※この作品はR-18です。

特務捜査隊エージェントライダーズ!-絶賛排卵中の危険日女捜査官達は特製媚薬になんか絶対に負けない!-   作:オリーブドラブ

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◆今話の登場ライダー

◆タバル/仮面ライダーSPR-22S2トマホークスパルタンSpecII(スペック・ツー)
 北欧某国の元陸軍軍曹であり、傭兵部隊「D.A.S.T.(ダスト)」の隊員。自分達の「隊長(ボス)」と共にノバシェードに協力しており、すでに対策室の特務捜査官(エージェント)を10人暗殺している。仮面ライダーのシルエットを想起させる旧式強化外骨格の最新改修機(スペック・ツー)を着用しており、超高熱ビームトマホークとブラウン基調のボディが特徴となっている。リンの恋人・衝矢の右腕を斬り落とした、彼女にとっての因縁の仇敵。年齢は35歳。身長は218cm。

◆ゾイレン/仮面ライダーSPR-28S2アシッドスパルタンSpecII(スペック・ツー)
 北欧某国の元陸軍曹長であり、傭兵部隊「D.A.S.T.」の隊員。自分達の「隊長」と共にノバシェードに協力しており、すでに対策室の特務捜査官を11人暗殺している。仮面ライダーのシルエットを想起させる旧式強化外骨格の最新改修機(スペック・ツー)を着用しており、硫酸弾搭載式グレネードランチャーと紫基調のボディが特徴となっている。トリニティの対戦相手。年齢は37歳。身長は215cm。

◆パースヴェイダー/仮面ライダーSPR-24S2ブラスタースパルタンSpecII(スペック・ツー)
 北欧某国の元陸軍少尉であり、傭兵部隊「D.A.S.T.」の隊員。自分達の「隊長」と共にノバシェードに協力しており、すでに対策室の特務捜査官を12人暗殺している。仮面ライダーのシルエットを想起させる旧式強化外骨格の最新改修機(スペック・ツー)を着用しており、旧式のビームガンとマゼンタ基調のボディが特徴となっている。咲の恋人・装太の全身をビームガンで撃ち抜いた、彼女にとっての宿敵。年齢は34歳。身長は211cm。



第4話 雪辱、運命、報い

 

 大型貨物船「ビッグ・ノア」の船体を揺さぶる荒波はますます激しさを増し、雷雨は絶えずこの海原に降り注いでいる。そんな嵐の海を漂う無数のGクルーザーIIは、痺れを切らしたようにエンジンを始動させていた。

 

A-1(アルファ・ワン)! こちらB-1(ブラヴォー・ワン)よ、応答して! ……ダメだわ、繋がらない。アルファチームからの定時連絡が途絶えたということは、やはりあの船で何かが起きているようね……!」

「カズハ達、無事でしょうか……」

「奴らは簡単に殺られるようなタマではない。いずれにせよ……あそこに行けば分かることだ」

 

 アルファチームの定時連絡が途絶したことにより、待機していたブラヴォーチームとチャーリーチームが動き出したのである。GクルーザーIIのハンドルを捻る女捜査官達は、雄の生殖本能を煽る安産型の桃尻をぷるんっと後方に突き出し、前傾姿勢になる。両チームの女捜査官達が装着している緑と黄色の肩パッドが、豪雨の雫を絶えず弾いていた。

 

 柔らかな双丘をシートにむにゅりと擦り付ける戦乙女達は、エンジンの熱が伝播したかのように体温を昂らせていた。強化服の繊維に閉じ込められた彼女達の裸身が、スーツの内側でしとどに汗ばみ、密閉された繊維内で熟れたフェロモンを熟成させる。そして彼女達を乗せた無数のGクルーザーIIは、猛烈な勢いで走り出していた。

 

「ブラヴォーチーム、突入開始! アルファチームの救援に向かうわ!」

「チャーリーチームも出動するぞ! アイツらにだけ良い格好をさせるなッ!」

 

 両チームの隊長は号令を揃え、一斉に愛車を急発進させる。そんなリーダー達の後に続き、残る捜査官達もGクルーザーIIを走らせていた。彼女達の乳房と桃尻が反動でゆさっと弾んだ瞬間、B.A.V.A.R.F.の総力を挙げた戦いが幕を開ける――。

 

 ◆

 

 豪雨が降り頻るビッグ・ノアの甲板(デッキ)。幾つものコンテナが塔のように積み上げられているその周辺では、B.A.V.A.R.F.アルファチームとD.A.S.T.の対決が始まっていた。

 

 しかし先ほどまでカズハ達があしらっていた戦闘員達とは違い、D.A.S.T.のスパルタンライダー達は個々の練度も性能もアルファチームの面々を凌駕している。

 操舵室のモニターを通じて戦法を分析されていたこともあり、彼女達は劣勢を強いられていた。すでに定時連絡の時間は過ぎているが、一瞬の通信に割ける暇すらない。

 

 ブラウン基調のボディを特徴とする、「SPR-22トマホークスパルタン」。その名を冠する外骨格の「最新改修機(スペック・ツー)」を纏ったタバルという男は、熱線の刃を持つ戦斧――超高熱ビームトマホークを振るい、対戦相手のリンを追い詰めている。

 

「おらおらァッ! どうしたどうした捜査官様ァ! お得意の剣術披露はもうおしまいかァ〜!?」

「くッ、うぅッ……! こいつ、なんて馬鹿力……あぅッ!」

 

 本来、トマホークスパルタンは高周波振動刃(ヴァイプロブレード)の戦斧を使用する機体なのだが、ノバシェード製であるタバルの外骨格は、より高火力なビームトマホークを使えるように改修されているようだ。

 

 ビームソードはビームトマホークよりも出力で劣り、リンはタバルよりも単純なパワーで劣っている。「武器」においても「使い手」においても、タバルの方が圧倒的に優勢なのだ。

 

 そのパワーを活かした猛烈な連続攻撃に対し、リンはビームソードでの防御に徹することを余儀なくされている。ビームトマホークの一撃をビームソードの光刃で受け止めるたびに、リンの巨乳と桃尻が反動で大きく揺れ動いていた。タバルの規格外な腕力に押され、彼女は何度も後ずさっている。

 

「ハハハッ、見てくれ通りにひ弱だなァッ! このままじゃあ、うっかり簡単にぶった斬っちまうぜェッ!?」

「こ、のッ……うるさいッ! いつまでも良い気になってんじゃ……あぐぅッ!?」

 

 しかし、力任せにビームトマホークを振り回すタバルの動きは非常に単調であり、読みやすい。そこに勝機を見出したリンは、ビームトマホークの一閃をかわして反撃の刃を繰り出そうとしたのだが――咄嗟に彼が繰り出した膝蹴りを喰らい、大きく吹っ飛ばされてしまう。

 

「あうッ!」

「へへっ、とうとう逃げ場も無くなっちまったなァ? やっぱ、実体剣の高周波ブレードなんざ時代遅れなんだよなァ。これからはビーム兵器の時代よォ」

 

 コンテナに背中から叩き付けられた彼女は、苦悶の声を漏らしながらもなんとか立ち上がるが、すでに息は絶え絶えとなっていた。そんなリンにとどめを刺そうと、タバルはビームトマホークを振り翳して一気に突っ込んで来る。

 

「……さぁて、楽しいチャンバラごっこもそろそろお開きにしようかねェ。この前も1人、腕1本(・・・)斬り落としただけで取り逃しちまったことだし……今度は最後までキッチリ仕留めてやらねぇとな!」

「……ッ!」

 

 その迫力は凄まじいものであり、歴戦の捜査官でも戦意を喪失しかねないほどのプレッシャーを生み出していた。しかしそんな窮地の中であっても、リンは諦めることなく冷静な双眸で、タバルの動きを観察している。

 眼前に迫り来るタバルが、自身の恋人――衝矢の右腕を斬り落とした因縁の宿敵であると悟っていながら。彼女はそれでも怒りに我を忘れることなく、鋭い眼差しでタバルの挙動を射抜いていた。

 

(衝矢君っ……!)

 

 過去に何度も激情に駆られては足元を掬われ、生命と貞操の危機を味わって来たのだ。その度に、アルファチームの面々をはじめとする仲間達に助けられ、間一髪のところで切り抜けて来た。

 もうこれ以上、新人だからといって皆に迷惑は掛けられない。そんな自分のままでは、想い人に相応しい人間にはなれない。自分はもう、今までの無鉄砲な自分ではない。そんな決意が、彼女の凛とした双眸に顕れていた。

 

「女を斬るのは好きじゃねぇんだが……そっちから向かって来るんじゃあ、しょうがねーよなぁあッ!?」

(……あの斧のエネルギーも、奴自身のパワーもこっちを遥かに上回ってる。まともに(・・・・)競り合っても勝ち目はない。……だったら!)

 

 力勝負では絶対に勝てない。リンはそれを承知の上で立ち上がると――大上段から振り下ろされたビームトマホークの一閃を、自身のビームソードで受け止めてしまう。横一文字に構えた光刃で、熱線の戦斧を迎え撃ったリンは、タバルの圧倒的なパワーで押し切られそうになっていた。

 

「くうぅッ……!」

「ハッハハハ! 無駄だ無駄だ、お前の細腕で俺の斧を止められるわけがねぇーだろうが! 自分の剣で焼き切られちまいなッ!」

 

 リンが両手で構えているビームソードは徐々に押され、その光刃が使い手であるリン自身に迫ろうとしている。このままではビームトマホークよりも先に、リンのビームソードによって彼女の肉体が焼き切られてしまうだろう。

 だが、そんな絶体絶命の窮地だというのに。当のリンはタバルの威勢を鼻で笑い、仮面の下で口角を吊り上げていた。

 

「……確かに、私の力ではこの斧を止めることなんて出来ない。でも……それが何?」

「なにィッ……!?」

 

 膂力の差など問題ではない。そのように豪語する彼女はギリギリまで追い詰められた瞬間、ビームトマホークをいなすように身をかわしてしまう。突然のことに体勢を崩されたタバルは、そのまま前のめりの姿勢となり、ビームトマホークを床に突き刺してしまった。

 

「……だぁあッ!」

「なァッ……!?」

 

 一方、リンはタバルの斬撃をいなしつつ、そのまま流れるように身体を回転させ、ビームソードでの一閃を繰り出していた。その光刃はビームトマホークの()を切り落とし、熱線兵器としての機能を破壊してしまう。

 この戦斧はビームソードより出力は上だが、刃の部分以外は熱線を帯びていない。彼女はその弱点を狙っていたのだ。タバルが衝矢の右腕を斬り落としたように、リンの光刃がタバルの得物を断ち斬ったのである。

 

「お、俺の斧がッ……!?」

「……ふんッ!」

「ぐはッ!?」

 

 自慢の得物が破壊されたことに驚愕する暇もなく。痛恨の「意趣返し」を受けたタバルは下顎を勢いよく蹴り上げられ、そのまま崩れ落ちるように転倒してしまう。スラリと伸びたリンの美脚は爪先までピンと伸び切り、天に向かって突き上げられていた。

 

「覚えておきな。どんなに優れた武器を持っていようが、自分の得物に気を取られているうちは『2流』だということを」

「は、ははっ……! じゃあ、これが『1流』の技だってのかいッ……! なんとも地味な……ライダーキック、だぜッ……!」

 

 そのI字開脚によって鼠蹊部に深く食い込んだ強化繊維は限界まで張り詰めており、大胆に開かれたリンの股間にぴっちりと張り付いている。彼女は鼠蹊部に密着した繊維の圧迫感に甘い吐息を漏らしながら、ゆっくりと蹴り足を下ろす。そして首の骨を折られ絶命して行くタバルを冷たく見下ろし、踵を返した。

 

「……あんたみたいな猪突猛進のバカには分からないだろうけどね。戦いの世界は、力だけが全てじゃないんだ」

 

 自分よりも「格上」の怪人達に立ち向かって来た、生粋の特務捜査官(エージェント)である彼女にとって。武器の威力に頼っていたタバルなど、初めから敵ではなかったのだろう。

 

「……衝矢君。私、やったよ……!」

 

 雪辱を果たし、衝矢の無念を晴らしたリンはビームソードを待機状態に戻すと、ゆっくりとその場を後にするのだった。引き締まった腰をくねらせて歩く彼女の巨乳と桃尻が、ゆさっと上下に弾んでいる。

 

(……衝矢君。この戦いが終わったら……いつか絶対に、君と……)

 

 そんな中。雷雨の空を独り仰ぐリンは、そっと下腹部に手を添える。「排卵期(はらみごろ)」を迎えているその奥の子宮からは、新鮮な卵子が排卵されようとしていた。

 近い将来、愛する衝矢が無事に快復した時。いつの日か、この戦いが終わった時。この卵子で彼の精子を受け止め、彼の子を孕み、産む。そんな未来に思いを馳せて微笑を浮かべるリンは、愛おしげに下腹部に指先を添え、ゆっくりと撫で回していた。

 

 ――だが、彼女はまだ知らない。衝矢との逢瀬では決して味わえないような絶大な快楽は、この純愛さえも容易く塗り潰してしまうのだということを。その快楽を齎す非情な罠が、この先に待ち受けているのだということを。

 

 彼女の瑞々しい肉体に、初めての「受精」を経験させる相手は――衝矢ではないのだということを。

 

 ◆

 

 自身の武器の威力に頼り切っているのは、タバルだけではない。紫基調のボディを持ち、硫酸弾を搭載したグレネードランチャーを携行している「SPR-28アシッドスパルタン」。その鎧の「最新改修機(スペック・ツー)」を装着しているゾイレンという傭兵も、己の力を誇示するかのように硫酸弾を乱射していた。

 

「ほらほらァ、もっとしっかり避けないと当たっちまうぞぉ? 俺の硫酸弾に1発でも当たれば、どんな装甲でも一瞬でお陀仏なんだぜぇ? ましてや、そのピッチピチな強化服じゃあ……なおさらだよなぁ?」

 

 わざと僅かに狙いを外し、対戦相手のトリニティを翻弄するかのように硫酸弾を連射するゾイレン。彼が撃ち放つ弾頭が床やコンテナに命中した瞬間、その着弾点で弾けた硫酸が全てを焼き、溶かして行く。重装甲のボディさえ簡単に溶かす威力なのだ。元々の防御力が極めて低い、極薄の強化服である軽装型ではひとたまりもない。

 

「……この程度で勝った気になってるの? こんなの、当たらなければどうってことないんだけど……」

 

 そんなゾイレンの蛮行に眉を顰めるトリニティは、アクロバットに跳び回って硫酸弾をかわしながら、愛用のサブマシンガンで激しく撃ち返していた。自身の安眠を妨げる不躾な敵兵に対し、戦場育ちの美少女は無垢な殺意を向けている。

 

「……厄介な装甲だなぁ。こっちの攻撃は全然通らないのに、あっちの攻撃は一度でも当たったら即死……。これじゃあ、ゆっくり眠れもしない」

 

 だが、ゾイレンが纏うアシッドスパルタンの装甲は非常に重厚であり、トリニティが撃ち放つサブマシンガンの弾丸など全く通さない。彼女の弾雨を難なく受け止めるゾイレンの装甲に、トリニティは忌々しげに口元を歪めていた。

 

 相手の攻撃が1発でも当たればこちらは即死。しかしこちらは何発当てても効果が無い。何という不条理だろうか。その如何ともし難い苦境に立たされていたトリニティは、いつしかコンテナを背にするところにまで追い詰められてしまう。

 

「……っ!」

 

 塔のように高く積み上げられているコンテナ。その1段目に背中をぶつけた瞬間、乳房と桃尻をぷるんっと揺らしたトリニティは思わず仮面の下で目を剥いてしまう。このままでは、敵の硫酸弾による死を待つばかりだ。

 

「……」

「へっ……どうやら、とうとう年貢の納め時らしいな? その美味そうなカラダがドロドロに溶けちまうのは勿体ないが……これも『運命』ってヤツだッ!」

 

 そんなトリニティを嘲笑うように、ゾイレンはとどめを刺そうとグレネードランチャーの引き金を引く。だが、その砲口から硫酸弾が飛び出す瞬間――トリニティは背にしていたコンテナを蹴り、大きく跳び上がった。撃ち出された硫酸弾はそのまま真っ直ぐに飛び、コンテナの1段目に炸裂してしまう。

 

「……ッ!」

「ぬッ……!?」

 

 華麗に宙を舞い、側方宙返りの要領でゾイレンの頭上に跳ぶトリニティ。大胆に開脚して足の爪先をピンと伸ばしている彼女は股間をがぱっと大きく開き、空中で側方に身体を回転させながら、ゾイレンの真上を飛び越そうとしていた。

 

 だが、ゾイレンも彼女の動きを捕捉している。空中では身動きが取れないのだから、今度こそ逃げられない。そう踏んだ彼は確実にとどめを刺そうと、自身の頭上に跳んだトリニティを狙い、グレネードランチャーを真上に向けた。

 

「……バァカがッ! お前の動きは見えてんッ……!?」

 

 そしてその勢いのまま、間髪入れず引き金を引いたのだが。真上に撃ち出された硫酸弾は、発射した直後にその場で(・・・・)爆散してしまう。弾頭がそこで弾けたことによって振り撒かれた硫酸は、そのままゾイレンの頭上に降り掛かるのだった。

 

「……見えてるのは、こっちも同じ」

 

 開脚倒立のように、空中で体勢を反転させていたトリニティ。彼女はゾイレンの頭上を通過する瞬間、真下にいる彼に向かってサブマシンガンを構えていたのだ。

 

 ゾイレンが真上に居る自分を狙って来ることまで読んでいたトリニティは、自分に向けられたグレネードランチャーの砲口に、サブマシンガンの銃弾を撃ち込んでいたのである。

 その結果、ゾイレンは自らが撃った硫酸弾の効果を、自分の全身で受け止めてしまったのだ。頭上から降り掛かって来た硫酸のシャワーに全身を焼かれたゾイレンは、苦悶の声を上げてのたうち回る。

 

「うごあぁああッ!? ち、ちくしょうッ、俺の酸がぁああッ!」

「……自分の酸で焼かれるのはどんな気分? 痛いかなぁ、苦しいかなぁ?」

 

 どうやらアシッドスパルタンの重装甲も、自分の硫酸弾を喰らうことまでは想定していなかったらしい。装甲ごと肉体を溶かされ、苦しみもがくゾイレン。そんな彼を冷ややかに見つめるトリニティは紙一重で硫酸をかわし、くるりと回転して華麗に着地していた。その弾みで、彼女の乳房と桃尻がゆさっと躍動する。

 

「こ、このクソアマがアァアァッ……! もう許さねぇッ! 刺し違えてでもブッ殺してやァアァアるッ!」

「……好きにしたら? そんな暇があれば、だけど」

「な、なんだとォッ……!?」

 

 トリニティの煽りに怒る狂うゾイレンは、全身を焼かれながらも憤怒に身を任せて立ち上がる。そして今度こそ彼女を仕留めようと、再びグレネードランチャーを構えるのだが――トリニティはそんな彼を相手にする様子もなく、踵を返してしまった。

 

 無防備に背を向け、細く引き締まった腰をくねらせて歩き出すトリニティ。そんな彼女がふりふりと左右に振っている桃尻に、ゾイレンが思わず目を奪われた瞬間。突如、近くに積み上げられていたコンテナの塔が、ゾイレンに向かって倒れ始めた。

 

「……!」

 

 先ほど、ゾイレンがコンテナの1段目に向けて撃っていた硫酸弾。その効果で1段目のコンテナが溶解したことにより、そこに積み上げられていたコンテナの塔が崩れようとしていたのだ。何重にも積まれていた巨大なコンテナ。その大きな影が、ゾイレンの全身に迫って来る。

 

「し、しまっ……うぎゃあぁあぁああーッ!」

 

 気付いた時には、何もかもが手遅れだった。激しい轟音と共に倒壊したコンテナの塔は、そのままゾイレンを下敷きしてしまうのだった。彼の絶叫が轟くと同時に、そのボディをコンテナが押し潰して行く。

 

「……それが、あなたが今言ってた『運命』ってヤツ。満足した?」

 

 如何に強固な外骨格といえども、硫酸を浴びて装甲を溶かされた上、これほどの質量をぶつけられては耐えられるはずもない。ゾイレンの無惨な最期を見届けたトリニティは、肩越しに冷たく吐き捨てていた。

 

 ◆

 

 一方、別の場所でも間もなく「決着」の瞬間を迎えようとしていた。旧式のビームガンを携行している、マゼンタ基調の外骨格「SPR-24ブラスタースパルタン」。

 

 その鎧の「最新改修機(スペック・ツー)」を纏ったパースヴェイダーという男は、コンテナの陰に隠れている咲を燻り出そうとするかのように愛銃を突き出し、熱線を連射している。巨大なコンテナすら簡単に貫通するビームガンの熱線に、対戦相手の咲は防戦一方となっていた。

 

「……いつまでそうやって逃げ回るつもりだ? こちらの弾切れでも待っているのだろうが、生憎俺の残弾(エネルギー)はまだまだ尽きん。無駄な抵抗は死への恐怖を延ばすだけと知れ」

 

 タバルやゾイレンとは違い、相手をいたぶることを楽しむタイプではないのだろう。物陰に身を隠している咲に対して苛立ちを露わにしている彼は、手にしているビームガンを撃ち続けながら、徐々に距離を詰めようとしていた。

 

 そんな彼の様子をコンテナの陰から冷静に観察し続けていた咲は、機は熟したと言わんばかりに起動装置(デバイス)を握り締め、ビームソードを出現させる。次の瞬間――彼女は乳房と桃尻をばるんっと豪快に弾ませ、物陰から一気に飛び出して来た。

 

「……心配しなくてもいいよ、もう逃げ回る必要はない。テメェのビームガンの弾速は見切った。装太君に大怪我させた罪……今度こそ償わせてあげる」

「ふん、あの川に落ちた死に損ないのことか? 生き延びていたというのなら、むしろ感謝して欲しいくらいだがな。言っておくが……陸軍最優と謳われた天才技師、エドゥアルド・オリクルカム中佐が設計したこのスパルタンシリーズには、死角など存在しないッ!」

 

 這うような低い姿勢でビームソードを構え、勢いよく駆け抜けて来る咲。そんな彼女の動きを捉えたパースヴェイダーは、瞬く間にビームガンを構えて引き金を引く。正確無比な彼の射撃は、超高速で地を蹴る咲の眉間を確実に捕捉していた。

 

 だが――咲が振るう光刃はその熱線を、容易く弾き返してしまう。これまで誰にも破られたことがなかった自分の射撃が、「量産型の装着者(マス・ライダー)」如きに弾かれてしまった事実にパースヴェイダーは驚愕していた。

 

「……!? バカな、この俺のビームがッ……!」

「はぁあぁあぁあッ!」

 

 こんなバカな、こんなことがあるはずがない。そんな「焦燥」を剥き出しにして、パースヴェイダーはビームをさらに連射する。急所への狙いを読まれるなら、先に手脚を撃ち抜いて動きを止めようと考えるが――咲の反射神経は使い手の意識よりも疾く彼女の手を動かし、眩い光刃で熱線を弾かせていた。

 

(この女……出来る(・・・)ぞッ! 装太とかいう捜査官を川に落としてしまい、殺り損ねた時といい……まさかこの俺が、ここまで手こずることになるとはッ!)

 

 いくらビームを連射しようとも、どれほど正確に狙おうとも、その全てを的確に斬り払いながら迫って来る咲。そんな彼女に距離を詰められたパースヴェイダーは、ここに来てようやく咲を「強敵」と認識する。

 かつて蜂の巣になるまで撃ち抜いていながら、紙一重のところで取り逃してしまった「装太」という男性捜査官(マス・ライダー)。その男とは桁違いの「強敵」が、パースヴェイダーに肉薄していた。

 

「ええいッ……舐めるなぁあッ!」

「……ッ!」

 

 そして、咲が目前に迫って来たところで――パースヴェイダーは咄嗟に、ビームガンの銃身下部に仕込まれていた熱線の短剣(ビームナイフ)を突き出したのだが。咄嗟の反応でその一閃をかわした咲は、すれ違いざまに横一文字の光刃を振り抜くのだった。

 

「ぐぉ、あッ……!」

「……そんな付け焼き刃、私には通じない!」

 

 薙ぎ払うように振るわれたビームソードの一閃。その刃は、パースヴェイダーの上半身と下半身を水平に斬り分けていた。吹き飛ばされた彼の上半身が、豪雨に濡れた床の上にべしゃりと墜落する。次いで、残された下半身もふらつき、ばしゃりと倒れてしまった。

 

「……く、ふふっ。みご、とだッ……! やっと……俺も、皆が待つ地獄(あそこ)へッ……!」

 

 確実な「死」が近付く中、パースヴェイダーは血反吐を吐きながらも咲の剣技に精一杯の賛辞を送る。それは、死地に身を置く傭兵なりの矜持だったのかも知れない。しかしそんな彼の最期さえも、咲は仮面の下で冷ややかに見下していた。

 

「ふ~ん、この程度なんだ……弱っ。装太君の足元にも及ばない雑魚の分際で、よく私と装太君の愛を引き裂こうと思ったよね。ふざけんなよ……テメェ」

 

 妖しい輝きを放つ赤いビームソード。その光刃を収め、デバイスを待機状態に戻した咲は踵を返し、ゆっくりとこの場から立ち去って行く。

 

(……装太君、奴に「報い」は受けさせたよ。怪我が治ったら……また一緒にデートに行こうね。一日中……ずっと……)

 

 引き締まった腰つきによって際立つ特大の爆乳と安産型の巨尻が、たぷんたぷんと左右に揺れ動いていた。蠱惑的に腰をくねらせる彼女は、その極薄の強化服に隠された裸身から、淫らなフェロモンを滲ませている。

 

(早く……欲しいな。装太君との、赤ちゃん……)

 

 仮面の下で想い人との逢瀬を夢想し、妖艶な微笑を浮かべている咲。彼女はうっとりと目を細めて、「排卵期(はらみごろ)」を迎えている下腹部に優美な指先をそっと当てていた。愛する男との将来に思いを馳せる彼女は、自身の純潔を奪った彼の逸物を思い浮かべ、頬を紅潮させている。

 

 1mを超える特大の爆乳も、安産型の巨尻も。オッドアイの瞳も、艶やかな唇も。白く透き通るような柔肌も。そして、長年に渡って育んで来た愛情も。全て想い人に捧げるためだけに在るのだと、彼女は信じて疑わない。

 今この瞬間も子宮の奥から排卵されている卵子は、愛する男の精子だけを受け入れるためのもの。この肉体も心も、彼だけのもの。その愛情が揺らぐことはないのだと、咲自身は確信している。

 

 ――だが、彼女はまだ知らない。愛する男と一つに溶け合う逢瀬さえ、遥かに凌駕するほどの快楽が、この世には在るのだと。その快楽を以て、一途な純愛など容易く破壊してしまう恥辱の罠が、この先に待ち構えているのだと。

 

 自分の身体と心はこれから、愛に生きる1人の「女」から、快楽に溺れる1匹の「雌」に躾けられるのだと。そして――彼女の胎内に熱い白濁を注ぎ込み、初めての「受精」を経験させる男は、装太などではないのだと。

 





 今回は傭兵部隊のダークライダー達との戦い……の前半戦! 前話で蹴散らした雑魚戦闘員とは違ってかなりの強敵でしたが、何とか勝利! 次回はダークライダー達との後半戦となります! アルファチームの快進撃はまだ終わらないっ!٩( 'ω' )و

 また現在、咲を考案された泥濡れ龍先生の3次創作「歪んだ純愛に堕ちるマス・ライダー達(https://www.pixiv.net/novel/series/12221546)がpixivにて公開されております! 咲と装太のイチャラブが中心となっているSS作品となっており、他のメンバー達も登場している賑やかな作品となっておりますので、機会がありましたらこちらもご一読ください〜(*´ω`*)

 さらにもう一つお知らせです! X2愛好家先生が連載されている3次創作「仮面ライダーAP外伝 Imitated Devil(https://syosetu.org/novel/316771/)」のエピソード「特別編 第4話 原初のG/白獣(https://syosetu.org/novel/316771/16.html)」に、アルファチームのトリニティがゲスト参戦しております! 舞台は本作のビッグ・ノア事件から約1年後。アフリカ大陸のナイジェリアに休暇で訪れていた彼女が、異世界からの侵略者・ハンドレッドに遭遇! さらにこのエピソードでは、彼女の「体質」に纏わる知られざる秘密が明らかに……!? 気になる方は、こちらもぜひご一読くださいませ〜!(*≧∀≦*)

 また、トリニティの活躍は同じくX2愛好家先生が執筆された「九十九 光の気ままな実験録(https://syosetu.org/novel/357309/)」でも描かれております。マス・ライダー軽装型を遥かに超える「力」を得た彼女の「真価」が強烈に描写されておりますので、機会がありましたらこちらの作品もぜひご一読くださいませ……m(_ _)m
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