲線美を余すところなく露わにしているボディスーツ型の強化服。そして、最も確実に孕める「危険日」であるというサインを、汗の香りや体臭で示している濃厚なフェロモン。
その全てが、戦闘員達の獣欲を刺激していたのである。彼らは自分達の睾丸から、獰猛な精子の大群がドクドクと大量生産されている事実を、下腹部の血流から感じ取っていた。
この雌を孕ませたい、この雌に子を産ませたい。その生殖本能に惑わされた男達は、やがて恐怖を忘れて女捜査官達に飛び掛かって行く。
「絶対に……絶対に許さねぇ。てめぇら全員、ぐちゃぐちゃに嬲り尽くしてやるッ!」
女捜査官達の汗ばんだ柔肌から匂い立つ、むせ返るように濃い雌の芳香。その蠱惑的なフェロモンに揺るがされた雄の情動は、「戦っても敵わない」という生存本能すらも凌駕していた。しかし、彼女達の淫らなカラダに手を伸ばす戦闘員達の指が、その欲望を叶えるのは容易ではない。
「ぐぎゃあぁッ!?」
「……道を開けよ、下郎共。余の『仕事』の邪魔じゃ」
デルタチームとエコーチームに属する、強く気高い女捜査官達。彼女達は下衆な戦闘員達を汚物を見るような眼で侮蔑しつつ、自分の近くにいる戦闘員を華麗に蹴散らしていた。
そして黒や白のロングコートを靡かせ、誘拐されかけていた登山客の女性達の側へと駆け寄って行く。鍛え抜かれ、細く引き締まった腰を左右にくねらせる彼女達は、ハイヒール型の脚部装甲で地を蹴り、豊満に実った釣鐘型の乳房や安産型の桃尻をぶるんぶるんと淫らに弾ませていた。
「……捕まえたァッ!」
「きゃあっ!? し、しまった、コイツまだッ……!」
その時、最後尾を走っていた女捜査官の背後から戦闘員の男が飛び掛かって来る。どうやら彼女達に蹴り倒された後も意識を保っていた者が居たようだ。一瞬の隙を突いて彼女の肢体に抱き付いた戦闘員は、太く逞しい手で豊満な肢体を撫で回し、乳房や桃尻を無遠慮に揉みしだく。
「さっきは随分と痛め付けてくれたじゃねぇか……! このお礼はキッチリ身体で返して貰わねえとなぁッ……!」
「は、離しなさっ……ぁんっ!? そ、そこはっ……はぁあっ!」
下から掬い上げるような厭らしい手付きで、戦闘員は女捜査官のカラダを指先で堪能し始めた。不意を突かれ愛撫を許してしまった彼女は、身を捩らせて振り解こうとするが、身体中を這い回る男の手に思わず雌の吐息を漏らしてしまう。
「やぁっ、やめなさっ……んんぅっ! そ、そこはっ……んはぁあっ!?」
「へっ、さっきまでの済ましたツラは気に入らなかったが……こうしてよがってみりゃ可愛いもんじゃねぇか。てめぇらも一皮剥けば雌に違いねぇってことよ!」
「……っ!」
女のカラダの「弱点」を知り尽くしているかのように、女捜査官の敏感な箇所を集中的に責め立てている戦闘員の指先。その手指がついに、甘く勃起しかけていた乳首や大陰唇に触れ、女捜査官は思わず甲高い嬌声を漏らしてしまう。
しかし、その屈辱の快感は即座に、この野蛮な愛撫への怒りに昇華された。蜜壺から分泌された、香しい愛液。下腹部から迸るその温もりに恥辱を覚えた彼女の頬が、羞恥と憤怒で桃色に染まる。
「へへへ……どれ、まずは1発この場でイかせてや……ぐほぉあッ!?」
「いい加減にしなさい、この変態ッ!」
戦闘員の太い指先が股間の秘所に食い込み、伸縮性のある極薄の繊維ごと、
ハイヒール型脚部装甲の鋭利な突起で眉間を突き刺された戦闘員は、たまらずダウンしてしまうのだった。スラリと伸び切った女捜査官の美脚が、蹴りの威力を物語っている。
「ぐは、あッ……! てめっ……せっかく、この俺が天国に連れて行ってやろうとッ……!」
「……あんたに連れて行かれる天国なんて願い下げよ、この下衆野郎っ!」
不埒な手段で一矢報いようとしていた彼を侮蔑の視線で見下ろした後、女捜査官達は気を取り直して登山客達の側に駆け付けて行く。そんな中、拘束からの愛撫を受けてしまっていた女捜査官は、戦闘員如きに絶頂させられそうになった恥辱に眉を顰め、頬を赤らめていた。
「……っ」
極薄の強化服の内側で濡れそぼっていた大陰唇は、戦闘員の指を悦んで咥え込みかけていたのである。その屈辱を振り切ろうと凛々しい面持ちで顔を上げた彼女は、仲間達の背中を追って登山客の元へと走り続ける。
そんな彼女の前を走る「同僚」の女捜査官達は、迫り来る戦闘員達を華麗な足技で蹴散らしていた。
「いやあみなさん見てるとやっぱり感じますよね、身体の違い。太らない体質とかありますけど、皆さんなんでそんな色々でかくなれるんですか」
「……」
「私もお尻デカいんですけど皆さん見てると自信なくなりますよ。毎日ご飯もちゃんと摂ってるのにどこで差が───」
「ちょっと、前見なさいよ前っ!」
「ぐほぁあぁっ!」
「――1名排除。もちろん見てますよ、プロですから」
「……わ、分かってるし、別に」
中には淡々と独り言を呟きながら、同僚達の扇情的なプロポーションをまじまじと観察している変わり者も居る。しかしそんな彼女も自称している通りの「プロ」であり、同僚が注意しようと声を上げた瞬間、眼前から迫る戦闘員を鮮やかなハイキックで蹴り飛ばしていた。そんな彼女を含む両チームの女捜査官達が、ようやく登山客達の前に辿り着く。
「きゃあっ……!?」
「……怖かったわね。もう大丈夫よ」
この採石場で繰り広げられていた壮絶な肉弾戦。その現場に居合わせていた若い女性の登山客達は、怯え切った様子で戦いの行方を見届けていた。そんな彼女達の前に颯爽と駆け付けた女捜査官達は、民間人を安心させるべく穏やかな笑顔を咲かせていた。
「心配しないで、彼らはもうあなた達には手出し出来ないわ」
「あ、ありがとうございます……って、
「なんで百合ちゃん先生がここに……っていうか、そのぴっちぴちのえっちな格好は一体っ……!?」
「私達はノバシェード対策室の
「地元警察にもあなた達の保護を要請してあるわ。もう少しの辛抱よ」
観光中に誘拐未遂事件の当事者となってしまった、女子高生の登山客達。彼女達は動揺した様子で、互いを抱き締め合っている。そんな彼女達に優しげな声色で語り掛けている女捜査官達は、聖母――あるいは王子様のような笑みを浮かべて、女子高生達の震える肩に手を置いていた。
「ま、まさかっ……あの優しい百合奈先生が、そんな仕事をしてたなんてっ……!」
「いつも穏やかで、争いごとなんて1番無縁そうだった百合ちゃん先生がっ……!?」
「……先生のこと、クラスの皆には内緒ね? 約束出来る?」
「は、はいっ……」
「ふふっ、よろしい」
女捜査官達の1人は以前、登山客の女性達が通っている高校の担任教師だったらしい。思わぬ場所に、思わぬ姿で現れた元担任を前にした女性達は、揃って目を丸くしている。「教師」の顔を持つ女捜査官はそんな生徒達の唇に細い指先を当て、穏やかに微笑んでいた。
「あなた達だけでも、必ず無事に帰して見せるわ。私達を信じて」
「はっ……はいっ……!」
「ありがとう、ございますっ……!」
先程まで冷徹な表情で戦闘員達を蹴散らしていた女傑達とは、まるで別人のようであった。それほどまでに眩しい彼女達の笑顔と、誰もが振り返る絶世の美貌に、登山客達は同性でありながら甘い胸の高鳴りを感じている。
(どうしようこの人達……! めちゃくちゃカッコ良いのに……! 首から下がえっち過ぎて頭バグりそう……!?)
(なんなの、この人達がコートの下に着てる服……服!? これ服って言っていいの!? こんなのもうほとんど裸じゃん! ていうか、裸より恥ずかしいでしょこれ……!)
(見てよあれ……! ぴっちぴち過ぎて乳首どころか……あ、
(う、うわぁ……! 百合ちゃん先生、いつものゆったりした服装でもはち切れそうなくらいのワガママボディだったけど……あのぴっちりスーツだと、もっと大変なことになっちゃってるじゃんっ……! いつも百合ちゃん先生を狙ってた
女捜査官達の勇姿と美しさに見惚れる登山客達は、すっかり緊張が解けた様子で彼女達の優美な手指を握っていた。女傑達の端麗な美貌に対する
「あ、あのっ……! その服……服? 寒くないん……ですか?」
「ふふっ、お気遣いありがとうございます。でも、心配は要りません。この強化服はこう見えて、防寒性能が非常に優れているのです。当たりどころにもよりますが、常人なら命に関わるような衝撃にも耐えられます」
「それにね、これを着ている時のわたし達はかーなーり強いんだよ。ノバシェードの改造人間にだって負ける気しないし」
登山中だった女性客達は、自分達が登山のために厚着になっていることもあり、女捜査官達の蠱惑的な姿に戸惑っているようだ。そんな彼女達に心配を掛けまいと、デルタチームとエコーチームの女傑達は気さくに微笑んでいる。
「ただその代わり、通気性が終わってるんだけどねぇ。だから脱いだ時はいつも蒸れに蒸れて汗びっしょり。下着なんて着てたら匂いが取れなくなっちゃう」
「でも、そこを差し引いても凄く優秀な装備なの。あなた達が心配する必要はないわ」
「へ、へぇ〜……そ、そうなんですかぁ……」
「……すっご。でっか……えっろ……」
彼女達が自信満々に胸を張った瞬間、極薄の繊維によって強調された豊満な乳房が上下にばるるんっと弾んでいた。その豊かな果実の弾力に、登山客の女性達は目を剥いてごくりと生唾を飲み込んでいる。
「ちょっと、ダメだってばやめなさいっ……!」
「で、でも
「さすがにこの素晴らしき美乳は……此方が揉まねば無作法と言いますか……」
彼女達も見目麗しい美少女――いわゆる「ギャル」なのだが、そんな彼女達から見ても女捜査官達の美貌とプロポーションは圧倒的だったようだ。強化服を押し上げる豊満な果実に、思わずワキワキと手を伸ばしてしまった女性客達が、隣の友人に腕を掴まれて嗜められている。
「まー気持ちは分かるよー。アタシもめっちゃ揉みたくなる時あるし! だいたい未遂で終わっちゃうんだけどさー」
「あはは……って、あなたっ……もしかして、あの『カヨ』ですかっ!? 超有名なギャル系インフルエンサーのっ!?」
「うえぇえっ!? ガチ!? うわっ、よく見たらガチでカヨじゃんっ!? あのカヨが捜査官っ!? ど、どどどういうことっ!?」
「ふっふーん……ギャル系インフルエンサーは世を忍ぶ仮の姿。本当のアタシはノバシェードという巨悪を挫く正義の特務捜査官なのだっ! ……まぁぶっちゃけるとさ、そんな奴が捜査官なんてフツー誰も思わないっしょ? だからこそ案外バレなかったりするんだよねー」
「は、はぁ……」
「そーゆーわけだからさ。百合ちゃん先生のついでに、アタシのこともフォロワーの皆には内緒ってことでよろ!」
どうやら女性客達に気さくに声を掛けていた女捜査官は、世間でも有名な「ギャル系インフルエンサー」としての顔を持っていたらしい。そんな彼女のフォロワーだった女性客達は圧倒された様子で、彼女からの「お願い」にこくこくと頷いていた。
「研究所にあの女共を誘き寄せろ!?」
「オイオイオイ正気かよ死ぬわアイツら! わざわざ奴らを呼ぼうなんて、自滅してえのか!?」
その一方。思わぬ劣勢に立たされている残りの戦闘員達は、自分達の
「知るか! たった今そんな指令が来やがったんだよ! アイツら研究のし過ぎでおかしくなっちまったんじゃねぇか!?」
「今さらかよ、あんなブッチギリでイカれた研究をシラフでやってるような奴らだぜ!? とにかく、そういう指令なら後はズラかるだけだ!」
「あんな変態女共の相手なんかまともにしてられっかよ! 急ぐぜッ!」
思いがけない指令内容に戸惑いながらも、戦闘員達は倒れた仲間を放置したまま採石場の岩壁をよじ登り、荷台に幌が被さっている大型トラックに乗り込んで行く。攫った女性を乗せるために用意していた車両なのだろう。
何台もの大型トラックに乗り込んだ彼らは、脇目も振らず砂埃を撒き散らし、この場から走り去って行く。その様子を目撃した女捜査官達は、鋭い表情で互いに顔を見合わせていた。彼女達の変貌に、登山客達も表情を強張らせる。
「……! 奴ら、あのトラックで逃げるつもりだわ!」
「我々デルタチームで彼らを追跡します。エコーチームは先に彼女達の安全確保を」
「了解。地元警察に引き継いだら、すぐに追うわ」
「ええ、後で合流しましょう」
デルタチームとエコーチームの隊長達は冷静に頷き合い、それぞれの班の行動を即座に決定する。デルタチームは逃走した戦闘員達の追撃に動き、エコーチームは登山客達の安全が確保されるまで採石場に留まることに決まった。
微かにだが、遠くからはパトカーのサイレン音が鳴り響いている。民間人の安全を優先する以上、エコーチームが行動を開始するには、地元警察の到着を待つ必要があるようだ。それまではデルタチームだけで戦闘員達を追わねばならない。
「聞いての通りです。私達で彼らを追いましょう! 急いで!」
「了解ッ!」
白いロングコートを羽織ったエコーチームの女傑達に見送られる中、隊長の女捜査官をはじめとするデルタチームの面々は、黒のロングコートを翻して走り出して行く。引き締まった腰を蠱惑的にくねらせて、豊満な乳房と安産型の桃尻を左右に揺らし、彼女達は崖に向かって疾走した。
「ハァッ!」
「トゥッ!」
そしてハイヒール型の脚部装甲で勢いよく地を蹴り、両手を伸ばして大きく跳び上がる。軽やかに空中で回転し、崖の上へと着地した彼女達を待っていたのは――青を基調とする、マッシブなシルエットを持つ大型バイク。
B.A.V.A.R.F.の全隊員に支給されている、水陸両用大型特殊車両「マシンGクルーザー
「よっ……と!」
「さーて、お仕事お仕事っ!」
そのバイクに颯爽と跨った彼女達は、即座にフルフェイス型のヘルメットを被りエンジンを始動させる。車体から迸る獰猛なエンジン音は、さながら武者震いのようであった。
「こんな事件を起こしている彼らの狙いが何なのかは知りませんが……逃がすわけには行きません。デルタチーム、私の後に続きなさい!」
「了解ッ!」
隊長の号令に勢いよく応える女捜査官達は前傾姿勢でハンドルを握り、安産型の桃尻をぷりんっと後方に突き出している。そんな雄に媚びるかのような姿勢のまま、彼女達は凛々しい表情で愛車を急発進させて行った。
轟音と共に採石場から走り去り、戦闘員達を追うデルタチーム。その筆頭である隊長はむっちりと実った桃尻を突き出しながら、ヘルメットの下で鋭く眼を細めていた。
「……この私達から逃げられるなんて、思わないことですね」
――「女性登山客連続失踪事件」改め、「妖魔峠の怪物館事件」。後にその名で記録されるこの事件は、B.A.V.A.R.F.の介入によって急展開を迎えようとしていた。
◆
鬱蒼と生い茂る自然豊かな森。その絶景に彩られた山道は今、怪人犯罪を巡る戦場と化していた。ノバシェードの戦闘員達が運転している何台もの大型トラックが、B.A.V.A.R.F.デルタチームに追跡されているのである。女捜査官達を乗せたGクルーザーIIは、曲がりくねった山道を難なく走り抜けて大型トラックを猛追していた。
しかし戦闘員達もただ逃げるだけではない。彼らは大型トラックの荷台を覆っていた幌を一斉に捲り上げ、その中に隠されていた4連装のロケット砲台を展開して来たのだ。彼らは全てのトラックに、迎撃用の重火器を搭載していたのである。デルタチームのGクルーザーIIを狙う砲口は絶え間なく火を噴き、追手を狙い続けている。
「ちっ……さすがに抵抗が激しいわね。もう接近戦は懲り懲り、ということかしら?」
「人であることを捨てた力に胡座をかいているだけの連中なんて、所詮はその程度。……無様なものね、ノバシェード」
左右に車体を振って砲撃をかわすデルタチームの女傑達は、着弾時の衝撃波を浴びても姿勢を乱すことなく、冷静沈着にハンドルを握り続けていた。改造人間としての膂力で攻めることを諦め、飛び道具での牽制に切り替えた戦闘員達に侮蔑の目を向ける彼女達は、紙一重で砲弾を回避し続けている。
「クソアマ共が、言いたい放題抜かしやがって!」
「おい、もっと弾幕を張れ! こんなヌルい攻撃じゃ奴らはくたばらねぇぞ!」
「弾幕ったって、奴らを研究所まで誘い込めって指令だっただろ!? 牽制射撃に留めて置かねえと……!」
「全員誘い込めとは言われてねぇんだ、ちょっとやそっと頭数を
「だ、だけどよ……! あの毛利妖月のお膝元で勝手な真似したら、後でどんな実験台にされるか分かったもんじゃ……!」
一方、大型トラックの荷台からロケット砲を操作している戦闘員達は、デルタチームの追撃から生き残るために相手の頭数を
「改造人間の俺達が生身の人間風情、それも女にビビってるなんて癪に障る話だがな! このまま近付かれたら、それこそこっちがお陀仏なんだ! ウダウダ抜かすのは生き残ってからにしやがれ!」
「お、おいっ!?」
「今に見てやがれクソアマ共……! ノバシェードの戦闘員を甘く見たらどうなるか、たっぷり思い知らせてやるッ!」
躊躇している砲手を押し退けた戦闘員達は、より正確な狙いでデルタチームを排除しようと照準を調整し始める。精度が増した砲撃が女捜査官達を襲い始めたのは、その直後のことだった。
「……ッ! 奴らの攻撃がさらに激しくなったぞ……!」
「今までは小手調べって感じ? ここからが
「ハッハハハ、てめぇら油断したな! どうやらその格好を見るに、仮面ライダー擬きの装甲服は用意して来なかったようだが……その甘さが命取りだぜ! 俺達を舐め腐ったこと、死ぬほど後悔しながらくたばりなッ!」
ノバシェード対策室の特務捜査官達に支給されている、仮面ライダーの外観を模した
「……ふふっ」
――だが、勝利を確信しているのはB.A.V.A.R.F.の女傑達も同じであった。戦闘員達の叫びを耳にした彼女達は、フルフェイス型のヘルメットの下で不敵な微笑を溢す。
「そう……あなた達には私達が丸腰同然に見えているのですね。面白いほどに
「なにィ……!?」
「改造人間は力と引き換えに知性でも犠牲にしているのかしら?
「何をウダウダと負け惜しみをッ! 今度こそ、そのバイク諸共ガラクタにしてやッ――!?」
自分達の手の内を知らない戦闘員達の無知を嘲笑うように、女捜査官達は冷ややかに眼を細めている。そんな彼女達の言葉を挑発と受け取った戦闘員達は、激情に身を任せてロケット砲を乱射しようとしていた。
「はぁッ!」
――すると、次の瞬間。先陣を切っている隊長をはじめとするデルタチームの全員が、同時に黒のロングコートを勢いよく脱ぎ捨てた。青い極薄の強化服によって露わにされている、彼女達の艶かしい肢体。その扇情的な曲線美が全て、白日の元に晒される。
肉体に隙間なく密着した強化服を着用するため、彼女達が
しかし彼女達は凛々しい表情を保ったまま、くびれた腰に装着されたベルト型エネルギータンク「マス・ライドル」を輝かせている。ヘルメットの下で不敵に微笑みながら、デルタチームの隊長は艶やかな唇をゆっくりと開いた。
「なぜ生身の人間の私達が、改造人間のあなた達に徒手空拳で優位に立っていたのか……まだ分かっていなかったとは滑稽ですね」
「ま、まさかてめぇら、その下に着ているのは……!?」
「インナースーツの類じゃねぇ……! てめぇら、最初からッ――!」
女捜査官達がロングコートの下に着ていた極薄の強化服。それこそが
「
デルタチームを率いる隊長の、その号令を合図に。女捜査官達は一斉に、蠱惑的な唇を開いて艶やかな声色で叫ぶ。
――変身ッ!
彼女達が口を揃えて放ったその「音声」が、トリガーとなっていた。それは文字通り、彼女達を「蒼き仮面ライダー」へと「変身」させるための信号だったのである。デルタチームとエコーチームに配備されている「後期生産型」の強化服には、敵の目を欺く
民間に普及している一般的なフルフェイス型のヘルメット
丸く大きな赤い複眼と、通信機能を担うV字のアンテナ。そして口元をシャキンと覆った、牙のような
さらに彼女達の強化服には、デルタチームの証となる黒い肩パッドとグローブが装着されている。アルファチームをはじめとする先輩捜査官達と同様、彼女達も肩パッドとグローブの色で各チームを分けているのだ。
肩パッドの色とそこに割り振られた番号が、彼女達のコードネームを表している。先頭を走っている隊長の強化服には、「I」と記された黒い肩パッドが装着されている。それは彼女が、デルタチームを率いる「
「あ、あれが……対策室の仮面ライダー擬き……!」
「あんな、裸より恥ずかしいぴっちりスーツの痴女集団がッ……!?」
ロングコートを脱ぎ捨て「変身」を終え、マス・ライダー軽装型の強化服を纏った姿を露わにしている女捜査官達。彼女達の淫らな勇姿を目の当たりにした戦闘員達は、ロケット砲を構えたまま戦慄している。
「……マス・ライダーシステム起動。戦闘オペレーション開始」
黒い肩パッドとグローブを輝かせ、GクルーザーIIのハンドルを握り締めている女傑達。彼女達は肉体に隙間なく密着した極薄の青い強化服で、自分達の蠱惑的な曲線美をこれでもかと言わんばかりに主張していた。身動ぎするたびに揺れ動く乳房や桃尻が、彼女達の雌の色香をさらに強調している。
「さぁ、お仕置きの時間ですよ……ノバシェードの下衆共」
そんな彼女達を率いるD-1――デルタチームの隊長は、仮面ライダーを模した鉄仮面の下で不敵に微笑む。仮面に隠された艶やかな唇が淫靡に塗れ、その内側に濃厚な雌のフェロモンが籠る。
彼女をはじめとするデルタチームの女捜査官達が、一斉に愛用の武器を取り出したのはその直後だった。展開された車体の内部から、各々が得意とする武装を手にした女傑達は、「狩り」の始まりを告げるように得物を構え始めて行く。
――鉄仮面に隠された彼女達の凛とした双眸。その瞳には、絶対的な「自信」が満ち溢れていた。自分達は誰にも負けないという、揺るぎない自負があった。
しかし、彼女達は知らなかったのである。
熱い精液を降り切った子宮で受け止め、その遺伝子で孕んだ子を、むっちりと実った安産型の桃尻から産み落とす。そんな雌としての本懐に最も適した「危険日」を迎えている自分達こそが、これから狩られる「獲物」なのだということを――。
皆様、大変お久しぶりです! 今話から新章の開幕であります。本章は昨年の自慰編(https://syosetu.org/novel/344846/30.html)からチラッと顔見せしていた、カズハ達の「後輩」に当たる次世代の女捜査官達にスポットを当てた外伝エピソードとなっております。
時系列としては、本編最終話(https://syosetu.org/novel/344846/25.html)のラストシーンから約1ヶ月後。本作最強の怪人達「
今のところは短めの連載となる予定ですが、仮面ライダーなら外せない(?)採石場での格闘戦から始まる彼女達の物語、最後まで見届けて頂ければ幸いです。ちなみに、手首を掴んで投げ飛ばしたり、大振りパンチを防いでからのカウンターだったり……というのは、昭和ライダーのアクションを意識しておりました(о´∀`о)
ちなみに、今回披露されたマス・ライダー軽装型(後期生産型)の装着シークエンスはもろに「シン・仮面ライダー」に影響されております。令和最新の解釈で描かれた初代ライダーいいですよね( ^ω^ )
また現在は、デルタチームの一員・
さらに、この作品に登場するライダーや怪人を募集する企画(https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=341138&uid=463582)(https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=341150&uid=463582)も開催されておりますので、機会がありましたらこちらも是非ご一読ください〜(*´ω`*)
また現在、アルファチームの一員・
加えて、G-20先生も新たな3次創作「【RC&レジガール二次創作】ノバシェード残党北欧某国ちはや山荘事件(https://syosetu.org/novel/354513/)」を公開されております。本作のビッグ・ノア事件から4年後の北欧某国が舞台となっており、B.A.V.A.R.F.をはじめとするノバシェード対策室らの奔走が描かれて行くものと思われますので、もしよろしければこちらもご一読くださいませm(_ _)m
さらにもう一つお知らせです! X2愛好家先生が連載されている3次創作「仮面ライダーAP外伝 Imitated Devil(https://syosetu.org/novel/316771/)」のエピソード「特別編 第4話 原初のG/白獣(https://syosetu.org/novel/316771/16.html)」に、アルファチームのトリニティがゲスト参戦しております! 舞台は本作のビッグ・ノア事件から約1年後。アフリカ大陸のナイジェリアに休暇で訪れていた彼女が、異世界からの侵略者・ハンドレッドに遭遇! さらにこのエピソードでは、彼女の「体質」に纏わる知られざる秘密が明らかに……!? 気になる方は、こちらもぜひご一読くださいませ〜!(*≧∀≦*)
また、トリニティの活躍は同じくX2愛好家先生が執筆された「九十九 光の気ままな実験録(https://syosetu.org/novel/357309/)」でも描かれております。マス・ライダー軽装型を遥かに超える「力」を得た彼女の「真価」が強烈に描写されておりますので、機会がありましたらこちらの作品もぜひご一読くださいませ……m(_ _)m
同作内のエピソード「開幕:MS(https://syosetu.org/novel/357309/3.html)」では、本来
B.A.V.A.R.F.はおろか対策室からも去ってしまった彼女の現在については、こちらの作品で描かれております。幻のC-6こと麗牙の存在が気になる方は、是非こちらの作品もご覧くださいませー!(*^ω^*)
加えて、リオンテイル先生も新たな3次創作作品「ある技術者の考察、または「スパルタン」についての所感(https://syosetu.org/novel/380617/)」を公開されております。新世代ライダーの装備開発に携わっていた技術者達の視点から、スパルタンシリーズの終焉を紐解いて行く物語となっております。こちらの作品もぜひご一読ください(о´∀`о)
また現在、ダス・ライヒ先生が公開されている作品「スーパーロボット大戦 無限戦争 設定集&外伝(https://syosetu.org/novel/272189/)」の一部エピソード(https://syosetu.org/novel/272189/36.html)には、D.A.S.T.の傭兵達が信奉していた「マルコシアン隊」の一員であるゾルダスパルタンことノクト・マグナギガが登場しており、彼の新たな活躍が描かれております。マルコシアン隊最期の突撃作戦「サンダーランス作戦」(https://syosetu.org/novel/128200/151.html)に身を投じていながらなおも生き延びていた彼は、新たな戦場をどのように駆け抜けるのか。機会がありましたら是非ご一読ください!(*≧∀≦*)
Ps
探偵、エージェント、刑事……今年のニチアサはスーパー捜査タイムですね(о´∀`о)